今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

守り神になったテンちゃん

2020年02月13日 | (故)テン
分骨、散骨について調べてみました。
魂は骨に宿っているから分骨はよくないとか、単に縁起が悪いとかいろいろ聞きます。自分は何の信者でもないけど、輪廻転生の際に5体がないとまずいのではないか、などと何となく考えていました。実際、分骨による遺体の埋葬を認めていない墓地もあるようです。

しかし仏教では、四十九日を過ぎると魂は遺骨から離れるのだと。なのでいろいろ取り沙汰されている心配は無用だとも。つまり分骨や散骨は、遺された人の気持ちを大切に考えればいいのだそうです。ただ法的なものも含めて、人間の遺骨の場合は手続きをきちんとする必要はある。一方動物の場合は、何の制約もありません。

今回は故テンちゃんの話です(わが家に移った頃)

ということで、テンちゃんの遺骨を分骨しました。以前より考えていたことです。お店の看板猫だったテンちゃんのこと、きっと店にも未練があるだろうと思い、お店を見渡せる4ヶ所にテンちゃんの骨を少しづつ撒きました。

やっぱりテンちゃんと店の風景はよく似合う

末期の腎不全で旅立ってから8ヶ月。覚悟はできていたのでそのときはしっかり受け止めたけど、後になればなるほどテンちゃんと過ごした日々が蘇ってくる。2年半と短い付き合いだったのに、カテゴリーの記事数がニャーとみうに次いで多いことからもその濃密さが伺えるのです。

裏ゲート前の駐車場で

「道ばた猫日記」(フェリシモ)や「猫のいる風景」(sippo)を執筆され、ご自身も癒し系猫の本を出版されている佐竹茉莉子さんがテンちゃんに会いに来てくれたことがありました。テンちゃんの看板猫ぶりを記事にして頂けるとのことで、翌月から取材が始まる予定でした。しかしテンちゃんの体調が悪化してわが家で静養することに。残念ながら、取材は実現しませんでした。

多くの人の心に残るテンちゃん。お店や店の猫たちの守り神となって、これからもずっとお店の出来事を見守ってくれることになりました。

観葉室にて(写真中央)

やあ、テン、久しぶりだね
そっちでは身体の調子が元に戻って
元気いっぱい復活かな?

お前には本当に手がかかったけど
決して忘れることのない
楽しい思い出もたくさんできた
そのひとつひとつが宝物だ
それに、いろいろなことを学ばされたな

裏駐車場を眺める

最近はネコたちの霊感が移ったのか
お前の顔がよく見える
お前はまったく昔のままだね
店にいると自分の傍にお前がいるのが
はっきりと感じられる

オジンの仕事を見守るテンちゃん

ところでテンよ、
レオはお前の後を継いで
立派な看板猫になってきたぞ
モドキも健在で毎晩やって来るし
チビ太は気立てのいい青年に成長した
お前が愛用した首輪とリードは事務所に掛かったまま
PCの背景にお前の写真を使ってるスタッフもいるぞ
この店には、今でもお前のぬくもりがそのままだ

資材置き場の奥にいるレオに初対面のご挨拶

お前の分身を少し店に撒いたから
店の雰囲気をもっと感じることができるだろう
これからは
レオやモドキや店のみんなを、空から守ってやってくれ

テンよ、
このオジンが死んだら
お前たちの骨も一緒に弔うよう頼んである
だから、これからもずっと一緒だよ


テンちゃんが一番好きだった、店内を見渡せる場所

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テンちゃん FOREVER

2019年06月22日 | (故)テン
テンちゃんのいない生活
自分でも意外なほど大きな穴が開いた
リードで外に繋いでいるときも所用で出かけたときも
その存在を片時も忘れたことがなかったからね
保護して介護していたつもりが
いつの間にかなくてはならない存在になっていた

