玄海原発再開安全性確信持てず県と県議会、保安院説明に (読売地方版より)
九州電力玄海原発の安全対策について、保安院の黒木慎一審議官は、県が詳しい説明を求めていた〈1〉福島第一原発の事故は地震動で起きたのではないか〈2〉浜岡原発以外を安全と判断した理由〈3〉福島の事故で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の周辺環境への影響の有無――について回答した。
黒木審議官は、福島の事故に関し、「地震直後に原発の機器が正常に作動していたことがデータで裏付けられた」と報告。「福島の原発敷地内からプルトニウムは検出されたが、人体に問題ないレベル」とした。
また、浜岡原発については、「プレート境界で発生するマグニチュード8程度の地震に見舞われる可能性が高い」とした上で、周辺にプレート境界がない点などから、玄海原発の2、3号機の運転再開に支障はないとの見方を示した。
終了後、古川知事は報道陣に「保安院がデータを示して説明した点は評価する。個別の内容について検討したい」と述べたが、再開問題の判断時期については具体的に言及しなかった。
県議会は午後1時半から、原子力安全対策等特別委員会の勉強会を開催。黒木審議官と資源エネルギー庁電力・ガス事業部の横尾英博部長が出席した。
土井敏行議員(自民)は「短期の緊急安全対策が取られている原発の中で、なぜ浜岡原発だけ停止を要請したのか」と質問。「一層の安心の確保から停止を依頼した」と述べた黒木審議官に対し、土井議員は「自分たちが作った安全基準を否定していないか」と追及した。
伊藤豊議員(公明)は「経産省は、安定した電力供給は事業者の責任と言ってきた。原発が止まっている今、再開させるために説明に来るのは、資源エネルギー庁の仕事ではない」と語気を強めた。横尾部長は「原発再開は、安全確保の理解が得られた上での話。電力の安定供給のために、電力会社を規制監督し、指導するのが仕事で、国内での調達などの支援は当然」と弁明した。
終了後、特別委の木原奉文委員長は「安全安心の議論を深めなければならない。次回(7月1日)の特別委で、再開問題について結論を出すことはない」と述べた。
[私の意見]
・政府は福島第一以外の原発の運転再開を要請するには、同原発と対象原発の差異を明らかにすべきだと思います。
この問題に就いて読売も社説で取り上げていますが、原発の再開に就いては、個々に原発の状況を正確に把握して決定すべきだと思います。
そのためには何度も書きますか、福島第一の事故原因を早く究明すること、そして原発は安全ではなくて、神話になるほど徹底的な安全対策をとること、そのために日々進歩する技術を取り入れ原発を最新のものにキープして置くことだと思います。
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IAEAに提出した福島原発事故の政府報告書の28の教訓が発表されました。
その内、元保全技術・管理者から見た設備建設・管理上の問題点を指摘した項目を拾ってみました。
(1)地震・津波への対策の強化
津波で海水ポンプなどの損傷がもたらされ、非常用電源の確保や原子炉冷却機能の確保ができなくなる要因となった。手順書では、津波の浸入は想定されていなかった。
(2)電源の確保
事故の大きな要因は必要な電源が確保されなかったこと。多様な非常用電源の整備、電源車の配備など電源の多様化を図り、緊急時の厳しい状況でも長時間にわたって現場で電(3)(4)原子炉・格納容器・使用済み核燃料プール冷却機能の確保
海水ポンプの機能喪失によって最終の熱の逃がし場を失い、注水や原子炉の減圧に手間取った。代替注水機能や水源の多様化などにより、確実な代替冷却機能を確保する。
(5)アクシデントマネジメントの徹底
アクシデントマネジメントは事業者の自主的取り組みとされ、整備内容に厳格性を欠いていた。国の指針も92年の策定以来、見直されていない。事業者による自主保安の取り組みを改め、法規制上の要求にする。
(6)複数炉立地における課題への対応
一つの発電所に炉が複数ある場合、各炉の操作を独立してできるようにし、影響が隣接炉に及ばないようにする。
(7)原発施設の配置の基本設計上の考慮
使用済み核燃料プールが原子炉建屋の高い位置にあったため事故対応が困難になり、汚染水がタービン建屋に及ぶなど汚染水が拡大した。今後は冷却を確実に実施でき、事故の影響の拡大を防ぐ配置を進める。
(8)重要機器施設の水密性の確保
(9)水素爆発防止対策の強化
原子炉建屋に水素が漏えいして爆発する事態を想定していなかった。
(10)格納容器ベントシステムの強化
(14)原子炉及び格納容器などの計装系(測定計器類)の強化
原子炉と格納容器の計装系が過酷事故の下で十分働かず、炉の水位や圧力、放射性物質の放出量など重要情報が確保できなかった。過酷事故発生時も十分機能する計装系を強化する。
(18)中央と現地の関係機関の役割の明確化
