(シバの女王と会談するソロモン(サン・ジョヴァンニ洗礼堂,フィレンツェ))
『ソロモン王が飲み物に用いる器(うつわ)はみな金(きん)であった。
レバノンの森の宮殿にあった器物(うつわもの)もすべて純金であって、銀のものはなかった。
銀はソロモンの時代には、価値あるものとはみなされていなかった。』
(旧約聖書・列王記第一 10:21)
『ソロモン王が飲み物に用いる器(うつわ)はみな金(きん)であった。
レバノンの森の宮殿にあった器物(うつわもの)もすべて純金であって、銀のものはなかった。
銀はソロモンの時代には、価値あるものとはみなされていなかった。』
(旧約聖書・列王記第一 10:21)
「触れたからこそ…」にちらっとソロモンに言及したが、ソロモンの栄華の一端に思いを馳せる時、どうも、この聖句がちらついてしょうがない。
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今、金は1グラム 4,000円くらいなのだろうか。もしk18(18金)を売るとしても、あれやこれやと引かれて、1グラム当たり3,000~3,500円程度らしい。
銀はそれ以下で、1グラム10円とかそこら。だが、それでもお金になる(=価値がある)。
だが、ソロモン王の時代、イスラエルが反映した当時は、
「銀は…価値あるモノとはみなされていなかった」(列王記第一 10:21)
「王は銀を…石のように用い」(列王記第一 10:27)
ただの石ころに1円でも値段がつけられるだろうか? 銀がそんな扱いだった程、イスラエルは、ソロモンは繁栄していた。歴代誌第二では、こうも描かれている。
「王は銀と金とをエルサレムで石のように用い、
杉の木を低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。」(歴代誌第二 1:16)
杉の木を低地のいちじく桑の木のように大量に用いた。」(歴代誌第二 1:16)
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ソロモンの住んでいた「レバノンの森の宮殿」は、高価なレバノン杉の木をふんだんに用いた宮殿だったため、そう呼ばれた(列王記第一 7章)。
香柏と呼ばれるくらいすばらしい香り(→雅歌4:11)を放っていたため、その宮殿はかぐわしい香りに満ちていただろう。
(ちなみに)レバノン杉は、スギとは言われていてもスギの仲間ではなく、マツの仲間の針葉樹。
レバノンやトルコの地中海沿岸の山地に主として分布して、高度1400~1800mくらいの高地に生えており、その高度の気候はイスラエルの気候とは大分異なる。
樹齢の高いものになると、高さ30m、直径2m以上になることもある常緑樹で、均整の取れた堂々とした姿は、力や高さ、栄光や富のシンボルであったという。(cf.新聖書植物図鑑、他) (→雅歌5:15)
材質はたいへん硬く、かつ腐りにくいため、フェニキアの造船職人はこれを帆柱として利用したり(→エゼキエル 27:5)、
建築用としても高く評価されていたため、ツロ(ティルス)の王ヒラムは、昔、エルサレムのダビデ(ソロモンの父)に送ったり(サム二 5:11 + 7:2、歴代誌第二 2:3)、神殿にも用いられたり(列王記第一 6章)、
神聖なものとしても扱われていた(→詩編80:10)。
『王は大きな象牙の王座を作り、これに純金をかぶせた。
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また、12頭の雄獅子(おじし)が、6つの段の両側に立っていた。
このような物は、どこの王国でも作られたためしがなかった。
ソロモン王が飲み物に用いる器(うつわ)はみな金であった。
レバノンの森の宮殿にあった器物もすべて純金であった。
銀はソロモンの時代には、価値あるモノとはみなされていなかった。』
(歴代誌 第二 9:17~20)