数の力に頼る政治。衆参のねじれ解消後の国会。政府は数の力を背景に、何事も可能と判断するのか、他者の意見は受け入れようとしない強引な国会運営に徹している。
秘密保護法案の審議。福井の公聴会では出席者7人全員が反対の意見を述べた。それにもかかわらず、その翌日、衆院での強行採決。傲慢としか言いようがない。
世論調査では50%を超える人たちが反対し、慎重審議を求めている。日本全国各地で反対のデモが続いている。
「参院の審議は47時間になり、衆院の審議時間を超えた。慎重な審議だった」というが、世論はまったく納得していない。
「国民の知る権利」「秘密の範囲」「第三者機関」「指定期間60年」「民間人の処罰」と問題点は提起されている。疑問の残るこの法案。なぜ採決を急ぐ。それもアリバイ造りの公聴会を職権で開き、強行採決。
疑問だらけの法案。もっと時間をかけて民意に沿った審議をしていただきたい。
反対ばかりではない。この法案には行政が独走するのではないかとの疑念があり、恣意な運用が出てくるのではないかとの疑念があるのだ。審議を尽くせば必ず双方が納得できる結果は出ると思う。
秘密保護法案のあやふやさ、いみじくも露呈したのが、自民党石破幹事長のテロ発言。批判を受けて形式的に削除したが、主張は曲げておらず、人々の声に耳を傾けようとしない姿勢は変わっていない。
4日午後のさいたま市で開く公聴会開催も、与党単独で採決を強行した。福島の公聴会と同様、それは強行採決のアリバイ作りとしか言いようがない。
今の政権には「反対の人々を敵に回しても、世間の理解得られるという」奢りがある。だが、頼りとする最近の内閣支持率は徐々に低下している。
奢り昂ぶる自民党。いつか必ず報いはある。次の選挙は「倍返し」いや「10倍返し」が待っている。