天燈茶房 TENDANCAFE

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どれからなりとおためしください

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 7-8日目(2018年1月5-6日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
6日目(2018年1月4日)からの続き

日本に帰る為に、先ずはタリンからフランクフルトへ。
ルフトハンザ便はタリン空港を早朝の午前6時半発なので、エストニア国立歌劇場で「くるみ割り人形」を観てからホテルに帰ってきて少しベッドに横になったと思ったら真夜中過ぎにはもう起き出してチェックアウト。


タリン空港に駐機中の、これはフランクフルト行きルフトハンザ機ではなくて多分ワルシャワ行きのLOTポーランド航空機。
…実は、次のゴールデンウィークには成田からLOTポーランド航空を乗り継いでドイツのベルリンに行く予定なんだよね、忙しいな。


タリン空港の搭乗ゲート前には、なぜかランニングマシンが。
う~む、ランニングマシンならいつも仕事が終わってから職場併設のジムで30分ほど走って慣れてるから、軽く汗を流してみようか…
いや、でも今日は完全に寝不足だし、これから日本までの長距離フライトが待ってるからやめておくか。


タリン発フランクフルト行きルフトハンザLH885便の機内食、いや機内スナックはクッキー1枚だけ!
でも、ホワイトチョコとクランベリーがぎっしりのずっしり系クッキーなので結構腹にたまった。


朝8時にはフランクフルト空港に到着。


乗り継ぐ東京羽田行きはルフトハンザではなくANA機材で運航するコードシェア便のNH204便、ボーイングB777(ちょうど柱の陰になってて機首が見えませんが)。

…行きは羽田発フランクフルト行きLH717便の遅れのせいでフランクフルト空港で驚愕の10分乗り継ぎという離れ業を演じる羽目になってしまったが、帰りはゆっくり3時間以上の乗り継ぎ時間がある。
「ああ~やっぱりこれくらい余裕のある乗り継ぎの方が絶対いいよなぁ!
…っていうか、もう生涯で二度と巨大ハブ空港で10分乗り継ぎなんて御免だ…いやマジで。


定刻通りにフランクフルトを飛び立ったNH204便は、つい数時間前までいたバルト三国の上空を飛び越えて一路、シベリアの先の日本へ…
うん!?チェリャビンスクって数年前に隕石が落下して大騒ぎになった場所じゃなかったっけ?


最初の機内食は懐かしい日本の味、三色そぼろ弁当。


デザートはアイスクリーム。
…アイスは日本のものより、フランクフルトで積み込んだヨーロッパ産の方が美味しい気がする。

さて、後は座席モニタで映画を観るなり、寝るなりしていれば10時間後には東京羽田に到着…
だが、旅の終わりに気が緩んだのか、昨日から風邪気味だったのが本格的に体調が悪くなり、悪寒がしてきた。
「なんてことだ、最後は風邪っ引きかい。全く、今回の旅はトラブルで始まってトラブルで終わるんだな、やっぱり厄年のせいか…?ああ、歳は取りたくないもんだなぁ

でも悪いことばかりではない。
CAさんに事情を話すと追加の毛布に風邪薬やポカリスエットを持ってきてくれて、あれこれと世話をしてくれて心配してもらえた。
「ああ、体調が悪い時は人の親切が身に沁みる…ありがとうございます、やっぱり日本のエアラインはいいなぁ」


羽田空港到着前の機内食は朝粥をチョイス。やっぱり風邪の時はお粥に限る…


という訳で、薬を飲んで毛布をかぶってぐっすり眠って目覚めたらお粥も食べて、至れり尽くせりでだいぶ具合が良くなって羽田空港に到着!
明けましておめでとうございます日本!帰ってきたぞ~


親切にしてくれたCAさんにお礼を言って別れてNH204便を降りると、ターミナルビルでは見事な富士山がお出迎え。
「今日羽田に着いた外国人観光客はラッキーだな!間違いなく感激して『OH!FUJIYAMA!!』って言ってるね(笑)


羽田で乗り継いだANA国内線の熊本行きNH643便からもくっきりと富士山が見えていた。
「これは外国人観光客じゃなくて地元の日本人でも嬉しくなるなぁ…」

終わり良ければ全て良し。
かくして、近年稀に見る波乱万丈な旅になってしまった今回の年越しエストニア・ラトビア旅行も、晴れ渡り澄みきった日本晴の空と富士山に報われて終わったのでした。



それでは皆さん、次回は今年 平成30(2018)年のゴールデンウィークにドイツのベルリンでまたお会いしましょう
天燈茶房亭主mitsuto1976 拝

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 6日目(2018年1月4日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:エストニア国立歌劇場にて


