準絶滅危惧種のウマノスズクサ・・・
ブロ友さんの情報を聞いて、雨上がりの休日の早朝、早速見に行ってきました。
桜並木の横・・・うんうん、こちらが桜並木ですね。
花の時期は綺麗そう~
確かに綺麗に草刈りされています。
こっちの方かな~
金網の向こうのネコに睨まれました。
この辺かな~
綺麗な毛並みのネコに無視されました。
おっと、最初の写真の左奥に見えている草むら・・・これが正体でした!
知らなかったら、絶対ヤマノイモか何かの蔓と間違えると思います。
よく見ると不思議な形の花が咲いています。
こちらは蕾のようです。
こちらが花。赤茶色の花の中には沢山の毛が見えます。
この角度では分かりにくいですね。
こちらで説明しますね。
こちら全体が花で、約4㎝。
赤茶色の部分の内側には沢山の毛があり、そこだけは外からでもよく観察できます。
そこから球状の部分につながる緑色の管が花筒で、そこにも毛が生えているそうですが、見えません。
で、その奥の球状の部分が萼筒でその奥に花柱が6個並んでいるそうです。
ウマノスズクサは雌性先熟。
匂いで呼び寄せられたショウジョウバエなどの小さい虫はこの萼筒まで行って閉じ込められます。
(毛が逆毛なので、戻れないそうです)
で、雄性期になって花粉が出る頃に、毛が脱落し、ようやく脱出できるそうです。
花粉を付けた虫は、性懲りもなく匂いに引き寄せられ、またウマノスズクサの花の中に入ります。
それで雌性期の雌蕊に受粉することができるというわけです。
すごい仕組みですね~
こちらは花の開口部のアップです。毛がみえますでしょうか。
後ろ姿ですね。
こちらはてっきり蕾と思ったら、若い果実なんだそうです。
ここまで苦労して受粉しているのに、日本ではほとんど果実が生らないとか・・・
とすると、この実は熟さない? 要観察ですね。
葉っぱの様子もご覧くださいませ。
さて、ここまでウマノスズクサの不思議な生態をみていただきましたが、実はこちら毒草です。
でもその毒をうまく利用している生き物があります。
それがジャコウアゲハです。
そう、昨日の投稿の最後に載せた、あの綺麗なチョウです。
ここから、幼虫の写真がわんさか出てきますので、苦手な方はここで閉じてくださいね~
この花を見に行ったとき、花より先に目についたのがこちらのトゲトゲの幼虫です。
中央に白い帯があり、トゲトゲが沢山あり先が濃いオレンジ色になっています。
これぞ、ジャコウアゲハの幼虫。
それが実に沢山くっついていました。
毒のあるウマノスズクサを食べるので、体に毒が蓄えられ捕食されないみたいです。
少し週齢が若いですね。
まさに鈴なり・・・
食べているところの口元を撮ろうと思ってカメラを近づけたら、オレンジの臭角を出されてしまいました。
ナミアゲハに比べると短いということでしたが、確かに短かったです。
糞も大きいです。クズの葉に乗ってこのサイズ・・・
少し色が薄く赤っぽい幼虫。何齢幼虫でしょうか。
わしわし食べているところ。
よく葉がずんべらぼんにならないものです。
さらに週齢の小さい子。
こちらはそろそろ蛹になる準備ですね。
で、見つけました!
こちらが蛹です。こんなに目立つところに作っても大丈夫なんて、毒の威力は絶大ですね。
ということで、めったに見られない貴重な場面がみられました。
できたら、ここに1枚看板を立てて、ゆめゆめ間違って抜かれないようにしてほしいですね。
今回は電車で行きましたが、帰りは1時間ほどで歩いて帰れました。
また行ってみたいと思います!
【撮影:2022/7/10 京都市伏見区】