[年金制度改革案の財源]
政府の社会保障国民会議は19日は各所から出された、年金制度改革案に対して、それぞれの案に必要となる消費税率などを計算した財政試算を発表した。
その結果、2009年度に改革を行う場合、基礎年金を税でまかなう「全額税方式」を導入すると、現行5%の消費税率に4・5~13%(1%を2・8兆円で換算)の上乗せが必要となることが分かった。これに対して、税と保険料でまかなう現行の「社会保険方式」を修正の案では2%の消費税率上乗せの必要性のあることが各マスコミで報道された。
呆れた民主党案
これに関する報道を聞いて呆れたのは、民主党提案の現行5%の消費税をそのまま年金に当てて、今の消費税で賄っていた財源は無駄を排したもので当てると言うものだ。
これは如何にも聞こえが良いが、消費税の年金への転用は直ぐ出来るが、その穴埋めのための民主党の言う天下りなどの政府関係官庁の無駄の排除は何年もかかるのだ。
詰まり民主党の言う事の実行については時差があるが、その間どうするかの説明が全くない。
唯一考えられるのは、今でさえ低迷している日本経済に大きな打撃を与え可能性のある、道路などの公共事業の一部の廃止などが考えられるが、これに就いての言及がない。
詰まり民主党案は海上給油の対案と同じで、実行不可能な国民への人気取りの案でしかない。
社民党ならともかく次期政権を狙う党がこれでは困ったものだ。
マスコミの報道
また政府の言う事に何でも反対したがるマスコミは、市内を歩く多くの人達にこれ以上消費税が上がったら困ると言わせ、付け足しのように僅かの人達に今の状況では消費税アップは仕方がないと言わせる。
さらには専門家の意見として、この数字の算出にはからくりがある例として算出の根拠として年1%の成長を見込んでいるが、今年はマイナス成長だと言うのだ。
然し考えて見ると、年何%かの成長があると政府税収の増加(それと競争激化の今では可能性は少ないが国民の収入増加)に繋がるが、想定の成長がないと政府の財政が苦しくなるので、より一層増税に頼らねばならぬことになるので、専門家の意見はむしろ消費税などの増税容認の意見に成るかも知れぬのに、自社の都合の良い所だけを報道しているのだ。
[老人を支える若者]
年金の「社会保険方式」を修正の案は現役の労働者に高齢者の分を一部負担して貰う考えだ。
これに対して「全額税方式」はそれを国民全体で負担される考え方だ。
今<問題になっている後期高齢者医療制度で言えば、その本音は別として、表向きは若者ばかりに頼るには限度があるので特に医療費を食う後期高齢者にも一応の負担をして貰う考え方に対して議論が集まっている。
一歩引いて見て考えると言うまでもないことだが、年金にしろ医療制度にしろ少子高齢化の進展が大きな影を落としているのは間違い無い事だ。
しかもその影響は後になるほど大きくなるのは間違いのないことた。
国立社会保障・人口問題研究所の発表による日本の将来推計人口の年齢別人口の割合%は
年度 ①15~64歳 ②65歳以上 ③:①÷②
2005 66.1 20.2 3.3
2025 59.5 30.5 2.0
2045 52.8 38.2 1.4
だそうだ。
15~64歳の人口の内実際に労働に従事する人の割合を仮に90%とすると、③は65歳以上の人一人を現役で支える人の人数を示す事になり、2005年は 2.9、2025年、1.8、2045年 1.3となる。
詰まりこのまま進めば将来は65歳以上の人一人を現役の若者が一人づつで支えねばならない事を示している。
また経済面で見れば、現役の人口の減少は経済の縮小にも繋がりかねない大きな問題だ。
[年金、医療問題の対策とその問題点]
年金、医療問題に対して考えられる対策は
・65歳以上人達も進んで働くし、国も企業も働き安い環境を整える。
・現役時代から健康管理を強化して、医療に掛かる経費を節約する。
以上の二つは国の経費もかからず、労働力不足も補えるし、また私も経験してきたように、若い人達も老人達も皆やろうと思えば出来るし、「日本と言う生活共同体のために」(昔なら「国の為に」と簡単に言えたのに、今はこんなややこしい言い方をしなければならない)やらねばならぬことだと思う。
・少子化の傾向をなんとかして食いとめる。
・外国人労働者を導入して、労働力不足を補うとともに人口の減少を防ぐ。
労働者導入の問題点
外国の場合
労働者不足の対策として多くの欧米諸国や石油で潤っている中東諸国では多数の外国人労働者を受け入れている。
然しここで考えねばならぬのは、欧米や中東の諸国の実情は格差社会だ。
自由の国と言われる米国にしても奴隷導入からの伝統で、使用者と非使用者の間には、はっきりした線が敷かれていてそれをはみ出す事は出来ない。
欧米企業のトップダウンに対して、日本企業のボトムアップのために決定が遅いと批判されているが、それには上記のような使用者、非使用者の身分の違いがはっきりしている土壌があるのだ。
私は南米と中東に長期出張したとき良く聞いたのが、「欧米人は現地の人達を豚のように使うが日本人は我々を人間として扱ってくれる」と言うことだ。
それに加えて貧富の差が大きくて富んだ人達と貧乏な人達の居住区域ははっきりと区別されている。
然しそう言う国でも最近は外国人労働者の取り扱いが問題に成り始めている。
日本の場合
それに対して日本は維新前までは士農工商、敗戦までは地主と小作人のような身分差があった。
然し日本は戦後50年の間、そのような身分差のない社会、家族的な企業経営で発展を遂げてきたし、一億総中流意識を持つと言われる格差のない環境を作り慣れ親しんできた。
その日本人が価値観の全く違う外国人を受け入れたとき、心ある人達は私が外国で聞いたように、日本人と同じように接するかもしれないが、最近の研修員という名の外国人労働者の取り扱いで問題も起こっている。
そして全面的に外国人労働者を導入したとき、外国が経験してきたように全国的に発生する賃金格差、人種格差に適応できるだろうか。
日本政府、日本人が外国人受け入れに対する心の準備ができているのだろうか。
少子化問題
結局残る問題、そして私が一番大きな問題と考えるのは少子化の問題だ。
詰まり、このままで行けば40年後には老人一人を若者一人で支えて行かねばならぬと言う問題だ。
国として一番の問題は子供を産みやすい環境を造るまでは何とかしても、金銭的に豊かな生活をしたい、子供より夫婦二人の生活優先という若い人達に、子育ての楽しみを知らせ、「日本と言う生活共同体の」年金や社会福祉の制度存続のために、次世代に命を繫いで行く大切さを知らせると言う難しい問題が横たわっている。
少子化の問題については下記のような何度も書いたが、また機会があれば再度纏めてみたい。
参照:男女共同参画に関する区民意識・実態調査報告書
カテゴリー → 少子高齢化
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