akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

第3回児島活弁シネマ大盛況

2007-10-30 | 活弁
28日、都内で活弁ワークショップを終え、深夜岡山入り。
29日、岡山県倉敷市児島文化センターで公演。児島での活弁シネマライブも3回目となり、今年は地元倉敷市の音楽家の方々による生演奏が実現して、500人ものお客さまがいらして下さいました。児島市民文化祭実行委員会の方々に心より御礼申し上げます。
公回の上演は小津安二郎監督の『出来ごころ』。生演奏は、作曲・編曲・ピアノ-野原直子さん、フルート・ピアニカ-天本由美さん、ヴァイオリン-稲田真理さん。テーマ曲はまるで朝の連続テレビ小説のようで、ピアニカの音も活き、まだ私の頭の中を回っています。ヴァイオリンで三味線のような音と和の雰囲気を作っていただいたり、地元下津井節のメロディをさりげなく入れて頂いたり。この演奏が本当に素晴らしく、一度きりの公演ではもったいない贅沢な企画でした。会場からは、笑い声、すすり泣く声等が聞こえてきて、私もそうですが演奏の方々もその反応が楽しかったようです。
たくさんの方々が帰り際楽しかったと声をおかけ下さいました。90歳を過ぎたお祖母ちゃままでいらして下さって、青春時代に慣れ親しんだ映画、風景、俳優さんたちがとても懐かしかった、気持ちが若返ったと喜んで下さいました。長屋暮らしの想い出や自分の映画体験を振り返りながら楽しんだ方もいらっしゃいます。語り、音楽はもちろん、十人十色の楽しみ方ができるのが活弁で、多くの方が、活弁を懐かしいだけではない「現代の珠玉のエンターテイメント」として捉えて下さっていることに感激しました。

11月3日の岡山映画祭には、児島の実行委員で私の活弁ワークショップから活弁の面白さや可能性に感銘して下さった矢吹勝利むつみ夫妻が地元弁士として初舞台に立ちます。演目は岡山県出身尾上松之助主演『豪傑児雷也』。今回の児島公演には、彼らを見守ってくれている岡山映画祭の実行委員の方々やNHK岡山の方もいらして下さいました。そして私は今日、矢吹夫妻の掛け合い活弁を聴きできるだけのアドヴァイスをして帰京の途に。

3日の本番にはまた岡山へ向かいます。柳下美恵さんの音楽に乗り、彼らがのびのびと楽しく語ってくれることを願います。
一連の活動の様子はNHK岡山放送局で7日リポートされる予定です。
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北大映画館プロジェクト【活弁士】

2007-10-28 | 活弁
北海道大学映画館プロジェクトによる【CLARK THEATER 2007】(10/25~28)が開催され、27日の活弁公演に出演しました。公演には約230名の方が御来場下さり、とても温かく、活気のある2時間半となりました。

この映画祭は、企画から告知、運営のすべてを北海道大学を中心とする学生さんたちが行っています。立ち上げは昨年。「北大の財産であるクラークシアター。それを、北大生の手で市民に開かれた映画館にしよう!映像教育を北大から北大生の手で」一人の呼び掛けから始まり、賛同した北大生たちがプロジェクトチームを作って、映画祭期間中の上映作品、プログラムを選定し、配給元に交渉し、ポスターやチラシを作り、スポンサーや後援を得るために企業を回り、マスコミ向けに、市民向けにPRをし…期間中の運営、舞台も照明、音響も受け付けも全て自分達で。

26日に札幌入りして、学内を案内いただき、映画祭の短篇上映作品を拝見し、打ち合わせ、交流会、そして当日本番。とにかく、北大映画館プロジェクトの実行委員の学生たちの情熱と素直さが嬉しく、本当に楽しい二日間でした。みんな爽やかで行動力と知性があって礼儀正しくて。

2本の上映の間に行ったワンシーン活弁体験も、一般の大人から子どもまで挑戦してくれ、様々な活弁に会場も湧きました。質問、感想、終了後までいろいろと本当にありがとうございました。実行委員の皆にとっても、一般市民のお客さんの喜ぶ顔が何よりの感激だったことと思います。素晴らしいプロジェクトだと思いました。北大生の企画運営に心から拍手とエールを送ります。

