鎌倉山の閑静な住宅街の一角で、古民家のリビングを店舗として開放している
静辰さんは、予約が入った日のみの営業、1日に迎える客は昼夜1組ずつ、ふるまう料理は全てシェフにおまかせという、まさに究極の道楽的レストラン。
シェフが「自宅」でふるまう豪勢な手料理と共に堪能した
スティーブ先生お持ち込みワイン をご紹介します。
サンタ・リタ・ヒルズ(カリフォルニア)の天才醸造家2人組による新星ブリュワークリフトンのシャルドネと、ブルゴーニュの隠れた銘酒ミッシェル・マニヤンのクロ・ラ・ド・ロッシュ(大当たりヴィンテージ‘93年!)です。
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■Brewer Clifton Marcellas
ブリュワー クリフトン マルセラ
1990年代の始めにグレッグ・ブリュワーとスティーヴ・クリフトンにより設立。2人が造るワインは、厳選されたサンタ・リタ・ヒルズのヴィンヤード名を冠した単一畑銘柄、とりわけピノ・ノワールとシャルドネのみにフォーカスされています。
“畑の本質を、出来る限り明快かつ正直に伝えること”をモットーに育てられたワインは、純度と精度に優れつつダイナミックなものとなります。葡萄がワインという飲み物へ変化を遂げる自然の営みに、人間が介入するには最大級の注意力と配慮が必須という信念を貫き、丁寧で根気の要るワイン造りを続けています。
MarcellaはB-C設立時の1996年からある畑で、もう30年の樹齢となっており、13~14本くらいしか残っていないそうです。
息を呑むほど見事な黄金色、豊かで芳醇な香り、白ワインとは思えないしっかりした余韻が楽しめます。シャルドネの魅力を最大限に引き出したようなワイン。
産地:サンタ・リタ・ヒルズ(カリフォルニア)
生産者:ブリュワー・クリフトン(B-C)
品種:シャルドネ100%
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■Michel Magnien Clos de la Roche
クロ・ド・ラ・ロッシュ
自社畑、自社生産のドメーヌ・ミッシェル・マニヤンは、現在5代目となる息子のフレデリック・マニヤンが引き継いでいます。先代であるミシェル・マニヤンは、今でこそブルゴーニュを代表する秀逸な生産者と認知されていますが、ワイン造りに拘るあまり多くの苦難と災害を乗り越えて来ました。駄作を世に送ることを良しとしないその姿勢は、コルク臭に汚染された1997、1998年ヴィンテージを全て市場から引き上げてしまったことでも有名です。
クロ・ド・ラ・ロッシュはボンヌ・マールと共に、ブルゴーニュで最も長命なワインに挙げられる銘酒。若いうちは黒に近いほど深い色をしています。瓶詰め後、3、4年経ってようやく開き始め、その全容をあらわすには、さらに10年以上かかると言われます。
輝かしい品質のわりに知名度が低く、ジュヴレ・シャンベルタンの特級郡の大半より優れていながらも目立たない地味な存在です。
産地:ブルゴーニュ
生産者:ドメーヌ ミッシェル・マニヤン
品種:ピノ・ノワール100%
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クロ・ド・ラ・ロッシュを「お宝」と絶賛するスティーブ先生、ダテにワインコレクターを語っているわけじゃないってところでしょうか。
特にこの夜いただいた1993年の黒ボトルはもう手に入らないはずです。
こんな貴重なワインを奥様の快気祝いの席で空けるとはニクイことなさいますねぇ。
ちゃっかりご相伴にあずかってしまった私ってなんと幸運なのでしょう。
ご馳走様でした!
※ワインといただいたお料理は
こちら でじっくり紹介しています。