最近、江戸時代に学ぼう、という趣旨の本が多い。
その一つ、「未来のための江戸学」(田中優子著:小学館)を読んだ。
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著者によれば、江戸時代は、よく言われるような「鎖国と停滞」の時代ではなく、16~17世紀の世界の変容に対応し、戦国・豊臣時代の拡大志向の矛を収め、外交をコントロールしながら内政充実・内製化に力を入れた、「収まり、因果、循環」の時代だったという。
そこで、自由主義経済の名のもとに、拡大・成長志向、競争社会(=グローバリズムの行きつく果て)に陥りがちな現在、他者との関係性や、循環の思考、ほどほどに収めるという思想を江戸時代から学び、今後に活かしていくべきではないか。日本の地方には、まだそのような文化が残っており、まだ「間に合う」。
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やはり、過去に日本にあった「つながり」を大切にする文化に学び、「懐かしい未来」を志向せよ、ということのようだ。