「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

水俣で、いのちを紡いで暮らす ①

2008年05月31日 | エコ/グリーンツーリズム、地域づくり
出水水俣周辺の農家をいくつか訪ね歩いた。

酪農家の鈴木さんの牧場を訪ねる。戦後の食糧増産期に開拓農民として牧場を始めた鈴木さんだが、他の開拓酪農家と同じく、設備への初期投資、乳価の下落、政府の場当たり的な農業政策などの影響で、ずーっと借金を抱え、生活は楽ではないという。

朝のお忙しい時間に搾乳機での搾乳体験をさせてもらった。牛の巨体におっかなびっくりしながら搾乳機をつける我々に対して、鈴木さんはテキパキと作業を進め、牛の糞尿が飛び交うなかでも牛に対してはとても優しく接している。

「この人は慣れないところを触られると嫌がるから」とか、「子牛が乳を飲むように体を寄せてあげて」とか、牛に対して我が子のように愛情を込めて話しかけるので、聞いているこちらも微笑ましい気持ちになる。

おいしい牛乳とアイスクリームを頂いて失礼したあと、車で5分ほど走って熊本県水俣市に入り、その一番奥で有機農業を営む森下さんの農場へ卵をもらいにいく。

「農作業より認証の書類作りがたいへん」と話す森下さんは、飲み残しのビールや、出荷できない牛乳、柿酢、魚のアラなどに黒糖を加え、地面に半分埋めた甕でそれぞれ発酵させては、作物の具合を見ながら畑に肥料として撒くなど、いろいろと工夫しながら取り組んでいる。

ニコニコしながら説明してくださる森下さんを見ていると、自然の恵みを利用しながらシンプルでも愉しんで農のある暮らしを営んでいる様子が分かる。なんとなく心豊かに暮らしているように見えるのは、豊かな周囲の自然相手に暮らしているからだろうか。

九州の山の自然の恵み

2008年05月29日 | Slow Life
スロービジネススクール(SBS)有志による「ハッピースローバスツアー」の第一弾。

第一日目は、鹿児島県の出水市上羽地区にある、SBS元SBS2期生の宮田さんの別荘へ。ここは、熊本県との県境の、標高600mほどののどかな高原地帯。

宮田さんは、ここを拠点に、「スローカルチャースクール」なるものを年に5~6回開き、自然をテーマにしたイベントやキャンドルナイトなど、1回に子連れの5~6家族15-20人ほどが参加している。

宮田さんはご自身でも4人のお子さんがいて、旅行もイベントも、子ども含めて家族全員が参加でき、家族同士も交流できるものを、という想いで進めている。

元高校教員で、今は胎児性水俣病患者など障碍を持つ方の施設で働いている宮田さんは、参加者にも細かくご配慮をしてくれて、本当に人を大切にしてくださっていることが感じられる。

今回は、医、食、農などをテーマに旅をしたいと伝えていた我々の意向もあり、自然を活かした食とセルフケアに取り組む橋之口みゆきさんを講師に迎え、春の野草料理やヨモギオイルによる自然療法など、自然の恵みを頂いて、自らのいのちを大切にする、という企画を開いてくれた。

味わったものは、スギナの混ぜご飯、カラスノエンドウやヨモギの天ぷら、筍の網焼きなど。旬を活かした食事がならび、焚き火を囲んで夕日を見たり、星空を眺めたりと、九州山地の自然を満喫。

宮田さんのネットワークを中心に20人ほどの人が来てくれるなど、人とのつながり、自然とのつながりの豊かさを感じる一日だった。

泡盛工場めぐり!

