akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

こども芸術劇場「文化教室発表会」

2008-03-30 | 活弁
こども芸術劇場「文化教室発表会」が北区の北とぴあで行われ、子供達が一年間の成果を披露しました。
雅楽、日本舞踊、落語に続いて、活弁。弁士教室は、赤羽教室の4人と滝野川教室の3人が、『日本一の桃太郎』『一寸法師ちび助物語』『チビッコギャング~ドッグデイズ』『モンキービジネス』に挑戦。一年かけて取組んできた作品、みんな本番をしっかり務め、会場から笑いが上がったことにも大喜び。終始ハイテンションでした。現代の小中学生の感性、漫画やテレビの影響、流行を取り入れた台本に、会場の大人からこどもたちまで、楽しくご覧下さっていたようです。

弁士教室のこどもたちには、のびのびと自分を表現し、コミュニケーションを大事にするような教室を展開してきたつもりですが、とにかくにぎやかでみんな仲が良く、元気いっぱい…。
4月からは教室の時間がまた少し増えるのですが、いい時間を与えられたらと思っています。

北区文化振興財団の皆さまに感謝申し上げます。
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『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』

2008-03-22 | 映画・芸術・エンターテインメント
酒田にはご存知のとおり、映画産業全盛期の頃、知る人ぞ知る素晴らしい洋画専門館グリーンハウスがありました。淀川長治氏が「世界一の映画館」と言明し、映画人たちが遠方から度々足を運んだ映画館です。
1月に出版された『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(岡田芳郎著/講談社)は、そんなグリーンハウスの隆盛と、映画が一番の娯楽だった頃の酒田、昭和の変遷そのものを、一人の男の人生を追う事で描き出しています。グリーンハウスを軌道に乗せた後、日本人に合ったフランス料理で大人気の店をつくった佐藤久一さんの、アイディアと行動力、先見性には驚くものがあります。
私の両親が結婚式を挙げたのは、佐藤久一さんが支配人を務めていた頃の「レストラン欅」でした。私自身が、物心ついて初めて洋食のマナーを意識したのも「レストラン欅」で、赤いビロードの絨毯と豪奢な雰囲気の中、正装をして普段食べたことのないメニューを食べるのに、緊張した覚えがあります。当時は田舎町には珍しい、本格的フランス料理店でした。その後、彼が立ち上げたのが、フランス風郷土料理「ル・ポットフ-」。庄内の豊富で新鮮な食材とフランス料理を組み合わせた斬新で懐かしい味で、開高健、丸谷才一、土門拳らがこよなく愛した店です。
NHK山形時代には、東京から山形局に転勤してきた方たちが皆「酒田のル・ポットフ-には行きたかったの」というので驚いた記憶があります。私が行ったのは久一さんが離れてずいぶん経った後の「ル・ポットフ-」ですが、雰囲気もよくおいしかったです。

非常に面白くせつない本です。出版社でたくさんの本を編集してきた大先輩も「私は酒田出身でもないけど、この本は本当に面白くて一気に読んだわね。久しぶりにこういう本に出会った」と絶賛しておりました。ぜひぜひ、ご一読下さい。
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ひらたタウンセンター公演

2008-03-21 | 活弁
20日、酒田市ひらたタウンセンターシアターOZで、ハロルド・ロイド主演の1923年『要心無用』を活弁上演させていただきました。
当日の直前まで迷いましたが、アドリブを含め田舎でのシーン等に庄内弁を使いました。ミルドレッド・デイビス演じるヒロイン田舎の箱入り娘は終始ちょっとかわいい庄内弁。思った以上に自然だったらしく、ウケていてよかったです。小学生の笑い声が響いていて嬉しかったのですが、もっと親子連れでたくさん来て頂きたかったなと正直なところです。親子で楽しめる演目を選んで頂いたのですし。

山形切っての映画通パーソナリティ、シネマライターの荒井幸博さんがわざわざ鑑賞にいらして下さり、主催者の皆さんと荒井さんと共に、終了後の懇親会は映画&音楽談義に花が咲きました。
いらして下さった皆様、ありがとうございました。
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たかはた倶楽部

