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モバライダー mobarider

若い原始惑星系円盤に、なぜ“ケプラー回転”が?

2014年01月18日 | 宇宙 space
アルマ望遠鏡による観測で、生まれたての恒星の周りに、太陽系の天体と同じ法則で回転する大規模な原始惑星系円盤が見つかりました。

この星はこれまでの理論では、円盤を持つと考えられていなかった若い段階のもので、惑星が生まれる場所である原始惑星系円盤の成り立ちを解明する大きな足がかりになるようです。

“VLA1623A”とその周囲の原始惑星系円盤(イメージ図)
円盤は海王星軌道の約5倍のところまで広がっているが、
成長途上の“VLA1623A”は太陽の20%の質量しかないので、
成長中の非常に若い段階にあることが分かる。
原始星の両極方向にガスジェットが噴き出している。

へびつかい座方向にある生まれたての恒星(原始星)“VLA1623A”を、アルマ望遠鏡で詳しく調べ以下のことが分かってきました。

それは“VLA1623A”が、まだ成長中のひじょうに若い段階であることと、
“VLA1623A”の周囲には、ガスとチリ(固体微粒子)でできた巨大な原子惑星系円盤があり、この円盤が太陽系の天体と同じ法則に基づいた“ケプラー回転”をしていることでした。

原始惑星系円盤とは、原始星を取り巻くガスや固体微粒子の円盤のことで、こうした円盤の中から惑星が生まれると考えられています。

地球を含む太陽系の天体が、太陽に近い「内側ほど早く」「外側ほど遅く」公転する“ケプラー回転”を見せるのは、これら太陽系天体のふるさとである太陽周囲の円盤の、回転運動の名残りと考えられています。
これまでの研究では、“VLA1623A”ほど若い段階の星の周りに、“ケプラー回転”をする円盤が作られるとは考えられていませんでした。

でも今回の発見で、これまでの理論では十分に考慮されていなかった「何か」が、円盤の形成に重要なはたらきをしている可能性が浮かび上がったんですねー

最新の理論研究では、原始星の母体となったガスの集合体を貫く磁力線の方向と、原始星の自転軸がずれている場合や、
ガスの集合体の内部で、激しい乱流が生じている場合が、可能性として指摘されています。

今回の観測結果をもとにした検証が行われ、原始惑星系円盤の成り立ちが明らかになっていくことが期待されますね。


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