普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

脱原発で良いのか

2011-05-13 10:57:54 | 電力、原発

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 産経はその社説原子力発電 首相は再稼働を命じよ 電力不足は経済の活力を奪うで二つの事を主張しています。
・浜岡以外の原発を稼働させること
 浜岡原発を停止させたため電力不足に陥り、日本経済に大きな影響を与えるので、浜岡と同様に政治主導で関西電力や九州電力で今止めている原発の再稼働を進めるべきだ。
 これに就いてはたまたま昨日見た「ダイヤモンド Online」の 「浜岡原発全面停以降の課題」 で広瀬 隆さんが、現状でも総ての原発なしでも日本全体の電力量を供給できるとして表を示し、報道に携わる人たちがデータをきちんと調べろと言っています。
然しそのデータが広瀬さん以外の人が個人的に作られたもので、どのデータをどうして纏めたか判りません。
そう言えば反原発の河野太郎さんが、原発のコストが安いと言われているが確かめたいと言って経済産業省に資料の提出を要求した所、肝心の部分が企業秘密だからと言って総て黒塗りになっていたそうです。
これでは9条論争のように、原発容認派、反対派、経済産業省などが自分の主張や政策に添ったデータを出しても本当の所は判りません。
 政府は今後の電力政策を進めるためには、可能な限り公平で正確なデータを公表すべきだと思うのですが。
 もし政府が自分の都合の良いデータばかり並べていては、最後には日本の方向を誤られることになると思うのですが。
・「脱原発」に流されるな
 菅首相は今後約20年間で原子力発電の割合を総電力の50%以上とすることを目標に定めた政府の「エネルギー基本計画」を白紙に戻す意向を示した。
 原子力の縮小分を、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで補う算段のようだが、実現の可能性は低いはずだ。省エネ社会も目指すというが、思いつきで進められると国の将来を誤ることになってしまう。
 世界の人口増、新興諸国の台頭でエネルギー事情は、年を追って厳しくなっていく。
 また、民主党政権が世界に公約した温室効果ガスの25%削減はどうするのか。年限は2020年だ。景気を低迷させ経済を失速させれば達成できるだろうが、それは日本の「不幸」である。

 私は今回の福島原発の事故は東京電力の然も福島特有の事故だと思っています。
 その理由は色々ありますが、その主なものは、
 ・福島第一の1,2号機などは原発設計の基礎が確立していないころ建設されたオンボロ設備であること
 ・特に1号機は耐用年数が過ぎたものであること
 ・似た条件にある女川原発や福島第2はなんとか無事に停止していること
 ・オンボロ設備であるから当然の設備の改善、強化は当然の動きがあって当然だが、女川を含む他の後発の原発に適用された新技術が、福島第一に取り入れられたかどうか不明のこと
 極端な例で言えば福島第2では緊急発電機を原子炉建屋に入れたのに、第1ではそのままになっている。仮にそれが経済的な理由で致し方ないとしても、タービン建屋の防水対策について改善されるのが当然の動きなのに。
・柏崎を含む原発事故に対する明らかな東京電力の隠蔽体質
・元経済産業省にいた岸さんの言う役所以上にお役所的な東京電力の体質
・現場の本店、幹部の技術者との意思疎通不十分のため現場の意見が取り上げられてないように見えること
 この様な特殊事情にある福島第一の事故を捉えて、原発全体の問題として今後処理するのは、国のエネルギー政策を誤らせるものだと思います。
 国としてまずやるべきことは、原発に代わる大きなクリーンエネルギーの発見が無い現在、福島第一の事故原因を分析して、それが福島特有のものであるか、他の原発も廃止炉の処分のように原発特有の避けられない事故であるかどうかを判断して、今後の原発政策を決定すべきだと思います。
 私は女川の例を見てもどうしても福島第一と東京電力特有の事故であるのは間違いないと思うのですが、管政権は福島第1の固有の問題を総ての原発の問題として取り上げた反原発のムードに乗った動きをしていて、国の方向を誤らせることになるような気がしてならないのですが。。

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参照:カテゴリー→企業経営→原発関連記事


浜岡原発運転停止で思うこと

2011-05-07 12:14:23 | 電力、原発

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浜岡原発停止に賛成
 今回の菅さんの突然の浜岡原発の停止の発表新聞各紙社説を発表しています。
  読売、朝日、毎日、日経は賛成、産経は一部賛成ながら批判的な主張をしている様です。
  産経は回の発表の裏側について次のように書いています。
・鳩山、小沢グループの菅降ろしの先に先手を打った菅さん保身術
・社民党の福島さんの弁護士グループが浜岡原発差し止め訴訟を準備しているとの脅しに乗った
・今回の決定に就いては、首相周辺は「会見直前に決めた」と打ち明け、経済産業省幹部も「まったく知らなかった」とこぼした

また何時もの菅さんの思いつきの問題や、後に書くように今回の発表が色々問題を含んでことを考えても、私は菅さんの考え方に賛成です。
何故なら私は前々から首都圏、太平洋沿岸の地震地帯に日本の主要な工業地帯が集中していることの危険性を書き、それを分散することで地方の活性化を図るべき書いて来たからです。
菅さんがどんな動機で考え、どのような成り行きで決心しても、政治は結果責任ですから、菅さんの決定やマスコミの支持が正しいか否かは歴史ぎ決めることです。

浜岡原発の周辺の工業地帯の被害対策は
中部電力は従来の8メートルの津波の予測を15メートルに変えた対策を立てているそうで、菅さんはその対策が終了するまでの停止を決めたそうです。
 然しもし浜岡地域に菅さんが言うマグニチトュード8前後の地震が起き、15メートルの津波がきた時、付近の工業地帯はどうなるのでしょう。
 勿論、原発程の事故の影響の拡大はないにしても、同地域に地域に集中している工場の被害の日本経済に与える深刻さや、大きな犠牲者の数などは、東日本と比べ物にならいない程の大きなものになるでしょう。
 菅さんは産経の指摘したような意志の決定過程から見るように、目の前の原発のことしか考えてないようです。
 勿論、この問題は余りにも大きすぎますので、今直ぐとは行かないと思いますが、福島原発の事故を契機に、政府も経団連もじっくり考えるべきだと思います。

今後の原発はどうなる
 産経の社説は今回の菅さんの処置批判の理由として、
 手続きを欠いた菅首相の要請には、原発事故の深刻さをパフォーマンスに利用したような思いを禁じ得ない。諸外国からは、日本が原発を否定したと受け止められる恐れがある。
 菅首相は今月下旬、フランスで開かれる主要国首脳会議(G8)に臨む。今回の原発停止方針は、誤った印象を国際社会に与えないだろうか。

 私は前から書いていますが、福島原発の事故は同じ地震と津波に遭った女川原発との比較で見ても、福島原発特有の事故ではないかと書いて来ました。
 若し私の推測が当たっておれば、福島原発の特有の事故を日本の原発総てに当てはめて考えられていることになります。
 今回の事故で素人の私にとって初めて知ったことがあります。
 浜岡原発の1号機は76年操業、2号機は78年操業で両機とも09年操業停止にひして、福島1号機は71年操業で耐用年数が過ぎているのに関わらず、政府機関の許可を得てなお運転をしていました。(その直後に今回事故を起こした直接の原因である冷却系の検査の情報隠しの問題が発生しました。)
 私は何度も東京電力のお役所的体質、利益優先の体質の問題を書いて来ましたが、これから想像されることは、中部電力の安全サイドの決定にたいして、東京電力のお役所的体質の裏返しの、政府に対する大きな政治力と利益優先の体質を証明するものだと思います。
 勿論、総ての電力をクリーンエネルギーで賄え、石化燃料による地球温暖化など無視したり、電力不足による日本の経済力の低下を無視できればなんとでもなるのでしょうが、やはり少なくも当面は(私は余程大きな発明が無い限り原発の使用は避けられないと思っていますが)原発に頼らざるを得ないからです。
 その為には徹底的な福島原発事故の原因追求、例えば東京電力の体質、本店の現場の意志の疎通、現場における設備改善強化の動きの有無などを徹底的に行うことです。
 そしてそれらの動きが完璧であって、なおかつ今度の震災を止められなかったかのなら、今後の原発は新設は勿論、既存の原発の逐次廃止に進むしかないと思います。
 事実は似たような条件の女川原発は無事停止したことから見れば、前の条件の仮定はないことになります。
 政府や業界のやるべきことは、東電と福島原発を抱えている企業の体質や人間関係、設備の技術的な問題、現場での運転、保全の在り方など、他の電力会社にも共通な問題がありはしないかの調査と、もしあれば改善を進めて行く事です。

