勘助が守り本尊として首から提げている小像。ミツに問われて『軍(いくさ)の神だ』と答えている。摩利支天は中世から武士の守護神として信仰を集めた。 語源はサンスクリット語で、“陽炎(かげろう)”を意味する“Marici(マリーチー)”の音を漢字に写した。陽炎には実体がないので捕らえられて傷ついたり、害されることがない。それが戦国武士の摩利支天信仰に繋がったとされる。
楠木正成や前田利家は、兜(かぶと)の中に摩利支天の小像を入れて出陣したと言われている。摩利支天の姿は、天女やイノシシに乗る女神、三面六臂(さんめんろっぴ)、三面八臂*でイノシシに乗る像などがある。
*三面六臂、三面八臂とは、3つの顔と6つ(または8つ)のひじのこと