ビッグバンから、わずか10億年ほどしか経っていない初期宇宙。
この宇宙に存在する銀河の中に、炭素原子のかすかな痕跡が見つかりました。
アルマ望遠鏡の高感度性能が大きく活かされた観測により、
銀河の大きさやガスの運動速度などが、明らかにされつつあるんですねー
電離した炭素は、若い銀河を見つける目印
アルマ望遠鏡による電波観測で、
遠方の若い銀河から、電離した炭素が放つミリ波がとらえられました。
この観測結果は、
ビッグバンから約10億年後という初期宇宙は、
普通の銀河中にも炭素が多く含まれていたことを、
示唆するものになります。
このシグナルは、とても弱くかすかなものなんですが、
非常に高い感度を持つアルマ望遠鏡は、
炭素の痕跡をいとも簡単にとらえたんですねー
明るく重い星からの強力な紫外線放射によって電離した炭素は、
他の物質と結び付きやすく様々な分子を形作るので、
電離した状態で長時間存在することはできません。
なので電離した炭素は、
他の重い元素と比べて、ずっと少量しか見つからないことになります。
ただ炭素は、
誕生から長時間経過していない、まだ進化していない比較的若い銀河の、
優れた目印になるんですねー
それとは対照的に、20億年経過した銀河では、
電離した炭素はずっと少なくなり、重い元素のチリが満ちることになります。
銀河が進化する手がかりを発見
今回は、若い銀河の炭素の痕跡が見つかっただけでなく、
観測データからは銀河の中を移動しているガスも発見。
ガスの速度は、
若い銀河から数十億年後の宇宙にある、
星を作り出している普通の銀河のものと似ていて、
現在近くの宇宙でも、よく見られるものでした。
これほど遠い銀河で、
ガスの速度を測定するのは、これまで不可能でした。
でも、アルマ望遠鏡のおかげで可能になり、
宇宙最初の銀河がどのように集まって進化したのかを、
理解するための新しい手がかりを得たと言えるんですねー
天の川銀河に匹敵する銀河の存在
銀河の中で、
水素やヘリウムよりも重い物質が、どのように増加してきたか?
これを研究する上で、電離した炭素の特定のスペクトルは、
強力なツールになるかもしれないと、長い間考えられてきました。
それはまた、初期銀河におけるガスの運動を調べる唯一の方法でもあります。
さらに、遠く若いこれらの銀河の質量が、
太陽の100億から1000億倍もあることも分かり、
その質量は、天の川銀河に匹敵するものでした。
なので、「初期宇宙に多くある銀河は、
穏やかで後の時代のものよりも質量が小さい」と考えてきた研究者を、
驚かせる結果になったんですねー
今回のアルマ望遠鏡による観測データは、
初期宇宙でも「普通の」大きさの銀河を生み出せることを明らかにしました。
一方で、電離した炭素が豊富にあってチリが目立って少ないことは、
それらが進化の過程において、非常に未熟な段階にあることを示しているんですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 初期宇宙の楕円銀河が小さい訳は?
この宇宙に存在する銀河の中に、炭素原子のかすかな痕跡が見つかりました。
アルマ望遠鏡の高感度性能が大きく活かされた観測により、
銀河の大きさやガスの運動速度などが、明らかにされつつあるんですねー
電離した炭素は、若い銀河を見つける目印
アルマ望遠鏡による電波観測で、
遠方の若い銀河から、電離した炭素が放つミリ波がとらえられました。
この観測結果は、
ビッグバンから約10億年後という初期宇宙は、
普通の銀河中にも炭素が多く含まれていたことを、
示唆するものになります。
このシグナルは、とても弱くかすかなものなんですが、
非常に高い感度を持つアルマ望遠鏡は、
炭素の痕跡をいとも簡単にとらえたんですねー
明るく重い星からの強力な紫外線放射によって電離した炭素は、
他の物質と結び付きやすく様々な分子を形作るので、
電離した状態で長時間存在することはできません。
なので電離した炭素は、
他の重い元素と比べて、ずっと少量しか見つからないことになります。
ただ炭素は、
誕生から長時間経過していない、まだ進化していない比較的若い銀河の、
優れた目印になるんですねー
それとは対照的に、20億年経過した銀河では、
電離した炭素はずっと少なくなり、重い元素のチリが満ちることになります。
ハッブル宇宙望遠鏡によって得られたCOSMOSサーベイの画像内に、 アルマ望遠鏡で観測された銀河のうち4つを表示したもの。 |
銀河が進化する手がかりを発見
今回は、若い銀河の炭素の痕跡が見つかっただけでなく、
観測データからは銀河の中を移動しているガスも発見。
ガスの速度は、
若い銀河から数十億年後の宇宙にある、
星を作り出している普通の銀河のものと似ていて、
現在近くの宇宙でも、よく見られるものでした。
これほど遠い銀河で、
ガスの速度を測定するのは、これまで不可能でした。
でも、アルマ望遠鏡のおかげで可能になり、
宇宙最初の銀河がどのように集まって進化したのかを、
理解するための新しい手がかりを得たと言えるんですねー
天の川銀河に匹敵する銀河の存在
銀河の中で、
水素やヘリウムよりも重い物質が、どのように増加してきたか?
これを研究する上で、電離した炭素の特定のスペクトルは、
強力なツールになるかもしれないと、長い間考えられてきました。
それはまた、初期銀河におけるガスの運動を調べる唯一の方法でもあります。
さらに、遠く若いこれらの銀河の質量が、
太陽の100億から1000億倍もあることも分かり、
その質量は、天の川銀河に匹敵するものでした。
なので、「初期宇宙に多くある銀河は、
穏やかで後の時代のものよりも質量が小さい」と考えてきた研究者を、
驚かせる結果になったんですねー
今回のアルマ望遠鏡による観測データは、
初期宇宙でも「普通の」大きさの銀河を生み出せることを明らかにしました。
一方で、電離した炭素が豊富にあってチリが目立って少ないことは、
それらが進化の過程において、非常に未熟な段階にあることを示しているんですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 初期宇宙の楕円銀河が小さい訳は?
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