ペットという言葉は好きじゃないけど
これがいわゆるペットロス?
店の人たちもみな同じ
大怪我を負わされたテンちゃんなのに
涙を流してくれた人もいた


左:散歩の途中店裏で草食べ      右:病院の待合室にて

食事の時間になると思い出す
テンちゃんはどうしても一緒に食べたくて
熟睡していても具合が悪くても
こっちがご飯を広げるとムクッと起きて横に来る
行儀が悪いからとどかしても何度も何度もやってきて
ご飯の横にちょこんと座る
自分の食べれるものじゃないとわかっても
とにかく横にいて、その時間を共有したがった

遂には自分も諦めて、食事のときはいつも一緒
そのうち具合が悪くて起きてこないと
むしろ不安になったりしたもんだ
今はゆっくり落ち着いて、ひとり寂しく食べてます


左:オジンのデスクでお邪魔虫     右:保護チビの寝床を拝借(亡くなった前日)

他の何者にも従属しない猫という動物は
自分の気持ちにとことん忠実だ
人は相手に気を遣い自分の思惑にこだわるから
人間社会はいい意味でも悪い意味でも駆引きに満ちている
だから人は猫の真っ直ぐな心情に触れると
一服の清涼剤を得た思いがするのです

例えノラと言えども
例え世話になろうとも
期待はするが決して頼らず恨まず、常に対等でいたい猫
おそらく全ての猫が持つ真っ直ぐな心
でも、人にそう感じさせてくれる猫は少ない


左:わが家にてニャーと       右:店にてテンチビと

人に興味を持ち人に注目し
人とコミュニケーションを図ろうとする猫だけが
人がその気持ちと向き合ったときに
ピュアで真っ直ぐな心根を伝えてくるのです
テンちゃんはあの凶暴性の反面
そのピュアな気持ちを見せてくれる猫だった
テツやニャーと同じように

人間が大好きだったテンちゃん
猫の中では変わり者だったに違いない
リードで繋がれた生活をいつも不憫に思っていたけど
テンちゃんは結構幸せそうだった
テンちゃんにとっては
リードが我々人間との絆だったのかもしれないな
まるで保護者の愛情の証のようにね
その証拠に、リードが外れてもテンちゃんの行動は変わらなかった


うたた寝するオバンにしがみついて幸せそうな顔

そうか、何だか少しわかってきた
安心安全、不都合のない贅沢な暮らしが幸せなんじゃない
どのくらい愛されているか
周囲の愛情をどのくらい感じているか
幸せの指数とは、そんなことなのかもしれないな

死してなお
テンちゃんは大切なことを教えてくれる
自分にとってはかけがいのない猫なんです
いつまでも

いつまでも


テンちゃんが見ていたお店の風景

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訃報、テン逝く

2019年06月16日 | (故)テン
今朝6時50分、誇り高き猫テンちゃんが旅立ちました。
ここ数日殆ど何も口にしなかった。昨日は水すらもまったく口にせず、朝多めの輸液を行った後、昼頃にシートの上でオシッコをしてそのまま倒れた。その後はじっとしていたテンちゃんだったけど、夕方19時頃に立ち上がろうとして再び倒れ、そのときは痙攣もした。これはダメかと妻を急遽呼び返したのだが、テンちゃんは夫婦が寄り添う中で一晩頑張った。でもそれ以後再び立ち上がることはなく、早朝になってついに力尽きて呼吸を止めた。


昨日の朝、輸液を待つテンちゃん

夫婦は一晩、テンちゃんの顔や前足に触れていました。自分は手のひらを枕に置き、テンちゃんが夢遊病のように前足で何かを探るのでその足にも触れた。前夜から目は見開いたまま、一点を見つめていました。でも夜半前から、もうテンちゃんの意識はなかったと思います。朝が近付くと体温が低下し始めたので、ホカペを強くして暖めました。

出来る限りのことをしたので、保護者夫婦に悔いはありません。自分としては、やはり輸液の量が少なかったのかなと気になるところだけど、吸収されない場合はそうするしかないというのが先生の意見でもあった。今はテンちゃんの介護道具を片付けながら、一抹の寂しさに襲われています。


