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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法で耐性へのソホスブビル+レジパスビルの効果について

2015年09月17日 | C型肝炎ウイルスの治療
 
基礎研究の分野で、ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法で耐性ウイルスへのソホスブビル+レジパスビルの効果について実験環境でのデータが発表されていました。
○の三つ並んでいる立てラインの左側のかたまりが野生型のC型肝炎ウイルスでの効果、黒いのが白くなっているのがウイルスがいなくなっている変化です。右側は、上の9マスが黒いままで、ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法で耐性ウイルスがいる時には、ダクラタスビルアスナプレビルはまったく効かないという物、そのしたは、ダクラタスビルアスナプレビル耐性のウイルスがいてもソホスブビル+レジパスビルがあれば白くなっているということで、効果があったという証明です。
人の体でも同様の効果があるかってところがまだ言えないのですが、とても心強い結果だと思います。
C型肝炎ウイルスが増えている状態で、ダクラタスビル+アスナプレビル併用療法で耐性ウイルスがいるところで、ソホスブビル+レジパスビルを使ったらちゃんとウイルスが消えてくれたということ。それだけ、ソホスブビルの効果がすごいってことであると思います。臨床的に人にもしっかり効くのかどうか、そこが証明されると、安心してソホスブビル+レジパスビルが使えることになります。もうすこし待てばそんな結果がで出てくれるかなあ。

がんも減少する原始人食 崎谷先生のメールから

2015年09月17日 | 食事療法 ダイエット
 
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■「ガンも減少する原始人食」
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みなさん、こんにちは。崎谷です。
今回は、原始人食(パレオダイエット)とガンについての
最新の研究結果をシェアしたいと思います。
米国の30~74歳の男女2,301人を対象に、食習慣と大腸ガンの前癌病変(腺腫:せんしゅ)の発生を調べました
(Am. J. Epidemiol. (2014) doi: 10.1093/aje/kwu235)。
現在、大腸ガンはまず腺腫(せんしゅ)という”できもの”からガンへ発展すると考えられています。
今回の参加者を1991~1994年より現在まで追跡したところ、564名が大腸に腺腫(せんしゅ)が発生していました。
参加者が原始人食(パレオダイエット)に近い食事をしている場合、女性の場合29%、男性の場合51%腺腫(せんしゅ)の発生率が低くなりました。
(この研究も疫学的調査といって、食事以外のファクターもあることはいなめません。)
一般に原始人食(パレオダイエット)はタンパク質摂取量が多いので、大腸ガンになりやすくなるのではないかという大きな”誤解”を受けます(涙)。
そんなことはまったくありません。
原始人食(パレオダイエット)は、脂質・タンパク質・野菜・果物中心ですから、繊維質の野菜もかなり取りいれます。
現代人の穀物・加工食品を中心にした食事では、その食物繊維の1日摂取量はだいたい15g前後。
それに対して原始人食(パレオダイエット)での食物繊維の1日摂取量は100gにもなります。
食物繊維が大腸ガンを発生率を減少させることはまだはっきりとした結論が出ていません。
しかし、食物繊維は腸内微生物のエサになりますし、その際に腸内微生物が出す代謝産物が抗ガン作用を持ちます。

また食物繊維の摂取が多いほど、腸内の慢性炎症が低下かつ肥満予防作用もあります。
慢性炎症が発ガンの元ですから、原始人食(パレオダイエット)のメリットである
・食物繊維+腸内微生物は強力な大腸ガン発生予防になるはずです。

もちろん原始人食(パレオダイエット)の抗ガン作用は、「食物繊維」が多いことだけではありません。
パレオライフスタイルそのものが強力な抗ガン作用をもっていることはメディカルプログラムでも詳しく説明しています。
今回はガンと原始人食の最新の研究をご紹介いたしました。