5日目(2018年1月3日)からの続き


エストニアの首都タリン滞在2日目の朝。
相変わらず天気はぐずついているが、とりあえず冷たい雨は上がったようでよかった…

今日も朝から世界遺産のタリン旧市街へ。




昨日は新市街側から直接旧市街へと入ったが、今日はハンザ同盟都市タリンらしく港側の入り口から。
海からやって来る侵略者に睨みをきかせる砲塔「太っちょマルガリータ」の門をくぐり抜けて旧市街の下町へと入る。




かつて16世紀には高さが160m近くとなり、当時世界で最も高い超高層建築物だったこともある聖オレフ教会の尖塔。
その後何度も焼け落ちて修復される度に背が低くなり、現在の高さは120mちょっと。


狭い路地を進むと…


海側の城壁の外に出た。


エストニア鉄道のタリン・バルト駅に面したこの辺りは昼間でもあまり人の気配が無く、実は少々治安の良くない場所だとか。
日が落ちたら近寄らない方がいいだろう。


小さな城門をくぐって…




再び城壁の内側の旧市街へ。
この辺りは世界遺産タリン旧市街と言えども下町で、どこか生活感が漂っている…


タリンのオルロイ(天文時計)がある聖霊教会
プラハのオルロイとよく似た雰囲気だが、文字盤のみで“プラネタリウム”部分が無いのがちょっと残念。




今日もクリスマスマーケットで賑わう市庁舎前広場


市庁舎の漆喰壁に埋め込まれたプレートを発見。
ちょうどエストニアがソ連に占領されていた1960年の年代表記。字体からして共産主義アヴァンギャルドの置き土産かも…


市庁舎前広場を発車する汽車…
JR九州の大分駅にいる「ぶんぶん号」の兄弟かな?


旧市街の丘の麓にある「台所を覗く塔」

かつて兵士が詰めていた見張り塔に面した民家の台所があり、それを兵士が暇つぶしに覗いていたので「台所を覗く塔」らしのだが、
現在は民家は無くなって代わりに在エストニア日本大使館が建っている。
なので今は「日本大使館を覗く塔」(笑)


「台所を覗く塔」の下に翻る日本大使館の日の丸の旗。


日本大使館の前庭には、友好の桜の木が植えられている。

だが今日は、まだ桜の咲く季節には程遠い寒さ。
真っ昼間でも零下の気温だった。


あまりの寒さに、鳩もベンチの背もたれで膨れて不貞寝…
僕も寒さで背筋に悪寒が…
風邪を引いたかも知れないので、これはちょっとまずい。一旦ホテルへ戻ろう。


ホテルで風邪薬を飲んで休憩したら、体調も戻ってきた。
日が暮れたらトラムに乗って再び街へ。


トラムの車内に備え付けられたスマートカードの読み取り機。
使い方は日本のJRのSuicaやSUGOCAと全く同じで、スマートカードを1秒間押し当てるとICチップの情報を読み取って「ピッ」という音が鳴り緑色のランプが点灯する。
タリンに着いた時に手に入れたスマートカードには今日まで有効の3日間乗り放題チケットの情報がチャージされているので、トラムも路線バスも何も気にせず乗り放題だ。


そして、今夜もやって来ましたエストニア国立歌劇場
…たまたま乗ったトラムの路線の停留所の場所が劇場の裏の通りだったので、これは裏口側。
なんか道路を掘り返して舗装工事の真っ最中で、オペラ劇場の雰囲気もへったくれもないんだが。


指揮棒を振る手の遮断器が楽しい劇場駐車場を通り抜けて、正面玄関へ…




夜の歌劇場は、いつも心が高揚する…


まだ開演まで時間があるので、劇場内を散策。
…連れが居たらホワイエで熱いメランジェと一緒にケーキを食べるんだが、外国人の中年男が一人で劇場でスイーツなんてちょっと恥ずかしいでしょ、残念!


今夜のエストニア国立歌劇場の演目は「くるみ割り人形」


そして今夜も平土間の中央最前列、オーケストラピットの指揮台の真ん前の席。
暫し、チャイコフスキーの描き出す少女の甘い夢の世界へ…


舞台袖のボックス席は今夜は観客を入れず、少年合唱団の歌う場所にあてられていた。
合唱パートになるとオーケストラピットに立つ指揮者の男性が真剣な表情を緩めて、笑顔で少年たちを見ながら指揮していたのが印象に残る舞台だった。

「くるみ割り人形」が終わると、僕の短い年末年始休暇の旅も終わり…
明日には帰路に就く。

7-8日目(2018年1月5-6日)に続く

2017-18 年越しエストニア・ラトビア旅行記 5日目(2018年1月3日)

2018-03-10 | 旅行記:2017-18 エストニア・ラトビア
Photo:エストニア国立歌劇場


4日目(2018年1月2日)からの続き


エストニアの首都タリンの真冬の夜明けは遅い…
もう朝8時を回っているが、ホテルの窓から眺める街の景色はこの通りまだ暗い。
その上、小雨も降っていて如何にも寒々しい、冬の北欧らしい朝の風景。

