2017年公開予定のロシア映画5作品
1.「天国」
<iframe src="https://www.youtube.com/embed/Sdzg77_y078" frameborder="0" width="600" height="400"></iframe>
汚職犯罪の調査のためにナチスドイツの強制収容所を訪れ、そこで若き日に恋したロシアのオリガ皇女に出会うナチス親衛隊の将校ヘルムートの物語。オリガ皇女はフランスのレジスタンス運動の一員となり、ドイツ占領下のフランスでユダヤの子供たちを家に匿ったとして強制収容所に収監されていた。
アンドレイ・コンチャロフスキー監督のこの映画は2017年の主要な外国向けロシア映画とされ、ヴェネツィア映画祭では最優秀監督賞を受賞、アカデミー賞のショートリストにも入った。ホロコーストというテーマ(それも極めて特殊な形式に仕上がっている)、監督の名前、そして何より質の高さにより、この映画は特別なものと位置付けられている。好き嫌いは分かれるだろうが、現代映画をチェックしている人なら絶対に見逃せない一作だ。
2.「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」
「アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語」=Kinopoisk.ru
今回、ロシアの主要な古典文学作品の映画化に挑んだのはマルコム・マクダウェル主演の「The Assasin of the Tsar」(1993)で知られるカレン・シャフナザーロフ監督。タイトルから分かるようにシャフナザーロフ監督の本作品は小説「アンナ・カレーニナ」のいわば「男性版」で、いつも狡猾な誘惑者とされているヴロンスキーが、複雑で多面的な性格を持つ男として描かれている。斬新なストーリー、レフ・トルストイの原作、永遠の愛の物語といった要素から、世界各国の上映で話題となることが予想される。
3.「中国への旅 鉄仮面の秘密」
<iframe src="https://www.youtube.com/embed/gb-P2eEndyY" frameborder="0" width="600" height="400"></iframe>
ゴーゴリ原作の「ヴィー」の映画の続編。実は昨年その公開が待たれていたが、実現しなかった。それには正当な理由がある。共同製作を進めている中国側のパートナーが公開できることを信じて、シナリオの手直しと予算の増大を強く求めたからだ。その結果、タイトルから「ヴィー」という言葉やゴーゴリの作品を思わせるキーワードは消え、代わりにアレクサンドル・デュマの父を思わせるキーワードが含められた。キャストにはジャッキー・チェン、アーノルド・シュワルツェネッガーなど世界の大物俳優が顔を揃える。結果、オレグ・ステプチェンコ監督のこの作品はロシアのブロックバスター映画のカテゴリーに含められるものとなり、他の国でも興味をひくことになるだろう。
4.「防衛者」
<iframe src="https://www.youtube.com/embed/ipZT4wXQHJM" frameborder="0" width="600" height="400"></iframe>
製作者らが「マーベル映画“アベンジャーズ”に対するロシアからの対抗作」と呼ぶ一作。まさに撮影現場で描かれた、生まれながらにして超能力を持つソ連の人々をテーマにしたコミックスだ。ストーリーは、ソ連の超能力者グループ(くま男を含む)が、避けることのできない地球の滅亡からいかにして世界を救ったかというもの。ネット上ですでに1年にわたって流れている映画のティーザー広告はすでに600万回再生され、世界中から様々なリアクションが寄せられている。ロシアの映画産業がハリウッドに対抗しようとしていることを皮肉る声もあれば、巨額の予算に左右されるものはないとの確信をもち、サリク・アンドレアシャン監督から画期的な作品を期待するという声もあがっている。
5.「不整脈」
「不整脈」=報道写真
ロシアのボリス・フレーブニコフ監督によるこの作品はロシアとヨーロッパの共作の良い模範の一つとなった。製作費の12万ユーロ(約1460万円)は欧州評議会が創設した基金ユーリメージが拠出、またドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州政府も財政支援を行なった。毎日、自分の命を犠牲にしながら、人々の命を救っている救急医の物語を描いたこの作品には、ヨーロッパの映画祭への参加への明るい展望が開かれているだけでなく、外国での上映にも期待がかかっている。
提供 タス通信社