akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

OTEMACHI CAFE ロイド&チャップリン

2007-05-24 | 活弁
大手町カフェでの活弁シネマライブ、今回はコメディ2本立てということで、ハロルド・ロイドの傑作、”Safety Last”『要心無用』('23)と、チャップリンの”Easy Street”『チャップリンの勇敢』('17)をご覧いただきました。いらして下さった皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。

今回もFEBOのお二人の音楽とともに、上演させていただきました。どちらかというとキートン派の二人は、3日ほど前のリハーサルでは「ロイドのこの作品って、面白いかなあ…」などと苦笑いだったのですが、本番はやはりこちらもあちらも会場のお客さんと一緒の「本番のノリ」があるもので、後半のハロルド決死のドキドキハラハラ12階建てビル登りシーンまでどんどんテンションが上がり、終了後は「いや~、この作品もかなり面白かったね~」で解散となりました。
アンケート等、たくさんの感想、ありがとうございました。ナンセンスでおバカなコメディですが、笑いながら、ハロルドの”やればできる”という姿勢に励まされてしまうのがロイド喜劇。

ロイドはチャップリンより早く1912年に映画界にデビューしているのですが、最初は端役ばかりで、渡米しハリウッド映画界に彗星のごとく表れたチャップリンが瞬く間にトップスターになっていくのを間近で見ていました。最初はチャップリンのマネをし、チョビ髭をつけたりしてチャップリン亜流で売り出していたロイドが、「自分もチャップリンのようなトレードマークを何か作らなくては」と考え、思い付いたのが、当時流行だったセルロイドぶち眼鏡。ちょうど『チャップリンの勇敢』が製作された1917年のこと。チャップリンはすでに人気もギャラも世界一のスターになっていました。そしてロイドは、この”ロイド眼鏡”が大当たり。「ちょっと情けない弱気な青年が、様々なトラブルに巻き込まれつつ、大奮闘し、成功と名声と愛を勝ち取る」というハッピーラブコメディで、ハロルド・ロイドはチャップリン、キートンと並ぶ3大喜劇王と呼ばれるようになっていきます。『要心無用』が制作公開された23~24年には、日本で一番人気があった喜劇スターはロイドでした。

今回「主人公の”いつも前進”の行動に人生の指針を受けました。弁舌の力を借りて」という感想もあり、とても嬉しく思いました。スラップスティックコメディは観ているだけでわかりますし笑えますから、弁士が語る時はそれを盛り立てつつ、+αがなければ意味がありません。ある意味、コメディは一番悪戦苦闘します。まだまだなのですが、より楽しんでいただけるように、チャップリンやロイドがよりイキるように、芸を?磨いていきたいと思っています。

毎回「イスが固くてお尻がちょっと辛い」という方もいらっしゃるので、今回は薄いながらも座ぶとん(というほどのものでもなく恐縮でしたが)を用意しましたが、どうだったでしょう。

次回の大手町カフェ活弁シネマライブは7月か8月の予定。どうぞよろしくお願いいたします。
コメント (2)
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