先週木曜日の昼下り。
店長さんが困った顔をして、事務所にいた自分のところにやって来た。
SCの用務員さんに子猫保護の助太刀を頼まれたと。
が、うまくいかないらしい。
(・・いやいや、困ったぞ。保護猫は家も店もパンク状態なのに・・)
とはいえ見放すこともできず、一緒にSC内の現場に向かった。
当店のすぐ近く、通路の広まった部分に買物カートが幾重にも並んでいる。
その周辺に大勢の人が集まっていた。
必死になって子猫を追う用務員さんと有志のお客さん。
虫採り網をもったデベロッパーの次長さんと社員さん。
その周りを十数人のお客さん(見物人)が囲んでいる。
そのとき、カートの下を逃げ回るちびニャンの姿がちらっと見えた。
まだ生後2ヶ月くらいの幼猫だ。
覚悟は決まった。店長とともに、捕獲隊の先頭に紛れ込んだ。
恐怖でパニックになってるのだろう、ちびニャンはなかなか捕まらなかった。
まず、大声で叫びながら追い続ける用務員さんを黙らせた。
ニャーニャーとかミウミウとか鳴き真似をするお客さんにも黙ってもらった。
その声を聞いた別のお客さんの、こっちだあっちだとミスリードが多すぎだった。
社員さんにカートを1列づつそっと離してもらう。
最後の2列になったとき、ちびニャンが建物のガラス壁にそってダッシュ。
柱の角に差し掛かったところで、用務員さんとお客さんがキャッチした。
ビービーギャーギャー鳴き喚くちびニャン。
逃げようと用務員さんのゴム手袋の上から咬みついた。
「いった~い!」と用務員さん。しかし放すわけにはいかない。
もうひとりのお客さんが離そうとしても離れない。
何だかその光景を見て、貯水池の底から黄チビ(現在のキー)を救い出したときのことを思い出した。
(過去記事「子ニャンを救え・・・」参照)
そのうち次長さんが虫採り網でちびニャンを受け取り、一件落着したのです。
網の中で不安そうなチビちゃん
さて、それからどうする。
よくある話で、全員が顔を見合わせた。
デベロッパーとしては保健所云々ということになるのだろう。
でもそれだけはあり得ないと、お客さんの誰もが思っているようだった。
そのうちあるお客さんが、「うちで引き取ってもいいかな」と呟いた。
その言葉に、よかったとばかりデベロッパーと他のお客さんたちは散会した。
そのいきさつを見て、用務員さんとそのお客さんに声をかけたのです。
うちはすぐ隣だから、まず手当とその後の話をと。
店長が手当てをする間、自分はお客さんと話しました。
お客さんはまず電話でご主人を呼び、二人で改めて幼猫を見た。
奥様は前向き、ご主人は少しためらいも。
そのお宅には既に4匹の保護猫がいるらしい。
4匹も5匹も同じよ、と奥さん。ただ問題がひとつあった。
奥さんが夏休みの間いないというのです。
その間ご主人が猫4匹の世話をするのだが、さすがに幼猫までとなると・・。
(ご主人の心配もそれだったのかな?)
で、ひとつ提案をした。
夏休みが終わるまでわが家で預かると。
それじゃあ悪いとか言いながら、必ず引き取るとは約束できないと奥さん。
とにかく全員の連絡先を交換して散会しました。
引きがねとなった用務員さんは既に仕事に戻っていた。
結局当初の予感通り、ちびニャンは自分の手元に残りました。
で、家にいる古女房殿に電話すると、案の定ややおかんむり。
それでもケージの整備はしておくと。
てなことで、少なくとも当面はわが家の一員となったちびニャンくんでした。
その後のちびニャンは食欲旺盛、外観は問題なさそうで元気いっぱい。
既にケージにも人にも慣れて、しっかりくつろいでいます。
とりあえず女の子だとわかった。
もう少ししたら検査と健康診断です。
名前はこれまで「ちび」がやたら多いので、「コミケ」(仮称)としました。
さて、コミケくん。この後どうなるのか。
少なくとも飢えや過酷な生活に苦しむことはもうありません。
すべてのノラがコミケのように。
ただただ願うばかりです。
保護当日のコミケはまだ不安そう
今日のコミケ、だいぶくつろいでます
何だかパンダみたいな・・