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モバライダー mobarider

なぜ星団内には惑星が少ないのか?

2014年01月19日 | 宇宙 space
南米チリにあるラシーヤ天文台の観測から、かに座方向の散開星団“M67”に含まれる3つの恒星に系外惑星が発見されました。

星団の中で系外惑星が見つかるのはとても珍しいことで、
そのうち1つは、太陽のふたごともいえるほどそっくりの星の周囲を回っているんですねー





太陽そっくりの恒星に惑星が発見されたのは、星団の中では初めてになる。



太陽以外の恒星を回る系外惑星は、
すでに1000個以上見つかっていて、もう珍しい存在ではありません。

そして、その太陽にあたる恒星には、さまざまな年齢や組成のものがありバラエティに富んでいるのですが、そのうち星の集団である星団の中に見つかっているものは、ほんのひと握りしかありません。

ほとんどの恒星が星団として生まれることを考えると、これは不思議なことになり、
ひょっとすると星団内での惑星の形成には、特別な何かがあるのかもしれないんですねー

この謎を解明するために、かに座方向約2500光年彼方の散開星団“M67”が調べられています。

ラシーヤ天文台の口径3.6メートル望遠鏡に搭載した系外惑星探査用装置“HAPRS”を用いて、“M67”におよそ500個ある恒星のうち88個を選んで6年間観測が行われました。

観測された星々は、通常系外惑星の探査対象となる恒星としては暗いものでしたが、“HARPS”の性能を最大限に発揮して、惑星の重力による恒星のわずかな「ふらつき」を検出する方法で、3つの恒星に惑星が発見されました。

これは恒星の数に対する、惑星の数から言えば、星団以外と同等の発見率になります。
星団の中の惑星は、これまでの観測で引っかからなかったたけで、実はありふれたものかもしれないんですねー

惑星が発見された3つの恒星のうち1つ“YPB 1194”は、温度や質量、化学組成まで太陽とほぼ同じで、ふたごといえるほどそっくりなものでした。
「太陽に似た」といってもいろいろありますが、ここまで似ている天体はなかなか無いそうです。
そして、星団内にある「太陽のふたご」レベルの恒星に、惑星が見つかったのは、これが初めてのことになります。

“YPB 1194”に発見された惑星は、木星の3分の1程度の質量を持っているのですが、
残念ながら、公転周期は約7日と短く、液体の水が存在できるハビタブルゾーンからは外れているそうです。


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