先日の新聞で、北京オリムピックに絡んで、北京での土地の強制収用の様子が報道されていた。有無を言わせぬ、暴力に近い接収の様子は、人権無視に近いものがある。
その報道を見ながら、10年ほど前に長江下りの旅行をしたとき感じたことを思い出した。三峡ダムの工事が進行しているときでした。重慶に入るとき、ずらっと建つ高層住宅に一寸違和感を覚えたのですが、それが、三峡ダムで水没する地域の人たちのための住宅だと聞き、住む場所を奪われる人たちに対する当然の措置と思いました。その一方、世界遺産に相当するような三峡を水没させることの凄さと、多くの住民を強制退去させるやり方に、とてつも無い強い権力を見たように思いました。
三峡ダムで、住民の住宅を準備したのは当然のことだけれど、でも本当に総ての住民の安心出来る対策になっていたかどうかはわからない。でも、ダムの計画から完成までの長い年月があるのだからそれなりのことは結構出来たのだろうと思う。
しかし、オリムピックは短期間にやらなければならないこともあり、当然かなりの無理がまかり通っているのだと思う。多くの外国人が来る、その人たちに、中国の人民の生活格差の酷さ、庶民の惨めな生活をさらしたくないという思いも重なってのことだと思う。
民主的に・・・そんなことを言っていたら、何も進まないというのが中国かもしれない。