先日亡くなった茨木のり子さんの詩を、23日のすろ~しねまナイトで2つほど朗読させていただいたのですが、そのうちの1つをここに記します。
私はこの詩を読んだとき、とてもはっとさせられ、静粛な気持ちになりました。
自分に向けて投げられる厳しい言葉のひとつひとつが、読むものにも、自分に向けて問いつめさせる力を持っています。
ばさばさに乾いていく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
私はこの詩を読んだとき、とてもはっとさせられ、静粛な気持ちになりました。
自分に向けて投げられる厳しい言葉のひとつひとつが、読むものにも、自分に向けて問いつめさせる力を持っています。
ばさばさに乾いていく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