書くことがないほど、あまりにも穏やかな日常を過ごしているテンちゃんです。
狭いけど暑すぎないよう寒すぎないよう、テンちゃんのために空調を効かした事務所で暮らしています。3mリードの使い方も覚えて、外に出たくなれば出してもらえる。移動したいときば人を呼ぶ。動きたくないときはしっかりと意思表示。スタッフ全員が気に掛けてくれるし、もちろん飲み食いの不安なんて感じたこともないだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/ef/92a23028323c67b48a40fbfb2245f3f0.jpg)
テンちゃんの周りにはお花がいっぱい
ノラ時代は食べ物探しに明け暮れていたはずのテンちゃん。今はあちこち漁る必要もなく、漁りたくても自由に動けず自分では何もできない。そんな生活ではおよそ猫っぽくない猫になるのも無理がない。お客さんにかまってもらうのが数少ない刺激。だからそのときは全身で喜びを表現します。人との付き合い方を覚えたテンちゃんの仕草がかわいいと、遠くからわざわざ会いにきてくれるお客さんも増えました。テンちゃんは、何人ものファンを持つ押しも押されぬ看板猫になったんです。
その一方で、テンちゃんが妙に無気力に見えるときがある。特に最近は食欲も落ち、外には行きたがるけどその場に座り込んで歩こうとしません。歩いてもとぼとぼと覇気がない。今年の記録的な猛暑で夏バテなのか、でも涼しくなっても元気の出ないテンちゃんです。いつも書いているように、ニャンコは不満を言いません。嫌なときは黙って去るのみ。でもテンちゃんは去ることもできず、それで厭世的になっちゃった??
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/a1/6da3cb23a3c735df137521e1673f9cec.jpg)
商品の間でも平気で寝ちゃいます
8月に紹介した耕論「動物福祉、ペットの5つの自由」の中で、養老猛さんが動物をリードで繋ぐことは虐待と同じだと警告している。もとより自分にはお泊りのできないシャッポのことで悩んでいた時期があって、それは過去記事「ノラの矜持」や「ノラの本懐」に綴られています。しかしそうして悩んでいた最中に、シャッポは突然姿を消した。
去られて初めて、保護者は何かに気付きます。自分の場合も、ショックを受けて何ヶ月もシャッポを捜し続けながらその理由を考えたけど答えはでなかった。結局、チビを亡くしシャッポを失った反省から、テンちゃんにはリードの生活を強いることになったのでした。でも、そこまでテンちゃんの自由を奪うことに大義はあるのか。
「ノラの矜持」の中で問いかけた「安心・安全」か「自由」かの選択。ノラ保護活動には必ず付きまとう命題で、このブログでも何度も論じてきました。しかしこのような価値観はまったく人間的なもので、しかも対比させてどちらかを選べというのは傲慢以外の何物でもなかった。どうして我々は両方与えることができないのか。動物福祉として考えれば、安全を提供する代償として自由を奪うことがおかしいのだ。保護当時は瀕死の状態だったテンちゃんだからリード生活に甘んじてくれたけど、これは極めて稀なケースだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/5a/91dc5fe70d137317d55931795d5a8700.jpg)
おねだりテンちゃん、疥癬の後遺症で目が完全に開きません
テンちゃんのリードは、保護者である自分にとっても重いものでした。テンちゃんが何も言わないだけに余計に重い。実際問題として家に引き取るにも、エイズキャリアで好戦的だったテンちゃんがニャーやみうとうまくいくとはとても思えなかった。でも、あれだけ好戦的だった番張りテンちゃんが、今では随分穏やかに見えるのです。
実はこれまで、テンちゃんを引き取りたいと希望するお客さんは大勢いました。しかしペット不可だったり家族に反対されたり、何よりテンちゃんのもうひとつの顔(凶暴性)を知る者としては厳しい譲渡条件を出さざるを得なかった。そのひとつが一頭飼い。結局、先まで進んだ話はありませんでした。まあ、お店で会えるからいいやと。ところがどうしても諦めきれないお客さんがいるのです。そのお宅には、若い先住ニャンコが3匹。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/f5/8541cf9026be390cdd501a7a3969190f.jpg)
ハロウィンギフトーコーナーを探検中
お店の常連さんで、とにかくテンちゃんを気に入ってくれています。そのお宅の3匹のうち1匹がやはりエイズキャリアだけど、3匹分け隔てなく暮らしているそうです。食事の共有だけは気をつけていてそれで今のところ移らないと。そのお客さんは、テンちゃんの方が年齢的にストレスを感じてしまうのではと気にしています。でも、テンちゃんにとってはリードから解放されるチャンスだ。
テンちゃんの里親探しは、わが家のように後がつかえているわけじゃないので急ぐ必要はないと思っていました。今は、そのお客さんとじっくり検討しています。その一方でテンちゃんを振り返ってみると、看板猫としての役割だけじゃなくちび太やテリーのお迎えに一役買ったり、貢献度も随分高かったんだなあと感心しきりのこの頃です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/27/34f82c2601f1fd988934d7d8868a6197.jpg)
