普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

ものづくり大国日本の危機・無能な経営者?

2012-02-06 17:36:03 | 企業経営

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ものづくり大国の危機
 昨日の読売新聞で表記の解説記事を出しています。
・製造業傑作総崩れ
・技術の優位性に陰り
・商品開発米韓に送れ
・リストラ、地域経済に打撃
などのタイトルが並んでいます。
・主要製造業のリストラ計画として
 NEC:国内外1万人削減
 TDK:国内外の約1万000人の15%削減
 リコー:13年度までに約1万人削減
 日本板ガラス:世界の3万6000人の1割削減
などがならんでいます。
ものづくり大国の危機の理由として
・歴史的な円高
・タイの洪水
・ものづくりの基盤の揺るぎ
を挙げています。
 たまたま週刊現代に「全国民必読・これからの日本を考えるヒント」と言う記事が載っていましたので、同誌の前向きの提案部分を拾って考えて見ました。
・日本株式会社
 私の現役の頃は経済の成長期で当時の通産省の指導のもとで企業の大型化が進められていました。
 企業では終身雇用性に基づく企業への忠誠心と、当時米国から導入された品質管理方式を組み合わせと、自主管理活動や改善活動が進められて居ました。
 企業は競争力も確保のために労働組合の存在で、産業手当ての削減が出来ないブルーカラーの合理化を進めてきました。
 それが自動車や時計・カメラとうの他種類な部品からなる機械は改善活動のお蔭で世界で主要な地位を築いてきました。
・首を捻る企業経営者
 私はたまたま海外出張のために本社に始めて行き、海外の仕事を通じて、本社の重役たちのある程度の知識を得る事が出来ました。
 その一例です。
 出張していた海外の工場でトラブルが発生しプラントが停止した。
 丁度都合の悪いときに本社の副社長が視察がありましたが、同プラントに派遣されていた重役はそのプロセスの開発から当たっている人で、その他の日本人の社員は工場が出来て他の工場からの出張者ばかりだったので、同重役は副社長の出迎えを他の日本人に依頼し、自らトラブルの処理に当たった。
 その結果は同重役は職を解かれて帰国後閑職に廻された。
 私は個人的に副社長が庶民的ど気さくな人だと知っていたので、なおさら首を捻ったことを覚えています。
 その後スカイライン・ブルーバードなど当時の名車を作っていた日産自動車の本社で内紛が起こり業績が悪化し、遂にルノーのカルロス・ゴーンさんが来て何とか立ち直りました。
 私はこれらのことから、技術者は技術、販売は販売など一本槍で来て、始めて経営にだずさわるサラリーマン重役の問題点に気づき、重役候補生のサラリーマンは、米国のようにMBAで経営者としての勉強をすべきだと書いて来ました。
・小泉改革・中国の台頭・日本の貧困化
 そして小泉さんの登場です。
 彼は悪評高い米国の年次計画要望書にしたがって、規制緩和を進め、後は企業責任として、米国流の市場経済一本槍を進めて来ました。
 この流れに乗って日本の企業経営者は米国流の成果主義を取り入れました。
私はその導入は日本経済発展の原動力となったチームワークを壊すものだと反対して来ました。
 その頃は日本のバブルの後の事でしたが、まだ日本はかなりの経済成長を続けていましたが、小平さんの政策変更で中国が次第に力を付けて来ました。
 それと共に企業の競争力の低下→非正規社員の増加→日本の貧困化が始まりました。
私は経費で処理される非正規社員を人間として取り扱って、その提案を正規社員と同じに取り上げていたら、思いもよらぬ製品の開発に繋がったかもと思うのですが。
・日本株式会社化の必要性
 私は大きな領土と膨大な人口を手放さない中国・インド・米国などとの市場経済一本槍ではハンデが有り過ぎる、そのためには日本の成長期に欧米諸国から批判された、政・財・学・官一体の日本株式会社化しか日本の生き残る道はないと書いてきました。
・無能な企業経営者
 そして麻生政権時代のリーマンショック。
 企業は前に書いたように残業手当を支払わなくて済むホワイトカラーの大量のリストラを進めて来ました。
 その頃です。リストラされた人、早期退職した人達の韓国・中国行き。親会社が子会社の設計図を提出させ、それを海外の関係会社に流し、日本の技術の流出だと騒がれ、日本の技術の伝承はどうなるかと大企業が批判されたのは。
 そして今韓国は財政上の問題はあるそうですが、韓国株式会社として一応の成功を納め日本経済にも影響を及ぼしています。
 もし日本株式会社化の思想が政府や企業にあれば、日本の技術防衛のためやれることはいくらでもあったのに、まだ日本全体としてグローバル化でいたしかたないで済まされたようです。
 また日本として企業経営者の育成も行われていれば、そして日本の経営の良い所がまもられておれば、「ものづくり大国の危機」も幾らかは軽減できたのに。
・週刊現代の意見
 以下は週刊現代の記述です。 (括弧内は私の意見と共通すること)
・日本が抱える諸問題を掘り下げていくと、底の底で、いつもコツンとぶつかる大岩がある。経営トップ、政治家、官僚・・・・・・大岩の正体は「人材不足だ」 (経営者の育成・日本株式会社化)
・ソニー経営者も数字を見るだけの合理主義者とは違い、人間性を深める自己研鑽を続け、従業員のお手本になっていた。その中から、多くの画期的な商品も生み出された。日本は、いまさら高い成長を望んでも無理。企業は原点に立ち返り、経営の質を見つめ、内面的充実を目指すべき。 (経営者の育成・日本株式会社化)
・「特にモーレツ社員として日本の高度成長を支えた中間管理職に元気がない。企業から使い捨てられ、生活の安定も担保できないから、イエスマンの官僚みたいな人ばかりが増えている。だから変わり種社員も生まれないし、イノベーションも起こらない。ますます企業は業績を悪化させて自信を失う「負のスパイラル」に陥っている。 (経営者の育成)
・世界の松下電器を作った松下幸之助のような人物は生まれなくなった。そして『お天道様に見られても恥ずかしくない生き方をしよう』という日本人本来の美徳や職業への矜持といったものも失われていった」 (経営者の育成)
・秋田県秋田市にある国際教養大学学長の中嶋嶺雄氏が言う。うちの大学では新渡戸稲造の『武士道』や斎藤茂吉の『万葉秀歌』などを必読書として学生に読ませたり、9月の入学前に学生自らが課題を設定して、自主的にボランティア活動などをやらなければいけないギャップイヤー制度を設けたりしている。 (経営者の育成、「日本の品格」の著者で数学者の藤原正彦さんも技術者も技術以外の本を読めと言っています)・文部科学省が教養課程削減の方針を採ったのが約20年前のこと。同じ時期から日本が「失われた20年」に突入したのは〝偶然の一致〟ではない。 (経営者の育成・日本株式会社化)
・「日本の失敗は、衰退産業を補助金や助成金で温存することで、カネやモノだけでなくヒトを最先端の産業にシフトさせなかったことにある。 (日本株式会社化)
・日本国内で、これと同じことをリタイアした高齢者や成功したビジネスマンが行えば、日本は活性化する。
・中嶋氏:「外国の優秀な政治家や経営者は文学を読み、哲学を学び、音楽や芸術にまで幅広く関心を持つ。そのうえで天下国家を論じるから、スケールの大きい仕事も成し遂げられる。日本にはこうしたパイオニアとなる人材がたくさんいた。みな天下国家を引っ張っていこうという気概に溢れていた。こうした精神を再び広めていくためにも、教養を学び直すことから始めたらどうだろうか」
・日本のサラリーマンは引退して年金をもらって過ごすのではなく、こうした形で『新しく働く』という選択をして欲しい」 
(私も何度か高齢者も働こう書いてきました。)

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*注記:週刊現代の前向きの提案の部分
・元ソニー上席常務の天外伺朗氏:「ソニーの設立趣意書には『自由闊達にして愉快なる理想工場』という一節があり、創業期には、従業員がハッピーで夢中になって仕事に取り組む『フロー状態』が大切にされた。経営者も数字を見るだけの合理主義者とは違い、人間性を深める自己研鑽を続け、従業員のお手本になっていた。その中から、多くの画期的な商品も生み出された。日本は、いまさら高い成長を望んでも無理。企業は原点に立ち返り、経営の質を見つめ、内面的充実を目指すべきです」
・会計士・税理士・医師でなどのホワイトカラー層の仕事がコンピュータに奪われる事態は、日本でも今後本格化する
・京都大学名誉教授の竹内洋氏:「特にモーレツ社員として日本の高度成長を支えた中間管理職に元気がない。企業から使い捨てられ、生活の安定も担保できないから、イエスマンの官僚みたいな人ばかりが増えている。企業トップも『外れた奇人変人社員』を減点方式で一括評価するから、これが一層社員を縮こまらせている」
 だから変わり種社員も生まれないし、イノベーションも起こらない。ますます企業は業績を悪化させて自信を失う「負のスパイラル」に陥っている。
・元伊藤忠の社長の丹羽宇一郎氏は、責任を部下に押し付けることもしない。目を『次』に向けてすぐに走り出す。そんな器の大きい人物が、いまの日本企業を見渡してもいなくなった」
・小学校を中退して裸一貫、町工場から世界の松下電器を作った松下幸之助のような人物は生まれなくなった。そして『お天道様に見られても恥ずかしくない生き方をしよう』という日本人本来の美徳や職業への矜持といったものも失われていった」
・日本が抱える諸問題を掘り下げていくと、底の底で、いつもコツンとぶつかる大岩がある。責任逃れに終始する経営トップ、国民に痛みを強いるだけで何も決められない政治家と官僚・・・・・・大岩の正体は「人材不足という悩み」にほかならない。
・そんな時代にあって世界で通用する人材を次々と世に出す大学がある。
 卒業生の就職率は「100%」。進路を見ても米大手証券モルガン・スタンレーから、イギリスのブレア政権時代にその思想的支柱を担ったロンドン・スクール・オブ・エコノミクス大学院までと幅広い。
 秋田県秋田市にある国際教養大学。ここに「日本復興」のヒントがある。同大学学長の中嶋嶺雄氏が言う。
「就職に強いのは全学生に1年間の留学を義務付けたり、徹底した英語教育を行っているためだと思われがちだが、それは違う。英語が話せるだけの人間では、社会に出ても通用しない。大切なのは教養です。
 うちの大学では新渡戸稲造の『武士道』や斎藤茂吉の『万葉秀歌』などを必読書として学生に読ませたり、9月の入学前に学生自らが課題を設定して、自主的にボランティア活動などをやらなければいけないギャップイヤー制度を設けたりしている。
 こういう経験を通じて初めて、日本語でも英語でも自分の言葉で『語れる内容』が生まれてくる。米アップルが急成長したのも、スティーブ・ジョブズが『科学技術が発達する時代ほど、人間の原点、つまりは教養教育が必要だ』と説く精神があったからだと思う」
 付け焼き刃で社内公用語を英語化する経営者や、本業も疎かに早々に会社を出て資格試験を受けるサラリーマンには耳が痛い言葉だろう。中嶋氏が続ける。

