「つながり」の旅 in Paris ~ 人と人、自然、地域との「つながり」 ~

人・自然・地域との「つながり」をテーマにした旅や暮らし(エコツーリズム、スローライフ等)について日々の想いを綴ります。

安曇野での気付き

2009年09月30日 | 農のある暮らし
・好きなことは素直にやっている人は自然体で楽しそう。
 だからこそ、周りに人も集まってきて、人とのつながりを
 生かして、活躍している。好きなことを、小さな一歩でも踏み出すべし。

・苦しい時はあっても、希望を持って頑張って続ければ成就する。
 植物の育成と同じ。種をまいてすぐには芽が出なくても、本来
 持っている命の生き方を手助けすることで、花が咲き実を結ぶ。

・良い人だと思えば、将来の自分と思い手本にする。
 嫌な人と思えば、これまで自分にもあった欠点だと思い、
 学びの材料とする。

・多くの人に素直に学ぶ。いろいろな見方を学んでいるうちに、
 人の考えを借りるのではなく、自分の言葉で自然としゃべれる
 ようになる。特に、自然農のように、相手の本来持っている
 興味や態度に応じ、相手の身になって最適な話をすることができる。

・農業は、仕事であり、暮らしであり、趣味である。

・飼い犬は飼い主に似るように、農作業にも人柄が出る。
 種を蒔き、水を遣り、大事に育てていく、その過程で作物を作る人の
 愛情が伝わり、その人となりが育ち方や味となって表れてくる。

安曇野ワークキャンプ③

2009年09月24日 | 農のある暮らし
ワークキャンプの目玉が5軒の農家に分かれての農作業体験。

私は、「農業は、暮らしであり、仕事であり、趣味です」と穏やかにアツい胸の内を語ってくれた桧原さんの桧農園へ。なんと、おじいちゃん含め、ご両親と桧原さん含め3世代が5年前に新規就農し、果樹を中心にやっているとのこと。

生涯現役でいられる農業を家族3世代でやりたかった、という家族思いの桧原さん。どのように環境負荷をかけないでやるか自ら勉強される姿勢や、「土と向き合うといろいろと考えますよね」という照れ笑いにも、農業に対するひたむきな思い入れが伺える。

そんな桧原さんと行ったのは、マコモダケ収穫。これ、キノコの一種かと思ったら、なんとイネ科なんです!

水を落としたばかりの田んぼのようにぬかるむ圃場へ行くと、稲を高さ2mくらいにしたようなもの植わっている。足をぬかるみにとられながらこれらの中から、実が膨らんだ食べ頃のものを探し出し、収穫する。おまけに、採った後も、タケノコ以上に何重にもなっている皮を手で剥いて、中の若竹のようなマコモダケを取り出す。この苦労はやった人じゃないと分からない…。

収穫したマコモダケは、皮をむいて小さく切り天ぷらにしたり、やわらかい部分は刺身にしたり、はたまたバター炒め風にフライパンでいためたり、抜群の味わい。
その後は、自然農の人参畑で、若芽が雑草に負けないようにひたすら草取り。

そんな作業の合間に、桧原さんのお話を聞いた。忙しい割に収入は思うようにいかず、苦労もたくさんあったろうが、桧原さんの言葉には、今は好きなことをやっているという充実感が感じられる。

疲れた顔してカネのために働いている東京のサラリーマンに比べたら裕福ではないだろうが、自分の現在の仕事に誇りと愛着を持って活き活きと仕事している。それは、生きるために必要な食料を生産していることにも由来しているのだろうか。

やっぱり、農のある暮らしは、楽ではないかもしれないが、魅力的な生き方である。

安曇野ワークキャンプ ②

2009年09月24日 | 農のある暮らし
2泊3日ワークキャンプは大まかに言ってこんな感じでした。

ブルーベリー畑の手入れ
 …乾燥を嫌うので、木くずで根元を覆い水をたっぷりと
たき火パン作り(写真)
 …竹の先に発酵させていないパン生地を塗りたくり、たき火で焼く。
  丁寧に均等にあぶってないと黒く焦げてしまい、意外と難しい。
グループごとに分かれて農作業
 …マコモダケ採りと人参畑の草取りでした
長峰山ハイキングと3日間のシェアリング
 …山頂からは、黄金色の安曇野が一望できる絶景

もちろん、野菜たっぷりのおいしい食事と、
にぎやかな宴会がついてきたことは言うまでもありません。
いただきました。(←「ごちそうさま」の長野方言)

安曇野ワークキャンプ①

2009年09月23日 | 農のある暮らし
信州・安曇野の地球宿という旅人の出会いの宿を舞台にした、
ワークキャンプ in 安曇野」http://azuminoworkcamp.blog38.fc2.com/
に参加してきました。

