幕引きの仕掛け

ようやく引継の段取りもついて、僕ははれて社長職を辞することができる。
来月いっぱいまではなんだかんだであわただしいけど、ようやく落ち着いて人生やらということを考える時間がとれそうだ。転職活動と引っ越し準備も早急にはじめないとな。
ここでようやくjornadaちゃんの力が発揮されそうで、非常に楽しみではある。

次はかたい仕事に就こうと思う。貯金ができるくらいのまじめな職種を探そうと思う。
生活ってのはそんなに金が要るものとはしらなかったよ。とりあえず５００万くらいためて、九段会館できっちりと披露宴をひらけるように努力する。旅行も遠くにゆこう。おまえは毎日朝早くにきれいに着飾って稽古場にむかう。俺はおまえを見送ってから、ゆっくりと出勤の支度をはじめる。ふたりで稼いで、郊外に小さな家をもとう。もうこの歳だから子どもは女と男の二人でいい。俺たちの愛の結晶だ。伝えられることをつたえて、二人が大きく育ったら、おまえはまた役者にもどればよい。俺はまじめに会社をつとめあげる、合間に詩をつくるよ、おまえの絵をかくよ。それをきいたりみたりしながら、おまえはからからと笑い声をあげる、おれは悦びにみたされる。

あと２年待っていてくれ。俺は根っこがまじめだから、きっとそうするし、そうなる。つらくとも待っていてくれ。