「英語というのは教養を得る前提でしかない。新渡戸稲造や岡倉天心が10歳とか11歳とかで創成期の東京外国語学校に通って英語を学んだのも、外国の教養知識を貪欲に吸収したかったから。手段と目的をはき違えていくら努力をしても、世界で通用する人材にはなれない」
 文部科学省が教養課程削減の方針を採ったのが約20年前のこと。同じ時期から日本が「失われた20年」に突入したのは〝偶然の一致〟ではない。
まだチャンスは残っている
 人材を育てるのは「国家100年の計」。その成功事例は海外にもある。日本総研理事の湯元健治氏は「スウェーデンに学べ」と説く。
「日本の失敗は、衰退産業を補助金や助成金で温存することで、カネやモノだけでなくヒトを最先端の産業にシフトさせなかったことにある。
 一方でスウェーデンはドラスティックに衰退産業を切り捨てる代わりに、『次はバイオ産業だ』となれば、その産業で働く人材を育成するために、職業訓練を徹底して行った。政府が企業ではなく努力する人を助けることで、衰退産業から新しい産業へと人材を移行させ、経済成長を続けています」
 このままいけば若者から高齢者まで、日本全体が「共倒れ」するのは目に見えている。自分だけは生き残りたいという我欲が、自分の首をも絞めているという現実を直視するところから、日本は立ち直りのきっかけをつかめる。かつてコンサルタントとして世界各国の経済情勢を分析してきた経験を持つ、早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成氏もこう語る。
「インドには現地の企業に請われてノウハウを教えに行っている日本人のリタイア層がたくさんいる。アメリカにはベンチャー企業にカネやオフィスや人脈を提供する資産家たちがいる。日本国内で、これと同じことをリタイアした高齢者や成功したビジネスマンが行えば、日本は活性化する。支援を受けた人はそのありがたみを感じて、次の世代に同じことをするから、好循環が生まれる。
 日本のサラリーマンは引退して年金をもらって過ごすのではなく、こうした形で『新しく働く』という選択をして欲しい」
 人が栄えれば企業が栄え、果ては日本が栄える。各人がまず一歩を踏み出すことで、日本が再び輝く未来が見えてくる。最後に前出・中嶋氏はこう語った。
「外国の優秀な政治家や経営者は文学を読み、哲学を学び、音楽や芸術にまで幅広く関心を持つ。そのうえで天下国家を論じるから、スケールの大きい仕事も成し遂げられる。
 かつて日本にはこうしたパイオニアとなる人材がたくさんいた。みな天下国家を引っ張っていこうという気概に溢れていた。日本人独自の武士道精神、わびさびを解する心はいまも広く世界から評価されている。こうした精神を再び広めていくためにも、教養を学び直すことから始めたらどうだろうか」


混迷する経済へ前向きの提案を

2011-11-13 17:39:35 | 企業経営

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 私はまえまえから、日本の経済学者は解説や他の人の意見の批判はするが、日本経済をどうすれば良いと言う前向きの提案が素人の私の知る限りでは殆どないと書いてきました。
 その中で私が気づいた前向きの提案をしているものを紹介します。
 ダイアモンド・オンラインの早稲田大学ビジネススクールの遠藤功教授の意見です。
タイトル:新興国信仰が招いた志の低下・円高を乗り切るには世界が「あっ」と驚く商品をつくれ
概要:ユーロのソブリン危機に米国の景気後退懸念で、円高は収まりそうにない。目先の円高 日本企業が本当に考えるべき円高対策とは何か。実践的な戦略論で名高い早稲田大学ビジネススクールの遠藤功教授に、日本企業が目指すべき方向について聞いた。遠藤教授は、日本企業が我も我もと新興国だけを目指している結果、安く作ることばかりに目が向き、企業の志が低くなっている。本当の円高対策は、世界が「あっ」と驚くような、新しい価値を生みだすことにある、と指摘する。 (紹介文の抜粋)
 以下はサブタイトルと提案部分の概要です。 (括弧内は私の意見です。)
・今回の急激な円高局面ではパニックには陥っていない
・わくわく感、どきどき感がある新しい価値を生み出せていない

 a.どこで作るかでなくて何を作るか
円高にあって、日本でつくるか海外で作るなど「どこで」作るのかとでなくてより本質的な課題は「何を」作るかだ。
b.何を作るか
  日本企業は、やはり世界がわくわくするような、魅力的な商品やサービスを、生み出していかなければならないし、日本企業はそれが出来る。
  付加価値の高くないものを作ろうとするから、日本国内で作るのが無理になる。
c.わくわくする商品を産み出せる国は限られている
  産業競争力という観点からみると、今、世界的にみて競争力があるのは、少なくともモノづくりでいえば、日本、ドイツ、韓国、台湾だけだ。 (韓国、台湾は産業競争力はあるのでしょうが、まだこれといったわくわく製品を出しているのを聞いたことがないし、今後も出せるかどうか判りません。)
 米国はほぼアップルしかない。アップルは潤っているけども、アメリカは衰退する。これが「アップル化現象」だ。ボーイングがあるといっても、その部材の多くは日本製だ。 (と著者は書いていますが、今までの米国との比較の問題で、その底力は著者のように軽視は出来ないと思います。)
d.日本の例:豊田佐吉翁の自動織機、ソニーのウォークマン、TOTOのウォシュレット、ヤマト宅急便、最近ではユニクロのヒートテック、トヨタのプリウスなど、みんなが「あっ」と言うようなものを生みだしてきている。 (ソニーはユニークな製品を出すので有名でしたが最近はすっかり普通の会社になってしまいました。)
・新興国に目が向き過ぎて同質的な競争に陥っている 
 気になるのは、我も我もとみんなが新興国に目が向いて、競争が非常に同質的になっていることだ。新興国を狙うから、みんな似たようなものを、安く作らなくてはいけないということになって、いかに差別化するか、いかにイノベーティブなものを作るかという意識が、非常に薄くなってしまっている。
・ユニクロがニューヨーク5番街に旗艦店を出した感性と心意気

[私の意見]
 確かに著者が言うように最近テレビに紹介される優良会社と言うのは、自社独自の製品を開発し、そのお蔭で全員が正社員、終身雇用、改善活動など、かって日本が得意として経営方法を取り入れ、地域に根付いた経営をしています。
 ただ問題はその製品は所謂ニッチの隙間製品です。
 例:株式会社堀場製作所 (1185.56億円)、日本電産株式会社 (6885.30億円)、ノーベル賞の田中さんを産んだ株式会社 島津製作所 (2527.07億円)(記憶のあるものを挙げただけですが、たまたま京都府に固まっていますが何らかの原因があるのでしょう)
 ですから経営規模も小さく、日本経済に大きな影響を与えることが出来ません。
逆の例ではパナソニックがテレビ事業からの撤退で1万数千人のリストラ発表など大企業はそれだけの大きな影響を与えています。
 もう一つの問題は著者の言うあっと言う製品や商品を作れと言うのは言うは易いうのですが、どの会社も作ろうと必死になっているのが出来ないで困っているのです。
 著者はそのような製品をいかに作り出すかまで説明しなければ、ダルマの本体を作って眼をいれないようなものです。
 私は従来の方式で言えば、正規、非正規を問わず社員からどんな思いつきでも良いから提案させる→その提案を実現するための技術陣を揃える、会社に忠誠心をもたせる→そのためには非正規社員などの差別を無くさせる→その為に何とかして会社の利益を上げる→そのために合理化は勿論、優れた製品を作り出す→と言う良い方向の循環をさせる必要があると思います。
 詰まり現在の悪循環をなんとかして逆転させることです。
 著者はこの難しい問題にも触れるべきです。
 それと著者も判っていて書かなかったと思いますが、そして私が韓国、台湾が開発で日本を追いつけないと思った理由は、大学の企業へのサポート体制の問題があります。
 私は結局は著者の言うように海外進出や、非正規社員の採用など姑息な手段ばかりに頼らずに、日本の企業は分かりきったことを地道に進める、そして政府はその活動を支援するしか、今のグローバル化の中を生き抜く道しかないような気がするのですが。

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過熱する日本人技術者争奪戦

2011-08-12 12:03:53 | 企業経営

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 昨夜のNHKの追跡AtoZ「過熱する日本人技術者争奪戦」と言う次のような内容の番組を見ました。
“日本のお家芸”として長年世界に君臨してきた「テレビ開発部門」にも、リストラの波が押し寄せている。トップ技術者でさえ、行き場を失っている今、そのノウハウに目をつけた韓国や中国のメーカーが、日本人技術者の激しい争奪戦を繰り広げている。「活躍の場が与えられてうれしい」と転職を歓迎する人、「アジア企業で力をつけて再び日本に戻りたいけど、受け入れてもらえない」と嘆く人。海を越えて働く技術者の思いに迫る。 (NHK番組紹介より)
その中で特に気になった点を拾ってみました。
・TVなどで今や世界最大近くになった韓国のサムスン、LGなどが日本企業でリストラされた技術者を大量に受け入れていること、 (サムスンは元々日本の技術者を受け入れることで大きくなった会社ですが)最近では同社の発展に伴い受け入れの基準が厳しくなっている。
・中国の企業がヘッドハンターを通じて日本の技術者を受け入れようとしているが、その条件は2年間、詰まり要るのは技術者の持つノウハウだけと言うこと
・LGに入った技術者は同社が、彼の日本企業に入社当時のチームワーク中心と同じ社風を持っていたと語り、彼のもといた会社が成果主義の導入でばらばらになってしまったと嘆き、一方もう日本の会社に戻る気はないと言っていた。 
・日本企業の反撃の例として、ソニーのTV路線からの撤退で、同社を退社した技術者が設立したアイ・キューブを立ち上げ多くの部下が彼を慕って退社したこと、同社とシャープが共同して、彼らが開発した映像用のICC半導体を用いて新型のTVの開発に乗り出した。
[私の意見]
・技術流出に甘すぎる日本