2008-03-18 | Weblog
今日は、昨日の大手町カフェ公演にもいらして下さった詩人吉武祥子さんとお会いしました。奈良在住、難病と闘いながらとても素敵な詩や物語を書いていらっしゃる方です。良い御縁をいただいたので、今年中に一緒に朗読会を実現したいと思っています。

夜は、中目黒のロビンズクラブで行われた高畠ワイナリーのワイン会「たかはた倶楽部」にお招き頂きました。
高畠ワイナリーでは、現在「高畠ワイン映像ソムリエコンテスト」(募集期間2007年9月1日~2008年8月31日)を開催しており、私はその審査員の一人に任命頂いております。
今日は「たかはた倶楽部」代表の小室等さんを始め、あがた森魚さんや片岡大志さん村上ゆきさん等が次々に弾き語りを披露下さり、素敵な歌を聴きながらワイナリー自慢の各種ワインを堪能させていただきました。
高畠は良質なミネラルを多く含み土壌に恵まれているとの事、どれもおいしかったですが、「2006上和田ピノ・ブラン」、「2002高畠ピノ・ノワール」が飲みやすかった気がします。「嘉 スパークリング・シャルドネ」も、香りもよく美味しかった! 甘めでジュースのように飲み口の良い「まほろばの貴婦人」は、酒田に帰る度に飲む大好きなワイン。

高畠ワイナリーでは、葡萄づくり、土づくりから力を注ぎ、品質にこだわったワイン作りをしています。お話を伺いながら、社長さんの日本が誇れるおいしいワイン作りへの信念と農業全体に注ぐ熱い情熱が、作り手皆さんと共有できているんだなあと思いました。

小室さんともNHK山形時代に白鷹町の酒造りの会で御一緒させていただいて以来。山形時代にお世話になった方々との懐かしい再会もあり、とても良い時間を過ごさせていただきました。

高畠ワイン映像ソムリエコンテスト」では、「高畠町」「高畠ワイナリー」に関する映像作品を募集しています。高畠町は、大好きな「泣いた赤鬼」の浜田広介の故郷でもあります。たくさんのご応募、お待ちしています。
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第9回O-CAFE活弁シネマ『結婚哲学』

2008-03-17 | 活弁
すろ~しねまpresents佐々木亜希子の活弁シネマライブ@大手町カフェ『結婚哲学』本当にたくさんのお客さまにいらしていただき、ありがとうございました。
久しぶりの『結婚哲学』でした。いかがだったでしょうか。FEBOさんとの共演もこの作品が一番多く、音楽が入るとまた新鮮な気持ちでぐいっと入って語れます。
何度も観て何度も演っているのに、やっぱり笑えてしまうんですから、子どもみたいですよね。もちろん、それだけルビッチが巧いんですが、音楽の効果もあります。ミッツィの大真面目な大芝居にFEBOの昭和チックで大仰なメロディが入るのが好きで、そうした必ず笑いを堪えてしまうシーンがいくつかあります。FEBOの二人も、リハーサルでいつもと同じところ、セリフで笑っていて、私も語りの効果をいつものように確認し安心したのでした。
お客さまも笑いながら楽しく観て下さっていてよかったです。

グッドデザイン賞など数々の賞を受賞している大手町カフェは、オフィス街のオアシス的な存在で、とても好きな空間だったのですが、4月いっぱい…という事で、今回が大手町カフェでの最後の活弁ライブとなりました。大勢のお客さまに集っていただき、ここでのライブも9回を数えました。本当にありがとうございました。
今後ともすろ~しねまともどもどうぞ宜しくお願いいたします。
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お台場

2008-03-16 | Weblog
夜景を楽しみながら、日航ホテルでビュッフェパーティー。
お腹いっぱい、大満足~☆
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『のぼうの城』