昨日の19時頃、ばったり倒れて痙攣した

テンちゃんは本当に頑張ったと思います。保護した2年半前の半死半生状態から回復し、番長さながらの攻撃性を見せた反面、人にはとことん甘えん坊だった。自分だけじゃない、店のスタッフやお客さんにも、人々の心の中にしっかりと入り込んでいた。リードをつけて散歩する姿はSCで評判になった。昨年後半からはボケも出始めたのか一層人当たりが(猫あたりも)よくなって、店の看板猫の立場を極めたのでした。


夜半に体温が下がっても頑張り続けた

テンちゃんに関してはまだまだ書きたいことが山ほどあります。特に介護の本丸であるトイレ問題については、是非書き留めておかなければならないと考えています。でも今じゃないな。今はテンちゃんの思い出に浸りまくって、しっかりと見送ろう。テンちゃんは誰にも従属しない誇り高い猫でした。食べなくなったとき2度ほど強制給餌を試みたけど、頑として受け付けなかった。やっと口に入れても呑み込まずに出してしまうので、これはダメだと諦めました。テンちゃんは、最後まで自分の誇りを守り続けたのだと思います。


息を引き取った直後のテンちゃん

この1週間はテンちゃん以外にも本当にいろいろなことがあった。まずチビちゃんの保護お迎え。すると家の猫たちの生活が変わり、リビングに寄らなくなった。シロキとリンを除いてみな食べなくなって、ご飯の時間になっても誰も来ない。特にキーは食欲廃絶と言われる状態になって、3,4日続くと「肝リピドーシス」という重篤な病気になる恐れがある。キーは今日で4日、まったく口にしていません。ニャーはというと、また脱走しました。結果的に帰って来たけど必死の捜索で保護者が傷を負った。自分で傷つけたのがちび太。顔面を強打し、溜まりに溜まった内液が噴出したのが昨日だった。このそれぞれのエピソードを、落ち着いたら書いていこうと思います。


お店のスタッフから花束が届きました

でもこれだけのドタバタの中で、テンちゃんは静かに逝ったのです。一昨日はたまたま店に行き、殆ど動くこともなかったけどスタッフのみんなや懇意にして頂いたお客さんたちに会えたのも良かった。そう、テンちゃんは独りじゃなかった。我々と出会う前はいろいろ大変なこともあっただろうけど、最後は幸せな人生(猫生)として締めくくることができました。


テンちゃんは明日、荼毘に付されます

テンよ、
やっと本物の自由になれたな。
たくさんの思い出や、楽しかったことをありがとう。
そのうちまた会おうぜ、そっちでな。

REST IN PEACE, TENN.




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CKDステージ4 テンちゃんの輸液生活

2019年06月14日 | (故)テン
この記事は長文です。猫の輸液に関心のない方はパスして頂けましたら幸いです。

テンちゃんの腎臓がここまで悪くなる前に、保護者は気付く術がなかったのか。
2年半前に「生きているのが不思議」な状態のテンちゃんを保護したときは、血液検査でCREとBUNは正常値だった。しかし、その2か月後にはテンちゃんのオシッコの量が異常に多いことを記事にしている。そのときに腎臓の異変を疑うべきだったのだ。実はテンちゃんのオシッコは最初から回数も量も多かった。しかし何も気にせず、そんな猫だと思っていた。昨年11月頃から食欲が落ちて動きも少なくなり、師走になると見る見る痩せて意識朦朧状態が多くなった。療養でわが家に迎えた新年早々に病院へ行く予定が、ニャーの結石騒動で半月遅れた。そして、CKD(慢性腎不全)と診断されたのでした。


なぜかチビニャンに慕われるテンちゃんです

ショックを受けても後の祭り。とにかく輸液をするしかない。当初は病院に通って150~200ccを目処に輸液してもらった。先生に1日1回と言われたけど夫婦は仕事を持っているので通院は1日か2日おき、3日空くこともままあった。テンちゃんはキャリーケースでの移動(通院と待ち時間)を嫌がり、あやす保護者も大変だけどテンちゃんのストレスも相当なものだと思われた。そのうち、病院の先生に在宅輸液を勧められたのです。