こんな日は暖かい部屋でずっと寛いでいたくなるが、せっかくのタリン滞在を楽しまなくては。
厚着して傘を持って出かける。


まずは、昨日苦心して手に入れたスマートカードにチャージした3日間乗り放題チケットを使って、トラムに乗ってタリン市内を見て周ろう。
タリンのトラムの最新型車両は超低床電車。


超低床電車の車内はこの通り、明るく清潔で快適そのもの。


車内には分かりやすい路線図も掲示されているので、外国人観光客でも簡単にトラムを使いこなすことが出来る。


こちらはトラムの停留所に必ず掲示されている詳細なタリン市内地図上に表記された公共交通路線図。
自分が今どこにいて、目的地に向かうにはどの路線に乗ればいいのか分かるのでこれまた便利。
僕はこの路線図をモバイル端末で撮影して、いつでも見て確認出来るようにしていた。

タリン市内には4つのトラムの路線があるが、路線図を見るとそれぞれ2つずつの路線が大部分の運行区間を共有する「たすきがけ運用」が組まれていて、上手く乗り継いでいくと簡単に全区間完乗が出来ることに気が付いた。
ということで、今日の午前中はトラム全区間乗りつぶしを目指すことにする。


4つの路線を次々に乗り継いで、タリンの街外れに辿り着いた…


タリンのトラムは最新型の超低床電車だけでなく、ソ連占領時代から使われている旧型のタトラカ―もまだまだ多く走っている。
この水色に塗られたゴツゴツと角ばった車体の電車は永らくタリンのトラムの象徴的存在だったが、最近は次々に広告ラッピングや白に赤帯の超低床電車と同じ新塗装に塗り替えられて数を減らしているようだ。


旧型タトラカ―の車内。
古めかしい雰囲気はそのまま残っているが、スマートカードを読み取るリーダーももちろん設置されていて、きちんと近代的に更新されている。
ちなみに、スマートカードを持っていない外国人旅行者はこの運転席後ろの窓を叩いて運転手を呼び、ドアに設けられた小さなやり取り口を通して現金2ユーロで「1回乗車券」を買うことになる…

トラムを乗りつぶしたら、次はいよいよタリン市内観光の目玉、世界遺産タリン旧市街へ!


トラムの車窓から旧市街が見えるので、適当な場所で降りて歩くといつの間にか旧市街の中に入っているという印象。


旧市街と市外を隔てる場所にある塔が街歩きのよい目印になる。


上部に木造の渡り廊下が続く長い城壁と、その下に軒を連ねる土産物の小さな店舗。


市庁舎前広場には観光客向けのクリスマスマーケットが…


旧市街の一番奥、そして一番高い丘の上に位置する建物はかつての城跡に建つ領主の城館だが、現在は国会議事堂として使われている。


そしてそのエストニア国会議事堂を見下ろすように建つ東方正教会の建物がアレクサンドル・ネフスキー大聖堂
エストニアが帝政ロシアに支配されていた1900年頃に建てられたが、言うまでもなくエストニア政府と国民を睨みつけるようにわざと威圧的に議事堂前に建てられているのでタリン市民からはひどく嫌われてきたとのこと。
実際、脱ソ連・ロシアの機運が高まる度に取り壊しが検討され解体寸前まで追い込まれたこともあるそうだが、現在では建築学的と歴史的な価値が再評価され修復の上で保存されている。


旧市街で一番高い城壁から港側の下町方面を眺める。




タリン港と停泊する客船が見える…


新市街方面の眺め。
中世ヨーロッパのハンザ同盟都市そのものの家並み越しに近代的なIT・情報都市のインテリジェントビル群が林立する、現在のタリンを象徴するような景色だ。

旧市街から一旦ホテルに戻って休憩し、着替えてから再び夜の街へ。


向かった先はエストニア国立歌劇場
帝政ロシア支配下の1913年にフィンランド人建築家の手によって建てられた歴史ある劇場だ。


全く同じ外観のオペラハウスとコンサートホールが並び立つ建築デザインがエストニア国立歌劇場の特徴。
今夜は向かって左側に建つオペラハウスでオペレッタ「小鳥売り」を鑑賞する。


規模は小さいながらも、正統派のオペラ劇場の雰囲気を漂わせている…




シャンデリアと天井画も素晴らしい。


この金属製のプレートはクロークの預り証。
なかなか格好良いデザインだが、同じものが記念品として販売されていた。ちょっと欲しいかも…


さて今夜の席は、何と平土間の中央最前列、オーケストラピットの指揮台の真ん前!
…早めに劇場公式サイトでチケットを予約したら、こんな良い席が取れてしまった(笑)


バルト三国のエストニアでウィーンの正月気分を味わえるオペレッタ「小鳥売り」を満喫して、タリンの一日は終了…
あっ、でも明日もエストニア国立歌劇場の平土間の中央最前列で「くるみ割り人形」を観るんだよね~

6日目(2018年1月4日)に続く