 通常の電子機器分野の日本企業の後退は、日本の国内中心に見ている日本企業の営業戦略と、狭い国内市場しかない韓国企業の世界戦略の差と良く言われています。
 私は海外技術者の技術援助の仕事に参加した経験から、韓国・中国の技術者も日本人も劣らない程の能力と意欲をもっていること、特にハングリー精神は日本人以上持っていること、韓国などの大学入試・就職の厳しさから、日本全体から見て技術流出には十分に気を配る必要があると思います。
 前記番組のディレクターもこの問題で余りにも日本は甘すぎると嘆いていました。
・日本株式会社復活へ
もう一つの問題は、日本の小泉さんの時代に米国からの年次改革要望書などに従って、規制緩和を進め、市場中心主義、自由経済のもと後は企業の自己責任として仕舞いました。
 そして起こったのは日本国内での企業の足の引っ張り合いと、電子関係で言えば技術のガラパゴス化です。
 一方韓国は企業統合、EUとのEPA加入、政府主導の原発輸出など日本が得意に「韓国株式会社」化を計り成功しました。
 一方、日本の海外技術者の援助では、韓国・中国の技術者は自主管理活動など日本型経営の良い所も取り入れて来ました。
 その日本では先の技術者が嘆いたように、一部の会社では米国型の成果主義で日本得意のチームワークの良さをなくして仕舞いました。
 私は市場中心主義、自由主義経済は避けられないと思いますが、その中でも日本株式会社としての国の役割は無視出来ないような気がします。
・団塊世代の退職に備えるべき
 日本はいよいよ大量の団塊の世代の退職者が出て来ます。
 彼らがもし日本企業での再就職が出来なければ、今まで以上に中国・韓国などのライバル国に技術の流出が起こる可能性があるかも知れません。
 日本は前から言い古されたように、人的資源しかなに国です。
 大量の優秀な技術や伎倆を持った人達、しかもまだまだ働ける人達をいかに活かしてゆくかを良く考える必要があるような気がします。
 「人口減少→必要な労働力の不足→海外進出」と、「技術者と技術の流出→企業の競争力のさらなる減退」の二重の損失をいかに防ぐか、企業だけでなく国としていかにあるべきかを考える必要があると思うのですが。
 日本として「企業の個人的な責任だ」では済まされないと思うのですが。

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自分の頭で物事を考える日本へ

2011-08-09 17:24:25 | 企業経営

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最近世界から称賛を浴びたこと
・大震災で見せた被災者の節度、忍耐、地域の絆など
・なでしこジャパンの謙虚さ、チームワークなど
藤原正彦さんの考え
 日曜日のフジテレビの「新報道2001」では石原都知事とともに出席したお茶の水女子大学名誉教授で数学者の藤原正彦さんの対談がありました。
 石原都知事の発言は良く知られていることなので、藤原さんの発言(青字)と私の意見(黒字)を纏めてみました。
・新自由主義経済や個人主義を押し付けられ、日本本来の人と人の繋がりが希薄になり、国内で過剰な競争が生じている
・国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきたし、かくも見事に壊してしまった。

全体的には私も同じ意見ですが、前記のように被災者の節度や地域の絆の強さ、なでしこジャパンは監督や裏方、選手との人の繋がり、そしてチームワークなど数々の日本の良い所が一部ですがまだ残っています。
・経済面で言えば米国を含む他国は基本的に敵国である。なぜなら、他国は自国の国益のために日本に言ってくる。友達はいないということを肝に命ずるべきである。その点日本はあまりにも甘すぎる。
 日本の小泉さんの米国一辺倒がその好例ですが、あまり米国の言う通りにし、その真似をして来ました。
 勿論米国はある程度日本のためを思っているかも知れませんが、米国は自国の利益優先で考えているのは間違いないことです。
 そのような米国、反日教育の韓国、中国と付き合うためには、他国から教えて貰うのでなく、自国の頭でものごとを考えるべきです。
 然しマスコミや識者の中には自分の主張を通すために、原発問題ではドイツ、イタリヤがそうだと言っています。その様な人に限って米国、英国、フランスの原発のことは決して口にだしませんが、また不思議なことにそれで彼らの意見が受け入れられるのが日本です。
・国対国の競争を乗り切るには、国内ではスクラムを組む必要がある
 私は狭い国土の日本では日本の特徴を活かして企業内ではチームワーク、日本全体としてはを政・官・学・民一体となった日本株式会社的な組織を作らねば、市場中心主義経済の世界の中で立って行けないと思います。
 藤原さんは番組内では言いませんでしたが、彼は企業内の成果主義に反対していると司会が紹介していました。
 なでしこジャパンもエースストライカーやゴールキーパーばかり優遇していては、伎倆があっても体力不足の日本では勝てないと思います。
 企業も同じで、地味な仕事をこつこつやる人にも相応の待遇を与えないと、そして非正規労働者も例えば改善提案をさせるなど人間としての能力を活かしそのモラルを上げないと、中国相手の厳しい競争に勝てないと思います。
・マスコミのネガティブ報道の姿勢を改め、活力を与える報道内容が必要
・教育が悪い。教育が変われば政治が変わる。

 この点に就いては同席の石原さんも同意見でした。
 今までは米国の言う通り民主主義、個人の権利の教育ばかりして来ました。
 それに加えて敗戦の反省と言う理由で戦時中までの日本の悪いところぱかり教えて来ました。
 それに戦時中押さえ付けられていた左翼的な教職員組合がその方向に推進してきました。
 そしてNHKと朝日を中心とする一部マスコミも過去の負の面の反省ばかりして来ました。
 それで国民の品性が向上するでしょうか。
 私たちは当方の被災者やなでしこジャパンのプラスの面からから多くのことを学びました。
 いまのままで、日本は市場中心主義経済で勝って行けるでしょうか。
[私の意見]
 事実は戦後以来の教育に首をひねりながらも、通産省を中心とする「日本株式会社」としい、日本人の上記のような特性のほか勤勉、正直、親切、企業への忠誠心など活かして何とかやって来て、一時は一億総中流意識を持つまでになりました。
 小泉さんは米国の言う通りに規制緩和、市場中心・自由主義経済、そして経営面では成果主義を導入して来ました。
 運の悪いことに丁度その頃超低賃金の膨大な人口を持つ中国の台頭→企業の競争力低下→低賃金の非正規社員の増加→国内平均賃金の低下という大きな経済環境の変化が起こりました。 (そして日本経済の低迷期に経済無策の民主党政権の誕生、大震災に思いつきの菅さんが首相。日本もついてないですね。)
 現在米国もEUも新興国の台頭で経済環境が悪化しています。
 そして戦後以来の教育のマイナスの効果が出始めている一方、今まで首を捻りながらなんとか企業を支えて来た戦前、戦中の人達の高齢化のその数の減少が起こっています。
 今こそ教育の見直しが必要だと思います。
 権利意識ばかり強くてそれに伴う義務責任感の乏しい人が増える程日本の衰退は加速して来ると思います。
 勿論戦後派の人にも心ある人達は今のままでいけないと思っている人が多いと思います。
 その証拠が前にも書きましたが、本屋で政治絡みの書籍の棚では平置きにされているのは文芸春秋、Will、正論で、左翼、リベラル系の本は数冊筒棚に立てられているだけです。
 何処の世論調査でも、共産党の支持率は2~2.5%、社民党0.9~1.2%前後しかありません。
 然し問題なのは私から見て心ある良識派は所謂サイレント・マジョリティーです。
 声を上げるのは全国で併せて3%前後の支持率の左翼政党、組織率30%にもならない日教組です。
 然しマスコミはこのような少数派のデモや彼らの声をそのまま報道し、多数の良識派の意見はスルーまたは刺身のつま程度しか放送しないために、少数派の意見が全体を覆っているように見えるのです。
 原発の説明会で余所者のプロの反原発の人々の長広舌とバランスを取るために、良識派の人の意見も聞けるようにとした試みがヤラセと報道され、反原発が有利になって仕舞います。 (勿論ヤラセが良いことではありません。)
そして少数派とマスコミで作り上げられたムードを保身に利用しようとする菅さん。
 新潟県知事が柏崎の再開にはストレステストより福島第一事故原因究明が先と言っているのに、政府の事故調査委員会は、事故原因の究明を9月以降に先のばししたことに何の批判もないマスコミ。
 そして難しい経済運営を迫られているのに電力不足、産業の空洞化の危機。
そしてまた日本のまた沈没の方向に走って行くのでしょうか。
 私たちは(個人責任の考えが浸透している)米国から個人の権利重視(義務・責任軽視)をそのまま学び、子ども達は自虐史観を持った教師から日本の悪いことを教えられ、狭い国土と言う大きなハンディのある市場中心主義をそのまま導入し、日本得意のチームワークを壊す成果主義を受け入れてきました。
 これからは日本特有の地域性、国民性を活かしたやり方を模索し、日本人の徳性を更に進め、日本の歴史からみた良い所も悪い所も正確に公平に学ぶ必要があると思います。
 そして、またはそのためには、日本は自国の頭で物事を考える習慣をつける必要があると思うのですが。

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最高の原子炉開発し世界に売れ・屋山太郎さん

2011-07-21 15:22:35 | 企業経営

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 産経のオンラインで表記の様な勇ましい評論家の屋山太郎さんの文章を見ました。
 かねてから私の書いたこととほぽ同じ意見ですが、私のような小ブログと違って、有名な評論家の批判を恐れぬ勇気のある発言に感心しています。
 その中から特に私の関心を引いたこと(青字)だけ取り上げ、必要の場合私の意見(黒字)を加えました。
 それでもし興味のある方は是非屋山さんの原文をごらん下さい。
・20~30年がかりで原発を廃止に持っていく。その間に風力、太陽光、地熱、石炭・石油火力発電を充実させるといえば、一見可能と錯覚させるが、果たしてそうか。
・北欧の風力発電を見学に行ったことがあるが、洋々たる大地が広がり、そこに穏やかな偏西風が常時吹いている。見た瞬間、「台風常襲国の日本では無理だ」と実感したものである。

 私も日本の山の多いチマチマした地勢では風力の使用は範囲は限られていると思います。
 特に前にも書きましたが、山地では自然破壊、少ない平野部、住民への低周波騒音被害、海上で漁業権の問題が障害になると思います。
・太陽光発電パネルも良いが、孫正義氏によると、全国の休耕田に設置するという。休耕田を全部潰すつもりなのか。田畑はパネルなどよりも、もっと貴重な農業用財産なのだ。
 昨日のNHKでは食料価格の半永久的な高騰で、日本の自給率の向上の必要性、日本の農業の競争力の向上の可能性を解説していました。
 そのような時に休耕田をパネルで永久的に潰して良いのでしょうか。
・再生エネルギーが仮にものになるにしても、ここ何十年かはコストの高い電力になる。現在、韓国の電気料金は日本の4割で、法人税も日本の40%に対して24%である。日本の企業が国際競争で生き残れなくなり、海外に出ていけば、日本人は高い電気料金を払えなくなるだろう。
・ドイツ人は言っているが、フランスの原発はドイツとの国境近くに並んでいる。原子炉さえなければ安全だと思うのは、だちょうの平和だ、と。
・英国は1970年代に設置した原子炉の寿命が来て建て替え期に入っている。英政府は「大地震や大津波の心配はなく、建造中の新原子炉の安全性は福島の旧式のものより進歩している」と判断、新設計画を進めている。
・中国は原発建設方針を変えていない。中国で事故があれば日本は黄砂被害どころではない。