2008-03-13 | 映画・芸術・エンターテインメント
12日夜のNHK「その時歴史は動いた」は、「戦国北条・百年王国」秀吉対北条。関東を百年に渡り治めてきた北条が秀吉の軍に降り、秀吉は天下統一。地方分権から中央集権へと時代が変わったその節目を取り上げていた。

先日読んだ小説『のぼうの城』は、まさにこの時代の、実話をもとにした戦国エンターテインメント小説。いやあ、実に面白かった。

天下の関白秀吉が、唯一落とせなかった城、忍城(埼玉県行田市)。石田三成率いる2万の豊臣勢に、北条家の支城である忍城成田家は農民を含めて2千の兵で対峙する。
成田家の当主は、秀吉に内通し降伏を約束していたのだが…。バカにされ虐げられてなお降伏するくらいなら「戦いまする」と言ったのは、すべての家臣と民に「のぼう様」と呼ばれていたでくのぼうの成田長親。愚将か名将か、馬鹿と言われながら誰にも負けぬ人気があった城代「のぼう」を中心に、腕に覚えの板東武者と、農民たちが一つになり、2万の兵を相手に戦う様-その気のうねりは痛快である。
何が人を動かすか。何が大事か。何が勝敗を分けるか。
のぼうの求心力とその戦いぶりは、読む者を引込まれずにはおかない。

埼玉県行田市の、「浮き城」と言われた忍城の本丸跡地には、現在行田市郷土博物館があり、忍城ゆかりの品々が所蔵、展示されている。昨年伺ったがとても興味深かった。

映画化には相当制作費がかかるらしいが、実現するのが楽しみ。
かなり人気があり書店に平積みされていましたが、これは一気に読めるオススメの一冊です。
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鶯に種蒔き…

2008-03-11 | Weblog
春の陽気。朝は雛鳥の鳴き声で目が覚め、何種類もの鳥の声を聴きながらまどろんでいると、「ホーホケキョ」「ホーホケキョ」「ホーホケキョ」
久しぶりに鶯の声を聴いた~と感激して、カメラ片手に外へ飛び出してみたものの、撮ることはできず。残念。

ベランダで育てるベビーサラダの種を蒔きました。
昨年は、枝豆を蒔き、ほんのちょっとですが、ちゃんと収穫して食べました。温暖化で暖かくなっているし、早く種を蒔けば早く収穫できるかしら、と試したものの、収穫の時期は変わらず、早く植えた分だけ丈ばかりひょろひょろと伸びてしまったのでした。
今年はもっと早く育って早く食べられるほうがいいなあと、葉物にしてみましたが。さて。

11日の「やぐちひとり(C)」では、映画『ドラエモン~のび太と緑の巨人伝』にちなんで、緑の植物を使ったオリジナルストーリーに挑戦。物語を考えながら箱の中にミニチュアを並べていく「箱庭療法」、やぐっちゃんと春樹の内面がそこに映し出されておりました。

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第七回茅ヶ崎館公演

2008-03-10 | 活弁
第七回茅ヶ崎館で楽しむ、活弁と和食ブッフェの宴『淑女と髯』。はるばる遠くからもたくさんのお客さまにいらしていただき、誠にありがとうございました。
『小津安二郎・生きる哀しみ』の著者である中澤千磨夫先生がいらして下さり、急遽、上演後対談となりました。様々なお話を伺うことができ、私自身もとても楽しかったです。

『淑女と髯』(昭和6)は、小津安二郎監督の作品群の中では上映の機会も少ないマイナーな初期作品ですが、いや、なかなか隠れた名作です。8日間で撮りあげたわりには、大ヒットしたという本作。小津監督の当時のハイカラぶり、ギャグセンス、時代に対する姿勢がよくわかる作品です。
皇室や治安維持法をギャグにし、男爵家の邸宅にマルクスの写真を掲げておくなど、当時のタブーがいっぱい。よくぞ検閲をかいくぐったものだと感心しますが、さぞかし観客も小津監督も北村小松も痛快だったことでしょう。

