天の川銀河中心“いて座A*”で起こった巨大X線フレア

巨大質量ブラックホールがひそむ天の川銀河中心の電波源“いて座A*”。
ここで大規模なX線フレアが、2013年9月に観測されました。

その要因は、はっきりと分からず…
巨大ブラックホールのふるまいや、
その周辺環境に関して疑問を投げかけているんですねー

“いて座A*”周辺のX線現象（青：X線が明るい箇所）。 四角内がX線フレアのようす。

大規模なX線フレアを観測したのはNASAのX線天文衛星“チャンドラ”。
その明るさは、この天体で通常見られるフレアの400倍でした。

この後、2014年10月にも通常の200倍の明るさのX線フレアが観測されるのですが、
こうした大規模フレアの要因については、2つの説が考えられています。

1つ目は、
“いて座A*”周辺の強力な重力で引き裂かれた小天体の残骸が、
ブラックホールに飲み込まれる直前にX線を放射したというもの。

2つ目は、
ブラックホール周辺の強力な磁場が関係しているというもの。

磁力線に変化が生じて、
磁力線のつなぎかえ“磁気リコネクション”が起こる際に、
大きなX線バーストが発生することがあり、
太陽でも同様の現象が、定期的に観測されているんですねー

さて、要因は何になるんですかね。