店内を一望できる場所が大好きです
狭いけど暑すぎないよう寒すぎないよう、テンちゃんのために空調を効かした事務所で暮らしています。3mリードの使い方も覚えて、外に出たくなれば出してもらえる。移動したいときば人を呼ぶ。動きたくないときはしっかりと意思表示。スタッフ全員が気に掛けてくれるし、もちろん飲み食いの不安なんて感じたこともないだろう。
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テンちゃんの周りにはお花がいっぱい
ノラ時代は食べ物探しに明け暮れていたはずのテンちゃん。今はあちこち漁る必要もなく、漁りたくても自由に動けず自分では何もできない。そんな生活ではおよそ猫っぽくない猫になるのも無理がない。お客さんにかまってもらうのが数少ない刺激。だからそのときは全身で喜びを表現します。人との付き合い方を覚えたテンちゃんの仕草がかわいいと、遠くからわざわざ会いにきてくれるお客さんも増えました。テンちゃんは、何人ものファンを持つ押しも押されぬ看板猫になったんです。
その一方で、テンちゃんが妙に無気力に見えるときがある。特に最近は食欲も落ち、外には行きたがるけどその場に座り込んで歩こうとしません。歩いてもとぼとぼと覇気がない。今年の記録的な猛暑で夏バテなのか、でも涼しくなっても元気の出ないテンちゃんです。いつも書いているように、ニャンコは不満を言いません。嫌なときは黙って去るのみ。でもテンちゃんは去ることもできず、それで厭世的になっちゃった??
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商品の間でも平気で寝ちゃいます
8月に紹介した耕論「動物福祉、ペットの5つの自由」の中で、養老猛さんが動物をリードで繋ぐことは虐待と同じだと警告している。もとより自分にはお泊りのできないシャッポのことで悩んでいた時期があって、それは過去記事「ノラの矜持」や「ノラの本懐」に綴られています。しかしそうして悩んでいた最中に、シャッポは突然姿を消した。
去られて初めて、保護者は何かに気付きます。自分の場合も、ショックを受けて何ヶ月もシャッポを捜し続けながらその理由を考えたけど答えはでなかった。結局、チビを亡くしシャッポを失った反省から、テンちゃんにはリードの生活を強いることになったのでした。でも、そこまでテンちゃんの自由を奪うことに大義はあるのか。
「ノラの矜持」の中で問いかけた「安心・安全」か「自由」かの選択。ノラ保護活動には必ず付きまとう命題で、このブログでも何度も論じてきました。しかしこのような価値観はまったく人間的なもので、しかも対比させてどちらかを選べというのは傲慢以外の何物でもなかった。どうして我々は両方与えることができないのか。動物福祉として考えれば、安全を提供する代償として自由を奪うことがおかしいのだ。保護当時は瀕死の状態だったテンちゃんだからリード生活に甘んじてくれたけど、これは極めて稀なケースだろう。
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おねだりテンちゃん、疥癬の後遺症で目が完全に開きません
テンちゃんのリードは、保護者である自分にとっても重いものでした。テンちゃんが何も言わないだけに余計に重い。実際問題として家に引き取るにも、エイズキャリアで好戦的だったテンちゃんがニャーやみうとうまくいくとはとても思えなかった。でも、あれだけ好戦的だった番張りテンちゃんが、今では随分穏やかに見えるのです。
実はこれまで、テンちゃんを引き取りたいと希望するお客さんは大勢いました。しかしペット不可だったり家族に反対されたり、何よりテンちゃんのもうひとつの顔(凶暴性)を知る者としては厳しい譲渡条件を出さざるを得なかった。そのひとつが一頭飼い。結局、先まで進んだ話はありませんでした。まあ、お店で会えるからいいやと。ところがどうしても諦めきれないお客さんがいるのです。そのお宅には、若い先住ニャンコが3匹。
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ハロウィンギフトーコーナーを探検中
お店の常連さんで、とにかくテンちゃんを気に入ってくれています。そのお宅の3匹のうち1匹がやはりエイズキャリアだけど、3匹分け隔てなく暮らしているそうです。食事の共有だけは気をつけていてそれで今のところ移らないと。そのお客さんは、テンちゃんの方が年齢的にストレスを感じてしまうのではと気にしています。でも、テンちゃんにとってはリードから解放されるチャンスだ。
テンちゃんの里親探しは、わが家のように後がつかえているわけじゃないので急ぐ必要はないと思っていました。今は、そのお客さんとじっくり検討しています。その一方でテンちゃんを振り返ってみると、看板猫としての役割だけじゃなくちび太やテリーのお迎えに一役買ったり、貢献度も随分高かったんだなあと感心しきりのこの頃です。
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店内を一望できる場所が大好きです