1週間前にオーダー枕を作られたお客様が調整に来られました。
「寝返りして横向きになった時、ふとんの端に頭が来るので、寒い。枕の中央で横向きしたい。」
セミダブルで寝てみえるとのことでした。枕の端がふとんの端とはおかしなことを言われるなぁ と思いつつ、具体的に寝スタイルを聞きました。
よくよく、お聞きしますとセミダブルで、ご夫婦仲良く寝てみえるということでした。
セミダブルですから幅はおよそ120㎝、お1人当たり60㎝です。ですから枕の端がふとんの端ということになり、お客様の言うことがようやく理解できました。
お客様の希望に少しでも沿うようにと考えたところ、苦肉の策ですが、左側部と中央部との高さを逆転させました。この処方が良いか悪いかは分かりません。数日お使い戴いて、お客様に判断して戴く事となりました。
最後に、敷きふとんをダブルに変えて戴くようにお願いしました。
セミダブルという言葉から、ダブルのちょっと小さめと思ってみえる方が多いようです。実際、お二人でお休みになるのは1晩2晩ならなんとかなりますが、ず~っとは無理です。
当たり前のことですが、今一度言います。
シングルは幅 約100㎝です。セミダブルで120㎝(2人なら1人当たり60㎝です)。ダブルで140㎝(二人なら70㎝)。クイーンで160㎝(二人なら80㎝)。キングで180㎝(二人なら90㎝)。つまり20㎝刻みで幅が大きくなります。
例えが悪いが、お棺の幅が一般には約55㎝。セミダブルで二人で寝るのは正にお棺の中で寝ているようなもの。死んだように寝られる方は良いですが、普通の方なら寝返りが自由に出来ない状態ですね。爺が学生の頃の寝台列車はB寝台で幅は55~60㎝だったと記憶している。現在のB寝台は70㎝ある。一度だけ寝台車で青森まで行ったことがあるが、寝返りすると落ちそうで、一晩中うつらうつらとしていたのを今思い出した。
今までにも、セミダブルで二人で休むという方は、稀にいらっしゃいます。部屋が狭いと言う理由からです。でも、(ふとんの大きさと部屋の大きさとを)良く考えて見て下さい。僅か20㎝広くするだけです。
ここで、提案したいと思います。
セミダブルという言葉自体を廃止し、「ワイドシングル」とか「エグゼクティブシングル」という表現に変えたらいかがでしょうか。寝具業界・ベッド業界あげて言葉を統一することが望ましいでしょう。
日本人の体格も以前より大きくなっています。大衆車カローラでさえ、初代からみると一回りも二回りも大きくなっています。
言葉を変えるだけですが、この事は、しいてはお客様にも良い結果をもたらすでしょう。
毎日、ぐっすり寝られるということは、最高の幸せだと思いませんか・・・