さすらうキャベツの見聞記

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その昔、ソロモン王の宮殿の器はすべて金だった

2017-09-03 07:13:19 | Sunday 聖書雑学
(シバの女王と会談するソロモン(サン・ジョヴァンニ洗礼堂,フィレンツェ))

『ソロモン王が飲み物に用いる器(うつわ)はみな金(きん)であった。

 レバノンの森の宮殿にあった器物(うつわもの)もすべて純金であって、銀のものはなかった。

 銀はソロモンの時代には、価値あるものとはみなされていなかった。』


(旧約聖書・列王記第一 10:21)




 「触れたからこそ…」にちらっとソロモンに言及したが、ソロモンの栄華の一端に思いを馳せる時、どうも、この聖句がちらついてしょうがない。

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 今、金は1グラム 4,000円くらいなのだろうか。もしk18(18金)を売るとしても、あれやこれやと引かれて、1グラム当たり3,000~3,500円程度らしい。
銀はそれ以下で、1グラム10円とかそこら。だが、それでもお金になる(=価値がある)。

 だが、ソロモン王の時代、イスラエルが反映した当時は、

「銀は…価値あるモノとはみなされていなかった」(列王記第一 10:21)

「王は銀を…石のように用い」(列王記第一 10:27)

ただの石ころに1円でも値段がつけられるだろうか? 銀がそんな扱いだった程、イスラエルは、ソロモンは繁栄していた。歴代誌第二では、こうも描かれている。

「王は銀と金とをエルサレムで石のように用い、

 杉の木を低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。」
(歴代誌第二 1:16)



          ***********


 ソロモンの住んでいた「レバノンの森の宮殿」は、高価なレバノン杉の木をふんだんに用いた宮殿だったため、そう呼ばれた(列王記第一 7章)。
 香柏と呼ばれるくらいすばらしい香り(→雅歌4:11)を放っていたため、その宮殿はかぐわしい香りに満ちていただろう。


 (ちなみに)レバノン杉は、スギとは言われていてもスギの仲間ではなく、マツの仲間の針葉樹。

 レバノンやトルコの地中海沿岸の山地に主として分布して、高度1400~1800mくらいの高地に生えており、その高度の気候はイスラエルの気候とは大分異なる。
樹齢の高いものになると、高さ30m、直径2m以上になることもある常緑樹で、均整の取れた堂々とした姿は、力や高さ、栄光や富のシンボルであったという。(cf.新聖書植物図鑑、他) (→雅歌5:15)

 材質はたいへん硬く、かつ腐りにくいため、フェニキアの造船職人はこれを帆柱として利用したり(→エゼキエル 27:5)、

 建築用としても高く評価されていたため、ツロ(ティルス)の王ヒラムは、昔、エルサレムのダビデ(ソロモンの父)に送ったり(サム二 5:11 + 7:2、歴代誌第二 2:3)、神殿にも用いられたり(列王記第一 6章)、

 神聖なものとしても扱われていた(→詩編80:10)。




『王は大きな象牙の王座を作り、これに純金をかぶせた。

 ・・・

 また、12頭の雄獅子(おじし)が、6つの段の両側に立っていた。

 このような物は、どこの王国でも作られたためしがなかった。

 ソロモン王が飲み物に用いる器(うつわ)はみな金であった。

 レバノンの森の宮殿にあった器物もすべて純金であった。

 銀はソロモンの時代には、価値あるモノとはみなされていなかった。』


(歴代誌 第二 9:17~20)




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