上手に眠れば元気になれる・・・ オーダー枕とベッドの快眠ひろば

寝具の商品情報から正しい使い方まで。健康的に上手に眠る(科学的?)サイト。ふとん屋の爺の「寝言戯言独り言・趣味」の話。

助けられました。

2010-07-25 23:35:49 | 爺の寝言戯言独り言
 6年ほど前に町内会の役員をさせて戴いた。その時に一緒に役をされた方が亡くなられた。49歳だそうだ。訃報を聞いた時は「お爺ちゃんのことか」と思った。だが、違った。
 その当時は元気印の塊で、行動的で、腕の良い大工さんだったことから、皆が頼りにしていた。数年前から病と闘うことになったそうだ。
 出棺の時には、親戚だけでなく、彼の友達(同級生)や仕事仲間などから押し殺すような悲しみの声があちらこちらから聞こえた。中には、「○○!ありがとう」「○○!さようなら」などという声が飛び交った。彼が如何に皆に慕われていたかが分かる。

 爺も実は彼に助けて貰った。
 以前(5/6年ほど前)介護保険の施行規則が大幅に変わった時のことだ。

 その時、今まで制限もなくベッドのレンタルができたのが、要介護2以下の方は原則レンタルできなくなった。爺のお客様でそれまで要介護2であったが、今回更新で要介護1になった方が見えた。パーキンソン病があり、起き上がりや歩行に問題がある方だ。もちろん、要介護2でもおかしくないと思えるほどだったが、ちょうど介護保険の見直しの時期にあたり、審査が厳しくなったのか1になってしまった。ケアマネさんから、1モーターベッドに変えて貰うか、今使っているベッドを購入して戴くように連絡があった。
 購入の意思は無く、レンタルの継続をお願いすることになりましたが、継続にあたっては1モーターベッドに変えて戴く必要がありました。ところが、1モーターベッドは高さを替えることができません。パーキンソン病があるため、そのままではベッドの高さが低過ぎて立ち上がりに困難が生じることになりました。
 パーキンソンの方は、初めの一歩の出だしがポイントです。ベッドが低く立ち上がりがスムーズにいきません。
 「今までのベッドと同じ高さにしてくれ」とご利用者様からは言われます。約20㎝程の台の上にベッドを上げることにしました。
 利用者様の高さ希望を1㎝単位で聞きました。確か18㎝(記憶が不明瞭)だったと思います。その高さの台をどう用意したら良いかが問題でした。①ベッドの本体の重さは80kg以上、ご利用者様の体重を考え併せると150kg程度は十分耐えうるものでないといけません。余裕を見て最低でも200kgは耐えなければなりません。②畳の部屋で使用します。お孫さんがいます。安定感のある、かつ超安全な状態にしなければなりません。
 
 そんな時に、彼に相談したのです。彼は、いとも簡単に解決してくれました。

 家を作るには「梁」というものが必要です。普通は松などの木が使われます。直径が30㎝ほどの松の木です。「梁」として使った松の木の余った部分がありました。彼はそれを厚さ18㎝に均一に切りそろえてくれたのです。直径約30㎝高さ18㎝の台が4個出来上がりました。箱ものを作った訳でなく、木を輪切りにしたのですから、潰れる(壊れる)心配はありません。


 爺が相談をした時、彼は仕事が終わって家でくつろいでいました。
彼・・「急いでる?」
爺・・「お客様が困っているから、早いに越したことは無いが…」
彼・・「○●町の俺の仕事場知っとる?」
爺・・「大体判るが・・・」
彼・・「じゃ、30分ぐらいしたら来て」
爺・・「今夜じゃなくても良いよ」
彼・・「良いよ。今から片付けよう」
 30分程して行ってみると、奥さんと二人で仕事場で作業していた。爺が着いたころにはほぼ出来上がっていた。彼はその時アルコールが少し入っていた。車の運転を奥様がされたのだ。彼だけでなく、奥様までも迷惑をかけてしまった

 後日、代金を聞いても「要らない」と言う。子供さんにでも食べて戴こうと、気持ちばかりの謝礼のお菓子を持ってお礼に伺った。

 翌日その台を持って利用者様の所に伺い、ベッドの下に4つの台を敷いた。高さもぴったりであった。初めの一歩がスムーズに出、ご本人も、ご家族様にもたいへん喜んで戴いた。


 暫くして、また、要介護2となり、2モーターベッドが借りられることになった。もし、購入していたならば、いくら中古品と言えどもかなりの金額である。実態を知らない(統計でしか国民を見れない)馬鹿な官僚に振り回された格好だ。
 購入を強いられた方は全国にかなりの数に上ったことだろう。中古のベッドを販売した業者は古物商の許可を得ていたのだろうか?爺も、たとえ1台でも中古ベッドを売ろうと思えば「古物商」の許可が要るから、公安委員会に許可申請を急いで提出した。警察署に行った時、何で申請するのかと聞かれ、経過を説明し今後申請が増えると思われる旨のことを申し上げた。数ヵ月後許可が下りたと連絡があり、警察署に取りに行った。他にも申請がありましたかと聞けば、どうやら「無かった」ようだ。

 世の中、ええ加減なもんだな・・・・・


 だが、この案件での対応が評価されたのか、ケアマネさんの態度が少し変わった。少しずつ、信頼して頂けるようになった。少しずつ仕事が戴けるようになった。

 彼に助けて戴いた。だが、爺はその後彼を助けるような事態に遭遇することは無かった。
 ご冥福をお祈りする。
                   
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