2008年05月21日 | 沖縄の旅案内
沖縄では47酒造所と1組合が泡盛を製造販売している。日本酒と同じように、各地で地元の酒があり、工場の規模や作り方により、原料(タイ米と黒麹、酵母、水)は殆ど同じなのに、微妙に違う味になるのがオモシロイ。

3月から5月まで、北部酒造組合ができて50周年になるのを記念して、恩納村以北の北部組合加盟の酒造所において、期間限定でスタンプラリーを始めたとのこと。伊平屋、伊是名の離島を含め、北部にある11酒造を周ってスランプを集めると、スタンプ3つで2号瓶、6つで4号瓶、11箇所全部回ると一升瓶がもらえる!!(1つの瓶と引き換えに台紙は回収)

普段見れない酒造所まで見れて(※一部の酒造所は見学不可。スタンプのみ)、おまけに酒までもらえるとなると、スタンプラリーをやらない手はない。伊平屋旅行を計画していたこともあり、調子に乗って連れ合いと酒造所めぐりを始めた。

先の土曜日は、一日で恩納、金武にある酒造所を3軒回り、お酒を頂いた。この2ヶ月に訪れたのは、
・龍泉酒造、津嘉山酒造、山川酒造、今帰仁酒造、伊平屋酒造所、ヘリオス酒造、金武酒造、崎山酒造、恩納酒造の9つ。
国頭の田嘉里、伊是名島の伊是名(以前行ったことあるけど)だけ行けなかった・・・。残念。

金武の観音寺

2008年05月20日 | 沖縄の旅案内
格式高い琉球八社の一つ、金武の観音寺鍾乳洞に行った。

静かな境内に入るとこじんまりとした本殿があり、心静かにお参りができる雰囲気。線香を上げるところをふと見ると、「(普通の線香が5本くらい横に繋がった形の)沖縄線香は火力が強いので点火して使わないでください。」という沖縄ならではの注意書きがあり、微笑ましい。しかし、点火せずに線香を使う人がいるのだろうか・・・?

線香台の隣には、おみくじ20円とある。物価が20年くらいさかのぼった感じ。これはお手軽、と思って引いてみたら、なんと裏に英訳が書いてある。さすが米軍基地に隣接する街。おみくじまでチャンプルー文化を表している。

このお寺が有名なのは、境内にある鍾乳洞で金武酒造の泡盛が熟成させられていること。1万円で5年間貯蔵してくれて、古酒になったものを送ってくれるサービスがある。この鍾乳洞こそが琉球八社の金武宮として祀られているものだが、いまやすっかり中は泡盛に占拠されている。ざっと4000~5000本はあると思われる。

きっと沖縄の神様だから神様もお酒好きで、さぞかし喜んでいるだろうな。

ビオスの丘

2008年05月19日 | 沖縄の旅案内
沖縄本島中部にあるテーマパーク「ビオスの丘」に行ってみた。

蘭の農家が大規模に始めたという自然公園のようなテーマパーク。広大な園内はキレイに手入れされてあちこちに蘭が植えられ、広い池でカヌーをこいだり、解説つきのボートクルーズが出たり、水牛車に乗れたりする。

入場料と30分のボートクルーズで1200円するので、本島北部の原生的な自然を歩くのに比べてコストパフォーマンスがどうか、という点はあるが、お金に余裕があって、ノンビリと適度に沖縄の自然に触れたい、という方にはまあまあでしょう。

うるまの島々

2008年05月18日 | 沖縄の旅案内
うるま市には、伊計、宮城、平安座、浜比嘉、藪地(無人島)の橋で繋がった島と、船で15分の津堅島という島がある。

平安座島は、1970年代に広大な石油基地が建てられた島で、集落よりも石油基地のほうが幅を利かせている。昔は、ヤンバルと那覇を結ぶ船の船大工がいたり、海人がいたりと、船乗りの島として有名だったらしい。

宮城島は、今では伊計島への通過点となりつつあるが、中央部にこじんまりと昔ながらの集落がある。また、島の中央部の高台(タカハナリバンタ)からの眺めは素晴らしい。向かいの伊計島を取り囲む蒼い海が見える。

伊計島は、先端にリゾートホテルがたつ海中道路終点の島。殆どの観光客は、伊計ビーチやリゾートホテルを目指し、幹線道路から外れた昔からの伊計集落はひっそりと佇んでいる。

