さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

【joke】宝くじ

2011-11-29 21:30:48 | Monday ゆかいな言葉たち
 ある男が 一心にアッラーに祈りを捧げていた。

「偉大なるアッラーよ。
 どうか私を助けて下さい。
 私は商売に失敗して破産してしまいました。
 このままではクルマを売らなければなりません。
 どうか宝くじを当てさせて下さい」

 そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。


      *************

 一週間後、男は再びアッラーに祈りを捧げていた。

「偉大なるアッラーよ。
 どうか次こそ私を助けて下さい。
 クルマを売りましたが、まだお金が足りないのです。
 このままでは家を売らなければなりません。
 どうか宝くじを当てさせて下さい」

 そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。


      *************

 また一週間後、男はふたたびアッラーに祈りを捧げていた。

「偉大なるアッラーよ。
 どうか今度こそ私を助けてください。
 クルマも家も売りましたが、まだお金が足りないのです。
 このままでは一家心中しなければなりません。
 どうか宝くじを当てさせてください」

 すると突然、天空からまばゆい光が射し込め、何者かの声が聴こえて来た。それは誰であろうアッラーの声であった。アッラーは言った。

「おまえの願いはわかっている。私はお前を助けたいと思っている。
 しかし、私にもできることとできないことがある。
 そこでここはお互いに、歩み寄ろうではないか」

「と言いますと?」


       ************

 アッラーは一息吐いてからこう言った。

「宝くじを買わんか! この馬鹿もの!」


                  (早坂隆著「世界のイスラムジョーク集」,中公文庫)
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どんなにつらくとも | トップ | かみさまへのてがみ »
最新の画像もっと見る

Monday ゆかいな言葉たち」カテゴリの最新記事