今回の事故で得たノウハウを活用して世界に乗り出そう
 民主党政権は世界トップの技術を持っている新幹線とともに原発を世界に売り込もうとしていましたが、こんこんの事故で原発に就いては大きなブレーキがかかりました。   新幹線では機体だけでなく、それに伴う運転や保全などのソフトの技術も売り込もうとしています。
 原発も同じで、今回の事故を逆手にとって運転、保全、トラブルが起こった時の処置などのソフトも売り込んではどうでしょうか。
 製造業の生産管理や人事管理の技術と言うかノウハウも世界最高クラスのものをもっています。
 私はそれらに加えて、今回の原発事故で明らかになった、技術上のこと、これから明らかにされると言うかしなければならない、運転や保全管理の技術やノウハウ、今回のトラブルへの対処技術やノウハウなど総てを集大成して、設備に加えてソフトも売り物にして、世界に乗り出すべきだと思います。
 そのためにも今回の福島原発の事故の直接、間接の原因である、技術的な原因、原発を持つ企業の在り方、幹部の現場の意志の疎通、現場での運転、保全の在り方など徹底的な調査が必要だと思うのですが。

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*参照:カテゴリー→企業経営→原発関連のエントリー


やはり電気料金の値上げか・原発事故対応

2011-05-04 11:05:22 | 電力、原発

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 読売新聞の
東電の賠償、電気料値上げで…政府・民主容認へ と産経新聞の原発賠償4兆円 政府試算 さらに上積みもの記事を併せて概要次のように報じています。
・福島第一原子力発電所の事故の賠償策を巡り、政府・民主党が東京電力が負担する賠償金2兆円に充てるため、電気料金の値上げを容認する方向で調整。
・支払う枠組みは、東電のリストラと毎年の利益から捻出するのが原則だが、それだけでは資金が足りないためだ。今回の枠組みで資金拠出を求められる他の電力会社についても、一定の電気料金の値上げを認める方向だ。
・電気料金の値上げは国民の負担増となるため、東電だけでなく、他の電力会社も含めて徹底したリストラを求めたうえで、賠償総額が見通せるようになってから値上げ幅を検討しているが、標準的な世帯の場合、月数百円程度の大幅な値上げとなる可能性がある。
・賠償総額が4兆円を超えた場合に国が税金で負担する案も視野に入れているが、一部の閣僚や与党幹部には「被害者の納得が得られない」として、東電の一時国有化を主張する意見も残っている。

[私の意見]
この案には大きな問題がいくつも残っています。
・一昨日の「福島原発の事故に対する政府の責任は?」でも書きましたが、今回の事故の責任は100%近くは東京電力の責任で、政府の原発の推進、監督の責任は相対的に言えば数%に過ぎません。
 言い換えればそう言う政府を選んだ国民の責任は数%の内の数~数十分の一しかありません。
 その国民が電気代の値上げの負担に耐えねばならないのは何故でしょう。
 それで国民の納得が得られるでしょうか。
・政府が(実は国民が)負担するためには税金が一番簡単ですが、それには国民、野党や財務官僚の反対があるので、電気料値上げを考えたのでしょうが、国民から言えば税金も電気料の同じ財布から出さねばなりません。
 原発賠償機構的なものを立ち上げ→各電力会社参加→それから東電が金を借り賠償金に当てる→長年月かけて返済の仕組みの中で、各電力会社の供託金支払いのためり電気料値上げと言う回りくどい方法を取るようですが、いずれにしても国民の負担が増えることには変わりありません。
 東北の被災民の救援のために税金が上がるのは仕方がないと言う国民も、東電救済のために電気料が上がるのに納得出来るでしょうか。
・4兆円以上と想定される賠償金の内東電が支払うのは僅かその半分の2兆円です。
 各電力会社が事故の責任は全くないのに、何故各社総計で2兆円もの金を負担しなければならぬのでしょう。
 勿論このような互助会的な組織が始めからあり、その中で東電がたまたま事故を起こしたというのなら話しは判るのですが。
・電気料の前提として、電力各社ともリストラを要求されているようですが、その前に政府や各社ともやらねばならぬことは、各社の保有する原発の安全性の強化にその資金と努力を集中することです。
・リストラの件に関しては、経営責任の面から言っても徹底的やらねばならないのは、東京電力のリストラです。
 東電の最大かつ緊急の仕事はは福島第一の安全な停止です。
 それには少なくも6カ月は掛かると言っています。
 それからリストラでは余りにも遅すぎます。
 だから当面は福島原発の停止専門の会社を分離し、残りの会社の解体的なリストラが無ければ誰も納得させられません。
 読売の解説記事によれば、今回の救済処置は東電の5兆円に登る社債と、東電の経営不振などの金融市場の混乱を避けるためとしていますが、このような難しい仕事を出来る人は今の民主党内閣ではとても出来そうにありません。
 私は色々な批判はありますが、日本の金融危機に辣腕を振るった竹中平蔵しか思いつきませんが、彼の場合は後ろに小泉さんがいました。
 今の民主党政権では頼りになるのは、亀井さんくらいですが、彼は竹中さんの政敵です。
 結局は同政権では、天下りを出向と言い換えたように、増税の代わりに電気料値上げという方法で国民にまた負担を掛けるのが落ちのような気がしますが。
 これから自民党を始めとする野党がこの政府の方針にどのように対応するのでしょうね。(4日10時記)

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福島原発の事故に対する政府の責任は?

2011-05-02 07:54:03 | 電力、原発

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 表記の点に関連して、ダイアモンド Online は大きな事故のためその賠償額が会社の負担力を超える場合の処置について次のように報じています。
・電力会社ではないごく普通の会社(A社)
 A社が持つ現金や株を含む資産から賠償金を支払う(株主負担)→自己資本の範囲を超えると会社更生法の申請による会社の倒産など何らかの法的整理→お金を貸している形の金融機関や社債の保有者が負担→A社の全ての資産を使っても賠償しきれなかった場合で、A社の業務が何らかの行政的な監督下にあった場合で裁判で、国に責任があると認定された場合、国は残りの賠償額を負担(全国の納税者般の負担)
・東京電力の場合
 賠償を支援する新組織(仮に「原発賠償機構」と呼ぶ)を作って、ここに政府から交付国債、他の電力会社からは将来の原発事故に備える名目での保険料的な負担金などのお金を集め、さらに政府保証付きで金融機関からの融資も行う形とするようだ。要は、東電を倒産させない仕組みだ。
 事故の被害者に対する賠償は東京電力が行う→東京電力は、この機構の負担金を、将来の収益から原発賠償機構が支援の際に保有する優先株の配当などの形で返済。これでは足りない損失が発生した場合、東電も含む電力会社が納める保険料が充当され、さらに足りない場合、あるいは政府が贈与を決意した場合に納税者の負担になる。
 首都圏の住民(東電管内の電力ユーザー)から見ると、停電のリスクや節電運動に不自由な思いをし、食品や水に不安を覚えるような被害を東電から受けながら、結局、将来の電力料金を通じた負担で、自分たちが東電の不始末の経済的尻ぬぐいをさせられることを意味するのではないか。

