今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

テツとの対話 その22・郷愁 partⅢ ~思いやりの時代~

2020年04月28日 | (故)テツ 
やあテツ、久しぶりだね
こっちの世界は大変なことになってきた
新型コロナというウィルスが蔓延して
自分の命を守ると同時に
他人の命を守る行動が求められている

テツ17才:テツは永遠の友達です

テツよ、お前がわが家に来た頃は
この小さな新興住宅街に捨て猫が繰り返された
今にして思えば森に捨てるよりはましだったのかな
何とか拾われたその子猫たちは
今と違って家の中外を自由に出入りしていた
誰々さんちの何々ちゃん
住宅街の誰もがその子たちを知っていた

のどかな田園風景
蛙の大合唱にザリガニやカブトムシ捕り
さわやかな風
開放的な家と街並み
すべてがやさしさに包まれていた
でも今は
どこのお宅にネコちゃんがいるのかすらわからない(完全室内)

住宅街から出ると広大な田んぼ(今は草原)を見渡せた
手前にあった小川は今はコンクリートのトンネルに

それでも、この街はいい方なんだろうな
お隣の住人が誰かも知らず
ひたすら干渉せず迷惑もかけず
何かされれば怒りを露にする
自分の世界を守ろうと、敷居を目一杯高くする

だからと言って、もちろん変人なんかじゃない
みんな善良な市民だ
時代が、変わったんだよな

なあテツ、お前たちがいた時代は本当によかった
今のノラたちは家からも街からも締め出され
それでも心ある人たちを頼って生きている
罵倒され、迫害され、邪魔者扱いされても必死に耐えて生きている

8年前のわが家:左からくも(13)、テツ(15)、ハナ(20)

えっ? それは未来の人間の姿?
いつしか人間は、合わない人間を同じように扱うだろうから?
コロナ騒動でわかるように、この国でも差別はもう始まっている?

テツよ、今日のお前は厳しいな
確かにそうだ
スマートホンにSNSという文明の利器
それに匿名性という麻薬が加わって
人間は本性を露呈してきた

でもな、テツよ
あの懐かしくやさしい時代を求めるのも
これまた人間の本性だ
そしていつしか人々はあの時代を取り戻すと
このオジンは信じてるのさ

テツ1才と文太3才:やさしさに包まれた懐かしい時代

コメント
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