2月の初めに先生からいろいろ教わりトレーニングも行って、いよいよ在宅輸液をスタートさせた。このときは急性ではあったがやはり腎炎だったニャーにも輸液を行った。何しろ生き物に針を刺すなんて初めてのこと。朝出かける前に行うのだが初めはためらってばかり。2日できなければ病院に駆け込む。3日後になるときもあった。ためらいが状況をますます悪くし、一気にできないので猫も痛がる。そのうち猫も保護者のためらいを感じるのか緊張が移って身を固くし、結果としてますます刺しにくくなる。刺す自分も抑える妻も刺されるテンちゃんも、みな必要以上にナーバスになっていた。

「テンちゃんは内弁慶。」 妻はことあるごとにそう言ったが、別にテンちゃんが病院にいい顔しているわけではなく、こっちの緊張が乗り移っているだけなんだ。とにかくその時間になるともう緊張し始め、針を刺すどころか輸液の部屋に連れて行くだけで吠えまくり、ちょっと刺激すれば本気モードで攻撃してくる。保護者の手は日に日に無残な姿に。かくして2週間もするとテンちゃんは在宅輸液を完全に拒否するようになり、ついにはニャーにもできなくなって保護者夫婦は完全に自信喪失。結局、通院輸液に戻らざるを得なかった。

輸液がうまくいかないときの状態(技術的な考察その1)。
針を刺す場所のせいか角度のせいか、自分は長い針は怖いので短い針で行っているが、その針がスーッと入るときもあればやけに皮膚が硬くて強く入れると「プチッ」という感触のあるときがあり、その時は必ず猫が痛がる。その違いの原因がどうにもわからない。そのうち、自分のやり方だけではなくて猫の状態も関係しているように思えたり。緊張で身体を硬くすると皮膚も硬くなるとか。さらに、何とか針を挿入しても輸液を始めると液が皮膚から漏れてくるトラブルも続いた。また針の先が詰まったように、液が入らないこともあった。


動きも少なくなって死んだように寝るテンちゃん

2月~4月の間は当初に戻って、できる限り通院するという日々が続きました。おかげで病院の人たちとはすっかりお友達に。病院が店のすぐ近くなので通院の日は店にも立ち寄ったが、店ではテンちゃんも落ち着くようだった。テンちゃんはわが家にあったキャリーケース(前から入るタイプ)を断固拒否したので、いろいろ試した結果スポーツバッグで移動することにした。それで当初は静かだったがやはり何も見えない不安なのだろう、やがてバッグも嫌うようになり、ついには輸液の終わった病院でバッグを拒否して大暴れするという騒動が2回続いた。この頃はテンちゃんの精神状態も最悪の頃で、病院の若い先生の輸液を拒否して暴れたりもした。しかしこの最悪の問題は、新調したキャリーケースで難なく解決したのです。

新しいケースは前のより安価なもので、前と左右に網のついた布製。ただ、入口は前と上にもある。この上から入る方法をテンちゃんがお気に召したのです。そう言えばスポーツバッグも上から入る点では同じだった。テンちゃんはこのケースを見ると自分からさっさと入っていく。移動と関係ないときも中に入ってくつろいだり。おかげで保護者の苦労は半減したけど、それでもやはり通院は大変だし何より、10連休という大きな試練が近づいていた。


今日のテンちゃん①;今日はお店で1日過ごしました

連休中病院は2度ほど営業するが猛烈な混雑が予想されるし、当方も忙しい時期、うまく行けるかどうかわからない。それで連休前から再び在宅輸液にチャレンジしたのです。はじめはやはりテンちゃんが暴れてダメだったけど、試行錯誤でいろいろ工夫してみた。まず緊張した声での保護者間の会話やテンちゃんをあやすのを止めた。次にテンちゃんの抑え方。これは病院でもいろいろ聞いて、後ろから両腕を回して両手で首周りをそっと保持する。すると親指が頭に当たってテンちゃんが急に起き上がるのを防ぐことができる。

でも最終的に決め手となったのは、テンちゃんの寝床の活用だったと思います。テンちゃんは一時冷蔵庫の上を居場所にしていた時があって、そのときはダンボール箱の寝床を愛用していた。今は冷蔵庫に登れなくなって寝床も使ってないが、その寝床を輸液のときに使ってみたのです。それでテンちゃんがかなり落ち着いた。そして10連休の少し前に、夫婦の輸液を甘受するようになった。