と著者が書いていますが、今回の発表によると全国の人達も独占会社である各電力会社が料金値上げの形で負担を強いられのではないかとマスコミが批判しています。
[私の意見]
何故政府が東電の賠償にこんなに関与しなければいけないのか
普通の会社と違って東京電力の賠償金支払いにこれだけ政府が関与しているのは、今回の事故に政府の責任の度合いが他の一般会社に対するそれより大きいのでしょうか。
政治家の一部、マスコミは原発政策を推進してきた政府に責任があると言っており、政府の東電に対する特別扱いも、その考えに立っているようです。
勘繰って言えば菅政権に原発を推進してきたのは、自民党・公明党の連立政権だからと言う甘い考えあるのかも知れません。
私は元保全技術・管理者の経験から言って、今回の事故は原発特有の密室状態が起因していると思います。
福島原発事故の政府と東電の責任
福島第一の導入の経過から政府と東電の責任の在り方を考えて見ます。
・国内で技術の確立していない原発を導入した(国の責任もあるが、それを恐れていてはどの様な最新技術の導入はできない)
従ってメーカーのGEの教えを受けながらの建設であった。
 然しポンプや配管などの付属設備は日本の技術で十分に出来た。(東電または日本メーカーの責任)
 国内の先発の原発として改善の余地は多くあるのは当然。
・配管などの主要材料のSUS304が応力腐食割れに強いSUS316に代わるなど技術が進歩してきたのに、福島第一に対して東電はどう対応して来たか?(東電の責任)
・女川原発が15メートルの台地に建設、3系統の外部電源、福島第二で緊急発電機を原子炉建屋に変更などの情報に対して、(現場から当然に出てくる筈の)福島第一の津波対策の見直し、例えば建屋と配管の貫通部の防水対策の強化、外部電源の複数化などして来たか。(東電の責任)
・機器配管などの定期検査を十分にして来たか。
 事実は数々の報告書の隠蔽が発覚から考えると可なりの手抜きがあった可能性が大きい?(東電の責任、政府の監督強化の責任)
・本店が運転・保全などの現場の意見をどれだけ取り上げて来たか?(東電の責任)
 これを纏めて言えば原子力と言う超危険物を取り扱う初期の原発を受け入れた以上、それを如何に上手く運転、保全をするか、それをより強い安全なものに改善して行く前提で建設・運転を許可したもので、事実上は性善説に立って監督して行く他ない政府の責任ではなく基本的には東電の責任です。
 まして今回の事故の原因が建屋の防水、配管の洩れ防止、緊急装置の強化など、高度の技術を要する、原子炉本体でなく、現場にいる工業学校、高専卒の人達の技術でも出来ることを怠ったもので、約100%近く東京電力の責任は免れない一方、政府側の責任はマスコミの言うほど大きくはないと思います。
 私のような元現場責任者からすれば、日常危険に曝されている運転、保全の人達から、ことあれば生命の危険にも関わるような、装置の改善、強化の強い要望が幹部に出ているのはまず間違いないと思うのですが。
 勿論、日本経済の混乱を防ぐための政府のある程度の東電の援助は欠かせないと思いますが、基本は国民が納得するような東電の徹底的な再建策が前提となると思います。
 先に引用したようにそのような前提も無しに、いきなり国民にも良く判らない東京電力の救済策をいきなり発表したのは何故でしょう。
 まさか私の勘繰りのように、菅さん達は今回の事故は元々は自公政権の責任だと軽く考えているのではないでしょうね。


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もし原発を廃止したらどうなる?

2011-04-19 15:09:42 | 電力、原発

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 昨日テレビを入れると参議院で社民党の福島瑞穂さんが福島原発の問題を取り上げて菅さんに質問していました。
 菅さんは彼女の原発廃止の執拗な主張に対して、菅さんは彼女の意見も参考にして、今後の原発の在り方を考えて見たいと通り一遍の返答をしていました。
 たまたま同じ日の英字新聞輪読会でもし原発が無くなったらどうなるかと言うAPの記事がありましたのでその要点を紹介します。
 タイトルは「Japan disaster complicates moves to clean energy」です。

・環境保護活動家:「日本の核危機で起こった世界的原発抑制の要求は、各国が本腰をいれて風力、太陽光などのクリーンエネルギー、再生可能のエネルギーなど利用しない限り、地球温暖化の戦いに取っては悪いニュースになるだろう。」
 「若し各国が地球温暖化に役立つ原発を廃止すると、気候変動の主犯である化石燃料に頼することになり、今回の悲劇は原発推進、反対の両派に決定的だ打撃を与えるだろう。」
・グリンピース:「原発、化石燃料のどちらかを選べというのは間違った選択だ。我々は再生可能なエネルギーを必要としている。我々は後戻りするか前進するしかない。」
・国連の気候変動の担当者:「科学者達の言う産業革命前のレベルから2℃を上がるのを防ぐための量の、僅か60%にすぎない温室効果ガスを削減するとした各国の約束は2020年までに果たさねばならならない。」
 「化石燃料への後戻りは気候変動に悪い結果、極氷冠、氷河の融解と海面上昇などをおこすだろう。」
・IEAの環境経済学者:「2035年まで、原発は360ギガワットの電力量を予測していたが、事故の後、原発の停止や段階的廃止の圧力のためにその予測は半分に減らされた。」
 「そのギャップは再生可能なエネルギー、石炭、ガスなどで埋められることになり、その結果2035年まで今までの5%だけ余計の炭酸ガスが放出とれることになるだろう。」
 「2℃低下のドアは固く閉ざされ、エネルギーのコスト上昇、安全保障、多様化が削がれる一方、炭酸ガスの放出は増加するだろう。」
 「世界のリーダー達は日本の災害を教訓にして原発廃止の方向に急ぎ過ぎているようだ。我々が福島から総ての情報を得れば、政治家達は経済的な観点からまた違った見方をするはずだ。」
・日本の環境保護運動者:「原発停止のギャップを短期間だが大きく化石燃料で埋めることが2020年までに25%の温室効果ガスの削減の公約が20%した達成できなのではないかと心配だ。」
・菅首相:「代替えエネルギーが今後の柱になるだろう、我々は再建に向かって前進するに当たって、太陽光、バイオマスのようなクリーンなエネルギーで世界をリードしたい、を廃止しないようにすべきだ。」
(以下中国の対応省略)

[私の意見]
福島瑞穂さんへ
 原発反対を言うなら対案を出すべきです。
・水力発電:ダム建設など福島さんも反対の筈
・地熱発電:現状以上にどこに立地があるのでしょうか
・太陽光:費用の問題を除いては、今後積極的な普及を図るべきと思いますが、原発廃止に伴う電力量の減少を埋めるためにどれだけソーラーパネルが要るのか考えたことがあるのでしょうか。 
・風力:低周波の人に及ぼす悪影響は良く知られたことです。また風車設置に伴う環境や観光立国の日本としての景観破壊に就いてどう処理するか提案すべきです。
・上記以外の再生可能なエネルギー:原発に比して余りにも発電量が小さすぎます。
・化石燃料の利用:前に資料にあるように、原発廃止の最大の問題点です。
 福島さんも小さい政党と言え党首ですから、先の代替えエネルギー問題に加えて、温室効果ガスの増加の可能性に就いてもどうするべきかに就いての意見を発表すべきです。
菅さんのバイオマスの利用
 バイオマスの利用に就いては原発廃止に関連した発言だと思いますので、バイオマス燃料と思って問題点をかきます。
 いずれにしてもこれを燃やせば炭酸ガスかでること。
 木材を除いてはこれと言った自然資源がないこと。
からまた何時もの菅さんの思いつきの発言のようでこのような発言で世界をリードなど出来ないと思います。
IEAの環境経済学者の「世界のリーダー達は日本の災害を教訓にして原発廃止の方向に急ぎ過ぎているようだ。我々が福島から総ての情報を得れば、政治家達は経済的な観点からまた違った見方をするはずだ。」の発言
 私はIEAの学者の意見に大賛成です。
 私は注記のように元保全技術者・管理者の立場から、
・今回の大事故はやりようによっては防げたのではないか、
・または原発の性格上どのような対策をしても防げ無かっのか、
を今までの建設から運転、保全の経過や、無事停止した女川の状況と比較するなど、詳細に分析して、廃炉に伴う処理など原発としては避けられない問題を含めて総合的に解析して、今後の方向を検討を進めるべきだと思います。
 その点福島瑞穂さんの原発反対論者がここぞとばかり反対したい気持ちは判りますが、いきなり結論を出すには、APのレポートが指摘したように事の重大性を考えると早すぎます。
 然し福島さんのように、原発の実情も判らずに原発反対を唱える人が出て国の方向を誤らせぬためには、マスコミや学者などが(注記に記した私の意見を含む)福島第一の実情をそろそろ調べる必要もあると思うのですが。