剣道や剣舞のシーンなどナンセンスなギャグもたくさんありますが、エルンスト・ルビッチの影響が色濃く見られるソフィスティケイテッド・コメディでもあります。小物の使い方、演出が本当に巧い。

初期の小津監督に大きな影響を与えた、ルビッチのThe Marrige Circle『結婚哲学』、大手町カフェで17日(月)に上演しますので、ぜひご覧下さいね。FEBOの生演奏でお送りします

終了後はいつものごとく、ビュッフェを楽しみながら交流会。
今年生誕100年の佐々木康監督の御親族もいらして下さっていて、中澤先生ともども、皆さんおおいにお話に花を咲かせていらっしゃいました。
茅ヶ崎館の皆様、お客さまに心より感謝申し上げます。

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『淑女と髯』

2008-03-07 | 活弁
明後日9日(日)は茅ヶ崎館で楽しむ、活弁と和食ブッフェの宴『淑女と髯』
今回の小津安二郎監督の『淑女と髯』(昭和6)は初めて語る作品ですが、思っていた以上に面白いです。ストーリー、つまり北村小松の脚本がよく、ギャグマン/ジェームズ・槙(小津安二郎)のギャグが細かくちりばめられていて、天才二枚目半役者岡田時彦の演技が非常に生きています。

活弁台本を作るのがとても楽しかった…。台本づくりの時は、いつも監督や当時の時代と対話しているような気持ちになります。一回目に観る時は、あまり先入観なく普通に映画を観るように楽しむのですが、その後、何度も観ながら、今の時代とのギャップを埋めつつ、私なりに遊びつつ、作り手の意志を尊重(するつもりで)台本を肉付けしていくわけです。

小津安二郎監督とその作品群に関する書籍は古今東西たくさん出ていますが、無声時代の作品に関しては、実際の作品と「ストーリー解説」が細かく異なることが多々あります。
一様に同じ間違いなのは、あまり作品自体を観る機会がないため、出版の段階で参考にした資料が間違っているからです。出版もされていますが、現存のシナリオ集はあくまでも予定台本です。当時のキネマ旬報も、現在の小津解説本も、それを元にストーリーを記載しているからなんでしょう。

『淑女と髯』にも、検閲の関係でカットされたり、「これは小津と北村が確信犯でやっている」と見受けられる部分があります。
作品としてもとても面白いですし、小津作品を知る上でも、時代を感じる上でも、貴重な一作です。小津がとても楽しんでこの作品を撮っていて、北村には思想や反駁精神や生き方へのメッセージがあって、岡田時彦は才能を存分に生かしていて、作品全体に若きパワーがあふれている気がします。

某大学の剣道部の大将岡嶋(岡田時彦)の部屋にも注目。小津らしい、面白い小物がいっぱい。ドアの文字、例によって貼られた洋画のポスター、リンカーンの写真、火鉢や、破れた座布団など、和洋折衷で、蛮カラとモボの中間な感じが映画全体とよくマッチしています。

というわけで当日、作品をお楽しみ下さいませ。
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やぐちひとり(c)#47

2008-03-05 | 映画・芸術・エンターテインメント
4日放送の「やぐちひとり(C)」紹介作品は、DVD『サディスティック・ミカ・バンド』、DVD『サッド ヴァケイション プレミアム・エディション』。

伝説のバンドにちなんで、今ネット界で大人気の伝説のミュージシャンが登場。JRの駅の音楽からドラクエなどのゲームの音楽、WindowsXPの立ち上げ音まで、身近になにげなく聴いているメロディが、次々ピアノで演奏され、やぐっちゃんも春樹もハイテンション!それにしても、どれも耳になじんでいるのですが、JRのメロディっていっぱいあるんですね~☆「新宿駅の○番ホームは…」とか「御茶ノ水は…」「幕張は」と改めて聴くと、驚き。でした。
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ロートレック展

2008-03-02 | 映画・芸術・エンターテインメント
サントリー美術館は長蛇の列…。
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山形 出羽の芸能