私は、高校時代、北大を志望していました。北の大地と北海道大学のバンカラな学風、クラーク博士の「Boys be ambitious! 青年よ大志を抱け」、それらへの憧れからか、成績がどんどん落ちて「志望大学、受験大学を変更しなさい」と言われても「絶対に私は北大に行く」と言い張っていました。活弁との出会いと同じようなもので、「なぜそんなにこだわる」と聴かれても答えられないけれど、直感で「どうしても」だったのでした。今も、父と一緒に受験で初めて行った雪の北大の風景はよく覚えています。
北大に受からなかったおかげで、私は埼玉大学へ行き、いい仲間や先生方と巡り会うことができた訳ですが、こうした形で北大へ伺うことができるとは思いませんでした。かけがえのない経験をさせていただいた気がしています。
今回は、留萌の妹が家族みんなで駆け付けてくれたのを始め、北海道内の友人知人がいらして下さり、本当に、感謝です。「酒田東高校出身北大在校生卒業生より」と花束もいただき、驚きました。本当にありがとうございました。いただいた財産を大切に、精進します。

北大映画館プロジェクトの成功と今後の発展を心よりお祈りいたします。Boys and girls be ambitious!
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やぐちひとり(c)#30、31

2007-10-24 | 映画・芸術・エンターテインメント
23日(火)深夜の『やぐちひとり(c)』#30、紹介映画は
『象の背中』10月27日よりロードショー。役所広司さんの演技がすごいです。
『ラストラブ』DVD発売。田村正和さん主演の大人のラブストーリー。
『パリ・ジュテ-ム』DVD発売。パリを舞台にした珠玉の愛の短編集。18話。
『この道は母へと続く』10月27日よりロードショー。社会派母子もの。実話を基にした感動のロシア映画です。

健康でいるために!ということで、体の柔らかくなるツボ「タイショウ」を紹介。これがほんとに柔らかくなるんです。やせるツボ、男性諸君の夜に強くなるツボまで。

本日ナレーション収録、来週30日放映の『やぐちひとり(c)』#31で紹介するのは、
『クワイエットルームにようこそ』
『ディスタ-ビア』11月10日公開。
『ラストラブ』DVD。
『ボーン・アルティメイタム』11月10日公開。

ゲストに女優高橋真唯ちゃん、クワイエットルームにちなんで、やぐっちゃん春樹と3人、クワイエットゲームなどをやっております。深夜のゆるゆるしたひとときを提供しております『やぐちひとり(C)』。私はナレ-ションだけですが、ときどき「観て(聴いて)ます」「声楽しみにしています」と言われると嬉しいです。たまに「声がわからない。佐々木さんはどこでナレーションしてるんですか」と言われることも…。またご覧下さい。

やぐちひとり(C)では携帯シネマフェスティバルを開催、携帯シネマ作品募集中です。
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第4回横浜霧笛楼活弁ライブ

2007-10-21 | 活弁
横浜霧笛楼で「第4回季節のコース料理と佐々木亜希子の活弁シネマライブ」。 お席をつくるのに苦労するほどのお客さまにいらしていただき、ありがとうございました。
アカデミー主演女優のメアリ-・ピックフォード主演『雀』。清水友美さんのピアノ生演奏が素晴らしく、私も楽しく語らせていただきました。会場からの笑い声や、シーンへのつっこみ、ありがとうございました。けっこう好きな作品なのですが、終演後、「とてもドラマティックで楽しい作品だった」とおっしゃる方や「泣きました」とおっしゃる方もけっこういらして、私自身、改めて『雀』という作品の良さに気付かせていただきました。作品中の子どもたち、辛い状況にもめげず、ぼろぼろの衣服をつけながらも、とっても無邪気で微笑ましいのです。

御観賞後は皆様、美味しい料理とともに会話がはずんでいらっしゃった様子、嬉しく拝見しました。4回目となるとすっかり顔なじみになった方も。いらして下さった皆様、霧笛楼の皆様に心より感謝申し上げます。
次回の霧笛楼公演は2月頃の予定です。
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子ども活弁波乱の合同教室…

2007-10-20 | 活弁
北区子ども活弁教室の、初の二クラス合同開催。
みんな…テンションが高くてたいへん!興奮で?鼻血が出る子もいるほどの波乱の3時間。
二つのクラスの個性がぶつかって、最初はどうなることかと思いましたが、最後は将来の夢等をみんなで語りつつ、次回を楽しみにして幕となりました。まあ、元気なことはいいことです。
来年3月の公演に向けて、意気も上がったようですし、がんばっていきましょう/
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FMくらしき