浜比嘉島は、琉球開闢の祖といわれる、アマミチュー、シルミチューの遺跡が残る島。特に、シルミチューが隠れ住んだといわれる洞窟を祀った拝所は、島の一番奥のひっそりとした木立の中に神秘的な雰囲気を残している。

島には、浜集落と比嘉集落の二つの集落があり、小学校は比嘉集落に、中学校は浜集落にあるのがオモシロイ。集落を歩けば、小さいながらも、あたいぐわーと呼ばれる自家菜園や、赤瓦による木造家屋など、昔ながらの雰囲気をよく残している。

集落をノンビリ散歩している途中、民家に囲まれた狭い路地の奥に見える蒼い海がなんともたまらない雰囲気だ。橋ができて本島から人が多く訪れるようになっても、このような雰囲気は変わって欲しくないなあ。

中城城

2008年05月14日 | 沖縄の旅案内
世界遺産の中城城を訪れた。遺跡の城壁のカーブが見事。よく見ると、石積みの積み方も、時代によってそれぞれ異なる3つの積み方が見て取れます。

城跡の内部には、久高島を拝むところ、首里の方向を拝むところなど、合わせて八個の拝所があるらしい。城壁からは太平洋と東シナ海の海を臨むことができます。

伊平屋島へ③

2008年05月10日 | 沖縄の旅案内
早起きして伊平屋島の朝日を見た。水平線から昇るか、沖縄本島から昇るか、はたまた与論島から昇るか、と思っていたら、隣の集落とを隔てる山の尾根から昇りました・・・。まあ、すがすがしい朝日が拝めたということで^^;

その後、島の港からも見える虎頭岩の頂上へ登り、伊平屋を一望。山あり、田もあり、そして360度の青い海ありと、絶景である。

ただ、立ち話をした島の人が言っていた、
「こんな自然しかない島じゃ、日々、誰かの入学祝だ、葬式だとかばかりで、旅に出ようとか、夢を持って大きなことを成し遂げようということは、いつしかしなくなってしまった」
という言葉が思い出される。

自然の豊かなところで暮らしつつ、夢を追いかけたいと思っているからだろうか。都会と自然、様々な表情を見て来た身として、どう折り合いをつけていくか。。。。

ところで、島の周りの海岸では、モズクの養殖が盛んである。その養殖場の近くで水遊びをしていると、ふとみると、海底のサンゴや岩に、勝手にモズクが生えている。ちょっとつまんでみると・・・塩味が効いて歯ごたえがあり、うまい!もうちょっとだけ拝借・・・。文字通り、採れたてのきれいな海の幸を頂きました。

伊平屋島へ②

2008年05月08日 | 沖縄の旅案内
伊平屋島二日目は、朝から島を自転車でサイクリング。青い海越しに見る伊是名島、沖縄本島が旅情をそそる。

水田が広がる田名の集落では、青々とした稲の香りが気持ちいい。立派な枝振りの念頭松や、天岩戸伝説が残るクマヤ洞窟では、定番の記念撮影。岩場のクマヤ海岸でシュノーケルしたら、色とりどりの魚がすぐ近くに見えた。

島の最北端、久場山から与論島を見たあと、西海岸を南下。途中、一箇所でヤギが大量に放牧(?)されていたが、右手はどこまで行っても、蒼く美しい海にリーフが広がる。まさに手付かずの大自然。

折からの暑い日ざしもあり、伊平屋をほぼ一周した米崎海岸で海に飛び込む。砂地でもかなりいろいろな魚と遭遇できる。泳ぎ飽きたらいよいよ、野甫大橋を渡って野甫島へ。のどかな雰囲気の野甫商店、こじんまりとした集落を抜けて、畑の中を風を感じながら走り抜ける。

結局、伊平屋島+野甫島の一周48Kmくらいを泳いだり観光したりしながら9時間で一周。その後、ホテルにしえのボリューム満点のご飯をたらふく頂き、乾杯。