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太古の地球や火星の海に隕石が衝突して合成される? 大気を主成分とした生命材料アミノ酸の作られ方

2020年07月02日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
生命の材料になるアミノ酸はどこから来たのでしょうか?

生命誕生前の地球の大気は二酸化炭素と窒素が主成分と考えられていて、このような環境で生命の材料分子が生成する条件は非常に限定的だと考えられていました。

でも、今回の研究から分かってきたのは、大気に含まれる二酸化炭素や窒素ガスを炭素源と窒素源として、太古の地球に小惑星や隕石が高速で衝突することで、タンパク質を作るアミノ酸が生成されることでした。
そう、地球上で普遍的に存在した大気成分から生命の材料が生成できるんですねー

さらに、約40億年前の火星でも、同様の現象で化学進化が起こっていた可能性もあるようです。
たんぱく質の材料になるアミノ酸が生成されるという段階まで、生命誕生に向けた化学反応が進んでいたのかもしれません。


生命の起源につながる材料の作られ方

これまで、生命の起源につながる材料は2種類あると考えられてきました。
それは、太古の地球で生成した有機物と、地球外から飛来した有機物です。

このうち地球外から飛来した有機物は、隕石や彗星のチリに含まれていたと考えられているのですが、その量や種類は分かっていません。

もう一方の地球で生成したとされる有機物の種類や量については、当時の地球大気の組成が大きく影響していたと考えられています。

大気の微量成分である還元的な分子から有機物が生成されることは、すでに知られています。
でも、その微量成分の量や組成に関する理解は進んでいません。

また、当時の地球大気の主成分と考えられている窒素や二酸化炭素から、生命の材料になる有機物が生成される可能性については、放電による研究が報告されているのみ…
なので、この研究結果は非常に限定されたものと考えらています。


隕石が地球の海洋に衝突する際に起こる化学反応

今回、東北大学の研究グループが行ったのは、隕石が地球の海洋に衝突する際に起こる化学反応の模擬実験でした。

この実験により、大気に含まれる窒素と二酸化炭素が、水と隕石に含まれる主要な鉱物と反応することで、タンパク質の材料になるアミノ酸が生成されることが明らかになります。
隕石の海洋衝突のイラスト。(Credit: Tohoku University / Yoshihiro Furukawa)
隕石の海洋衝突のイラスト。(Credit: Tohoku University / Yoshihiro Furukawa)
研究グループでは2015年に、隕石の衝突によってアンモニアを窒素源としたアミノ酸や核酸塩基が生成されるという研究結果を発表していました。

この発表に対して今回の研究が示していること。
それは、窒素が大気中に大量に存在したと考えられている生命誕生前の地球では、これまで考えられていたものとは異なる、生命の材料分子の生成反応が起こっていたということです。

さらに、太古の地球と同様に、太古の火星も二酸化炭素と窒素を多量に含む大気で覆われ、液体の海が存在し、隕石が大量に衝突していた時期があったと考えられています。

そう、今回の研究では、当時の火星でも隕石の衝突によってアミノ酸が生成されていた可能性を示しているんですねー

太古の火星でも、たんぱく質の材料が生成されるという段階まで、生命誕生に向けた化学進化(生命誕生までの化学反応)が進んでいたとしたら…
火星探査車“キュリオシティ”が進めている生命の痕跡探し、何か見つかりそうな気がしません? 


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