akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

『幸福の黄色いハンカチ』ライブ上映

2011-10-28 | バリアフリー映画、福祉
東京国際映画祭、TOHOシネマズ六本木ヒルズで『幸福の黄色いハンカチ』をバリアフリー上映(字幕、音声ガイド付)し、ライブで音声ガイドをつけさせていただきました。

上映後に「山田洋次監督を囲んでトークショー」。
別会場での基調講演を終えられてから、客席に着いてご覧下さっていて、笑顔で「字幕も、発音がはっきりしなかったり聞きにくい台詞のフォローになっていて、語りも素晴らしかった。そのまま見るより面白かった、感激した」とおっしゃって下さいました。
「私(監督)に気を使ってだいぶ語り方を押さえていらっしゃったような気がしましたが、最後のところなどはもっと謳いあげてくれてもよかったくらいですよ(笑)。やっぱり絶対にライブがいいですよ!」との監督の言葉に、背中を後押し頂いた気がして、とても嬉しくなりました。

山田洋次監督はシンポジウムの基調講演で、30年前から聴覚障害の甥っ子がきっかけでご自身の作品に映画に字幕を付けるようになり、20年前に視覚障害の方と接してDVD化の際には音声ガイドも付けられるようになったこと、障害のある方々も寅さんや『幸福の黄色いハンカチ』を見ていてくれ、映画をもっと楽しみたいと思っていることが嬉しかったこと、そして映画誕生から現在まで映画技術はめざましく進歩し、自身の好きなフィルムもすべてデジタル化となっていくであろう現在は大きな転換期。でも、バリアフリー化など多くの人が幸福になるために役立つ技術の進歩は嬉しいことだ。というようなことを語られたそうです。

監督が愛着を持つフィルム映画、そのリュミエールの実写から小津安二郎まで40年あまりの無声映画を扱っている活動弁士としても、興味深く伺いました。

上映会後のトークショーでは、山田洋次監督が、映画の未来は?の質問に対して
「映画の未来ということに関する答えにはならないんですが、3.11以降、技術の進歩万歳に多くの人がふと疑問符を抱き、人と人の絆や思い遣りが大事だと改めて感じていると思う。人を思いやるということ、相手の立場に立つこと、繋がるということが希薄になってはいけない。私は人の温かさや絆、思い遣りを感じてもらえるような作品をこれからも作っていきたいと思う。」というようなことを、
また先駆的な視覚障害者の映画鑑賞団体シティライツの平塚代表も
「10年視覚障害者の映画鑑賞サポートをやってきて感じるのは、一緒に観る楽しさ。活動を通して気持ちが繋がるということです」とおっしゃっていました。

音声ガイド作りは、視覚障害者だけでなく、監督の立場や登場人物、一般視聴者の立場など、様々な立場に立って、作品のナビゲートをしていくものです。
バリアフリー映画を観る側も、視覚障害者、聴覚障害者の立場に思いをはせるきっかけになります。実際、目を閉じて聞いてみる方、耳をふさいで観てみる方がたくさんいます。
バリアフリー映画を見る、そこに携わるということは、相手の立場に立ち、思い遣り、繋がっていくということで、これからバリアフリー映画の果していく役割は大きいと改めて感じました。

Bmap(barrier-free movies for all people)のメンバーも皆、たいへんいい勉強をさせていただきました。今後に活かして参りたいと思います。
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山形遊学館「仙人講座」

2011-10-24 | 活弁
山形市の山形遊学館で行われた「仙人講座」で公演させていただきました。

年間を通じて6回、様々な方を講師にお招きして学ぶ50歳以上の方のための生涯学習講座。300人近い方がいらして、河合薫さんの講演と私の活弁&トークをお聴き下さいました。
私もいくつになっても生き生きと向上心を持ち続けねばと、楽しく公演させていただいた帰り道、改めて思いました。

だんどもまず、わらてもらていがったけ。

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10/28東京国際映画祭バリアフリー映画上映

2011-10-04 | バリアフリー映画、福祉
10月28日(金)東京国際映画祭の初イベント、バリアフリー映画上映で『幸福の黄色いハンカチ』副音声をライブで語らせていただきます。
場所は、六本木TOHOシネマズ。上映後は、山田洋次監督も交えたトークショ―があります。
光栄なことです。

『幸福の黄色いハンカチ』は昨年に音声ガイド付きDVDが新たに発売されており、その際の音声ガイド台本をいただいて、現在、ライブ用に少し手を入れさせていただいているところです。

11月25、26日、佐賀県で行われるバリアフリーさが映画祭でも、オープニングで『幸福の黄色いハンカチ』をライブ上映させていただきます。

ドキュメンタリー『沈黙の春を生きて』『はだしのゲンが見たヒロシマ』に関しては、Bmapメンバーが音声ガイドを制作することになりました。現在、急ピッチでチームを編成し、取り組んでいます。
佐賀県知事も推進する映画祭ですが、このようなラインナップというのが素晴らしい。プロデューサー曰く、「原発に関しては正反対の意見でも、福祉やバリアフリー映画の取り組みに関しては同じ目的ですから、ここは手を携えて」。同感です。
たくさんの方に楽しんでいただけますよう。

明日からNHK青山文化センター10~3月期の講座も新たにスタートします。

多くの方に喜んでいただけるバリアフリー映画とその制作者を増やしていきたいと思います。


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