さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて

2011-04-25 23:51:41 | Monday ゆかいな言葉たち
(写真:新緑のたんぽぽ)


 2週間ほど前だったろうか。
 知り合いの方の知り合いの方が、このコピーを考えたんだと、聞いて、
読んでみた。

 →「宅急便ひとつに、希望をひとつ入れて」

 このヘッドライン(キャッチフレーズ)はやや軽快さにかけるが、
そこを「ひとつ」と「ひとつ」で当たりを柔らかくしている。

 そのあとに、ボディーコピーが、こう、続いている。
上のリンク先から転載。こちらでの行間の間隔と合間のイラストは、読みやすいよう、キャベツの独断と偏見による)



           *********


 「2011年3月11日。

  地域に密着した仕事をしてきた私たちにとって、街が消えてしまうほどの

  壊滅的な被害は、言葉にできない衝撃であり悲しみでした。

  現地で働く社員にとっては、それは報道で語られるような「数」や「記事」の話ではなく、

  その街でともに暮らしてきた一人ひとりの顔であり、声であり、通いつめた道であり、

  こまやかな日常のすべてでした。


           

  被災し、自らも多くのものを失った社員たちは今、その街や人々をよく知っている

  自分たちだからこそできることを探し、行動しています。

  そして全国にいる17万人のヤマトグループ全社員に行動で伝えてくれています。

  私たちが今やるべきことは何か、と。



           


           


  これまで宅急便を育ててくれた被災地の水産業・農業も壊滅的な被害を受けました。

  これは日本中の人々の食生活にとっても大きな問題です。

  私たちは、救援物資の仕分け作業や各拠点への物資輸送の

  全面的サポートなど今すぐに必要な支援は継続しながら、

  被災地の生活基盤の復興と、水産業・農業の再生支援に向けて動き出します。


          

  産業が復興するまでの道のりは長く険しく莫大な費用が必要です。

  まとまったお金を一度に寄付することは難しくても、毎月

  自分たちの通常の仕事の中から最大限に捻出する方法はないかと考えました。


          

  私たちが取扱う宅急便は年間約13億個。

  宅急便1個につき10円を寄付できれば年間約130億円捻出することができます。


          

  もちろん宅急便の運賃表は変えません。しかしそのお金はまぐれもなく、

  全国のみなさんの力で生まれるお金です。

  毎月どれくらいの金額になったか、被災地の復興に

  どのように活かされて形になるのか、ホームページなどでご報告していきます。

  どんなに困難でも恩返しの気持ちを込めてやり通す決意です。


          


          


  震災から1ヵ月。

  世の中の空気も、人の関心も、気持ちも、徐々に変化していきます。

  一方で、震災がもたらした現実の重さと悲しみに身動きできずにいる人がいます。

  絶対にそのことを忘れないこと。

  被災された人でなければ分からない痛みがあることを常に想像し、

  復興に向けた行動の原点とすること。


          


  私たちは、はじめます。そして、いつもと変わらない自分たちの仕事を続けます。





         (ヤマトのロゴ)
         みんなで一歩前へ
          ヤマトグループ」


 


            **********


 少々一文一文が長く、読み手が読む気をもたないと、途中続かなくなる可能性もあるけれど、
 最後のロゴも含めてうまくまとまっており、確かに、
 シンプルで味わいのある文章になっている。

 皆が知っているところから始め、
 個人から見える光景としてこまやかに情景を浮かべさせ、
 自分のこととして語ることで、読む相手にメッセージを伝えている

 もちろん、宅急便1個につき10円寄付する、という決意も素晴らしい。が、
 それが相手にも伝わるように伝えるのは、難しい。
 善意が、別の懸念を生むこともある。ex.「その分、料金が高くなるんじゃないか」
 そういうことについても、ひとこと言及してある上、

 最後の行までしびれさせる。


 いいですなぁ・・・



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