人は不満があれば文句を言うがそうでなければ黙っている。情けない話だが、釣り銭が足りなければ文句を言うが多過ぎても黙っているように、厚遇があっても黙っている。常態化した厚遇であれば自覚さえされなくなる。
年金を受け取る立場になって初めて年金受給者がどれほど厚遇されているかを知ったし、癌患者になってから患者に対する様々な厚遇があることとその制度を利用して医療機関と医療関係者がこっそりかつごっそり稼いでいることを知った。
部外者から見えない場所に大量の利権が潜んでいる。表から見ていればこの構造に気付かない。たまたま仕事上でほんの少しだけゴミ問題に手を出したところ、ゴミ絡みの利権が非常に多いことに驚かされた。例えばアルミ缶は再利用可能だから商品価値がある。自治体などはこれを無料で回収しているから濡れ手に粟のように儲かる。ゴミの山と思っていたものが実は宝の山だった。
しばしば問題になるが教育にも利権が絡む。教科書の採択など小さな問題であり、修学旅行のような巨大団体ツアーは利権の温床になっている。担当する教師にとっては当たり前の役得に過ぎないが実態が知られれば社会問題になるだろう。
政治家の役得も幾らかは暴かれつつあるがこれらは氷山の一角に過ぎない。都知事を筆頭とする首長は勿論のこと、県会議員や市会議員も役得を満喫している。名古屋市や富山市では市会議員が勝手に自分達の報酬を増額したとして市民から批判をされている。自分達のルールを自分達で決めるのだからお手盛りだらけになる。
悪名高い政治資金規正法がザル法であるのは自公民の3党合意に基づく。この悪法を利用して利権を貪り過ぎた政治家は週刊誌等によって袋叩きに遭うが、法そのものが一向に見直されようとしないのはそんな事情があるからだ。
人が今の地位に留まろうとするのはその利権を知っているからだ。他の地位にもやはり利権はあるだろうが外部にいる限りそれがどんなものなのかは分からない。男は男であることの利権を喜び、女も同様だ。専業主婦も兼業主婦も独身者も、それぞれが自分の利権にある程度満足している。こうして人は今得ている利権を手放すまいとするからお互いに妬み合わずに現在の地位に固執する。
キリスト教の影響からか妬み深い欧米人は「隣の芝生は青い」`The grass is always greener on the other side of the fence.'と考えるが、日本人にとっては「住めば都」であり「手前味噌」が好ましい味だ。あちこちに隠れた利権があるからこそ多くの日本人は現在の立場に満足するのだろう。
筋の通った改革はしばしば利権集団の圧力によって潰される。外部にいる人にはそれがなぜ否定されるのか理解できない。改革を妨害するのは外からは見えない利権だ。社会の隅々にまで利権が蔓延っているからこそ不合理な制度が温存される。
年金を受け取る立場になって初めて年金受給者がどれほど厚遇されているかを知ったし、癌患者になってから患者に対する様々な厚遇があることとその制度を利用して医療機関と医療関係者がこっそりかつごっそり稼いでいることを知った。
部外者から見えない場所に大量の利権が潜んでいる。表から見ていればこの構造に気付かない。たまたま仕事上でほんの少しだけゴミ問題に手を出したところ、ゴミ絡みの利権が非常に多いことに驚かされた。例えばアルミ缶は再利用可能だから商品価値がある。自治体などはこれを無料で回収しているから濡れ手に粟のように儲かる。ゴミの山と思っていたものが実は宝の山だった。
しばしば問題になるが教育にも利権が絡む。教科書の採択など小さな問題であり、修学旅行のような巨大団体ツアーは利権の温床になっている。担当する教師にとっては当たり前の役得に過ぎないが実態が知られれば社会問題になるだろう。
政治家の役得も幾らかは暴かれつつあるがこれらは氷山の一角に過ぎない。都知事を筆頭とする首長は勿論のこと、県会議員や市会議員も役得を満喫している。名古屋市や富山市では市会議員が勝手に自分達の報酬を増額したとして市民から批判をされている。自分達のルールを自分達で決めるのだからお手盛りだらけになる。
悪名高い政治資金規正法がザル法であるのは自公民の3党合意に基づく。この悪法を利用して利権を貪り過ぎた政治家は週刊誌等によって袋叩きに遭うが、法そのものが一向に見直されようとしないのはそんな事情があるからだ。
人が今の地位に留まろうとするのはその利権を知っているからだ。他の地位にもやはり利権はあるだろうが外部にいる限りそれがどんなものなのかは分からない。男は男であることの利権を喜び、女も同様だ。専業主婦も兼業主婦も独身者も、それぞれが自分の利権にある程度満足している。こうして人は今得ている利権を手放すまいとするからお互いに妬み合わずに現在の地位に固執する。
キリスト教の影響からか妬み深い欧米人は「隣の芝生は青い」`The grass is always greener on the other side of the fence.'と考えるが、日本人にとっては「住めば都」であり「手前味噌」が好ましい味だ。あちこちに隠れた利権があるからこそ多くの日本人は現在の立場に満足するのだろう。
筋の通った改革はしばしば利権集団の圧力によって潰される。外部にいる人にはそれがなぜ否定されるのか理解できない。改革を妨害するのは外からは見えない利権だ。社会の隅々にまで利権が蔓延っているからこそ不合理な制度が温存される。