宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

NASAが小惑星衝突の危機から地球を守る専門部署を設立へ

2016年01月21日 | 宇宙 space
NASAが、小惑星が地球に衝突するような事態に備える、
専門部署の設立を発表しました。

この部署はPlanetary Defense Coordination Office(PDCO)と言い、
隕石衝突から地球を守る防衛隊になるんですねー

具体的な役割は、地球に接近する小惑星や彗星をいち早く発見し分析、
そして危機が迫る場合は、政府や関係各機関の間の調整役もこなすそうです。

NASAは、これまでにも地球に接近する天体があれば
世界の宇宙機関と連携して対応してきました。

PDCOは、これまで単発でこなしてきた、
これらの緊急対応を受け持ち、連邦緊急管理庁ほかとも連携して、
潜在的な危機・影響の発見、警告、科学的分析を行うことになります。


これまでより小さな天体の発見

NASAが小惑星や彗星などの管理をし始めたのが1998年。
それ以来、地球近傍の宇宙空間には1万3500個の小天体が発見されてきました。

そして、いまでも年間1500個ペースで、新しい小惑星や彗星が発見されています。

ただ、すでに地球近傍の直径3000フィート(約91.5メートル)規模の小天体は、
その9割ほどが発見されたと考えられています。

なので今後PDCOが進めて行くのは、
直径40フィート(約140メートル)級の天体の発見になるんですねー

このため、アメリカ政府が2016年予算でPDCOに割り当てたのがの5000万ドル。
これは5年前に比べると10倍以上の金額でした。



小惑星の衝突を防ぐ

2013年にロシアのチェリャビンスクに落下した隕石の例を思い出せば、
いつ何時私たちに危機が訪れるかは分かりません。

NASAは2020年の実行を目標として、
地球に衝突する恐れのある小惑星の軌道を意図的に変えさせる、
小惑星再配置ミッションのAsteroid Redirect Missionを計画しています。

さらにNASAとヨーロッパ宇宙機関の共同で、
小惑星に人工物を衝突させて、その軌道を変えさせようとする、
Asteroid Imact and Deflection Assessment計画の研究も進められています。

そして、こうした研究の成果を、
いざ現実に実行に移す事態となったときに活躍するのがPDCOとなるわけです。

映画アルマゲドンのように、
「小惑星に核爆弾を埋め込んで爆発させ、小惑星の軌道を変えさせる」
っというストーリーは私たちが見ても、
「まぁー 映画だから…」
と思わせるものでした。

でも実際には、このようなことが大真面目に検討されていたんですねー

ついでに、石油採掘企業の中年オヤジを宇宙へ送り込む計画もあればいいですね。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 衝突か通過か? ハロウィンに小惑星が最接近!