今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

エサをやるなは殺せと同じ・第9弾 ~動物愛護って・・~

2023年06月04日 | シリーズ:エサをやるなは殺せと同じ
最近読んだ記事に、動物愛護の内容を問うものがありました。
日刊現代DIGITALが掲載したある動物病院の先生の記事です。
幼猫を安易に拾って動物病院に届ける行為が、果たして真の動物愛護かと問いかけています。その幼猫は人に捨てられた可能性もあるが、多くの場合は違うと。なぜならノラの母猫が敢えて取り残した可能性があり、自然の摂理でもともと死にゆく運命だったかもしれないと言うのです。それでもひとたび拾ったらその命に最後まで責任を持つ覚悟が必要で、乳飲み子猫が手に負えないと安易に動物病院や愛護センターに届けることは、決して動物愛護ではないとのご意見でした。

チキンとキリンは、小学生の姉妹に拾われてお店に助けを求めてきた、ひと月そこそこの幼猫だった

これはちょっと問題です。そもそも箱や袋に入れられた幼猫がぽつんとその辺にいたら、まず100%捨て猫とみて間違いない。確かに動物の世界では弱った子の”間引き”というのもあるらしい。でも自分が毎日見ている多くのノラ関連記事から判断して、大抵は食べ物不足で母乳が出ないために死んでしまったり、(悪意の)人間など外敵に襲われて逃げる途中取り残したりと、要は母猫の本意ではなかったと思われます。

もうひとつ気になること。「猫を拾ったら最後まで責任を持て」という言い方、何か似てると思いませんか? そうです、当シリーズで繰り返し指摘している、「ノラに餌をあげるなら最後まで責任を持て」のいかがわしさと同じなのです。ここではあまり語らないが、要は責任を取れないお子さんは猫を拾ってはならないと。サポートもできないので勝手に拾って病院に持ってくるな、つまり見殺しにしろということですね。

ちび太も店で見つけたときはまだ2ヶ月足らずで、ひとりでやって来たとは思えなかった

拾った猫を次々と持ち込まれたら病院も困るのはわかるし、動物愛護センターには持ち込まない方がいい(殺処分されるので)。でもだからって、自然の摂理を持ち出して捨て置けなんて如何なものか。ましてやそれが動物愛護とは。

確かに「動物愛護とは何か」を形而上学的に追及すれば奥が深くて、単純に答えが出るものではない。それは生物界で知能優れた人間が、どこまで動物の世界に踏み込むべきかという問いかけと同じだ。まったく干渉しないというのもひとつの立派な考えではあるけど、同じ地球上で暮らす限りそれは不可能なこと。ましてやノラ猫は人間が捨てたものです。無関係でいられるはずがない。「捨て置け」と言うのなら、まずその前に猫を捨てるなと言うのが筋だろう。動物愛護の精神は、自分たちの都合や思惑で語られてはならないのです。

とは言えこの病院に限らず、拾い猫の受付や保護依頼はお断りとホームページに明記した保護団体は多い。個人的には、少なくとも国や自治体から補助を受けている団体はそんなこと書けないはずだと思う。しかしそれらの団体が多頭飼育崩壊やJFE川崎の猫たち救出など尊い活動に追われていることを考えると、一般人の依頼や申し出専門に対応する団体が多くできれば、ノラたちの救済がもっと早くスムーズにいくのではないかと考える次第です。要は如何に多くの人に参加してもらい、救済の手を増やすかということではないでしょうか。

まだ記憶に新しい昨年SCで保護したコミケは当時2ヶ月ほど、親離れにはちと早い

参考資料
(クリックしてポップアップ)

◆エサをやるなは殺せと同じ:シリーズ過去記事一覧
番外編   エサをやるなは殺せと同じ「意に反したコメントをどうする」2023.4.20
第8弾   エサをやるなは殺せと同じ「偽善はもう許されない」 2023.3.14
第7弾   エサをやるなは殺せと同じ「だから言ったじゃないの」 2022.11.19
第6弾   エサをやるなは殺せと同じ「殺処分か餓死か」2022.7.13
第5弾   エサをやるなは殺せと同じ「コメント欄に見る世相」2022.2.25
第4弾   エサをやるなは殺せと同じ「言葉の真相を暴く」2021.3.31
第3弾後編 エサをやるなは殺せと同じ「→ノラたちとの共存を目指して・番外編4」2020.8.31
第3弾前編 エサをやるなは殺せと同じ「→ノラたちとの共存を目指して・番外編3」2020.6.30
第2弾      エサをやるなは殺せと同じ「理屈で勝負の巻」2018.8.23
第1弾      雑感:エサをやるなは殺せと同じ 2017.6.30

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いろいろありました ~周辺ノラたちのその後~

2023年06月02日 | その他・一見さん
ノラたちの暮らしって、本当にはかなくてせつないですね。
まさに当ブログ「猫愛」の第3話で紹介したスンスンのよう。
お店や当家周辺でも、今年は一見さんカテゴリーが忙しくなりそうです。
記事数も既に例年1年分を越え、少し多かった一昨年をも越える勢い。
タイトルの「その後」というのは、前回一見さんを書いた5月1日以降のことです。