 私のこの被害を防ぐためにも、中国への原発の輸出が必要だと書きました。
世界の原発設置派と脱原発派が調和する方法がひとつある。どの国のどこの原発も事故が起こらないものにすることである
・福島の事故はミスによる人災</font color="green">>(以下指摘項目のみ記す)

 貞観地震による津波の記録を無視、交流電源喪失でも大丈夫だという指針の間違、東京電力、経済産業省、保安院のずぶずぶの関係、「原子力ムラ」、これを可能にしたのは、地域独占という電力会社の体質だ。
福島の事故は東電の官僚体質がもたらした人災と断じてよい。親方日の丸の会社が経済団体の長を務めることは、経済活動の活性化を損なうと知るべきだ。

 私は元の保全技術・管理者としての経験から、菅さんの言うように原発の少なくとも事故防止は制御仕切れない難しい技術でなくて、今回の事故の緊急電源、外部電源、停止後の事故の元となって動かないベント弁、予想されていいる配管の破損など、普通程度の技術で事故を防ぐことができた筈で、その証拠が福島第二、女川が無事停止したことでも判ります。
 そして屋山さんの言うように東京電力の官僚的体質と、利益優先体質がIAEAが指摘したように、絶えざるアップデイトをおろそかにしてきたという管理上の問題が事故のもう一つの大きな要因になっていると思います。
 詰まり緊急電源装置を福島第二では原子炉建屋に置いたのに、福島第一ではターピン建屋のままでこれといった対策を打った形跡が見えないことでも判ります。
 NHKの原発事故の討論会で元東大の総長だっと思いますが、今回の事故は難しい原子炉工学でなくて、元専門にしていた機械工学の範囲だと言っていました。
 そして機械工学こそ日本が得意にしている分野です。
・日本は原発をどうすべきか。日本の技術力を結集して、世界最高の原子炉を開発することである。地震にも津波にも耐え、事故も起きない炉をつくり、世界の原子炉を日本製にすることを目指せ。これは夢物語ではない。日本にしかできない業だろう。
 私も今回の事故の原因を究明して、そして事故後の処理のノウハウを活かして寄り強い技術として完成し、日本と得意の管理技術と抱き併せて売り込みを図るべきだと書いてきました。
 今日の国会審議で海江田さんが、トルコでの原発建設に就いて、トルコの関係者から、トルコは今回の事故を教訓にしてより良く強い原発の提供を日本に期待しているむねの手紙を貰ったことを披露していましたし、ベトナムからもなお日本の原発技術を信頼している旨の手紙を貰ったそうです。
産経新聞へ
 産経新聞は読売新聞と共に、反原発の動きに慎重な主張をしています。
 然し史実は国民は毎日毎日原発事故の影響の大きさを見せられ、すっかり反原発ムードになっています。
 これは悪いことではありません、然し前にも書きましたように、同じ震災に遇っても、女川や福島第二は無事停止しています。
 それで福島第一は前記の原発や、当面問題になっている玄海原発と福島第一がどう違うのかを報道すべきです。
 その為にも福島第一の事故発生の原因を、その情報収集力を活かして解明しすべきと思います。
 でないと菅さんは国民の反原発のムードを利用して原発廃止を進め、日本の産業を無茶苦茶にするかも知れません。
 産経新聞の善処をお願いいたします。

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甘すぎる九州電力社長の辞任表明

2011-07-19 12:45:35 | 企業経営

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九州電力へ
 九州電力のやらせメールに関する最近の読売新聞の報道です。
 メール問題の調査報告書を経産省に提出した14日の記者会見で、真部社長は「緊急事態的な状況に全力で対処していく」と自身の続投に意欲をみせ、自らを含む役員や関係者の処分も後回しにした。
  不祥事の発覚当初から、九電内には「社長は辞める必要はない」と擁護する声が多かった。役員報酬カットなどの処分で「反省」を示し、問題の幕引きを図る考えだった。
 しかし、経産相の辞任要求によって、状況は一変。九電内でも「大臣の発言は重く受け止めなければならない」「『ノー』の答えは返せないのでは」と、続投は困難との見方が一気に広がった。
 真部社長は18日、読売新聞の取材に対し、辞任の時期について、「当面の課題解決のメドがついた段階になる」と述べ、再発防止策などをまとめた上で、9月末を念頭に調整していく考えを示唆した。
 九電は27日に社内処分を決める予定だが、真部社長は「取締役は全員が処分対象」として、自身を含む常勤の全取締役13人の報酬カットを盛り込む方針だ。


 私は長年の元保全技術・管理者の経験から、新聞、テレビとネット上の情報を調べた結果、福島第一原発の事故は、同原発の設備、特に古い原発に必要な、絶えざる設備の改善強化の不足など設備のの管理と、それに関連する東京電力の体質から、同原発は福島第一特有の問題だと感じ取った経験から九電に次のような提言していました。
・やらせメールなどは現在の環境では必ず告発者がでるし、それに対するマスコミの反応が大きいのは常識だ。 (私が10日に投書して以後のマスコミ、ネットの反応がいかに大きかったか見たと思います。)
・このように姑息でリスクの大きいことをやるのなら九電は新聞広告などで、堂々と玄海は福島第一と違って安全であること、(これに就いては16日の読売テレビで日本総合研究所会長の寺島実郎さんも同じことを言って居ました。)、また九電は東京電力と違ってお役所、隠蔽体質などないオープンな会社であることを、具体的に周辺の県民に訴えるべきだった。 
・やらせメールが発覚した以上、社長以下関係した幹部は速やかに退職し、九電は生まれ変わった体質の会社に変身したことを関係者に訴えること。
 私が電力会社の体質に就いて特に書いたのは、私の乏しい情報の中ながら、東京電力の体質が福島第一の事故の原因
の一つになっていることが判ったこと。
 そして政府の同原発の事故原因調査委員会が、私の推測の通りの結論を導き出すという可能性が高いこと。
 そして脱原発へ向き掛けている菅政権で原発の運転再開の容認の条件として、原発を持つ電力会社の体質を問題にする可能性が高いこと。
 現に報道に依れば、ストレステスト導入後も運転再開の最終結論は脱原発の菅さん以下関係閣僚の政治判断によるとの報道がされています。
 それに対して九州電力は、一時社長の辞任報道→それから前記の様な在任報道→海江田さんの指摘による辞任の報道。
 大臣から言われての仕方なしの社長だけの辞任、常勤の全取締役13人の報酬カットなどお茶を濁していては、やらせ問題の反省が足らないと難癖をつけられても言い訳のしようがありません。
 勿論私は現状でも地もとの九電の玄海原発の運転の再開の許可が出ることを祈っていますが、より許可の確率を高めるためにも、思い切った関係幹部全員の辞任などで、九電の体質がまったく変わったことを訴えることが必要な気がするのですが。
 九州電力はとっくの昔に福島第一の事故の原因の調査は済ませていると思いますが、福島第一の運転・保全の管理体制と、東京電力の体質、現場と本店の関係が福島第一の事故に繋がっていないか、もし調べてなければ念のために調べてみてはどうでしょうか。

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残業、ノルマなして発展する未来工業

2011-01-21 17:23:08 | 企業経営

 昨夜のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で電気設備資材中心の製造販売をする未来工業の創業者であり現在でも相談役を務める山田昭男さんが出演していました。
 未来工業はこの種の番組での常連ですが、改めてその経営手法に感心しましたので今日のテーマに取り上げてみました。
黒字は未来工業のやり方と山田さんの意見、青字は司会の村上龍さんの発言、緑字は私の注記です。)

同社の特徴
・他社と比較して同社でないものややり方
 タイムカード、残業、ノルマなどの上司からの指示、作業服
・他社では殆ど無いもの
 全員正社員、年間休日数140日、5年に一度の社員の海外旅行、高い従業員の平均収入(岐阜県のそれより170万円高い)、クラブ活動へチーム毎に1万円支給(村上:(下記のように)一日考えて仕事をしているストレスから解放することで良いアイディアが生れるのだろう) 、(くだらない提案も含めて)改善提案書1枚につき500円支給(良いものは別途報奨金支給)
・これらのことが出来る理由
 特定製品に特化した経営、便利だが使用量の少ない特殊製品なので他社が避けるニッチ製品の提供で客先の支持を得て、他の汎用の製品の売り上げを伸ばす。
 業界のトップシェアを占める
 山田:他社との差別化が経営の基本、大手企業のように横並びの物を作っていたら大手企業に勝てない。
 絶え間ない製品の改善と特許による技術の防衛(製品の性質上特別の学問がいらないので、作業員でも改善提案できる?)
 改善提案に依る生産性の向上
 ドケチと言われるほどの無駄の排除
 逆に社員のためへの思い切った投資→ (会社への忠誠心や意欲の向上→改善提案の増加)
・経営手法
 モットーは「常に考える」村上:どうして従業員に自主的に考えさせるのか?
 給料は会社や社長が払うのではない儲けの分け前を貰うのだだから考えるのは当然だ
 考える楽しさを味わせる(ように従業員に仕向けている。)
 村上:自分でやるのに充実感があるが、言われたことをやってもそれがない。
・山田語録
  上から命令がないから、従業員が考えるしかない
  農耕民族の遺伝子を持つ日本人である社員を信頼する 
  営業以外は総て従業員に任せる
  走った馬に人参を食わせるのは成果主義、人参を食わせて馬を走らせるべき(詰まり従業員を信頼した方が成果が上がると言う考え。)
  上に逆らう人が出世する→自分の信じる道を行け
  経営者は戦術でなく戦略を考えるべき。どう作りどう売るのが戦術、それを考えさせるのが戦略
 ワークライフバランスでなくライフワークバランス。ライフを優先して人生を楽しんだ方がより仕事に活きる
村上:他社が真似できない未来工業のやり方は?
山田:定時退社。経営者は客先が働いているのに、定時退社したり休日を取ると客先を逃がすのを恐れる。然し日本は儒教の国だから(信義を重んじて)そう言うことはしない。村上:それまでの未来工業の積み上げた実績と信用があるからではないか。
村上:他社にリコメンドしたいことは?
山田:残業廃止、これで給料が下がる分を上乗せすればよい。毎日一家揃っての夕食、一家円満、その従業員の満足が会社での業績に反映する。
[私の意見] (以下黒字
・高度成長期の資本力にもの言わせて、大量生産で安い製品を作り他を圧倒してきた経営手法から抜けきれない大企業の経営者
・横並びの経営手法。
 他社が作るから自社も真似して同じものを作る。学歴毎に新卒を採用から一定のルールでの昇進、それに邪魔になる中途採用を控える、 (成功した)品質管理の導入→自主管理・改善活動へ発展、不景気になれば一斉に非正規社員採用、成果主義の導入、法すれすれの残業の強制など従業員を大切にする日本企業の良い所を忘れた経営者
・経営の基本をしらないままトップに登り詰めた経営者
などなど。
 未来工業や経営者の山田さんのやり方は極端な所も在るようですが、考えさせられることも多いようです。
 なお未来工業のホームページに「学生の方々へのメッセ-ジ」を見つけましたので追記欄に載せて置きます。