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*注記:核と言う超危険物を扱う原発の廃止または継続を考える前に
・経済的に許し得る限りの最新の技術を採用して建設すること
・運転・保全が協力して徹底的に原発の運転とメンテナンスをすること
・建設後も設備を経済的に許し得る限り改善して絶えず考え得る最強の原発にすること
・日常的に危険に曝されている運転、保全に携わる人達の改善の意見を取り入れること
など当然のことを、福島原発の関係者が果たしてどう処理して来たかを確かめる必要があると思います。


原発問題の本質は・東京電力かそれとも

2011-04-17 11:33:31 | 電力、原発

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[マスコミへお願い]
 福島原発事故に関連して、マスコミ゛ではまるで日本の原発総てに問題があるかの様な議論が行われています。
 然し公平に見て今回の大事故が福島原発や東京電力特有のものか、原発全体に亙るものか分けて考えるべきだと思います。
 何故なら、仮に原発反対の立場から言っても、今すぐ全国の原発総てを止める訳にはいけないのですから。
 今までは新聞、テレビは国民へ与える影響を考えてか、福島原発や東京電力への直接批判は避けているようでしたが、「事故レベル7」の発表と言う最悪の事態になった今、今回の事故の本質を究明しなければ、国民の不安を増す事になるような気がします。
 それで原発の運営の直接の当事者の視点からの問題の解析も必要だと思ってこの提言をしました。
[核と言う超危険物を扱う設備の建設・運転・保全の在り方]
・経済的に許し得る限りの最新の技術を採用して建設すること
・運転・保全が協力して徹底的に原発の運転とメンテナンスをすること
・建設後も設備を経済的に許し得る限り改善して絶えず考え得る最強の原発にすること
・そのため建設後明らかになった技術や、日常的に危険に曝されている運転、保全に携わる人達の改善の意見を取り入れること
 このことに就いては当然過ぎることで、誰も異論のないことと思います。
 問題はこの当たり前過ぎることが行われて来たか否かです。
[一般の製造業での取り組みと原発の取り組み?]
・一般の製造業では他社との厳しい競争社会ですから最新の技術を取り入れるのは当然として、それを補う物として改善活動など自主管理活動で、現場からの提案を受け入れ、そしてその前提としての従業員のやる気や問題意識を高めるための人事管理を強化してきました。
 その一方では関係企業の間でも出来る限りの情報交換をして来ました。
 電力業界は事実上の独占企業で技術上の秘密を護る必要はないのですから、この情報交換はもっと頻繁に行われて居たはずです(と元製造業にいた私は思うのですが。) 増して核と言う超危険物を扱う原発同志の情報交換は常識的に考えても当然だと思いますが果たしてどうでしょうか。。
[報道やネット情報による福島第一の動き]
・福島第一はWikipediaによればGEから教えて貰いながらの建設だったそうです。
 当然にあちこちから不具合なところが出てくる筈で、運転・保全からも必ず改善の意見はあった筈ですがどう処理されたのでしょう。
・これもWikiでの記述ですが、福島第二では配管材料としてのステンレス鋼のSUS304からを応力腐食割れな強いSUS316に替えたそうですが、福島第一はどうしたのでしょう。(今回の事故で放射性のある水漏れの可能性が高く、それ現場を悩ませています。)
・女川で津波を考慮して立地を15メートル高くした。福島第二では緊急発電機を原子炉の建屋に設置した。
 福島第一の運転・保全の人達は上記の情報を聞いて、津波による建屋のある水漏れの危険性に気付き、今更建屋をどうする訳にも行かないので、緊急電源装置の入っているタービン建屋の耐水性の強化を考えた筈です。
 何故なら水漏れの結果がどんな恐ろしいことになるかは皆知っている筈ですから。
 然しネット情報では、建屋の配管の貫通部の水漏れ対策の提案に対して、費用が掛かり過ぎると言う理由で提案を拒否されたそうですが、果たして事実は。
 タービン建屋の浸水の事実だけははっきりしていますが。
 一方徹底的なメンテナンスの必要性に関しては、
・1号機の耐用年数を越えての運転を許可する条件で、政府機関が上記の強化を指示した数週間後に、福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかったことが報告されたことは経済産業省の記録に残っています。
・なおネット上ではどこかの保全関係者が書いたと見られる「耐用年数を超えた1号機でも定期検査の期間の延長を図っている」と言う、保全管理者としては信じられないレポートを見ました。
[東京電力の体質]
 私は福島原発の事故に報道を見て私の元保全技術者・管理者の感から東京電力の体質が、現場のメンテナンスに大きく影響しているのではないかと思って調べて見ました。
 事実はWikipediaの「原子力 事故」(現在消滅)では全国の原発の事故の約3割は東電の柏崎と福島原発の事故と、その隠蔽の記事を見ました。
 その後の報道や雑誌の記述から、東京電力の自衛隊や消防に一日二食のごろ寝の取り扱い、ユーザー側にも相談しない計画停電の発表などなどのお役所体質、本店と現場の離反、本店側からの現場に対する一方的な事故対策の指示などなど、元保全担当者から見れば、唯でさえ厳しい現場、原発と言う密閉社会の中で、事故の起こる前から現場の運転、保全の人達が如何に苦労しているか判るような気がします。
 製造現場では自主管理活動で、現場の個人の意欲を高め、その能力を引き出そうてしているのに。
 然し以上は総て乏しい情報の中での私の推測が入っていますし、現場出身の私の現場贔屓の傾向もあるかも知れません。
 マスコミは、一度現場の運転、保全の人達の立場に立って(勿論その批判も含めて)福島原発の問題を解析してみては如何でしょうか。
 そしてどの範囲までが福島原発の特有の問題なのか、全国の原発が抱えている問題はどの範囲か、を明らかにして頂くことが原発問題の本質を突く一助にはなると思うのですが。


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福島原発特有の事故が独り歩き

2011-04-15 11:31:21 | 電力、原発

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 最初に文芸春秋で東京電力のレポート記事を見ましたので、小ブログながら責任上、私の過去の記事の比較を書いて見ました。
 これによりレポートの指摘と当たっているところは太字、レポートで触れていないがほぼ正確と思われる記事はそのまま、私の認識の違った所は青字の太字、書いていて自分でも信じられないことは青字で書いています。
*福島原発と女川原発の比較
・運転開始日 
 福島: 71年~79年
  第一は耐用年数が過ぎていた。
  その延長仕様の条件として、設備の改善とメンテナンスの強化を出されたが、その数週間後に(正に今回のトラブルの最大原因となった)ポンプやディーゼル発電機を含む冷却系の設備の33カ所の検査をしなかったことを認めた。
 女川: 84年
・立地
 福島:津波の高さを最大約5・6メートルと想定して設計。事実は津波の高さは約10メートル。
 女川:三陸沖地震津波や宮城県沖地震の経験から津波想定高さ9・1メートル
で、14・8メートルの所に立地。事実は1メートル地盤沈下し、津波高さ14メートル。