当記事を書いてる間にも状況が変わり、2度も書き直すはめになりました。
いやはや、変化(出会いと別れ)のスピードが速くなりつつあるのかな。
5/1はシン、ミーにクロ、それに別記事(前回)で常連モドキの消息について書きました。
その後5月上旬にはシンの姿を見なくなり、下旬にはクロが忽然と姿を消した。
あの猛烈な大食漢で皆勤賞だったクロが来なくなるなんて、何かあったとしか思えなかった。

1ヶ月ほど姿を見てないシン

一方ではハルに似た柄の新猫に遭遇。
その猫ちゃんはその前に、夜遅くレジ外台から中を覗いていたと店長さんから聞いていた子。
その時も置き餌を食べるでもなく、近づいても慌てて逃げない。
脱走猫か捨てられたか、あるいはどこかで世話になってる猫ちゃんのようでした。
その猫ちゃんとはそれ以来出会ってません。
そして4日ほど前、ついに恐れていた報せが来たのです。

ハル似の新顔ちゃん、人馴れしてる?

ミケチビJr.以来4年ぶりの、周辺でのニャンコ遺体処理情報(清掃局)。
それは当ブログ始めてから2度目、モドキの記事を書いた翌日のことでした。
場所はM家バス通り向かいのマンション群敷地の向こう側。
まさに先日Mさんがモドキが場所を変えたと言った辺りで、しかも柄は白黒猫。
いやいやこれは大変なことになった。そう思いました。

その翌日のこと。店からの帰宅時に、店前からSC道路を横切る白黒猫を目撃。
それはモドキと思えたが、シッポの長さが確認できない。
悠然とSC駐車場を行くその猫を車で追ってライトで照らした。
しかしその猫はフェンス沿いの茂みの中に隠れてしまった。
その辺りをライトで照らしたまま、車を降りて名前を呼びつつ探したけど、
気配はすれど結局確認できなかった。
あれがモドキとわかれば不安を払拭できたけど、その後はモドキの確認できていません。

先日久しぶりに会ったモドキだが・・

もっともモドキでなくとも、猫ちゃんが事故死したことに変わりない。
年間30万匹というロードキル。そのひとつひとつに悲劇があることを忘れてはなりません。
いろいろあったお店周辺ですが、毎晩の置き餌2ヶ所は必ず誰かが食べています。
そうこうするうちに一昨日の夜、スタッフが久々にクロに出会った。
クロは事務所側でしか食べないので、もう1ヶ所はシンかたまにモドキの可能性が高いようだ。

大食漢健在だったクロちゃん

さて、家周辺でもちょっとした事件がありました。
先日の夜、本当に久しぶりに家裏で猫同士の唸り合いが。
自分はこの声に大変敏感です。
5年前、シロキとハリーの家裏餌場争奪戦の唸り合いが街全体の住民問題に発展した。
自分が猫保護活動を正式に宣言したきっかけとなった事件だ。
(シリーズ「ノラと家猫と・その1」前後編を参照下さい。)
唸り合いは、その時も大変ご迷惑おかけした斜め裏のBさん宅の庭でだった。

すかさず裏に回って、B家の庭にいる2匹を脅したり照らしたりしたが動かない。
1匹はキジロと確信。でもシルエットでみる限り両方ともキジロに見える。
埒が明かないので道路から回って外側から同じことをした。
凄まじい唸り声をあげているのはどうやら1匹のようだ。
ただ、キジロは普段とても静かな子なのでキジロの声かどうかがわからない。
しつこく照射しているうちに静かになった。
周辺の雨戸が開かなかったので安堵し、とりあえず家に戻った。

が、不安はすぐに現実に。今度はもっと遠くの方から唸り声が聞こえてきた。
道路を回っていくと、B家の駐車場側で2匹が対峙しているのが見えた。
1匹がブロックの上から、家基礎の奥に隠れたもう1匹を大声で威嚇していた。
どちらもそっくりでキジロに見える。
失礼して駐車場の奥に進むと、ブロック上の1匹がゆっくりと隣地側に移った。
駐車場から隣地の生垣方面に向かった偉そうな子がキジロに違いない。
何しろここはキジロの縄張りだ。


家裏では皆勤賞のキジロです

その子を道路からライトで照らしながら追いかけた。
慌てて逃げようとしないところが、やはりキジロだと思った。
と、その子が向きを変えて戻って来た。
そして自分に近づいたところで目が合ったのです。その目を見てびっくり仰天。
右目が涙でびしょびしょに濡れ、目が暗黄色でしかも黒目がなかった。
とても見えているとは思えなかった。

実はその数日前、キジロが右目を腫らしていたので抗生物質を投与したばかりでした。
その後は妻の役割で自分は見てなかったが、まさかこんなことになっていた?
しかしよく見ると、キジロにしては顔が細い。キジロは威嚇されていた方だったのです。
その子が駐車場に戻った時、キジロはもういなかった。

そこで一計。この子なら餌を差し出せば食べるかもしれない。急いで家に戻る。
そして抗生物質入りのウェットをもって駐車場に向かった時は、既にその子もいなかった。
その後しばらくして、キジロが勝手口にやってきました。
あの片目の潰れた子はその後会ってません。
でもあの時ライトで照らしたあの目が、脳裏に焼き付いて離れない。
自分こそ助けが必要なのに、気丈に他猫を威嚇していた。
幸い町内の大事にはならなかったけど、ノラの生き様のはかなさを覚えずにはいられません。


今朝のキジロ (片目の潰れた猫ちゃんの写真はありません)

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