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追記: 「学生の方々へのメッセ-ジ」
 当社は、社員の「やる木」を育てることを経営の柱にしています。
 一日の大半を過ごす会社で、何から何までがんじがらめでは、社員はそんな会社のために努力しようという気が起きてくるはずもありません。
 そのため、当社は、外せる制約はできるだけ外そうと考えています。
 具体的には、作業服は自由にしました。1日の労働時間は7時間15分、年間休日日数は約140日という日本有数の休みが多い会社です。
 ところで、個人の能力はまちまちです。個々人の能力に差があるのは仕方ないことですが、各々が持っている能力を100%発揮して、皆が力を合わせていくことが大切だと考えています。
 また、社員はプラス思考をすることが大切だと考えています。経験則もないのに「もしも?・・・」というマイナス思考は禁句です。先ず、実行し、その先で万一問題点が発生した時にはその改善をする考え方が、会社発展の基本線です。
 そして、何よりも、社員の自主性を尊重します。

 


日本の生きる道

2011-01-02 15:21:56 | 企業経営

 昨夜のNHKスペシャルで「ニッポンの生きる道」と言う番組がありました。
 激しい円高、雪崩をうつ企業の日本脱出、雇用の崩壊…。得意だったはずの「ものづくり」でも韓国や中国に技術で追いつかれ、原発や高速鉄道の受注競争などで競り負ける場面が続いている。しかし本当にニッポンは力をなくしたのか?まだまだ強みはあるのではないか?自信を持ってやるべきことをやり、変えるべきを変えて2011年を力強く歩み出す、年頭のメッセージを送る! (番組案内より)
と言う番組です。
 ゲストはノーベル賞を受賞した根岸英一, コマツ会長の坂根正弘,  一橋大学教授の米倉誠一郎, 「デフレの正体」の著者で日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介,愛知淑徳大学教授の真田幸光の各氏です。 (何時ものNHKのお気に入りの経済学者が一人も入って居ませんでしたので、割り引いて見る必要は要りませんでした。)
 以下は出席者の発言(青字)と私の感想(黒字)です。
国民へ
・まず現実を見つめるべきだ
・傍観者ではだめ、自分の事として見つめろ
・危機感を持ち夢を追え
  国民の意識を変えさせるには政治家、特に首相が国民に直接訴えるしかないと思います。
消費者へ
・消費者も生産者だ、いたずらに安物買いをすれば自分たちにその負担は自分達に戻ってくる
  この責任の一つは大手流通業者の安売り競争のあまり、生産者の努力や技術に見合った対価の支払いをしなかったことも大きいと思います。
 彼らは自分達の利己的な意欲で国民全体が不利益を被っていることを忘れないで下さい。
若い人達へ
・若者は保守的だ
・日本は大企業だけの国ではない
・競争が学生や企業の力を産む
 ・日本では留学生が減っている、日本の学生は外国人学生と競争して力を付けるべきだ
 その理由の一つに留学をすると国内の就職に不利になるという考えがある
  この最大な原因は戦後以来の日教組を中心とした右へ倣え主義の一律の教育と、優雅な生活に慣れてハングリー精神が不足していることにあると思います。
政府と企業へ
・全国一律と言うより個々の地域に相応しい少子化対策が必要
・正社員の多い程出生率が高い
・若者の給料を上げろ、その購買意欲を高め、少子化対策になる
・企業は地方にもっと出るべき
・茂原さん:景気と実際の売り上げは必ずしも比例しない、売り上げの減少は人口構造の変化による方が大きい、人口の減少、消費世代の高齢化の影響が大きく、高齢者激増により今後益々深刻化して行く
・青森の林檎の大紅栄はそのブランド力のお蔭で中国では一個2,500円で売れている。
・「安くていいモノをこつこつ作ってさえいれば報われる」というこれまでの発想を根本的に変え、これからは薄利多売でなくて高利少売にするべき(多分島野の)自転車などがそうだ。
  国は少子高齢化に伴う経済の影響を考えて、もっと積極的に対策を考えるべき。
まず少子化、高齢化をどの程度に収斂させるかなど必ず来る未来について予測し公表することだと思います。
  そして対象の若い人達、高齢者のこれに対する考え方がどうあるべきかについて、首相は直接訴え賭けるべきだと思うのですが。
大企業と中小企業の在り方
・国は中小企業が大企業を支えていることを認めるべき
・中小企業は小回りが効くことと実行のスピードを活かすべき、リスクを取り直接売りにだすべき(無限にあるシリコンでボールベアリングの球を外国に売り出した企業)
 その為には小さい総合商社の出現が望ましい。
 中小企業は自信を取り戻せ。
 ここが大企業に欠けているところだ
・大企業へ
 物だけでなくシステムとして総合力で売れ、新幹線、電力制御システムがそうだ。
 まずビジョンを持つ→理想案→その解決策→それに適した機器を設置のルートを辿るべき 
・電子機器に就いての韓国企業(特にサムスン電子)と日本企業の比較
 韓国は製品では世界の世界のトップのシェアを持つ
 日本はその部品のシェアでは世界トップ
 サムスン電子社員は外国に10年単位で出張で土地のニーズを掴み製品の反映させる
 日本社員は2年に帰国するなど内向きだ
坂根さん:コマツでは世界的その製品をネット化しており問題に直ぐ対応できるようにしている、例えば運用の減少かバブルの予測も出来る
・坂根さん:大企業は下請けを育てろ
 大企業、中小企業は一体化すべき、
・坂根さん:技術はボトムアップだが、経営はトップダウンだ。
 私は某大企業に在職中に、海外出張にでるとき重役に挨拶する内規を怠ったり、外国の工場のトラブルでその開発の責任者だった重役がたまたま来ていた、副社長の出迎えをで怠ったと言う理由で冷や飯を食わされるなど、呆れた例を見てきました。
 それらの企業のトップや重役も経営に就いて碌に勉強もせず、出身校がエリート校出身で特に不可もないだけの理由で昇進したとしか思えない人達です。
 経営者の育成は勿論企業の責任ですが、国も優秀な経営者を育成するために、経営学専門のコースを大学に設置するなど努力が必要と思うのですが。)
教育の在り方
・知識ばかりの教育から物事を考える教育へ重点をシフトすべきだ。
 具体的には各科目ごとに何故そうなるか自分だったらどう考えるかなのど質問をして生徒や学生に考えさせる教育し、彼らに問題意識を持たせる必要があると思うのですが。
番組全体の感想
 各項目ごとにい頷けることや発言が多かったようですが、それだけで日本が生きて行けるのかと言えば、何か大きな所が抜けているような気がします。
 僅かの時間ではカバーしきれなのは判りますが、日本は本当に難しい立場に立たされているのでしょう。

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リストラなしで伸びる日本電産と日本の経済政策

2010-12-03 11:47:42 | 企業経営

 先日のテレ朝の「報道ステーション」で古館さんと日本電産社長の永守重信さんの対談が放送されていました。
 日本電産と言えば優良企業としてマスコミで何度も紹介されている会社です。
 特に有名なのは経営が悪化した会社を買収するM&Aを積極的に進めていること、そしてその会社の従業員をリストラせずにそのまま正社員で使うことです。
[インタビューでの永守さんの発言の一部]
・海外に多くの工場を出しているが、日本の工場の従業員は増えている。それは海外で得た利益を国内での研究開発と試作などつぎ込んでいるためそれだけの人員がいるからだ。
・吸収・合併予定の相手会社を訪問して、従業員が礼儀正しく、やる気に満ちている会社は見込みがない。それは皆が頑張ってやっても駄目のは、会社の将来の見込みがないからだ。逆に従業員が駄目なときこそ合併のチャンスがある。(詰まり従業員管理が悪くて、経営が悪化したので、その技術力を活かせばなんとかなると判断するようです。)
・従業員を叱り飛ばすことはあるが、相手により叱り方を替えている。
・従業員の内、約6000人に毎年年賀状を出しているが、必ず本人に相応しいコメントを自筆で書いている。何故なら6000人の人達のことをそれぞれ良く知っているからだ。
・後継者としては自分のように仕事が好きでたまらない人を心の中で選んでいる。
[私の意見]
 なおWikipedia
によれば、永守さんの言うようにリストラなしの吸収・合併を繰り返して成長してきたのは、
・精密小型モーターの開発・製造において世界一のシェアを誇るほどの技術力があること
・永守さんのカリスマ的に従業員の指導
・従業員との密接なコミュニケーションで見られる人材の重視
・清掃作業等の従業員が行える周辺業務は自社で行うことでアウトソーシングへの支出り削減
・営業の直販化によるコスト削減
による会社の業績の向上あるようです。
 日本電産だけでなく、特に優れた技術力、経営者の強い経営感覚と指導力、人材の重視などは前回も書いたレンゴーなどマスコミに登場する優良企業に共通する特徴のようです。
 逆に言えば今低調状態の多くの企業の中にはこれらがかけているものが多いのかも知れません。
 少し古い話で申し訳ありませんが、小泉・竹中ラインで規制緩和と財政の健全化が進められて来ました。
 それで直ぐ起こった典型的な例はタクシー業界の過当競争、運転手の低賃金化です。
 詰まり前の例で言えば、特に必要とする技術もないのは致し方ないですが、一部のタクシーの経営者を除いて物量で他を圧倒しようとする古い経営感覚がこの状況を産んだのでしょう。
 竹中さんは規制緩和をしたから、後は経営者の自己責任だと言う立場を取りました。
 然し、日本に取って不幸なことは、規制緩和実施時期に、たまたま対賃金の膨大な人口を有する中国など新興国の台頭→日本企業の競争力低下と言う急激の経済環境の変化がありました。
 そこで企業の経営者と経団連が取った対策は派遣社員の製造業までの適用範囲の増大です。
 企業経営者に取っては低賃金でしかも正規社員と違って人件費でなく、資材と同様な経費で落とせる、そして何時でも馘をきれる派遣社員の採用という安易な方法に飛びつきました。
 最近の派遣社員の大量解雇も会社の経理から言えば物扱いに考えられているので、心理的なストレスもなく簡単に処理できたのかも知れません。
 その一方では優秀な技術者や技能工の希望退職などによる削減→日本企業内の技術・技能の伝承不足と、それらの中国、韓国などの流出→それが日本企業を困らせている。
 おまけに米国流の成果主義の導入で、今まで日本企業発展の原動力となった企業への忠誠心やチームワークなどがすっかり影が薄くなってしまいまいた。
 そしてリーマンショック→派遣社員の大幅な削減→今の先の見えないデフレに繋がっています。
 これは正確に言えば規制緩和をした小泉・竹中さんの責任ではありません。
 何故なら日本電産、レンゴー少数の企業は今でも頑張っているからです。
 強いて言えば竹中さんは(多分)企業の経営者が皆優れているが一部の企業が没落しても構わないと言う性善説に立っていたことです。
 事実は優秀な経営者はごく一部で、 (考えてみれば当然ですが)多くの経営者は凡庸であることを見過ごしていたようです。
 企業同志が自由競争は構わないのですが、今の日本の現状では極一部を除く多くの企業が伸び悩んでいるのは、経済成長を前提としている日本全体の経済政策としては困ったことです。
 一方中国は独裁国家として元の価格維持に見られるように、まるで中国株式会社のような経済運営をしています。
 韓国は現代グループ出身の大統領が先頭に立って経済政策を押し進めています。
 かって優良企業ランキングで常に上位を占めていた、ソニーの話がマスコミに出ないと思っていたら、83位まで落ちていました。
  その原因が外国人をトップに持って来たとは思いたくはありませんが、技術のソニーの特徴を放棄したためのようにみえるのですが。
 日本もかっての「日本株式会社」に戻って、昔のように技術や人材を大切にし、優秀な経営者、優秀な技術者、技能工の育成に当たるべきと思うのですが。

