御陵の森にそろそろソクズが咲くころと思い、寄り道して帰りました。
まず出迎えてくれたのがヤブミョウガ。
薄暗い林内に沢山咲く姿はなかなか印象的です。
この日は徒歩でしたが、車で通っただけでも目に留まります。
ヤブミョウガはツユクサ科ヤブミョウガ属。
関東以西の林縁に自生します。
草丈が大きく、ミョウガに似た葉をつけるのでこの名が付きました。
雌雄異花で、同じ株に雄花と雌花がありますが、少し時期が遅くほとんど実になっていました。
実からぴょろんと出ている毛は、花柱です。
今はまだ白い実ですが、これが次第に黒真珠のような光沢のある実に変わります。
その頃にはこの花柱はとれてしまいます。
写真を撮りながら歩いているとほどなくソクズの場所に到達です。
やった!満開です!
ソクズはガマズミ科ニワトコ属。
(以前はスイカズラ科、次はレンプクソウ科、それがガマズミ科に変わったらしい・・・)
別名はクサニワトコ。葉がニワトコに似ています。
ソクズは民間薬としてリウマチ、神経痛、むくみなどに用いられるそうです。
和名のソクズは生薬名のサクチョウ(蒴藋)に由来するとか・・・
(東京生薬協会HPより)
面白いのはその花です。
花の中に黄色い粒々が混じっているのがお分かりでしょうか。
もうちょっと大きく見てみると・・・(トリミング画像です)
真ん中が少し凹んだ黄色い粒。これは腺体という器官で、中央のくぼみに蜜が溜まっています。
どうりで、アリが集まっているわけです。
花は星型で、放射状に雄蕊が見えます。
見えませんが、大きくすると黄色の腺体一つ一つにアリが止まっています。
何度も近くを通っているのですが、こんなに満開の時期に来たのは初めてです。
それにしても、花には蜜がないそうですが、どうやって受粉するのでしょうか。
実はニワトコ同様赤く熟すそうですので、今度はその様子も見てみたいです。
たった20分ほどのお散歩でしたが、楽しかったです。
それにしても、他の場所にはないのに、どうしてここだけこんなにソクズが咲いているのでしょうね~
【撮影:2022/7/11 京都市伏見区】