2007-10-19 | 取材・メディア
さて、岡山県倉敷市児島での、第三回活弁シネマライブを前に、今日はFMくらしきの電話インタビューがありました。
『出来ごころ』、今回は、初の地元ミュージシャンとの共演です。作曲して下さっている野原直子さんからはタイミング良くテーマ曲始め、数シーンの音楽演奏を収録したものが届き、聴かせていただきました。ピアノと、フルートとバイオリン。とても作品の雰囲気にあった演奏で、私も本番をとても楽しみにしています。一度きりの公演ですから、児島の方々、ぜひお聞き逃しなく。
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山形セレクション交流会

2007-10-17 | 酒田・庄内・山形
山形の特産品の中でも非常に高い基準をクリアした山形のブランド品が山形セレクション
今日は、首都圏の流通、販売を始めとする各分野の有識者と産地側関係者が一堂に会する山形セレクション交流会。パレスホテルで、斎藤県知事始め、おいしいやまがた大使のウド鈴木さん、小林綾子さん、山形夢サポーターの武田祐子さん等も出席する中、司会を務めさせていただきました。

山形はPR下手ですが、本物、いいものがたくさんある県です。果物も、お米はもちろん、お酒、ワイン、木工品、鋳物、絨毯…。今日は皆さん非常に熱くその良さを語り、また応援して下さいました。本物志向、安全志向の今、この山形セレクションが、一流の本物を届ける消費者のための窓口となり、山形の生産者全体の意識の底上げと益々の品質向上の起爆剤となることを、願います。

セレクション認定には、まずは生産者が申請し、県が厳しい基準で選定するということなのですが、皆が個人ブランドで生産しているわけではなく、なかなか申請には到らない生産者も多いのが現状です。でも、本当においしいものが多いんですよ。ぜひ、山形セレクション始め、山形の生産物を宜しくお願い致します。
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スクリーンの中の銀座

2007-10-16 | 映画・芸術・エンターテインメント
清水友美さんと21日の霧笛楼公演の合わせ稽古を終え、銀座のハウスオブシセイドウへ。現在、企画展『スクリーンの中の銀座』開催中。伝説の並木座が映す。ギンザを遊ぶ。というサブタイトルで、並木座の資料や、銀座の映画館の変遷、銀座を舞台にした作品の紹介など、様々な展示があります。
田中絹代さんの台本や愛用品も展示されていますし、11月25日までの期間中、水曜日と土曜日は、ミニシアターで銀座を舞台にした映画上映も行われています。岸恵子主演の『君の名は』や、成瀬巳喜男監督の『銀座化粧』、川島雄三監督の『銀座ニ十四帖』、石原裕次郎と浅丘ルリ子の『銀座の恋の物語』など。
入場無料ですよ(定員24名ですけど)。お時間のある映画好きの方には嬉しい場所ですね。


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あうるすぽっとで『駅・ターミナル』

2007-10-10 | 映画・芸術・エンターテインメント
豊島区に新しくできた劇場あうるすぽっとの柿落とし公演、木山事務所の『駅・ターミナル』に御招待いただき、拝見しました。いい舞台でした。
伊藤博文と津田梅子のエピソード…明治時代の新しい日本を築いてきた人間たちの人生が、駅だけを舞台に、セリフ中心で綴られていきます。舞台上の動きや変化が少ないので、途中で間延びしたり眠くなるかと思いきや、引込まれ、とても楽しく観ました。
メッセージもしっかりしていて、心に残る舞台でした。感謝。
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第6回木下恵介記念はままつ映画祭

2007-10-09 | 活弁
第6回木下恵介記念はままつ映画祭2007に、活動弁士付き無声映画で出演させていただきました。

会場は、登録有形文化財になっている浜松市旧浜松銀行協会講堂。大正ロマン風の非常に素敵な建物で、昭和初期の映画をご覧いただくのにぴったりの空間でした。
講堂自体のキャパもありますが、立ち見や入場制限がでてしまうほど。公演としては、会場全体でよく笑っていただき、暖かい空間となり盛況で嬉しい限りでした。トークコーナーでの、質問、感想、ありがとうございました。
昨年、観にきて手紙もくれた男の子が、今年は花束を贈呈してくれました。