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日本型経営で成功・レンゴー社長大坪さん

2010-11-28 12:35:55 | 企業経営

 11月25日のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で段ボール生産で、国内シェアトップの28%を誇る「レンゴー」の社長の大坪清さんが出演していましたが、その考え方は非常にユニークなので取り上げてみました。
 一番特徴的なのはその人事管理の方法です。
[派遣社員を正社員に]
 リーマンショックの影響で多くの企業で“派遣切り”をするなかで1000人の派遣社員を正社員にしたそうです。
その基本的な考え方は
・工場で働く人達を全て公平に扱うこと。
・地位、仕事などによる地位、職掌による区別は良いが同じ仕事での差別をしないこと。
 派遣社員の殆どは地もと密着型の人が多いことと、レンゴーの中で一生働く意志をもっている人を彼の基本的立場の「終身雇用」により全てを正社員にしました。(彼ははっきりは言って居ませんでしたが、転勤、出向などフリーな立場の人は地もと定着型の人達より給与面や昇進などで差を付けているようです。)
その基本な考え方の発想の理由は
・海外で勤務していた時、ローカルの社員に対して日本人の基本給以外の給与体系を日本人並みに直して一挙に業績を改善した経験があること
・包装業界の特徴で生産量の1割(レンゴーの場合12億円)の故紙がでるが、正社員登用の費用5億円は、従業員の意欲の向上でロスの減少で十分に補えると言う計算もあった。
[摂津板紙とレンゴーの合併ごの一体感の養成]
 技術は優れているが低給与の前者と、技術は一般並みだか高給与の後者の給与平均化と、労働組合の一本化の両者の労働組合員との心からの意志の疎通を図った。
[第三子誕生で祝い金100万円]
  この制度発表前は対象者は年に5~6人だったが、今は30人近くになっている。
 その制度を設けた理由
・日本の少子化防止にに貢献する
・同社から幼児用品の包装紙を提供している会社へのPR
(それと彼は言っていませんでしたが、勿論従業員の会社への信頼と忠誠心養成もあると思います。)
[大坪さんの現場主義]
 暇がある度に現場に出る、従業員と会食、アフターファイブの飲み会参加。
 その基本は大きな決断は細部のことを知らねばならない、その細部の問題は現場にあると言う信念に基づく。
[大坪さん流の人事管理のを可能にさせるレンゴーの技術の向上と、経営戦略]
・業界一位のダンボールシェアとその技術と絶え間ない進化
・段ボールを含む包装やラベルなどに特化
・製品を提供する客先に商品パッケーやコンセプトまでも提案と、そのための特別チームの編成→商品が売れれば、包装も段ボールも売れる
・優秀な業績を上げた人には社長賞を送る
[大坪さんとキャスターの村上龍さんの会話]
村上:カルロス・ゴーンさんの現地進出のためにはコストカット、人員の合理化は仕方がないと言っているが、コストを削るより従業員のモチベーションを上げるほうが有利のような気がする。
 今の日本の閉塞感は従業員の給与が上がらないからだ。   
大坪:給与が上がれば活気が出てくる
 限界利益を追求すれば、固定費削減と生産高を上げるしかない、それより生産性向上を考えるべき。

[私の感想]
・村上さんがコストカットより従業員のモチベーションを上げた方が良いと言うのは長年「カンブリア宮殿」の番組に関わった経験からの発言だと思います。
 私もテレビ東京以外のテレビが提供する優良企業の紹介を見ますがその殆どの企業経営者が従業員を大切にしているようです。
・その殆ど全ての企業が他社で真似が出来ない技術を持っており、然もそれに甘んじないで、日々進化と世の需要に応じて進化、変化をしていることです。
・その基本が従業員の企業への忠誠心であり、チームワークであり、それを育む終身雇用、個人の業績、能力に応じた適正な報酬→経営者の現場主義と従業員との密接なコミュニケーションです。
・これで直ぐ思い当たるのはひと頃全国的に行われていた米国から導入した品質の考え→日本流の品質管理活動→自主管理活動→改善活動です。
 この運動が成功したのは、従業員の企業への忠誠心やチームワークなど日本の風土に適したシステムだからと思います。
・それを壊したまたは壊し掛けているのが、日本の風土には馴染まない米国流の成果主義の導入です。
 人的資源のない日本で企業への忠誠心もチームワークなどを無くして、外国の大資本や膨大な人口と低賃金の中国などの新興国とまともに戦って行けるのでしょう。
・大坪さんや村上さんの言う従業員の給与の上昇も必要ですが、経営面から言えばたやすいことではありませんが、その基本は従業員が将来の生活設計ができるシステムの確立だと思います。
 詰まり賃金は生活設計出来るように、基本給、年功給のベースは原則として変えないことです。
 そして今の時代ですから、従業員の能力に応じての昇給、昇格、発明や企画の成功などに対する思い切った一時金の支給など、大坪さんの言うように従業員に対する差別でなくて区別の待遇を行うこと、そしてその考え方を従業員に浸透させることが必要だと思います。
 私は企業は今こそ日本型の経営の良い所を活かして行くべきと思います。

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半導体の敗退・今後の自動車産業・政府の役割

2010-11-18 16:53:54 | 企業経営

 「東洋経済オンライン」の「野口悠紀雄の「経済危機後の大転換・ニッポンの選択」で 「かつて世界を制覇した日本半導体産業の凋落と言う概要次のような記事を見つけました。
 
90年における日本のトップ3社の半導体のシェアは世界の約3割のシェアを占めていたが、現在のトップ3社は、インテル、サムスン電子、テキサスインスツルメントだ。
 半導体産業における敗北で最初に注意すべきは、(90年代に米国紙が絶賛した)日本企業の特性(短期利益に左右されない、など)80年代にはプラスに作用したその特性が、下記のように技術体系と世界経済が大きな変化をした90年代からは逆向きに作用したとしか考えようがない。
 日本企業の長所は短期的利益に左右されないことだと言われた。それはその通りなのだが、実は的確な長期的視点を持っていたわけでもなかった。単に市場の条件変化に反応しないというだけのことだったのだ
先端的製品と低価格製品の両面で敗北
 80年代から90年代にかけて、ITの登場と言う大きな技術体系の変化が生じた。そして大型コンピュータからPC(パソコン)への変化であり、いま一つは電話からインターネットへの変化だ。
 日本が覇権をとったDRAMは、信頼性の高い製品が求められ大型コンピュータ用のものだ。ところがPC用のDRAMの需要が増えた。大型コンピュータ用ほどの信頼性は要求されず、その代わりに、価格が安いことが求められた。
 この変化が生じたとき、日本は韓国、台湾のメーカーに太刀打ちできなくなったのだ。 これらの国・地域の賃金は日本より低く、それゆえ低価格の製品を作ることができる。 サムスンは、それに加えて、巨額の設備投資によって製造単価を引き下げた。
 MPU(PCで用いられる超小型演算処理装置)は、半導体のチップだが、そこに書き込まれている計算回路の設計が重要な意味を持つ。インテルは、すでに80年代にDRAMから撤退し、MPUに特化した。
 日本は低価格製品が必要となったDRAMで新興国に敗れ、ソフトウエアの比重が高いMPUでアメリカに敗れた。結局、日本が強かったのは、基本的な技術が確立されている高性能製品を、効率よく生産することだったのだ。つまり日本は、ブルーカラー的製造工程には強いが、ホワイトカラー的な設計過程では弱いのである。
 ところで、以上で述べたことは、半導体産業に限ったことではない。同じことが、今後自動車について起こる可能性がある。従来のガソリン車やハイブリッド車は機械的に複雑な製品であり、こうした製品の製造過程での「すり合わせ」に日本は強い。しかし、今後主流になる可能性がある電気自動車は、バッテリーなど個々の部品には先端技術が必要とされるが、機械的には単純な製品なのである。そして個々の部品に関しては、シリコンバレーなどのベンチャー企業が強い。したがって、MPUでインテルに負けたのとの同じことが、自動車でも起こる可能性がある。
 他方で、新興国での需要は、低価格車が中心だ。この面では、PC用のDRAMで韓国や台湾に負けたように、中国の自動車メーカーに負ける可能性がある。
 こうして、技術的にきわめて高度なものと、廉価品の大量生産という二つの分野に自動車が分離する可能性がある。そうなれば、自動車産業が半導体の二の舞になる可能性は、決して否定できない。
ソフトウエア産業に弱い日本
 もう少し視野を広げてIT一般を見ると、ソフトウエア産業の比重の増加は、きわめて顕著だ。そして、この分野で日本は大きく立ち遅れた。
 PCのOS(基本ソフト)に関して、マイクロソフトのウインドウズが標準的なものとして確立された。
 インターネット面では、日本では、マイクロソフト、ヤフー、グーグル、アマゾンのようにソフトウエアに特化した先端的企業は、結局のところ現われなかった。こうして日本は、ITにおいて決定的な遅れをとることになったのである。