当初は政府と東電、東電本店と原子力発電所、政府内部の役割分担の責任と権限が不明確だった。責任関係や役割分担を見直し、明確化する。
[私の意見]
・内容や時期などの細かな問題を抜きにして基本的にはこの報告は、日本将来の原子力行政の在り方を左右し、今停止状態の原発の再開という緊急を要する問題の処理のために不可欠のもので、これが出たことは良かったと思います。
・また設備管理関係の問題点の指摘もその殆どが私の書いたものと同じです。
批判的に言えばその道に幾らかでも関係のある人なら誰でも直ぐ気づく項目を並べただけに過ぎません。
・何故ならこの内容が示すように原子炉工学などの高級なレベルでなくて、冷却系統や建屋の水密性の維持、改善など、高校、高専レベルの知識を持った現場の運転・保全要員も考えつき、または実施しようとすれば出来ることばかりです。
福島第一は1号炉を始めとして、日本では古い設備です。
福島第二を始めとする新設の原発の情報が入って来るたびに、超危険物を扱う、第一の原発の現場でも、数々の改善の提案や要求がなされた筈です。
例えば女川が海抜約15mに建設の情報、福島第二の緊急電源が原子炉建屋に置かれたとの情報が入ってきたとき、福島第一の津波対策はどうかとか、ターピン建屋の防水対策は良いかなどの話が必ずでてきた筈だと思います。
詰まり福島第一のように古い設備ほど保全を強化し、設備を改善して出来るだけ最新のものにして置く、少なくともそれを補い得る対策を取って置くべきです。
勿論東京電力も民間企業ですから、何もかも新品にして置く訳には行きませんので、現場と本店との間のコミュニケーションが大切になります。
幸い、上記の報告でも(18)で東電本店と原子力発電所の役割分担の責任と権限が不明確でもでもその時、「東電本店と原子力発電所、政府内部の役割分担の責任と権限が不明確だったので、責任関係や役割分担を見直し、明確化する」とありますので、今後の調査でも現場の意見がどれだけ取り上げられたか、その前に現場がどれほどの改善意欲を持っていたかも調べて貰いたいものです。
たまたま英字新聞輪読会で今回来日して調査して報告を纏めたIAEAの報告書の記事Japan underrated tsunami threat to nuclear plants: IAEAを見つけました。
その最後にIAEAは次の様に纏めています。
"Nuclear designers and operators should appropriately evaluate and protect against the risks of all natural hazards, and should periodically update those assessments and assessment methodologies," it said.
詰まり原発の設計者とオペレーターはあらゆる自然災害の危険性について適切に評価 しそれを防ぐべきだ、そしてそれらの評価と評価方法は定期的に最新のものにすべきだと彼らは言っています。
前に書いたように東京電力は、女川が15mの高地に建設したとき、同じ東電の福島第二が緊急電源を原子炉建屋に入れたとき、技術がー確立しないまま建設した福島第一に就いても自然災害の評価を見直し、そのその防御方法を考えなおしたのでしょうか。
私はここに福島第一の事故最大の原因があると思っています。
そして政府もIAEAはこのような結論を出している時に、その結論に対しての回答を出さないままの報告書をIAEAに提出して受け入れられると思っているのでしょうか。
(なお新聞によるのこの報告書作成に就いて色々な経緯もあり、業界からの反発もあると解説していますが、この問題に就いては紙面の都合で省略します。)
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枝野幸男官房長官へ(2)
昨日の投書で学者と素人ばかりの原発事故の調査委員員では事故後の対応の検討は出来ても、原発では一番肝心の事故を起こさないための調査は素人ばかりで何も出来ないと指摘、これで事故発生の原因まで調査対象に入っているのか判らないと書きました。
然し今朝の
・委員会の下に30人の事務局を設置し、三つの調査チームに分けて政府や東電の関係者などから事情を聞く方針を固めた。
・調査対象は〈1〉事故の発生原因〈2〉政府と東電による事故対応〈3〉過去の原子力政策や法制度、政府機関のあり方の3点とすること
・各チームに各10人程度の事務局員を配して調査にあたらせること
・各チームは検察官や省庁関係者らで構成すること
の報道で、調査対象に事故の発生原因も入っているので安心しましたが、その調査メンバーに予定されている検察官や省庁関係者は、元保全技術・管理者の立場から言えば全くの素人で、事故発生の基本的原因の突き止めることは出来そうにありません。
事故対応や、法制度や政府の在り方などは、始めから結論はほぼ推測出来ますし、検討委員会の委員や、予定されている事務局員でも処理できると思います。