終了後、木下恵介記念館へ御案内いただき、館長さんにいろんなお話が伺えました。
広いスペースではありませんが、大好きな作品のパネル写真が並んでおり、木下監督の偉業と想いが凝縮された空間です。館内では、監督の作品が自由にDVDで観られるようになっており、近くに住んでいたら通いたいくらいです。定期的に上映会も行っていて、『二十四の瞳』上映の際には、撮影当時子役で出演していた方に来場いただいたり、『陸軍』上映の際にも当時の出演者にトーク出演していただくなど、ファンの方々に非常に喜ばれているそうです。
TBS時代に、木下恵介プロでドラマ制作に携わっていたうちのマネージャーさんは、テレビ時代の木下監督の作品もいいものばかりなのにと展示できないのを残念がっていましたが…。ぜひ、イベント等に合わせて、足をお運び下さい。

木下恵介監督の出身地ということで始まったはままつ映画祭も6回目。だんだんと定着し、ヤマハやスズキを始め大手のスポンサーも応援してくれるようになり、観客動員数も増えているそうです。
市民スタッフの方々も年輩から若手までたくさんの方がイキイキと活動なさっていて、とても気持ちがよかったです。
本当にありがとうございました。今後益々の発展をお祈り致します。
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宝かゴミか

2007-10-07 | FAMILY
さて、築20年を越えた酒田の実家を半分改築するというので
「あんたの荷物、要るものど要らねものさ分げでいてくれ」ということで、今回の帰省で、倉にあった段ボール箱や箪笥の衣類、押し入れの書類、本などをざっくり分別。

あるわ、あるわ…。
捨てられない性癖そのまま
小学校時代の日記、落書き漫画ノート、ネタ帳、海で拾い集めた石ころや貝殻、NHK山形時代のリポート資料も写真も全部。
見始めるとすべて懐かしく、これは一晩では、全部捨てきれない…。
よくぞ父母はそのまま捨てずにいてくれたものだ。

弟夫婦が同居となれば、いよいよ私の荷物など、置いておくところがなくなってしまう。
とりあえずの分だけ分別し、あとは次回の作業…。
近々になんとかしねばならないのだが、さて。
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酒田第二中学校60周年記念公演

2007-10-06 | 活弁
酒田市立第二中学校の60周年記念式典で活弁公演をさせていただきました。
ありがとうございました。

生徒さんたちは、朝早くから集合、午前中に演劇発表や合唱コンクールなどがあり、お昼をはさんでの記念式典は緊張がとけて眠くなる頃。大丈夫だろうかと心配しましたが、小津監督の『生れてはみたけれど』、突貫小僧こと青木富夫演ずる弟のセリフや行動に笑いが起こり、反応しながらよく観てくれていたようです。

中学生の反応は新鮮でした。同じ作品も年齢層や客層によって多少台本を変えるわけですが、今回の公演経験をまたいかしていきたいと思います。
ご覧下さった皆さんの心に何かが残っていきますように。

卓球一家の我が家ですが、昔から家族ぐるみでおつき合いしていて私も中学時代コーチとしてお世話になった方が、今二中のPTAをなさっていて、先生方と一緒に出迎えて下さいました。
「この間、お父さんど一緒、秋田の、剛くんが監督した国体の応援行てきたんよ~!」
公演前の入場時には「亜希子さん、がんばれよ」
公演後、また「いやあ、よかった。よかったよ」と退場の際にも声をかけて下さり、なんだか面映い感じでした。

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卓球の輪

2007-10-05 | FAMILY
酒田二中へ御挨拶と会場下見に。

まずは校長室で御挨拶。校長室には、トロフィーや楯がずらりと並んでいて、その中に卓球男子個人のトロフィーが。
「今年、うちの学校の生徒が優勝したんですが、ここに、弟さんの剛くんの名前もありました」平成元年だった。

先日行われた国体で、高校生男子の卓球、山形県チームの監督を弟が務めていて、どうやら5位という、好成績をあげたらしい。
山形新聞には、弟が中学の時に出場した紅花国体(山形県)以来の快挙だと記載されていて、優勝した青森山田(愛ちゃんの出身校)に負けたものの、善戦したとか。おお、がんばってるじゃん。
ー佐々木監督は「歴史を塗り替えてこい」と選手を送り出しーという一文には、吹き出してしまった。剛らしい。