[私の意見]
・ウインドウズと言えば直ぐ日本製OSのTRONを思い出します。
 TRONの構想が発表され日本政府がその積極的な推進を決めた時、日米貿易摩擦が過熱する中、米国からスーパー301条の適用の示唆され、政府とTRONN開発に参加した大手メーカーを及び腰になったそうです。
 マイクロソフト社はTRON開発に対して米国政府に働きかけたと言われていましすし、Windowsの技術を一般に公開と言う戦略で世界的に独占、そのOSを利用したソフトのソフト普及で、少なくともPCではその存在を揺るぎないものにしてしまいました。
 現在、電話や冷蔵庫などの家電,携帯電話で使われているTRONが、仮にPCで普及したとしても、世界でどれだけのシェア確保するかは判りませんが、少なくともTRON開発からの撤退が、日本の学者や技術者のソフト開発の意欲を減退させたことは大きいと思います。
 あの時政府がもう少し頑張っていればと思うのですが。
電気自動車の開発の報道を見て、その日本に対する影響の大きさを感じたのは私だけではないと思います。
 つまり車輪周り以外は余り技術の要らない部品、運転のためのブラックボックス上のソフトが詰まった電子部品、そしてこれも電池さえ何処からか手に入れれば、特に優れた性能の要らない車なら、プラモデルのように誰でも作れるからです。
 著者の指摘するように、これからの自動車メーカーはどの方向を目指して行くのか、非常に難しい決断に迫られるでしょう。
・政府の役割
 著者は日本企業の半導体敗退の原因は「実は的確な長期的視点を持っていたわけでもなかった。単に市場の条件変化に反応しなかった」と言っています。
 私は米国の住宅バブル崩壊のとき、日本の金融機関だけは少ない被害で済んだのに、瀬製造業は大きな被害を受け、大量のリストラを産み、大きな社会現象になったことの反省として、政府が何らかの指導があれば、製造業も幾らかは被害を押さえられたかも知れないと書きました。
 一般企業は著者の指摘するように、狭く短期的な視野で道を誤ることもあるいます。
 この様な問題に対しても、政府が日本社会に大きな影響を及ぼさないように、第三者的な立場で何らかに指導をすること。
 その為に私が時々書く、誰でもその情報を共有できる、超党派のシンクタンクを設立を考えて貰いたいと思うのですが。
 何故なら経営者は皆優秀とは限らず、中にはというか、大半は凡庸な人達が多いと思うからです。

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米国人経営者の見た所得格差の原因

2010-10-02 06:26:21 | 企業経営

 日本で「アシスト」を経営している米国人のビル・トッテンさんの「白書が示す所得格差の原因と言うコラムを見つけましたので、その概要を紹介します。
 彼はその説で判るようにたびたび米国への批判しているユニークな米国人です。
・厚生労働省が発表した労働経済白書によると、日本の社会問題である「所得格差」の原因の一つは、政府が労働分野の規制緩和を進めたことにあるという。 
・小泉さんは人件費を削減したい経団連の意向を受けて、労働者派遣の規制緩和を進めた。安い賃金で雇え、不要になれば解雇できる派遣労働者は資本家や株主、経営者にとっては便利であるが、働く側にはたまったものではないし、それがどのような結果をもたらすかは、先行して規制緩和を行っていた国(米英)を見れば予想はできただろう。

・(レーガン政権は、様々な規制緩和を推進し経済を建て直して、資本主義の共産主義に対する勝利に導いた一方、インド、中国の台頭などよってアメリカの崩壊が始まった。)
・(規制緩和もメリットがあるが)
規制緩和によってもたらされた益とその受益者の数、それによって失われたものと見捨てられた人々の数を比べると、規制緩和の真の意味が弱いものを守る規制を取り払うこと、と言ってもいいかもしれない。
・資本主義における意思決定で、もっとも重要視されるのは利益である。労働者や消費者を犠牲にして、経営者や株主が受益者となるのだ。
・しかし企業が繁栄し成功することは、良い社会を築くための手段であって目的ではない。所得格差の原因がわかったのなら、それを解消することもできるはずだ。あとは政府が実行に移すかどうかである。

[私の意見]
・トッテンさんの最後の言葉の「企業が繁栄し成功することは、良い社会を築くための手段であって目的ではない」は正に日本の昔からの企業理念である「企業活動を通じての社会貢献」と同じ考えです。
・日本企業はリーマン・ショックで彼が言うように大量の派遣労働者を解雇しました。
 正に彼の言うように良い社会を築くための手段のための企業活動であるべきなのに、その逆に企業は社会に迷惑を掛け散らしたのです
・一方の企業は彼の言うように便利な派遣法により労働者の犠牲のもとで繁栄したか、または何とか生き延びてきたのに、そして政府や地方自治体はは厳しい財源をはたいて大量解雇された人達の救済にあたったのに、経団連などから彼らの支援に当たった話しは聞いたことがありません(企業ばかり良いことをして、困った時は政府や自治体任せなど、そんな馬鹿なことがあるでしょうか。)
・社会不安の元と言われている所得格差の問題では、給与生活者に限っても、30代のサラリーマンの平均年収は約480万円前後に対し(ほぼ同年代と思われる)派遣労働者のそれは200万円前後だと言われています。 (数字のデータあちこちのデータを拾ったので概要の数字だとして読んで下さい。)
・勿論優良企業と言われる中には厳しい環境にも何とか正規従業員だけ採用し、然もリーマンショックでも何とか解雇せずに乗り切った所もあるそうです。
 そしてその会社にはほぼ100%と言って良い程優秀な経営者が経営に当たっいます。
・私は前回のエントリーで経営者の質の向上の必要性を書きました。
 丁度その日か翌日にテレビで田原総一郎さんが、社員で思い切った斬新な提案をする人は、せいぜい常務止まり、企業のトップになるのは「可もなく不可もなく」過ごした人達ばかりだと言っていました。
 私の元上司で旧制中学卒の課長は東大や東京工大出のエリートの技術者のことを「カタログ・エンジニア」だと言っていました。
 詰まり彼らはそつなく仕事をするのは上手いが、カタログやマニュアルに書かれたことを忠実に実行するだけ、それで困ったら自分の独自の判断が出来ずに、直ぐにメーカーに頼ることをことを言ったのです。 (勿論入社して間もなく課長、部長になるので自分で判断するには経験不足もあるのですが。)
 然し彼らがそのまま、然も碌に経営の勉強もせずに、経営陣まで登り詰めたらどうなるのでしょう。
 そして、そしてそんな彼らに労働者派遣法という便利な道具を与えたら

 その結果が、リーマンショックによる派遣労働者の大量解雇騒動です。
 然しリットンさんの言う社会格差の解消は、私が何時もいう低賃金の多くの人民を有する中国など新興国の台頭→日本の競争力の低下と言う難問が横たわっているし、簡単に解決できないと思います。
 それで唯一できそうなのは、派遣労働者救済のために国や地方自治体が労働者派遣法のために余分な財政支出をしなくて済むように、派遣労働者への雇用保険の積み立てと、その加入を容易にすることを義務づけることです
 現在は保坂展人さんのブログ
によると、雇用が不安定で失業に結びつきやすい派遣労働者が雇用保険でしっかり守られているのではなく、逆に加入条件を厳しく制限されているそうです。
 私の提案に伴う企業の負担を軽くするためには、今問題となっている法人税の減税とセットにすれば良いと思います。
提案の利点
・派遣労働者の身分の保護
・「可もなく不可もなく過ごして」トップになった人達が安易に派遣労働者に採用して、また前回のように社会や国に迷惑を掛け散らさないように、ブレーキを掛けること
・社会不安の元となる社会格差の解消のための派遣労働者の増大に防止に少しは役立つこと
 私は小泉さんの規制緩和や労働者派遣をの適用範囲拡大は、経営者が全て優秀であると言う言わば性善説に似た前提に立った施策であると思います。
 これからは経営者の中には余り優秀でない人も可なり多くいると言う前提に立って施策を考え直す必要があると思います
 小泉さんの言うように自己責任で済まされずに、競争社会の敗者を国や自治体でなんとかしなくてはならぬのですから
 日本には米国のようにビル・ゲイツさんのように、金持ちが資金を出して敗者を救済すると言う文化はないのですから。

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トヨタの苦境は元社長の奥田さんの責任?トヨタのリコール問題(3)

2010-03-03 17:31:19 | 企業経営

 昨夜、自動車音痴の私にとっては「眼からうろこ」の情報を眼にしました。
 一つは中韓を知りすぎた男
さんの「トヨタ危機回避?」ブログです。
 トヨタファン一筋の私が奥田碩前社長が株主総会で「車は5年保てば十分なんです。それ以上の過剰品質(管理)は見直し、コストの適正化に努めます」という言葉を聴いて、トヨタはとんでもない男を社長に選んでしまったと感じました。
 奥田氏が社長就任して以降、「トヨタはグローバルになる」という旗印で海外進出を急拡大させました。その裏で下請け部品メーカーに対しては徹底したコスト削減要求をしました

 もう一つはtwitter上での1995年に当時の日経連の『新時代の日本的経営』
の中で“長期蓄積能力型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3グループの、非正規雇用を多数とする労働者の階層化”を提言への批判の「つぶやき」です。
 つまり雇用形態の多様化という考え方を打ち出して、第1のコースでは正社員を残すけれども、第2のコースとして契約社員、第3のコースではパートタイマーとか派遣社員、超短期の契約社員というものを作っていくと (日本的経営は解体の最終局面へ:日経ビジネスオンライン
より)と言う提言だそうです。

 これで改めて奥田さんの社長時代の業績をwikipedia 
で調べてみました。
  社長時代にはそれまでどちらかといえば良い意味で保守的だったトヨタを改革したと言われている。奥田時代からトヨタは「攻め」の姿勢に転じて躍進を遂げ、現在の世界第1位の自動車メーカーの座を手にした。このことから、彼の経営手腕は一般的に高く評価されており、他のメーカーの中には彼の改革を手本にする企業まで出てきた。
 奥田の諸改革には常に後ろ盾として豊田章一郎の姿があった
 その一方で、従業員に過度のサービス残業を強いて労働基準監督署の査察を度々受ける事態を招いたり、業績好調にもかかわらず外国人労働者や非正規雇用の確保で賃金の抑制を行ったり、世界第1位の自動車メーカーになることを目標に安易な拡大路線に走り品質管理を怠ったことが2010年のトヨタの大量リコールに繋がったとする指摘もあるなど、彼の経営姿勢を批判する声もきわめて多く、改革への評価と表裏一体である。
 その記述の他に私の気付いたのは中国人を中心にした外国人研修員制度の悪用で摘発された中小企業の愛知県での集中で、トヨタの下請けに対する締めつけが如何に厳しいかと思った記憶があります。
 正に中韓を知りすぎた男さんが奥田さん時代トヨタの品質管理の質の低下、下請けの締めつけを指摘されたとおりです。
 もう一つはwikipediaで触れている豊田本家の豊田章一郎さんの存在です。
 先に書いたように、当時の日経連が『新時代の日本的経営』の提言を行った1995年ですが、調べて見ますと、当時の会長は正に豊田章一郎さん(1994年~1998年)です。
 詰まり奥田さんは日経連の豊田さんのバックアップで、正規社員の終身雇用の旗印の一方で、「業績好調にもかかわらずサービス残業をさせたり、外国人労働者や非正規雇用の確保で賃金の抑制を行ったり」、有名なジヤスト・イン・タイムで下請けに在庫管理の負荷を押しつけるほか、厳しい査定をして下請けに外国人研修制度を悪用して経費を削減させたりしたのでしょう。
 いずれにしても品質では世界の同業の各社で最高を誇ったトヨタが、その品質で米議会の追及を受け、品質管理では最高の賞のデミング賞を受けた豊田章一郎さんの息子の章一さんが、品質管理問題で同議会で証言せねばならぬとは、余りにも皮肉過ぎると思います。
 しかし、豊田社長はその証言で次の様に約束しました。
・「顧客の声を聴く姿勢」に戻る。
・急激な業務拡大で品質より量を重視していた経営姿勢を改め、安全、品質を大切にするという創業以来の価値観を再確認し、組織改革を進める。
・日本の本社品質保証部が管轄だったリコール実施の判断について、必要に応じ、地域単位でもリコールを決定できるシステムを取り入れる
・顧客からの苦情を受け付けた際には、原則24時間以内に現地に向かい、車両を検査できる態勢を目指す。
  正に豊田さんが、日本流の経営に戻すことを宣言したもので、日本の輸出産業のリーダーであるトヨタが、是非その姿勢を貫いて立ち直って貰いたいと思います。
 それと豊田社長の宣言にもう一つ付け加えれば、日本本来の歩いてきた道の(非正規社員を含む)従業員を大切にし、下請けの中小企業を締めつけるだけでなく、そのの育成を考え直して貰うのが、結局はトヨタの永続的な発展に繋がるもので、トヨタがその模範を示して貰いたいと思います。