・外部電源:
 福島:不明。一系統のみ?
 女川:3系統
 (後発の女川の情報は入ってきているはず、普通だったら東電はこの情報から建屋の防水対策の見直しや、外部電源の複数化をする筈。)
・会社の体質
 東京電力:柏崎、福島などのトラブルに対し29件?に亙る隠蔽報道
 出世コースは総務系統の人達のみ? (</font color="green"> (文春は事実は総務の企画中心、レポートは両者の確執がトラブルを増幅させたと書いています) 
現場と会社のトップの離反 
*今後の原子力発電所の在り方
・原発は最新の技術とそれ迄の原発の内外の経験を駆使しして建設、メンテナンスする
 福島原発は日本最初の原発でメーカーのGEから教えて貰いながらの建設だった。
・経済的に許し得るあらゆる限り緊急設備を設置する
 緊急電源として、外部電力の利用とディーゼル発電機の利用の二つの対策だけで十分か。緊急用発電機だけ高所に置く、外部電源を二系統にするとかの対策など。
世界で珍しい50Hzと60Hzの電源周波数の統一か変電所の強化
・徹底的なメインテナンスを行う
・建設後も改善できるところは出来る限り改善して行く
 1号機の場合の様な状況で建設されたのだから改善の余地はあり過ぎるほどあった筈。
・現場の運転、保全部門での整備改善運動を徹底する
 津波の圧力や海水の浮力に耐え得るように機械並みの強力基礎とアンカーボルト使用
 建屋の防水、配管の止め方、振動の防止など現場技術者の技術や運転員の常識でも改善できる
・改善善提案の良いものは総て採用するために、現場と本社のトップ、設計部門との風通しを良くする (レポートは「現場感覚の欠如」と表現)
お役所的な体質を持つ企業に原発などの危ないものを持たせるべきではない
・そのた何度も繰り返し現場と本店の離反、東電の隠蔽体質、お役所以上に役所的な東電など書いて来ました。
その他どのエントリーで書いたか忘れましたが
・配管の建屋貫通部分の防水対策を提案されたが金が掛かり過ぎるとして本社から拒否をされた
・耐用年数を過ぎているのに通常は定期検査の期間を縮めるのに、逆に延長する動きがあった

など保全経験者としてとても考えられないので?つきで書いた記憶がありますが、事実はどうなんでしょう。
 訪問された皆さんはもう、私の言っていることが当たり前のことだとお気づきになっていると思います。
 徹底的なメンテナンス、得られた情報を元に出来るだけの設備の強化、改善、そのための会社の柔軟な体質の必要性などなど。
 然し昨日のNHKの地方版が取り上げた原発問題では、このことは全く触れずに、いきなり原発の今後の在り方に就いて学者の意見を訊いていましたし、学者も福島原発が抱えている問題について全くの説明がありませんでしたし、一旦造った以上どうしようもないような言い方をしていました。
日本の製造業では本社で設計された機器や工場を改善活動で改良して大きな業績に挙げてきたことを忘れています。
 今回の事故は東京電力の体質と、日本最古に近い1号機を含む福島原発特有の問題が多くあります。
それを全ての原発が持つような問題ととらえ方をしています。
 また他の原発も似たような問題があるのなら、その問題点を取り上げて指摘すべきです。
 社民党の福島さんも、自然エネルギー利用の強化を菅さんに申し入れたそうです。それに対して青山さんはデンマークの例を上げて、景観の破壊と低周波の音の悪影響、木や草を燃やすエコ燃料発電の二酸化炭素の増加と、それだけで足らずに原発に頼っている他国から電力を購入している事実を指摘しています。
 ことはこのように、いきなり原発全体の在り方まで問題が膨らみかけています。
 原発廃止ですべてOKならそれで良いのですが。
福島原発の事故発生のときは、マスコミはその報道の及ぼす影響を恐れて、女川が問題なく停止したのに、福島が失敗したことを挙げての福島原発と東京電力の批判を避けて来たようです。
 然し私を含むネット上の反対の「事故レベル7」の宣言で、もう行く所まで行き着きました。
 これからは福島原発の問題点を洗い上げて、今回のことは福島原発特有の事故であること、他の原発は大丈夫なこと。
文春のレポートも徹底的な東電の体質批判の最後には「原発運営再考の時」として纏めています。
 もし私が言うような原発を持つ電力会社に東電と同じような体質があるのなら、直ぐに直すこと、また直せることを指摘して、国民の心配をなくし、そして国の方向を誤らせないようにするのが学者達やマスコミの役割だと思うのですが。


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福島原発の事故評価がレベル7??

2011-04-13 15:19:05 | 電力、原発

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 原子力安全・保安院が、東京電力福島第一原子力発電所の事故の評価を、国際的な尺度で、これまでのレベル5から、「史上最悪」と言われた旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ最も深刻な「7」へ引き上げたのには、原発とは遠い九州にいる素人の私でも驚きました。
 然も保安院の「現時点までの放射性物質の放出量は、チェルノブイリ事故に比べて1割前後で、被曝量も少ない」と違いを強調したのですから。
 読売の社説によれば
 チェルノブイリ原発では、爆発的な核反応が起きて原子炉が全壊し、火災も発生して約10日間、放射性物質が欧州などを中心に、広範囲かつ大量に飛散した。
 福島第一原発では、核反応は地震直後に止まっている。原子炉の機能はほぼ維持され、核燃料も応急的な注水で冷却できている。放射性物質の空中への放出量も、建屋爆発当時に比べ減少した。

と言うのに。
 その発表の風評被害、特に外国のそれは測り知れないものになるでしょう。
 今まででさえ外国人の引上げ、外国での日本製品の売れ行きの減少が起きているというのに。
 外国ではチェルノブイリ並みの「レベル7」の発表が独り歩きして、読売が解説した現状や、保安院の「現時点までの放射性物質の放出量は、チェルノブイリ事故に比べて1割前後」の報道など完全に無視されてしまうのでしょう。
 当然のように、菅さんの記者会見でも、福島第一原子力発電所事故について安定化に向かっているとの見方を強調したのに、原発事故の暫定評価が「レベル7」に引き上げられたことに関する質問が相次いだため、菅さんは
「どこまで(放射性物質が)広がっているかを調べた上での専門家の判断だ。私が知った事実関係で、都合が悪いから、と隠すように言ったことはなかった」と原子力安全・保安院などの判断を尊重したと説明に追われた。(読売新聞より)
そうです。
「私の感想」
・このような発表の仕方では、私を含む国民達は誰も保安院の発表を信用しないでしょう。
 諸外国では尚更だと思います。
・然も発表した両機関の数字が2倍も違うのですから。
・然し残念ながら「レベル7」は外国では確実に、日本でも特に首都圏や東北地方で多分程度の違いこそあれ独り歩きをするでしょう。
・この発表の仕方を見ていると地震学者や気象庁の今までの津波の予測を思い出します。
 詰まり予測の程度を過大に発表するのは安全サイドで良いのですが、彼らの過少に発表してそれが外れた時の責任の追求を避けたいと言う、自己保身の気持ちが入っているのではないでしょうか。
 今回の大津波は確かに予測は当たり、残念ながら大きな惨害をもたらしました。
 大津波の予測発表の最初から、東北海岸の様子をテレビで見ていて、テレビでは早く避難しろというのに、画面ではいまで同様に僅かな水面の上昇と車が何時ものように走っている。私も娘や孫も早く車も逃げれば良いのにと話していました。
 そして突然の大津波の画面。
 詰まり彼らの何時もの大きめの予想が、津波に対して訓練を受けている東北の人達にさへ、文字通り「狼少年」の話そのままに働いて、私どもが見た車の人達は、どうせまたいつものように予想より小さいのだと思わせたのかも知れません。
 勿論原発事故はざらにあることではありませんが、専門家達が5→7へのいきなりのレベル上昇の発表は、彼らの情勢に応じての判定レベル変更の時間がなかったものか、外国の圧力(*注記)によるものか、それとも私が心配するように自己保身の気持ちが入っているのか、それとも国民に言えぬ何かの大きな理由があったのか判りませんが、そのいずれにしても何となく可笑しいような気がしてならないのですが。
 政府も原子力の関係者も情勢の解析が難しいと思いますが、国民にも外国にももう少ししっかりした事故の解析と報告ができないものですかね。 (8.00現在記、*追記参照)
(*注記)レベル7は米政府の見解と一致…ルース大使 