輸液が終わればおやつのチュールをあげて、テンちゃんのやる気を引き出した。連休が終わると何故か再び暴れるようになって数回病院に駆け込んだが、在宅輸液に戻れたのはチュールの効果もあったと思う。今は毎朝夫婦で輸液を行うのが日課です。


今日のテンちゃん②;わき腹がくっつきそうな激ヤセぶりにスタッフもびっくり

輸液に関しての所見(私見・技術的な考察その2)
病院では1度の輸液量は150~200ccで、多いときは250ccくらい入れた。いろいろ調べてもそんなもんだ。病院は圧入なのでそんな量でもほぼ3~4分で完了する。しかしこの量を在宅の手押しでやると、10分以上はかかる。テンちゃんはそんなに我慢できないので、家では100~120ccがせいぜい。しかしその量で通してみると、テンちゃんがむしろ調子よさそうなことに気付いたのです。

これは猫の体調や状況(体重、年齢)にもよるのだろうが、4Kg足らずの激ヤセ老齢テンちゃんを考えれば120ccくらいが限界なのではないか。輸液を行うと液がお腹や足に回る。テンちゃんの場合は前足に溜まってたっぷんたっぷんとなる。それでも本人(猫)は気にしないで歩いているけど、問題はその液が残るようになったこと。輸液を始めた当初はそんなことなかったが次第に吸収が悪くなって、そのうち1日半経ってもまだ残るようになった。輸液は普通は半日、長くても1日以内には全て吸収しないと重篤な病気を併発しかねないとあるのです。

おそらくテンちゃんの衰弱が進んで、身体のいろいろな機能が落ちてきているのだろう。激ヤセで輸液はますます難しくなったけど、最近は保護者の上達も著しく、ある程度なら技術でカバーできる。液が漏れたり詰まったように入らないときは、針を抜かずに位置を調整するだけで続けられるようになった。楽に液が入る位置も探れるようになりました。今は120~130ccを4日続けて1日休む。こんなサイクルで行っています。今にして言えることはやはり慣れと自信、これに尽きると思います。


今日のテンちゃん③;体重はついに3.1Kgまで落ちました

しかし輸液はそれ自体が目的じゃない。尿毒をはじめとする老廃物をオシッコと一緒に出す。それを促して脱水症を緩和するために給液するのだ。でないと気持ち悪くて食べるどころじゃなくなる。つまり、生きるために食べるよう促すことがが輸液の最終的な目的なのです。病院で輸液を始めた頃は、輸液とテンちゃんの食欲が連動していた。でも今はそれがなく、テンちゃんの食欲は確実にかつ継続的に低下している。この3日ほどは水以外殆ど何も口に入れてないのです。

輸液量が足りなくて毒素の排出が十分でないことが考えられる。それで気持ち悪くて食べないのか。一方、テンちゃんの身体が吸収できないほどの液を注入して効果があるのか。逆に体調不全に繋がらないか。先生に訊くと、様子を見ながら判断するしかないと言う。衰弱が進めば輸液の仕方も刻々と変わる。それは本人(猫)の状態を注意深く観察しながら対処するしかない。今は試行錯誤で、輸液量を徐々に増やしているところです。

でも、やがていつか、どんなに注意深く対応してもテンちゃんの衰弱を防げない日が来るのだという、覚悟もしておかなければならないのです。


少しでも余生を楽しく、それが夫婦の合言葉です

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介護だぜテンちゃん

2019年05月30日 | (故)テン
一進一退を繰り返しながら、テンちゃんの衰弱が確実に進行しています。
このところボーッとして殆ど動かないテンちゃん、家でも店でも自分から場所移動することがなくなった。たまに少し活発になるときがあって、そんなときは玄関から外に出たがります。しかし、以前に一度リードをつけて出したときは大変だった。慣れない景色にパニックになって大声で叫びながら大暴れ。触ることすらできなくなって、首輪が抜けないようにリードで誘導して玄関から入れ戻すのにえらい苦労した。テンちゃんは、玄関の先に店のいつもの光景があると思っていたようです。