然し事故原因は今まで全く議論もされていないこと、その一方で今後の原子力行政、いま停止している原発の運転再開に直結する、一番重要な検証事項です。
それを検察、省庁関係者と言う私から言えば素人で何処まで問題の核心に触れることが出来るでしょうか。
是非昨日の提案のように、「日本プラントメンテナンス協会」、「日本能率協会」などの生産管理専門団体(経済産業省でも良く知っている筈です)の中からまたはその加盟会社の中から保全技術、保全管理専門の技術者を出来るだけ複数入れる線でご検討下さるようお願いいたします。
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昨日ネット上で私の住む北九州の対岸の下関市の白滝山の風力発電の写真を載せたブログを見つけました。
・白滝山の惨状(2): 日本に巨大風車はいらない
・写道 : 白滝山 風力発電 などなどです。
もし自然エネルギーにご関心がお有りの方は是非覗いてみて下さい。
その内後者の白滝山の地もとの方のコメントを一部紹介して見たいと思います。
きょうは、皆さんに見て貰いたい物があります。
私の住む豊北町の有名な山です。
山口百名山の中でも上位に位置する、我が町の宝「白滝山」です。
標高668メ-トルの素晴らしい自然が残る名山です。
長閑な田舎の風景に連なる白滝の山々の写真。
そしていきなり尾根の添って無残に作られた長々と連なる二列の風車建設用の道路と建設予定位置の削られた山肌を曝した写真。
前のブログでは、100m超の巨大風車を建てるためには100t、400tのクレーン車が必要になる。44mのブレードを運ぶためのトレーラーは新幹線運搬用と同じ特殊車両が使われる。 と説明をしていますが、そのための広い道路と広場がいるのでしょう。
そして著者のコメント。
皆さん・・・これが果たして山でしょうか・・・???
木はCO2(二酸化炭素)を吸収して、光合成でO2(酸素)を供給してくれます。
これだけの量の木々を伐採して、長い月日を掛けて築いて来た自然環境を破壊して
本末転倒も甚だしい事です。
野鳥の会・NPOも 断固 反対しています。此処は渡り鳥の「渡りのル-ト」です。
各地で「バ-ド・ストライク」と言う言葉を聞いた事がありませんか?
風力発電のプロペラに鳥達が巻き込まれて死んで行く事です。
自然を破壊し、生き物達をも巻き添えにして・・・・・
初めて私がこの写真を見た時・・・
山肌を伝う 幾筋もの 山の涙に見えました。
悲しくて、言葉が出ませんでした。
人の手で自然を破壊するのは容易な事です。
1度、破壊された自然は その姿に戻るまで 何百年と掛かります。
この現実を目を見開いて 受け止めてください!!
町民の皆さん 我が町の財産白滝山・・・・・・
これが現実ですよ!!!
[私の意見]
・山の多い日本では大規模な風力発電は山地に頼らざるを得ない
・巨大な風車を運ぶために搬入路の新設により広大な森が伐採される
・最近の異常気象。大雨により道路や建設地からの土砂の流出または地滑りの発生
・台風の多い日本では風車の破損の確率が高い
・それで道路と建設地と言う自然破壊の状態を残したままにして置かねばならない
・それかと言って平地に建てれば、良く言われる騒音や低周波音による健康被害が起こります。
・その他には良く言われるように、発電量に変化が大きいこと
・然し一番の問題は、私は何よりも日本人特有の自然に対する美的感覚が風力発電建設の大きな障害になると思います。
それともう一つは日本の観光地は雄大と言うより、小規模な繊細な景色で有名な所が多いようです。
そのような自然の中の高さ100m近くの巨大な風車を見て、これがよい景色だと思う人は殆どいないのと思います。
唯一の例外と思われるのが、福島県郡山市にある65,980Kwと言う全国一の出力を誇る布引高原風力発電所です。
写真を見る範囲では広大な高原に巨大な風車が建っており、観光名所として売り出そうとしているようです。
そして平原のせいか白滝山ほど自然を荒らした跡も目立たないようです。
私の住む周辺地域で言えば阿蘇の外輪山の高原が考えられますが、低周波音の放牧の牛に対する影響はどうなんでしょう。
いずれにしても日本では風力発電が盛んな欧州ほどの広大な平地を求めるのは難しいような気がします。
残るのは海上、無人島か人工島でしょうか。
自然エネルギー推進の人達の多くは環境問題にも熱心な方が多いと思います。
もし私が紹介した写真を見ておられなければ、是非見て頂き、風力発電と環境保護のバランスに就いて考えて頂きたいような気がしますが。
私は結局は風力発電を含む自然エネルギーの活用と原発の漸減をしながら、より安全な別のエネルギー資源を開発して行くという平凡で困難な道しかないような気がするのですが。
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