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*追記:朝から午後のテレビでは、私が心配したように(勿論誰でも思うことですが)諸外国のテレビの「レベル7」だけ焦点を当てた報道、福島原発周辺地域や首都圏の人達のの困惑の報道や「レベル7」制定の経緯の説明。
・その中で某学者は今回の「レベル7」は事故当初から判っていたことで、新しく考えられている「計画的避難地域」発表との整合性を持たせるために、政府から要請されて、両機関が発表したのではないかと言っていましたが、この説も眉唾物のような気がするのですが。(
15.00現在記)


東電内部から指摘された福島第一の問題点

2011-04-07 11:38:59 | 電力、原発

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 昨日の朝日新聞は、東電の柏崎刈羽原発が発表した福島原発の第一と第二の比較の資料を元にした、
福島第一、安全設計で第二と違い 電源喪失巡り東電指摘 を報道し、その詳しい解説記事を加えています。

 その概要は、
・津波を受けて電源喪失事故に至った主要な理由は、福島第二原発との安全設計上の違いにのために、第一ではタービン建屋内の非常用ディーゼル発電機などが冠水し、使用不能。第二では、発電機などが気密性が高い原子炉建屋内にあり、機能を維持した。
・津波による設備の損傷の違いは、
(1)原子炉の非常用ディーゼル発電機と変圧器などの電源装置
   第一:(気密性の弱い)タービン建屋などにある福島第一の発電機が冠水し、6号機の1系統を除き使用不能。
   第二:(上記の設備がある気密性の高い)1号機の原子炉建屋が浸水したものの、機能が維持された
(2)原子炉の残留熱を除去するための海水をくみ上げるポンプ
   第一:設備がほぼむき出しの状態で置かれた福島第一のポンプがすべて運転不能、
   第二:ポンプ用の建屋内に置かれた1、2、4号機のポンプが運転不能となったものの、3号機は機能が保たれ、原子炉を冷却することが可能だった。
 そして柏崎刈羽原発では(1)、(2)とも福島第二と同じ設計なっていること強調
・なお東北電力から送られている、外部電源の状態は、
  第一:受電するための設備が地震や津波で被害を受け、外部電源が失われた
  第二:受電設備が機能しており、外部電源の一部が生きていた。
・事故収束の見通しが立っていない福島第一とは対照的に、福島第二では、3号機が地震発生の翌日の12日に、残る1、2、4号機も14~15日に原子炉内の温度が100度未満の「冷温停止」となり、安全が宣言された。
(この柏崎から出た)報道に対して、東京電力本社は「問題があると認めたわけではない。今後詳細に検討し、整理したい」としている。

[私の意見]
私がこの報道で一番気になるのはこれらの情報は福島第一を含む東電の原発の現場の運転・メンテナンスの担当者総てが知っていた筈と言う事です。
そしてその内容は原子炉の運転理論や設計などの難しいことではなくて、現場にいる人達なら誰でもが判ることです。
彼らは一旦事故があれば、自分の生命に関わるかも知れない設備の改善に就いては強い意識を持っていた筈で、当然のように福島第一も第二または柏崎刈羽と同様な改善の提案または要望が本社に出ていた筈です。
 増して先発の福島第一は設計面では他の後発の原発に比して地震に弱い設備であることを皆知っていた筈ですから。
 朝日の同日の関連記事を見ますと、配管の建屋貫通部分の気密保持などで金が掛かるからと建屋の改造を見送ったそうです。
そしてその僅かな改造費用の節約の付けは東電の存在を揺るがす程の大損害を起こしました。
私も会社としては命運を賭けた大プロゼクトの一期の新設工場の保全担当になり、その経験を二期、三期の建設のための基準にフィーバックし、また建設部門からそれを快く受け入れて貰い、それなりの大きな成果を得た経験があります。
そのような自分の保全の経験から言っても、難しい設備であればある程、会社のトップは現場の実情を良く知り、その運転、保全担当者の意見を取り上げるべきだと思うのですが、東京電力の場合今までの成り行きから見ると、私の考えと真反対の方向に進んだように見えて仕方がないのですが。


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今後の原子力発電所の在り方

2011-04-04 11:43:28 | 電力、原発

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 昨日のフジテレビの「報道2001」て都知事立候補予定の石原さん、東国原さん、渡辺さんと小池さんが、原発賛成の有無に就いて討論していました。
 日本の最古に近い福島原発事故を取り上げて、賛成の石原さん、立ち止まって考えろと言う東国原さん、反対の渡辺、小池さん。
 マスコミは報道の影響の大きさを考えて、福島原発の抱えている基本的問題に就いて批判を控えています。
 然し、先の討論のように今後の原発の在り方を現実の事として考えるに就いてはこの問題を抜きにして考えることは出来ません。
 それで他に殆ど影響がない小ブログの立場を利用して、この問題を考えて見ました。
 以下は元設備保全技術者の私の立場から考えと現実です。
(1)原発は最新の技術とそれ迄の原発の内外の経験を駆使しして建設する
 福島原発は日本最初の原発でメーカーのGEから教えて貰いながらの建設だった。
 同じ東北の女川原発は大きなトラブルがなくて停止した。福島、特に1号機との大きな差は耐用年数が切れた福島より新しい設備と、海面より15m高いところに設置されたこと。
(2)経済的に許し得るあらゆる限り緊急設備を設置する
 緊急電源として、地震と津波の両災害に対処するのに、外部電力の利用とディーゼル発電機の利用の二つの対策だけで十分か。緊急用発電機だけ高所に置く、外部電源を二系統にするとかの対策など。
 世界で珍しい50Hzと60Hzの電源周波数の統一か変電所の強化など考えるべき。
(3)徹底的なメインテナンスを行う
 耐用年度を10年越して運転する条件として原子力保安委員会から徹底的なにメンテナンスを要求されたのに、会社は許可後数週間後に、ポンプやディーゼル発電機を含む冷却系の設備の33カ所の検査をしなかったことを認めた。
(参照: 経済産業省のサイト 
(4)建設後も改善できるところは出来る限り改善して行く
 1号機の場合(1)の様な状況で建設されたのだから改善の余地はあり過ぎるほどあった筈。
(5)現場の運転、保全部門での整備改善運動を徹底する
 津波によりタンクが流されたと伝えられているが、津波の圧力や海水の浮力に耐え得るように機械並みの基礎とアンカーボルトをつけておけば仮に凹んでも流されなかったはず。
 然もこれなどは工業高校程度の技術でも設計出来るはず。
 建屋の防水、配管の止め方、振動の防止なども同程度の現場技術者の技術や運転員の常識でも改善できる範囲。
(6)改善提案の良いものは総て採用する
(7)そのための本社のトップ、設計部門との風通しを良くする
 強引な計画停電、作業員や自衛隊などを1日2食ごろ寝させるなど、トップと現場の風通しとは全く逆のお役所的に体質。
 ネット情報だが耐用年数を過ぎても、定期検査の期間を延長など、超危険な原子力を扱う現場としては考えられないこと(保全専門の私としてはこれが誤報としか思えないほど出鱈目と思うのですが)
(8)上記の前提と考え得る事故の保障を考えたコスト計算を行い、それで火力など他の手段に比べて採算があえば原発を採用する。

 今回は運転中の問題ですが、東京電力は企業のコスト削減のために、耐用年数を過ぎた然も対地震強度の弱いと言われる1号機をさらに利用し、メンテナンスコストを押さえるために手抜きが東電の株価の暴落、国有化と言われる程の大きな代償を払うことに なるようです。
 元保全技術者の私の眼から見ると、今回の事故が示すように、
・お役所的な体質を持つ企業に原発などの危ないものを持たせるべきではないこと
・原発採用の場合は今まで無視され勝ちな、運転・保全などの現場の在り方と会社トップとの関係
まで考えるべきだと思えて仕方が無いのですが。


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参照:ニューヨーク・タイムズ紙の
Japan Extended Reactor’s Life, Despite Warning
  