「生きることは食べること」をテーマに、農的暮らしを仲間と体験しながら、食や農にまつわる勝利の夢などを考えるワークキャンプで、10代~40代まで、約30人ほどの仲間が集まっていました。

農や食に興味があったり、旅が好きで将来は旅人が集う出会いの場としてのカフェや宿を作りたかったり、という同じような関心ごとを持つ人たちなので、話もははずみ楽しい三日間でした。

久々に訪れた安曇野は、澄み切った秋空に稜線も冴え、里では赤く実ったリンゴと黄金色の稲穂がアクセントを添え、とても気持ち良い雰囲気でした。

大田市場は東京の台所

2009年09月08日 | 小さな旅
築地と並ぶ東京の台所、大田市場に見学に行ってみた。大井町から湾岸を南下し、チャリで25分ほど。羽田空港を離陸する飛行機を間近に望む大田市場は、青果・花卉を中心に、海産物や乾物まで揃っている。

正門脇の事務棟からは、ガラス越しに外が見える見学通路が伸びていて、辿っていくと、果物・青果→屋上経由水産物市場へと約40分の見学コースが楽しめる。

あいにく早起きができず、セリの時間には間に合わなかったが、広大な市場内には、ぶどう、じゃがいもなど、旬の野菜や果物が無造作に山積みしてあり、今の時期に何がよく獲れるのかわかる。

水産物棟では、大きなマグロを三枚におろしたり、電動のこぎりで冷凍マグロを板材のようにカットする光景も見られる。こちらは、一般の人らしい人も買い物に来ているように見える。

歩き疲れたところで、青果棟と水産物棟の間にある関連棟で遅めの朝食。ここには、乾物や文房具を扱う店があったり、食堂や喫茶店が並んでいる。

その中の三洋食堂でボリュームたっぷりの朝食。マグロの刺身と生ホタテフライ、または生さんまフライとワラサの照り焼きがついた市場定食900円。

東京の台所はなかなか楽しめました。

正木高志さん ~韓国巡礼

2009年09月06日 | Slow Life
一昨年、神の国・出雲から、核燃料再処理工場のある六ヶ所村へと歩くことを通して、核に汚染された海や傷つけてきた自然に想いを馳せ、平和を祈ろうという「Walk9」を行った正木高志さんが、このたび韓国で「Walk9」を行う。

正木さんは、沖縄の平和祈念公園を訪れた際、沖縄戦の悲惨さに衝撃を受けたらしい。さらに、その戦死者の中に、朝鮮から強制連行された労働者1.4万人が含まれていたことにに胸を痛め、韓国を訪れた。

韓国では、高齢者の日本への厳しい眼差しも感じたが、価値観や文化を同じくする若者世代と交流し、大いに刺激を受けた。しかし、世界各国への旅を続けてきた正木さんも、韓国の若者から、
「なんで今まで、すぐ近くの韓国には来なかったのか?」と言われて答えに詰まった。

過去、日本に大陸文化を伝えてきた韓国・朝鮮に対し、無意識のうちに目を逸らせてきたのではないか。弥生時代以来、多くの人が朝鮮半島から渡ってきて、現在の日本人や日本という国家のかなりの部分を作ってきたのに、朝鮮出兵や植民地化など、恩や繋がりを忘れ、彼の地を支配しようとしてきた近代日本人。

このような歴史や価値観を見直し、ともに大地とつながることを体感する「歩く旅」を通して、悲惨な過去の歴史やそれに対する韓国の人の話を聞き、謝罪し、心を通わせ、平和に基づく未来への新たな関係を作りたい~それが「韓国巡礼」のテーマだ。

正木さんの夢は、この思いが多くの若者に共有され、日本の人々が、憲法9条を国民投票で改めて選びなおすこと。

これは必ず、分断された朝鮮半島や、民主化の熱を内に抱える中国、中国と緊張関係にあるインド、そして中印に挟まれたチベットの人々に希望を与え、ひいては世界の平和に貢献する。

「西洋文明は戦争と環境問題をもたらし、それにより自滅の道を歩んでいる。」
「ある問題を引き起こした同じマインドセットで、その問題を解決することはできない。」

これら先人の言葉を踏まえ、正木さんは以下のように語る。
・環境問題は、東洋文明に底流するNative Mindが解決のカギとなる。
・戦争問題も、日本の憲法9条を有する北東アジアがカギになるだろう。

考え込んで動けなくなるより、想いを実現するために、小さくてもやれることをやっていく~夢を熱く語る一方で、着実に歩を進めていく正木さんの話は、「前を向き、歩き出そう」という希望をもたらしてくれた。