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トヨタのリコール問題(2)

2010-02-26 10:45:32 | 企業経営

 前日の米国トヨタ販売のジム・レンツ社長の外国人らしい責任転嫁の証言と違って公聴会の豊田社長の率直な証言に就いて読売・朝日・毎日、産経の各社が社説では一応好意的な見方をしているようです。
 報道によれば、米国民や米国紙の評価も一方的なトヨタ批判で無くて2分しているそうです。
 今日は豊田さんの証言後に残る問題を昨日の私のエントリーに頂いたコメントも参照しながら、各社の社説から拾って見ました。 
(とは言っても車の運転のできない私が書くことですから、多くの方のアドバイスをお待ちしております。)

読売米国でのトヨタへの不信は、2002年前後から、トヨタ車で突然、急加速する問題が多発していることが発端となっている。
 トヨタは、原因はアクセルペダルなどの不具合だとして、大規模な改修に乗り出したが、依然として、「真の原因は、エンジンの電子制御システムの欠陥にあり、トヨタはそれを隠している」という疑念がくすぶっている。
 公聴会で豊田社長は、「システムに設計上の問題はない」と強調した。ただ、急加速の原因については「さらに究明に向けて調査する」と述べるにとどまった。
 欠陥を特定するより、欠陥がないことを証明する方が、何倍も難しい。しかし、それは世界一の自動車メーカーとして、避けて通れない責務といえるだろう

 訴訟社会の米国で2002年から40件近くのしかも中にはその為に死者が出る程のトラブルがあり、当然現地トヨタが訴えられそれに対応してきた筈なのに、2010年になって急に問題が出てきたのは何故でしょう?
 原因の一つには使用者側の明らかな不注意もあったと思いますが、それを公聴会などで言えば袋叩きにあうので言えないこともあったと思うし、これからの究明でもどれだけこのことが言えるのでしょう?
 それと、米国紙を見ると議員達は盛んにブラックボックスの開示を求めていましたが、それこそトヨタのノウハウの根本に触れることで、どれだけ彼らが満足できるまで開示できるのでしょう?
 そしてトヨタに取ってまた日本に取っても残念なのは、それらのことが問題解決を長引かせそうな気がします。

朝日今回は、リコールするかどうかを判断する権限を日本の品質保証部が独占し、米国など現地の判断が生かされなかったことも対応の遅れや誤りにつながったとされる。
 テレビでも議員がトヨタは縦割りの組織になっているのではないかと言って居ましたが、私が心配していたようにトヨタ内の組織の硬直化があったのかも知れません。
 豊田社長も組織の見直しをすると言って居ましたが、客先からのクレームは所管の長だけでなく、本社トップ直属の部署にも平行して真っ直ぐ来るようにすべきと思うのですが。

産経トヨタは10年ほど前から、車の燃費性能を向上させる電子制御システムの導入を進め、他社も積極的に採用しつつある。エンジンなどをきめ細かく調節できるシステムだが、ブラックボックス化されており、外部から不具合の有無を特定しにくい面もある。トヨタは今後、この問題の原因を追究するだけでなく、販売店で不具合をチェックできる体制を整備する努力も怠ってはならない。
 トヨタはこの急加速の問題が起きた時、実用上は問題ないが、運転者との運転感覚と車が違う動きをしたのが問題だとして、運転者の感覚に併せるようにフログラムを作り変えて、対象車のリコールをしています。
 この原因は設計者が燃費の向上ばかりに気を取られて、運転者のことをつい忘れていたか軽視していたのではないかと思います。
 私は車の運転は全く出来ませんが、運転する人の立場から想像すると、自分の手足のように動くのが車としての理想のような気がするのですが。
 そのためにある程度燃費の問題をどの程度犠牲にするのか、そしてその犠牲を最小限に抑えるのが今後の改善の方向になると思います。
 しかしそれはブラックボックスの中の問題なので、トヨタ得意の現場の人達を巻き込んでの改善活動の範疇からそれてしまうのが難で、後は技術陣の頑張りに期待するだけになるのでしょうか。
 日米関係は基地問題などでぎくしゃくしており、今回の問題が新たな摩擦に発展することのないよう日本政府も積極的に関与すべきだ。米側がトヨタに要求する安全対策の情報を政府間で共有化することなども必要だろう。そうすれば、米側の一方的な要求を排除できる。
 ネット上では今回の問題は基地問題も絡んでいると鳩山政権を非難していますが、そうでなくてもややこしい日米関係の中で、トヨタ問題で日本政府がどれだけ介入してくるのでしょうか。
 米国側は議会と(トヨタ以外の)自動車業界のタッグ、日本はトヨタの孤軍奮闘の状態にならぬようにして貰いたいものですが。

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トヨタのリコール問題

2010-02-25 11:06:49 | 企業経営

 米国議会がトヨタのリコール問題を取り上げた時、雑談で私の意見を友達に話したことがあります。
[日本の会社の特徴とトヨタ]
・日本は「有り難う」と言うときでも「済みません」と言う程「済みません」の文化の国だ。
 企業経営もお客からクレームがあったとき「済みません」と先ず謝り、直ぐ修理や改善などで品質の向上の対策を取ってきた。
 それが時計、カメラ、電気・電子器具、最近では自動車産業が世界で伸びて来た理由の一つだ。
 その例外が三菱自動車でクレームの対応を誤って、長い間不振に苦しんだ。
・今回の問題は、トヨタが大きく伸びたために日本の「済みません」の文化に基づく会社の経営方針が外国の末端まで浸透しなかったのではないか。
・もう一つはブルーバードやスカイラインなどの名車を産んだ日産自動車が経営不振に陥り、事実上ルノーの傘下に入ったのは、経営の失敗、経営陣の抗争などもあったが、技術陣の驕りで、世間のニーズを掴み切れなかったのも一因と言われているが、トヨタの場合もことによるとそれと同じことが起こっているのではないか。
・トヨタが生産台数でGMを追い抜いたとき、経営者の一人が「これからが大変だ」と言っていたのが現実となり、形を変えたジャパンバッシングとなったのではないか。
・その背景にはGM、フォードの米国系の自動車産業にてこ入れしている政府、議会に取って彼らを援助する好材料になっているのではないか。
 勿論これは文字通りの暇つぶし雑談で、何の根拠のない全て推定の話でした。

[公聴会での質疑
質問:今回の問題を解決するには何が必要なのか。
米国トヨタ販売のジム・レンツ社長:「これまで注意を傾けなかった顧客からのすべての苦情について調査を続ける必要がある」
質問:問題解決へ向けた具体策の決定は、東京(日本)に判断を仰がなければならないのか。
社長:「車両の欠陥の有無やリコール実施に関する判断は、日本で行われてきた」
質問:何度かリコールを実施していたのに、事故の防止対策をなぜすぐに実施しなかったのか。
社長:「我々の組織に弱点があった。世界的な情報の共有がうまくいかず、大半の情報が一方通行だった」
 リコールの権限は本社側にあると何度も答えるなど、問題には日本の本社にあるとする社長の回答は議会側の質問を緩和するどころか硬化させるばかりです。
 社長の回答は事実だとしても、これが日本の(少なくもと昔の)社長だったら、上記の問題があったが、これを本社側に伝える努力が足りなかったと自分の責任を認めるのが、日本流のやり方だと思うし、議会側もある程度納得すると思うのですが。
 米国人の社長を採用するのには管理上や営業上の目的もあると思いますが、危機管理について日本流のやり方の教え込む必要があると思います。
 逆に議会側から言えば事の本質は日本の本社にある言質を引き出しただけで、米国人の社長を喚問した成果を挙げたことになるのでしょう。

トヨタ側のリール対応策(25日8時現在までの情報より)             
・トヨタ自動車の豊田社長は公聴会で、リコールの届け出が遅れたのでは」との米議会などからの批判に対し、今のトヨタに欠けていたのは「顧客の声を聴く姿勢」だと表明する。
 何でも「済みません」と言って「顧客の声を聴く姿勢」は日本の製造業が伸びてきた原点です。
・急激な業務拡大で品質より量を重視していた経営姿勢を改め、安全、品質を大切にするという創業以来の価値観を再確認し、組織改革を進める
 正にその通りで、トヨタの品質管理が高いと言うのが、当たり前と思っていた幹部の油断が今回の問題の原因の一つかも知れません。
・豊田社長は証言でリコール問題の原因について「より良い商品を造るために顧客の声を聞く姿勢がどこかでおろそかになっていた」と指摘する
 消費者からのクレームを消費者に押しつけるのでなく、それを取り上げ貴重な情報として、更に良い製品を目指してきたのが、今までの日本の工業界です。
・トヨタは、日本の本社品質保証部が管轄だったリコール実施の判断について、必要に応じ、地域単位でもリコールを決定できるシステムを取り入れるなど、再発防止に全力を挙げる。
 私流の解釈からすれば、リコール実施の判断を本社品質保証部に一本化していたのが、前の日産の例のように、技術陣が消費者のニーズを掴む妨げになっていたのでしょう。
・顧客からの苦情を受け付けた際には、原則24時間以内に現地に向かい、車両を検査できる態勢を目指す。

 トヨタの対策を総合的に見れば、今までの日本の工業界が進んで来た道の反省にたった方針と思いますし、当然のことだと思います。
 海外への展開に就いては難しいこともあると思いますが、基本的には飽くまでも日本流を貫いて進むしかないと思います。
 会社のグローバル化でそのやり方もそのままグローバル化をすれば、日本企業の伸びる道はないような気がします。

 とにかくトヨタ社長が米国議会の圧力に負けずに頑張って欲しいと思います。
(午前9時現在記)

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