「オレだって出たいんだぞ」とたまに元気なテンちゃん

店には週に2、3度ほど、日が傾いた夕方を中心に連れて行きます。やはり見慣れた店の景色には落ち着くようだ。でも今は散歩に歩くことも殆どもなく、置かれた場所でじっとしているだけ。日暮れて涼しくなるとたまに素早い動きも見せる程度。それにしても、テンちゃんの激しい痩せ衰えぶりにはスタッフもお客さんも驚くばかり。実際テンちゃんの衰弱は、加速度的に進んでいるようにさへ見えるのです。


お気に入りの居場所だった冷蔵庫の上

このひと月くらいの間にテンちゃんの生活は大きく変わった。まあこれだけ急激に暑くなれば普通の猫だって変わるのが当然。家猫も外猫も涼を求めて居場所が変わる。でもテンちゃんの場合はそれだけじゃない。まずお気に入りの居場所だった冷蔵庫に上れなくなった。それにともなってキッチンシンクでの水飲みも止めた。2階に行かなくなったので家では日向ぼっこの機会がぐっと減った。要は行動範囲が小さくなったのです。それは店でも同じ。こっちが連れ出さなければ、いつものプリンターの上で寝ているだけです。


プリンターの上が安心なのはオジンが傍にいるから?

それじゃあテンちゃんの楽しみは何なの? ただ生きてるだけ?
テンちゃんを家に迎えてわかったこと。それは、ニャーと同じで人間大好き猫なんです。家ではボケが功を奏した形で他の猫には一切かまわず、保護者にくっついたり一緒に食べたりやりたい放題。店ではアイドル顔負け。お客さんが来るとよちよちと近付いて「撫でて~」とばかりに足にスリスリ。頬を撫でられると反対の頬もとまたスリスリ。相変わらずのゴジラ顔と怪獣声だけど鳴かなくなったし、動きがスローモーなのでお客さんも怖がらない。おかげで人気絶頂、先の連休中も"出勤"要請が後を絶たなかったのです。


お客さんはテンちゃんを見ると必ず寄って来る

自分としては、テンちゃんの一進一退に一喜一憂するのではなく、無理をさせずに出来る限り余生を楽しんでもらいたい。それにはまず一にも二にも食べること。そして、"せん妄"と呼ばれる意識障害に近いボケの進行を如何に遅らせるかだ。テンちゃんの衰弱が食欲の減退に起因しているのは明らかだし、ボケの進行は動くことによってある程度抑制できるのではないか。

テンちゃんは食べるのにも水を飲むのにも時間がかかる。顔の下に食べ物を出してもボーッとして食べ出すまでに15分くらいかかったりする。食べるときもひと口ひと口間を開けて本当にゆっくりだ。水皿の上でボーッとして、そのうち鼻先が水に浸って我に返ったり。でも、食欲は確かにある。誇り高いテンちゃんはテツやニャーと違って強制給餌は受け付けないだろうから、食べなくなったら終り。でも波はあっても今は食べている。テンちゃんは、生きようとしている(生きたいと思っている)のです。


死んだように寝るテンちゃん・・・紛らわしい!

テンちゃんの食欲を妨げているのは毒素(尿毒)だ。毒素が溜まれば気持ち悪くなって食べるどころじゃなくなる。人間のように透析ができればいいが、そうもいかない猫はとにかくオシッコをいっぱいして毒素を体外に出すしかない。そのオシッコを促し、脱水症状や尿毒の高濃度化を緩和するために輸液を行うわけです。しかしこの輸液は、それぞれの猫に適した方法(量や頻度)があるらしいことがわかってきた。


裏駐車場で久々元気出したときのスナップ

次回はこの輸液について、さらにその次はオシッコトラブルについてと、いよいよ本格化したテンちゃんの介護についてしっかり記録していくつもりです。しかしその前に今はとっても気になることが。テンちゃんとも仲良くなったテンチビが、また消息を絶ちました。今日で4日目です。果たしてテンチビはどうなるのか。それは続報にて。


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