2008-03-01 | 映画・芸術・エンターテインメント
国立劇場で「山形 出羽の芸能」を観てきました。

午前の部【山伏が伝えた芸能】では、出羽三山神社の「冬の峰 松例祭神事」、金山町の「稲沢番楽」(県指定民俗文化財)、遊佐町の「杉沢比山」(国指定重要無形民俗文化財)。
午後の部【山形を彩る芸能】では、御存知「花笠音頭」、寒河江市の「日和田弥重郎花笠田植踊」(県指定無形民俗文化財)、米沢市の「梓山獅子踊」(県指定無形民俗文化財)、そして鶴岡市櫛引黒川地区の「黒川能」(国指定重要無形民俗文化財)。
山形にいる頃に観る機会のなかった民俗芸能が多く、非常に興味深く観ました。

もともと田舎のコミュニティの中で祭事として行われてきた芸能が、洗練されずに伝わっているのが魅力的です。祝いや祈り、労いの舞いは、今よりずっと生活に密着していて、心踊る行事だったはずで、素朴で単調なリズムと音階の演目には時々夢うつつになりつつ、楽しみました。

会場はほぼ満席。このうちの8割くらいは山形県出身者だろうか…などと思っていると、見た事のあるフランス人女性の姿。あれは!大学時代のフランス語の先生!
「先生!」と思わず声をかけると、ちょっとびっくりした顔。
さっぱり身についておりませんが、私、一応、第二外国語はフランス語でした。講師としていらしていたMarie Gaboriaud 先生は、フランス語講師の他に日本の農村研究をしており、ちょうど私が中学生の頃私の隣村の庄屋さんのうちに滞在していて学校新聞でインタビューをさせていただいたことがあったので、偶然の再会に驚いたものでした。
大学卒業以来、また十数年ぶりの再会です。
「先生、酒田出身で埼玉大学時代にフランス語を教わった佐々木です」というと、目を輝かせ、「ああ!思い出しました!覚えています覚えています」。慶応大学へ移ったものの、現在もフランス語講師と農村研究を続け、酒田へも時々行っているとのこと。神社や神事の研究もするようになって「黒川能を観に行ってみたいと思っていたんですが、なかなか機会がなくて今回初めてなので嬉しくて。しかも、今度12日には、またパリで黒川能を観るんです。もうね、これは神様が研究を続けてきた私にくれたプレゼントだと思うんですよ!」とにこにこで、私もとても嬉しくなりました。
大学時代はまったく良くない学生でしたが。

黒川能は、毎年極寒の2月1日から2日にかけ、庄内黒川地区の民家で夜通し行われる農民芸能。私も一度行ったことがありますが、全国から来る人々であふれんばかり。睡魔と座り心地の悪さと謡いの聞き取りにくさと闘いながら観た記憶がありますが、今回の演目「羅生門」は、字幕もついて分かりやすく、ベテラン揃いの謡いと、若手演者の息もぴったり、なまり混じりのセリフもよく非常に楽しめました。機会があったらまた、地元へ観に行きたいものです。

民俗芸能ともいえるのかもしれませんが、「獅子舞」は私の地元でも普通に継承されている年中行事の一つです。元旦には、必ず、村ごとに組織された「獅子舞」が10人くらいで家にやってきて、神棚と仏壇のある部屋で、笛や太鼓に合わせて舞い、先祖の霊を弔い一年の繁栄、家内安全や無病息災を祈ります。年々高齢化していますが、これも世代交替は必須で、だんだんと私と同世代の仲間たちが担うようになっていくはずのもの。地元に残らなかった者が、こうした伝統が失われないでほしいと思うのは勝手なのかもしれませんが。

暮らしとともに受け継がれてきた故郷の芸能、本来は国立劇場のステージで観るようなものではないのでしょうが、しかし、多くの観客が感慨深そうに見つめていました。

今回は、高校の後輩が誘ってくれ、プチ同窓会までセッティングしてくれて、楽しい一日を過ごさせていただきました。感謝。


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