熊本県八代市の港地区に長らく置かれたままになっていた旧・大分ホーバーフェリーのホーバークラフトですが、遂に解体作業が始まりました…
※参考記事:
→旧・大分ホーバーフェリーのホーバークラフトを熊本県八代港で発見!(2013年01月19日付)
→熊本県八代港に置かれていた旧・大分ホーバーフェリーのホーバークラフトが移動していました(2014年09月16日付)
※グーグルマップの航空写真にも、3隻並んだホーバークラフトがしっかりと写り込んでいます。
昨日(平成27年4月1日)、毎朝このホーバークラフトが置かれている港の横を通って通勤している勤め先の知り合いから「ホーバーの横に重機が停まって、解体の準備をしてたよ」と情報提供があり、さっそく今朝の出社前に八代港に行ってみると…


既にこの状態。船体を真っ二つにへし折ったような、変わり果てた姿に…

重機の手前に消火器が並んでいますが、解体前にホーバークラフトに搭載されていた物を運び出したのでしょうか。

真っ二つに折られた船体の構造が見えています。


エンジンと、船体後部に搭載されていた巨大な推進用ジェットファンは船体から除けてまとめて置かれていました。

船首部分のコックピットはまだ壊されず、原型を留めています。

とりあえず、今朝7時半の時点では3隻のホーバークラフトのうち2隻が真っ二つに折られており、以前から炎上した跡があった1隻(ドリームアクアマリン)だけが手付かずで残っている状態でした。
ここまで確認したところで時間切れ、出勤するために一旦ホーバークラフトのもとを離れます。

夕刻、退勤後に再び港のホーバークラフトを見に行くと…


一見、今朝と変化が無いようですが、「ドリームアクアマリン」の後部に新たに壊した部分と船体を引きずって移動したような痕跡があります。


「ドリームアクアマリン」の船体下部、スカートは一部が破れて中が見える状態に。




既に壊された船体では、客室内部が完全にむき出しになりコックピットが覗ける状態です。
船内の座席もそのまま残されている様子が見えます。


推進用ジェットファンは破砕を免れ、3隻分6個がまとめて置かれていました。


同じくまとめ置きされたエンジンも、今朝の時点より台数が増えています。


エンジンはドイツ製?
かなり腐食が進んでいますが、かすかにオイルと煤煙の臭いがしました。


まだかろうじて原型を残す船首。「ドリームエメラルド」の船名も確認できます。

今日(平成27年4月2日)夕刻の時点では、まだ解体作業は始まったばかりといった感じでホーバークラフトもかろうじてその姿を留めていますが、明日以降も解体作業が進めばあっという間に壊されてその姿を消してしまうでしょう。
…とても寂しい結果となってしまいましたが、かつて日本にホーバークラフトを使った航路があり、大分県で別府湾を突っ切って大分空港へと向かって海上を疾走していたこと、そしてそのホーバークラフトが数奇な運命を辿って熊本県八代市で最期の数年間をひっそりと送ったことを心に刻んで、ホーバークラフトたちに別れを告げたいと思います。
おつかれさま、そして、さようならホーバークラフト。