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モバライダー mobarider

土星と木星に大量のダイヤモンドがある?

2014年01月04日 | 宇宙 space
最新の研究によると、土星と木星には1000万トンものダイヤモンドが存在するそうです。

土星の嵐が炭素粒子を盛んに生成していることを示す観測データに加え、新たな実験とモデル によって、極限状況下における炭素の振る舞いを調べた結果から、土星と木星は、ダイヤモンドの生成にとって安定した環境になっているんですねー

固体ダイヤモンドの上限温度が判明し、それ以上の温度になると融解することや、
土星と木星内部のより正確な圧力と温度の構造も分かり、両惑星の広い鉛直領域上に固体ダイヤモンドが存在する可能性が出てきたということです。

これまでの説では、ダイヤモンドを形成している可能性がある太陽系の惑星は、地球以外には天王星と海王星だけだと考えられていました。
これらの惑星では、非常な高温と高圧によって、大気中のメタンガスがダイヤモンドに変えられ、惑星内部に降り注いでいる可能性があります。

それに比べて木星と土星は、はるかに低温でメタンも少ないと考えられるので、これまでダイヤモンドが形成されているとは考えられていませんでした。
大気中に含まれるメタンの割合も、土星が約0.5%、木星がわずか約0.2%なのに対して、天王星と海王星は、大気の15%近くがメタンなんですねー
土星探査機“カッシーニ”が、土星の上層雲に発生する巨大な嵐と雷の姿をとらえていて、木星でも同様の嵐が観測されています。
これらの現象が、ダイヤモンドの形成を引き起こす上で、重要な役割を果たしている可能性があるようです。

赤外線画像がとらえた暗い嵐の領域は、メタン分子が炭素に、おそらく“すす”の粒子に分解されている領域なんだとか…

今回の説では、分解されてできた非晶質炭素は、大気中を降下し圧力の上昇でグラファイトに変換されます。
グラファイトは土星大気のさらに深部へ降りていき、圧力と温度の上昇に伴って固体ダイヤモンドに変わることになります。

これにより、毎年約1000トンのダイヤモンドが形成され、厚さ3万キロのダイヤモンドを含む層には、このように形成されたダイヤモンドが約1000万トン存在するそうです。


一方、木星大気の最深部は、非常に極限的な環境なので、ダイヤモンドは固体でなく液体として海を形成している可能性が考えられています。

そして、ダイヤモンドが融解する層より下では、水素の原子化、イオン化によって大気が過酷になり、融解したダイヤモンドはおそらくまた別の物質に変換されることになります。

それに対し、天王星と海王星の内部は、はるかに低温で8000ケルビンに達することはないので、ダイヤモンドはおそらく融解することはないんですねー

なので、おそらく天王星と海王星にはダイヤモンドが永久に残り、木星と土星には残らないと考えられます。


ただ、「土星の嵐と雷によって発生する“すす”の量は、ダイヤモンドを形成するには少なすぎる」や、
「大気の深部へ降下するに従い、上昇する圧力と温度によって、“すす”はおそらく分解される」という、今回の説に懐疑的な意見も出ているんですねー

熱分解された炭素は、水素と一緒になって溶液を形成するだけで、凝固してダイヤモンドにはならないという考えです。

まぁー 遠い将来にはロボット探査によって、木星と土星の深部大気に存在するダイヤモンドが発見されるかもしれませんね。


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