ある男が 一心にアッラーに祈りを捧げていた。
「偉大なるアッラーよ。
どうか私を助けて下さい。
私は商売に失敗して破産してしまいました。
このままではクルマを売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせて下さい」
そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。
*************
一週間後、男は再びアッラーに祈りを捧げていた。
「偉大なるアッラーよ。
どうか次こそ私を助けて下さい。
クルマを売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは家を売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせて下さい」
そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。
*************
また一週間後、男はふたたびアッラーに祈りを捧げていた。
「偉大なるアッラーよ。
どうか今度こそ私を助けてください。
クルマも家も売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは一家心中しなければなりません。
どうか宝くじを当てさせてください」
すると突然、天空からまばゆい光が射し込め、何者かの声が聴こえて来た。それは誰であろうアッラーの声であった。アッラーは言った。
「おまえの願いはわかっている。私はお前を助けたいと思っている。
しかし、私にもできることとできないことがある。
そこでここはお互いに、歩み寄ろうではないか」
「と言いますと?」
************
アッラーは一息吐いてからこう言った。
「宝くじを買わんか! この馬鹿もの!」
(早坂隆著「世界のイスラムジョーク集」,中公文庫)
「偉大なるアッラーよ。
どうか私を助けて下さい。
私は商売に失敗して破産してしまいました。
このままではクルマを売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせて下さい」
そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。
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一週間後、男は再びアッラーに祈りを捧げていた。
「偉大なるアッラーよ。
どうか次こそ私を助けて下さい。
クルマを売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは家を売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせて下さい」
そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。しかし、当選したのは別の男だった。
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また一週間後、男はふたたびアッラーに祈りを捧げていた。
「偉大なるアッラーよ。
どうか今度こそ私を助けてください。
クルマも家も売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは一家心中しなければなりません。
どうか宝くじを当てさせてください」
すると突然、天空からまばゆい光が射し込め、何者かの声が聴こえて来た。それは誰であろうアッラーの声であった。アッラーは言った。
「おまえの願いはわかっている。私はお前を助けたいと思っている。
しかし、私にもできることとできないことがある。
そこでここはお互いに、歩み寄ろうではないか」
「と言いますと?」
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アッラーは一息吐いてからこう言った。
「宝くじを買わんか! この馬鹿もの!」
(早坂隆著「世界のイスラムジョーク集」,中公文庫)