今日、中村哲さんが亡くなったというニュースがありました。
中村さんは、NGO「ペシャワール会」の代表として、アフガニスタンで井戸を整備するなどの事業をされていた医師です。現地での活動中に襲撃を受け、死亡したと伝えられています。
偶然ですが、このブログでちょうど中村さんについての記事を書こうとしているところでした。
というのも、以前このブログで記事を書いた作家の原尞さんは、中村哲さんと高校の同級生にあたるのだそうで……その関連で記事を書こうと思っていたのです。
そのために、朝倉の三連水車というところにいってもきました。
いつか聞いたところでは、中村さんはアフガンでの灌漑事業にあたって、この朝倉三連水車をヒントにしているといいます。郷土の伝統がそういうふうに活かされるというのは、誇るべきこと――そんな記事を書くつもりでした。
はからずも追悼ということになってしまいますが……中村さんの活動に最大級の敬意を表し、冥福をお祈りしたいと思います。
朝倉の三連水車は、その原形は江戸時代につくられ、幾たびもの苦難を経て維持されてきました。
西日本豪雨でも被害を受けましたが、それでもメンテナンスして使われ続けています。
渇いた土地に水をひく営みは、そういうことなんだと思います。
いたずらに美化するつもりもありませんが……中村さんご本人がおっしゃっていたように、こういう活動こそ日本は進めていくべきなんじゃないでしょうか。
中村氏の進めていた事業こそ日本がなすべき海外援助の原点でした。
詳しいことはわかりませんが、タリバンは関与を否定しているという報道もあります。
「日本のNGOは復興支援に取り組んできており、攻撃対象にしたことは一切ない」と。
武装勢力をしてもそういわしめるほど、まさに誰からもリスペクトを受ける事業であり、おっしゃるとおり日本がなすべき援助の形だと思います。
彼は「平和憲法がある国の人、戦争をしない国の人」ということで何度も助けられたようですね。
襲撃されたということは、もう日本はそういう国ではないと認識されているのかもしれません。
残念です。・・ご冥福をお祈りいたします。
まだ今回の事件について詳しいことはわかっていませんが……日本に対する評価が変化したわけではないと思いたいところではあります。
中村哲さんは日本の良心であり、我々後代の人間がどういう道を進むべきかを身を以て示された方だと思います。(こういう人が、まぎれもない「本物」なんでしょう。)
成された活動や遺業は、その土地にずっと残るでしょうし、心から憧れの思いを感じる人です。
それだけに、
なんて悲しいニュースなんでしょうか。
ただ、いまの日本は、中村さんが示した道とは果てしなく離れたところに向かいつつあるようで……それだけに、いっそう今回のニュースが悲痛に感じられます。