計画停電と電源サイクルの不統一の日本

2011-04-01 07:52:11 | 電力、原発

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 某ブロクで電力不足で計画停電とはおかしい。世界のエネルギー統括団体(済みません名前を忘れました。)の長が日本の電力は余っていると言っている。火力でも水力の電力を首都圏に廻せば良いと、書いていました。
 著者は私と同じように情報不足で、日本は世界独自の50hzと60Hz周波数が一国で共存している珍しい国だと言うことを忘れているのです。
 この問題に就いて、
wikipediaの商用電源周波数は次のように纏めています。
一国内に50Hz地域と60Hz地域が混在する例は極めて珍しく、地方によって厳然と周波数が違うのは日本くらいと言ってよい。 現在の日本では供給側にとって周波数を統一する必要性は殆どない。周波数を統一するには(大きな手間と費用がかかるので)現実的には殆ど不可能に近い。周波数変換所によって東西間の電力の交流は100万kW(東清水変電所が本運用になっても120万kW)と少ない。
 東西で融通可能な電力量の少なさは前述の周波数統一の頓挫が遺した弊害でもあるが、これ自体はかねてより電力業界では認識されていたものの、発電所を建設するに比べ多額の投資を要することを口実に、事前に認知していたにも拘らず問題を先送りしてきた経緯がある。だがこの大災害によって現実のものとなってしまった。かつて国内の周波数が皆ばらばらだったアメリカやイギリスにおいても、周波数を1つに統一していった歴史がある。そのため、数十年以上前から専門家の間で指摘されていた日本の電力業界全般における根本的な問題が今回の東日本大地震によって広く一般の日本国民にも知れ渡る結果となった。

この問題の大きさはこれ以上書くことはないでしょう。
 前にも少し触れましたが、私が現役のとき周波数統一問題がでて当時50Hzの九州は九州電力も私達のユーザー側も多くと努力と費用を払って電力の効率の良いとされる60サイクルに変えました。
 然し50サイクルにこだわった関東・東北圏は、主として福島原発の大事故の大チョンボと新潟県の許可が出ずに、一部停止している柏崎原発のための電力不足も、他の60サイクル圏からの電力の供給を受けることができず、計画停電を招き、唯でさえ厳しい経済環境にある日本に大打撃を与えました。
 昨日のテレ朝の「報道ステーション」では東北地方には自動車、家電関係の部品の製造工場が多くあること、そして主として地震の被害を受けていることと、一部はここの東北電力の火力発電所の地震の被害による計画停電で生産に少し影響があることを放送していました。
 然し、阪神淡路の地震の場合と同じように地震による設備、工作機械の被害は数カ月で無くなると思います。
 然し東京電力の場合は福島原発の復旧はほぼ絶望的なこと、柏崎原発の運転開始の県の承認が得られそうにないようで、計画停電は可なりの長い間続くようです。
 その間の首都圏の多くの工場の生産減は続くし、人々も節電や交通の渋滞混乱などの苦労が続きそうに気配です。
 一方東京電力の株は5分の1に暴落、国有化の話しまででています。
 これでは某週刊誌から「東電の大罪」と言われても仕方がないと思います。
 私は保全技術の面から東電の体質のお役所化を書いて来ましたが、最近私の推測を裏付ける多くの事実がネットに現れてきました。
・震災直前の11年3月1日の 福島民友ニュースのニュースです。
保守管理の規定の期間を超えても点検を実施していない点検漏れの機器が見つかった問題で、東京電力は28日、経済産業省原子力・安全保安院に調査結果を最終報告した。報告では福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかった。県は「信頼性の根本に関わる問題」と東電に再発防止策の徹底を求めた。
 東電によると、福島第1原発で見つかった点検漏れは定期検査で行われる機器ではなく、東電の自主点検で定期点検が行われている機器。しかし、最長で11年間にわたり点検していない機器があったほか、簡易点検しか実施していないにもかかわらず、本格点検を実施したと点検簿に記入していた事例もあった。

 そして今回のその洩れ箇所の判らない放射能を帯びた水漏れです。
今回の洩れ箇所が上記報告で手を抜いた箇所だったとしたら。
・東京電力の社長コースは、「東大法学部卒業、総務畑」。東京電力の総務畑が力を持つのは、官庁、政治家、マスコミ、住民運動、プロ株主などうるさ型を相手にするからだ
・東電から東大始め多くの大学に多額の寄付をして原発支持の御用学者を集めていると言う反原発の人達。
 こんなことを聞くと、電源周波数の統一が問題になったとき、東電が真っ先に統一反対に動いたように思えてならないのですが。
 そしてそれが今回の計画停電で首都圏の人達に大迷惑を掛けたり圏内の企業に減殺を強いるいう自分で自分の首を締める結果になっているような気がします。
 私は何度でも書きますが、国有化するか否かは別にして、東京電力の体質の改善が無ければ、首都圏の人々や企業の電力に関する問題解決の抜本的対策にならぬような気がして仕方がないのですが。


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元保全技術者が見た福島原発内の被爆事故

2011-03-26 08:59:51 | 電力、原発

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 福島原発内の関電工の人達の被爆事故に就いては、現役の時設備保全に長年従事し、その関連で玄海の原発の内部まで見せて貰った経験があるだけに私にとって見捨てて置けないような気がしています。
 中でも某ブログに危ない仕事は下請けにさせて東電の社員は安全な所にいるのは差別だと言う書き込みを見て今回の問題を纏めて見ました。
被爆事故の概要
・被爆者:関電工の原子力部の社員2名、下請け会社の社員1名
・服装:関電工社員2名は短靴、下請け会社の社員は長靴着用(勿論全員防護服は着用)
・被爆経過: (テレビ報道では暗闇の中で?)3人は3号機の発電用タービン建屋で作業をしていたさい水たまりに踏み入れ、靴の中に入った水から被曝
・3人が付けていた放射線量計すべてのアラームが鳴ったが、誤作動と思い込み作業を続けた。
 この間の理由に就いて朝日新聞 は次のように報じています。
 東電によると、(前日の)23日午後5時に同じ現場で作業した作業員の被曝量は0.5ミリシーベルトと低く、水も水たまり程度だった。そのため、作業員が放射線量の低い場所だと思い込み、線量計の警報が鳴っても誤作動と思って40~50分間作業を続けて被曝したという。
 保安規定に基づく内規では、現場の放射線量を測定して指示する放射線管理員が同行する。しかし今回は同行していなかった。東電福島事務所の担当者は、会見で「通常とは違う状況なので、管理員の被曝を避ける判断が入ったのかもしれない」と説明した。

[私の意見]
・危ないことは下請けにさせると言う批判について
 電力会社では運転以外の設備の保全、改修などは下請け会社にさせるのは普通です。
 そして重要な工事は殆ど総て子会社(九州電力の場合は九電工)か関連会社に任せ、余り重要でない工事や定例的な工事は直接発注するか上記の会社経由で下請け会社に発注することもあります。
 今回事故を起こした工事はその例に従ったもので、一部ネットで言われているように危ない仕事だけ下請けにさせると言う批判は少し厳しすぎます。
・安全確保専門の人がいない作業
 一番問題なのは危険作業に対して社員やその指示を受けた安全確保専門の下請け社員の立ち会いが無かったことです。
 もしおれば3人の線量計のアラームが鳴れば(勿論安全専門の人も持つ筈ですが)必ず退避を指示するはずです。もしそうせずに事故が起これば自分の責任になるからです。
 私たちが良く眼にする線路工事では必ず安全確保の人が就いています。
 何故なら工事する人はその作業に没頭するから(またそうして貰わねば困ります)、第三者の立場で安全の確保をする人がいるのです。
 まして電車の方が危険か、トラブル続出の原発の中で目に見えない放射能が危険か言わずとも判ります。
 東電の担当者は、会見で「通常とは違う状況なので、管理員の被曝を避ける判断が入ったのかもしれない」ととんでも無いことを洩らしたそうですが、そうでなくても運転や保全担当のスタッフが忙しければ、関電工に安全専門の見張りを付けることを指示すべきだったのです。
・安全な工事のための制度の問題
 それと作業者が靴を履いていた問題です。
 朝日の報道では前日も水溜まりがあったそうです。
 製鉄、石油、石油化学などの可燃物、危険物を取り扱う現場では、時々刻々と状況が変わる現場での安全作業のための保全担当者が指示書を発行し、それを業者の責任者が運転現場に提出して作業許可を貰うのが普通です。
 その時現場の責任者は水溜まりのある所で作業するのに、指示書を持ってきた短靴を履いた関電工の責任者に注意はするのは当然です。
 東電では「現場の放射線量を測定して指示する放射線管理員が同行する」制度一本槍で現場の事故は防げると思っていたのでしょうか。
 それともこの制度があるのに、作業許可を出す前に現場の確認を怠ったのでしょうか。
 それとも関電工の社員が前日も安全だからと言って、東電の内規も安全作業指示書の制度を無視してそのまま現場に直行したのでしょうか。
 私は何度も書くように、東電のプライドだけは高い、本店と現場の遊離、お役所的な体質が、今回の原発事故を起こしまた今回の被爆事故を起こした一因と思えてならないのですが。


