NASAのエンジニアにとって、
「火星は惑星サイズのハエトリグサ」のようなものだそうです。
約束された科学的発見を餌に、私たちを惹きつけて、
そこに降り立った瞬間、過酷な気候と重力が宇宙飛行士をとらえて離さない…
でも、そんな事はあってはならないことなんですねー
宇宙飛行士を、もうひとつの星に置き去りにするためだけに、
数十億ドルを投じることを世間は許しませんよね。
難しいのは行くことよりも帰ること
これまでNASAが手掛けてきたのは無人の火星探査機で、
もちろん推進剤も片道分しか積んでいませんでした。
でも、有人火星探査計画になると、
重要なハードルは、間違いなく火星からの帰還になります。
そのためにNASAが作ろうとしている、
宇宙船“マーズ・アセント・ビークル(MAV:火星上昇機”)は、
手ごわい課題を抱えることになります。
それは、火星表面から上昇するための推進剤で、
あらかじめ満タンにしておくと重すぎるんですねー
なので地球から打ち上げて、
火星に安全に着陸させることが難しくなります。
代案として、
MAVを宇宙飛行士が到着する数年前に火星に送っておく、
という方法があります。
そして、一足先に火星に着いたMAVの仕事は、
その薄い大気から推進剤を作ること。
その後MAVは、
チリの嵐や過酷な紫外線放射に耐え運用可能な状態を保ち続け、
探査が終了すると離陸し、数日かけて宇宙飛行士を軌道周回機へと運ぶことになります。
最終的に飛行士らは、
軌道上で待つ宇宙船に乗り移り地球への帰還を果たします。
つまりMAVのミッションは、
地球外の惑星表面から宇宙船を打ち上げて軌道に乗せること。
しかも、チャンスは1度しかないんですねー (つづく)
こちらの記事もどうぞ
火星へ探査に行くとしたら (その2) 人類にとって初めての大規模遠征
火星へ探査に行くとしたら (その3) 厳しい環境に耐えて、帰りの燃料を作る
火星へ探査に行くとしたら (その4) 火星探査に必要な宇宙服
火星へ探査に行くとしたら (その5) 地球への帰還
「火星は惑星サイズのハエトリグサ」のようなものだそうです。
約束された科学的発見を餌に、私たちを惹きつけて、
そこに降り立った瞬間、過酷な気候と重力が宇宙飛行士をとらえて離さない…
でも、そんな事はあってはならないことなんですねー
宇宙飛行士を、もうひとつの星に置き去りにするためだけに、
数十億ドルを投じることを世間は許しませんよね。
![]() |
NASAのエンジニアは、映画“オデッセイ”に描かれているような、 火星の厳しい気候にも耐えうる宇宙船を設計する必要がある。 |
難しいのは行くことよりも帰ること
これまでNASAが手掛けてきたのは無人の火星探査機で、
もちろん推進剤も片道分しか積んでいませんでした。
でも、有人火星探査計画になると、
重要なハードルは、間違いなく火星からの帰還になります。
そのためにNASAが作ろうとしている、
宇宙船“マーズ・アセント・ビークル(MAV:火星上昇機”)は、
手ごわい課題を抱えることになります。
それは、火星表面から上昇するための推進剤で、
あらかじめ満タンにしておくと重すぎるんですねー
なので地球から打ち上げて、
火星に安全に着陸させることが難しくなります。
代案として、
MAVを宇宙飛行士が到着する数年前に火星に送っておく、
という方法があります。
そして、一足先に火星に着いたMAVの仕事は、
その薄い大気から推進剤を作ること。
その後MAVは、
チリの嵐や過酷な紫外線放射に耐え運用可能な状態を保ち続け、
探査が終了すると離陸し、数日かけて宇宙飛行士を軌道周回機へと運ぶことになります。
最終的に飛行士らは、
軌道上で待つ宇宙船に乗り移り地球への帰還を果たします。
つまりMAVのミッションは、
地球外の惑星表面から宇宙船を打ち上げて軌道に乗せること。
しかも、チャンスは1度しかないんですねー (つづく)
こちらの記事もどうぞ
火星へ探査に行くとしたら (その2) 人類にとって初めての大規模遠征
火星へ探査に行くとしたら (その3) 厳しい環境に耐えて、帰りの燃料を作る
火星へ探査に行くとしたら (その4) 火星探査に必要な宇宙服
火星へ探査に行くとしたら (その5) 地球への帰還