現地時間5月22日のこと、NASAは小惑星探査機“サイキ(Psyche)”のイオンエンジン始動を発表しました。
2023年10月に打ち上げられた“サイキ”の目的は、火星と木星の間に広がる小惑星帯を公転する小惑星“16 Psyche(プシケ)”の周回探査。
このミッションは、“ディスカバリー計画”14番目として2017年に選定されました。
小惑星“プシケ”は、鉄やニッケルといった金属を豊富に含む“M型小惑星”に分類されています。
その正体は初期の太陽系で形成された原始惑星のコア(核)ではないかと予想されてきました。
過去に探査機が接近して観測した小惑星や彗星は主に岩石や氷でできているので、“プシケ”は金属質の小惑星を間近で観測する初のミッションになります。
地球のコアを直接調べることはできないので、原始惑星のコアだった可能性がある“プシケ”の観測を通して、地球のような惑星の形成についての貴重な情報が得られると期待されています。
イオンエンジン(ホールスラスター)は、“サイキ”に搭載された太陽電池パネルで生じた電力により、キセノンガスのイオンを加速し放出することで、推進力を生み出します。
得られる推力は弱いものの、少ないガス搭載量で長期間のミッションが可能になります。
現在、“サイキ”は時速13万5000キロで飛行していて、今後は時速20万キロまで加速し、“プシケ”への到着は2029年が予定されています。
“サイキ”は“プシケ”を少なくとも2年間周回している間に探査を進めることになります。
さらに、“サイキ”ではレーザーを活用した深宇宙光通信“DSOC(Deep Space Optical Communications)”の技術実証も予定されています。
これは、光レーザーを用いて深宇宙との広帯域データ通信を実証するもの。
従来の無線通信と比較して、10倍から100倍とはるかに高速な通信が可能となります。
この技術が実用化できれば、深宇宙探査において得られるデータ量が格段に増す可能性があります。
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2023年10月に打ち上げられた“サイキ”の目的は、火星と木星の間に広がる小惑星帯を公転する小惑星“16 Psyche(プシケ)”の周回探査。
このミッションは、“ディスカバリー計画”14番目として2017年に選定されました。
図1.小惑星探査機“サイキ”は打ち上げ後に約6年間をかけて小惑星“プシケ”へ向かう。小惑星“プシケ”に到着するのは2029年8月の予定。(Credit: NASA/ JPL–Caltech / ASU) |
その正体は初期の太陽系で形成された原始惑星のコア(核)ではないかと予想されてきました。
過去に探査機が接近して観測した小惑星や彗星は主に岩石や氷でできているので、“プシケ”は金属質の小惑星を間近で観測する初のミッションになります。
地球のコアを直接調べることはできないので、原始惑星のコアだった可能性がある“プシケ”の観測を通して、地球のような惑星の形成についての貴重な情報が得られると期待されています。
イオンエンジン(ホールスラスター)は、“サイキ”に搭載された太陽電池パネルで生じた電力により、キセノンガスのイオンを加速し放出することで、推進力を生み出します。
得られる推力は弱いものの、少ないガス搭載量で長期間のミッションが可能になります。
図2.小惑星探査機“サイキ”に搭載されているものと同じイオンエンジン(ホールスラスター)。青く光っているのがキセノンのイオン。推進剤のキセノンは合計1085キロ充填されている。(Credit: NASA / JPL-Caltech) |
“サイキ”は“プシケ”を少なくとも2年間周回している間に探査を進めることになります。
さらに、“サイキ”ではレーザーを活用した深宇宙光通信“DSOC(Deep Space Optical Communications)”の技術実証も予定されています。
これは、光レーザーを用いて深宇宙との広帯域データ通信を実証するもの。
従来の無線通信と比較して、10倍から100倍とはるかに高速な通信が可能となります。
この技術が実用化できれば、深宇宙探査において得られるデータ量が格段に増す可能性があります。
図3.小惑星探査機“サイキ”の予定航路。2026年5月に火星フライバイを実施する。(Credit: NASA / JPL-Caltech) |
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