出水・水俣周辺の農家をいくつか訪ね歩いた。
酪農家の鈴木さんの牧場を訪ねる。戦後の食糧増産期に開拓農民として牧場を始めた鈴木さんだが、他の開拓酪農家と同じく、設備への初期投資、乳価の下落、政府の場当たり的な農業政策などの影響で、ずーっと借金を抱え、生活は楽ではないという。
朝のお忙しい時間に搾乳機での搾乳体験をさせてもらった。牛の巨体におっかなびっくりしながら搾乳機をつける我々に対して、鈴木さんはテキパキと作業を進め、牛の糞尿が飛び交うなかでも牛に対してはとても優しく接している。
「この人は慣れないところを触られると嫌がるから」とか、「子牛が乳を飲むように体を寄せてあげて」とか、牛に対して我が子のように愛情を込めて話しかけるので、聞いているこちらも微笑ましい気持ちになる。
おいしい牛乳とアイスクリームを頂いて失礼したあと、車で5分ほど走って熊本県水俣市に入り、その一番奥で有機農業を営む森下さんの農場へ卵をもらいにいく。
「農作業より認証の書類作りがたいへん」と話す森下さんは、飲み残しのビールや、出荷できない牛乳、柿酢、魚のアラなどに黒糖を加え、地面に半分埋めた甕でそれぞれ発酵させては、作物の具合を見ながら畑に肥料として撒くなど、いろいろと工夫しながら取り組んでいる。
ニコニコしながら説明してくださる森下さんを見ていると、自然の恵みを利用しながらシンプルでも愉しんで農のある暮らしを営んでいる様子が分かる。なんとなく心豊かに暮らしているように見えるのは、豊かな周囲の自然相手に暮らしているからだろうか。
酪農家の鈴木さんの牧場を訪ねる。戦後の食糧増産期に開拓農民として牧場を始めた鈴木さんだが、他の開拓酪農家と同じく、設備への初期投資、乳価の下落、政府の場当たり的な農業政策などの影響で、ずーっと借金を抱え、生活は楽ではないという。
朝のお忙しい時間に搾乳機での搾乳体験をさせてもらった。牛の巨体におっかなびっくりしながら搾乳機をつける我々に対して、鈴木さんはテキパキと作業を進め、牛の糞尿が飛び交うなかでも牛に対してはとても優しく接している。
「この人は慣れないところを触られると嫌がるから」とか、「子牛が乳を飲むように体を寄せてあげて」とか、牛に対して我が子のように愛情を込めて話しかけるので、聞いているこちらも微笑ましい気持ちになる。
おいしい牛乳とアイスクリームを頂いて失礼したあと、車で5分ほど走って熊本県水俣市に入り、その一番奥で有機農業を営む森下さんの農場へ卵をもらいにいく。
「農作業より認証の書類作りがたいへん」と話す森下さんは、飲み残しのビールや、出荷できない牛乳、柿酢、魚のアラなどに黒糖を加え、地面に半分埋めた甕でそれぞれ発酵させては、作物の具合を見ながら畑に肥料として撒くなど、いろいろと工夫しながら取り組んでいる。
ニコニコしながら説明してくださる森下さんを見ていると、自然の恵みを利用しながらシンプルでも愉しんで農のある暮らしを営んでいる様子が分かる。なんとなく心豊かに暮らしているように見えるのは、豊かな周囲の自然相手に暮らしているからだろうか。