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月のクレーターから伸びる“光条”? どうやってできた?

2015年05月12日 | 月の探査
月のクレーターから放射状に伸びる明るい筋“光条”の、
不均一なパターン。

これが、どのような条件で作られるのかが、
月探査機“かぐや”の観測データや、シミュレーションなどから、
明らかになってきたんですねー
“かぐや”の地形カメラが撮影したケプラークレーター(右下)。
放射状に伸びた“光条”が見える。

月のクレーターを天体望遠鏡で見ると、放射状に伸びる明るい筋“光条”が見えます。

隕石などの衝突でクレーターが作られた際に、
噴射物が飛び散ってできたパターンが“光条”です。

“光条”が、
なぜ、明るく見るのかについては、
過去にも多くの研究が行われているのですが、
なぜ、不均一に分布するのかについては、
これまで、あまり研究されることがありませんでした。

この研究では、衝突実験の結果と、
月周回探査機“かぐや”の観測データを用いた解析結果、
そしてシミュレーション計算とを、組み合わせることによって、
“光条”の不均一な分布が、どのようにして生成されるのかを調べています。


ガラスビーズなどを利用した衝突実験の結果、
衝突による噴出物は、ゆるい網の目状に分布することが分かります。

そして、この網の目状のパターンは、
“かぐや”が地形カメラでとらえたクレーターの“光条”パターンと、
ひじょうに良く似ていることも確認されました。

さらに、シミュレーション計算によって、
粒子間の反発係数が小さい(跳ね返りにくい)状態だと、
このような明瞭な網の目状のパターンが、
出来やすいことも明らかになることに…

この研究結果では、
これまで良く分からなかったクレーターの“光条”の形成プロセスが、
粒子の物性に影響されていることが示されたんですねー

このことは、今後の天体表面における地史の解明に、
大きな手がかりを与えてくれるようですよ。
ガラスビーズを用いた衝突実験でできた、
網目状の噴出物のパターン。



こちらの記事もどうぞ ⇒ 月の“うさぎ”は天体の衝突で生まれた? 月探査機“かぐや”


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