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追記:今日発売の週刊文集の「御用メディアが絶対に報じない東京電力の大罪」で、非常用電源停止が過去にもあったのに放置したこと、東電が副知事を脅迫、などの例を並べているのを見ると私の東電の体質に対する心配が当たっているようです。中でも設備の耐用年数がきているのに定期検査の期間を伸ばすなど、現場の人なら怖くてできないことを幹部が決めるなど、本店の現場の離反を示しているような気がします。 (16.00記)


原発の事故現場で頑張る人達と東電の首脳部

2011-03-25 07:33:05 | 電力、原発

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・「俺が行かないと回らない」と家族に言い残して現場に向かった父。
・地震後、一度も帰宅せずに事故対応を続ける夫。
・「被曝してない?」と尋ねる妻に、「少しだよ。現場は戦争状態だ」と返事した夫。
・イスを並べてようやく仮眠するような状態で、食料も少なく、口にするのは栄養補助食品や缶詰ばかりと言う現場の人達。
・事故後、現場に向かう際には「とにかくやるしかない」と短い言葉を残し、寂しがる二人の小学生に「パパも一生懸命頑張ってるから」と言って出た父。
・「作業員の被曝のニュースを聞くと、もう逃げてほしいと思ってしまう」としながらも「懸命に働く姿を想像して、あとは祈るしかない」と言う主婦。
・地震発生直後、「俺が行かないと現場が回らないから」と家族に言い残して、自宅を出た父。

と読売新聞は 「祈るしかない」原発修復作業を見守る家族で事故現場で頑張る現場の人達とそれを支える家族の心情を伝えています。
 それにつけて思うのは、このような生命をかけて原発の復旧に頑張る人達がいるのに、平常時に彼らの意見がどれだけ、取り上げられたのだろうかと言う事です。
 原発の基本的な企画や設計は経営者と本社の技術者の力に頼るしかありませんが、その周辺の技術的なことは、現場人達のアイディアが十分に活かせる筈です。
 製造現場では改善活動から生れた提案を大いに取り上げて、自動車、電子機器など世界に冠たる企業として発展して来ました。
 福島原発は海岸に面しています。
 東北地方は地震、津波の被害が頻発する所です。
 当然にその所で働く人達、そして原発の怖さを肌で感じている人達は、設備の弱い所に気づいている筈です。
 例えば津波の被害に就いて言えば、津波が襲ってきたときの、
・原子炉建屋、タービン建屋、中央制御室、安全機器類を始め、換気空調設備、非常用電源設備を入れた建屋とうの防水対策は完全か、
・建屋外に置くしかないタンク類や付属のポンプなど津波の圧力に耐え得るかなど、
・また鉄塔などが地震に耐え得るか
などは特別の高度の知識がなくとも、そして現場にいれば誰でも心配になり、上司に提案されている筈で、普通の製造現場なら直ぐにそれを取り上げている筈です。
 そして今現場で働いている人達は社外には言えずとも、彼らの提案が取り上げられなかったことに、心の中で悔しい思いをしている人達も多くいるような気がします。
 私は東京電力の福島や柏崎の事故とその対応仕方のトラブルが他の原発に比して際立って大きいことから、経営陣や本社の設計陣と現場の運転やメンテナンスに当たる人達のコミュニケーション不足がありはしないかと何度か書いて来ました。
 そして最近公表された、もう一押しの設備の改善があれば、事故が防げたのにと思わせる事故後の福島原発の写真を見て、そして菅さんが怒鳴り込んだと言う事故の首脳部の対応の仕方、お役所的な計画停電のやり方を知って、原発の現場と本社の離反と言う私の心配が益々当たっているような気がしています。
 この事は同じ東北の女川原発の無事故停止の現実とともに、いずれは検証されるべき問題と思います。
 後は読売が書いたように現場で働く人達やその家族、周辺の被災者の人達のために一刻も早い原発修復の成功を祈っています。


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福島原子力発電所の事故に就いて

2011-03-13 08:34:13 | 電力、原発

 今回の大地震と大津波に就いて日本に大きな衝撃を与えました。
 生来の詮索好きな性格と半世紀に渡り設備保全業務に携わって来た経験から今後の対策を考えて見ました。
 その中で私が一番心に引っ掛かったのは福島の原子力発電所の事故です。
 最初にお断りして置きますが、事故解決に当たっている関係者、避難されている住民の方々のご苦労が続いている中ですし、外野からみた目で考えたことなので、批判する資格も意志もありませんので参考程度に読んで頂ければ幸いです。
事故の経過
・太平洋三陸沖でマグニチュード8.8の大地震により運転中であった1~3号機停止
・冷却水を循環するための交流電源を喪失、緊急用発電機のオイルタンクが津波によって流出したため発電出来なくなる
・炉心冷却のために冷却水を循環させるための電源をバッテリーに頼る状態となる
・1号機周辺でセシウムが検出され、核燃料の一部が溶け出た可能性があると発表
・1号炉付近で爆発が発生
・海水注入開始
今後検討されるべき点
・今後予想される大地震は太平洋周辺の地域に集中している。当然に地震に伴って起こる津波は太平洋沿岸に起こる可能性が高いのでこの地域の原発の立地は避けるべき
・地震、津波を予想される地域では、緊急用電源、同発電機(オイルタンク、ポンプ、配管などを含む)などの安全装置は原子炉本体と同様の十分の保護をして置くこと
 例えば発電機はしっかりした建屋に入れてあると思いますが、オイルタンクは機器並みの基礎を打ち、十分な強度のあるアンカーボルトでしっかり固定するとか(この種のタンクでは9~12mmのボルト4箇所で止めてあるのが普通です。)配管は振動に耐え得るようにフレキシブルな構造にする必要があると思います。
・原子力発電所の事故は特定の原発に発生していること、特に福島原子力発電所が際立っていることの理由を突き止めること(参照:原子力事故 wikipedia)(福島原発に事故が多いことは単なる偶然か、先発の原発だからかそれとも他に理由があるのか関係者の方達は判っているのかも知りませんが。)
・逆に事故らしい事故は殆どない後発の原発も多いことをPRすること。
今後の問題
・海水注入に就いては読売は社説爆発という異常事態に、東電は、原発のすぐ近くにある海水を炉内に注入し、完全に冷却することを決断した。塩分などを含む海水の利用は運転再開を困難にするため東電はためらってきた。 と書いてありますが私の経験からも、海水程取り扱いの難しいものはなくて、特に高温の流体を取り扱うときは、通常では千数百度迄使える高温材料が塩分を含む流体の場合7~800度近くで溶けるなど多くの問題がありますので、東電の使用をためらった理由は良く判ります。
・今回の事故で一番問題になるのは、反原発の人達の動きが激しくなること、そして日本企業の海外への原発の売り込みに大きな支障が出てくることです。
 九州に住む私としては玄海、川内の原発のように他地域にも、地震の可能性も少なく、津波の被害も多分全くなく、然も殆ど事故なしに運転している所も多いことを、政府も電力業界もPRすべきだと思うのですが。


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