そんな大会の応援であちらこちらに行くのは、昔から父の大きな楽しみで、試合の話は、まるで自分のことのようである。
んだ、剛さ負げねように、善戦しねばねの。



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『ドルフィン・ブルー』音声収録

2007-10-03 | バリアフリー映画、福祉
この夏公開の映画『ドルフィン・ブルー』。

DVD化にあたって”視覚障害者も健常者も耳で楽しめる映画副音声を”ということで、台本作りから取組ませていただき、ようやく収録となりました。ナレーションというのか、語りというのか、これまでの「音声解説」と一線を画したいというプロデューサーの意向で「副音声活弁」で行ってみましょう、ということに。

どちらかというと見えるものをいちいち説明しない「活弁」と違い、見えるものを観ていなくても見えるように説明していかなければいけない。その上、シーンの説明だけではなく、ストーリー全体の流れが小説の語りのように楽しめるように、また、シーンの緊張感や楽しさ、躍動感、静けさなども語りの調子で感じ取れるようにしようー。台本も試行錯誤、ディレクターさんとプロデューサーさんと練り直し、収録。

活弁をやっていると、よく「昔の無声映画ではなく、現代の映画に活弁をつけたりしないんですか?」と言われますが、今回のものはそれに近い試みかもしれません。
「視覚障害といってもまったく見えない方から、老化によってだんだんと弱視になってきた方まで様々で、耳の力を借りながら観たい人もいる。広く作品世界を楽しんでもらえる副音声にしたい」とプロデューサーさん。確かに、これまで、年輩の方々から「今の映画にも副音声で活弁をつけてくれたらいいのに」と言われることが度々ありました。

『ドルフィン・ブルー』は、沖縄ちゅら海水族館で、壊死した尾ビレを切除されたバンドウイルカ「フジ」が、ある獣医とスタッフの熱意で人工尾ビレを得て、再び「泳ぐ」ことができるようになったという、実話を基にした物語。水族館には、「勇気をもらった」「励まされた」という手紙がたくさん寄せられていて、障害を持った方々からのものも多いといいます。DVDが完成したら、多くの方々に視聴いただきたいと思っています。


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ミルコのひかり

2007-10-02 | 映画・芸術・エンターテインメント
先日、渋谷のシネ・アミューズでイタリア映画『ミルコのひかり』を拝見しました。イタリアフリークの友人の勧めでしたが、ほんっとに、よかった。『ニューシネマパラダイス』『ライフ・イズ・ビューティフル』と同じくらい、ワンダフル!で、大感動でした。

映画が大好きだった少年ミルコ。ある日不慮の事故により視力を失い、全寮制盲学校での生活を余儀無くされます。なかなか馴染めないミルコですが、ある時、テープレコーダー(私もNHK時代に使った「デンスケ」です)を使って音や声を記録し編集することで自分のイメージする世界を創りだせる面白さに気付きます。

「四季」を表すのに、身近にあるモノを使って、音を探りながら収録し編集していくミルコ。
ー新緑の森の中をそよぐ風、鳥や虫の声、風が吹き、窓や戸がなり、雨が降り始め、次第に強くなる。そして雨上がり、葉っぱから雫がこぼれる音。からりと晴れたひまわり畑に蜜蜂が飛び始めるー
いじめられっこだった少年がまずミルコの友だちになり協力。シャワーによる雨音、口で作る蜜蜂の音、窓を少し開け通る風の音などを一緒に採るうちに、どんどんイキイキしていきます。
寮の管理人の娘とミルコの出会い。秘密で音の童話劇を採り始めると、それに興味を持った周りの子どもたちがだんだんと参加し始めます。いじめの中核だった子まで。みんなで寮を抜け出して街の映画館へ行くシーンや、夢中で音を採り童話劇を演ずる様子は、本当に素敵で、胸が踊り、目頭が熱くなります。
そして、ラストの文化祭。集った観客全員に、先生は目隠しをさせ、子どもたちが表現する豊かな世界を視覚以外の全感覚で受取ってもらうのです。

盲目のサウンドデザイナー、ミルコ・メンカッチの少年時代の実話を基に描いたこの作品、盲目の子どもたちを取り巻く環境、彼らの感性や可能性に、はっとさせられます。
もちろん、作品全体のサウンドプロデュースは、ミルコ・メンカッチ本人です。

現在、渋谷シネ・アミューズで上映されています。ぜひぜひご覧下さい。
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