日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

東南アジアの世界三大仏教遺跡について聞いてきました(2017.9.20)@クラブツーリズム「第6回世界遺産講座」

2019年07月06日 | 各国の世界遺産・せかけん
東南アジアの世界三大仏教遺跡について聞いてきました(2017.9.20)@クラブツーリズム「知ればもっと旅が楽しくなる 第6回世界遺産講座」


この日は世界遺産検定3級終了後でもあり 検定1級参考書を携えての参加でした 
1級受けようかどうしようか迷っていたのですが 講座のあとで「3級98点! 2級も合格圏内です」(98点で合格しました)と講師の先生にご報告した際に つるっと口がすべり 「この講座をみっちり受けてれば1級も夢じゃないかも?!」と口走ってしまいました(笑)

あれから1年9か月...いよいよ明日(2019.7.7)は 世界遺産検定1級を受けにいきます!!

   *      *      *

世界三大仏教遺跡は ミャンマーの「バカン遺跡」 カンボジアの「アンコール遺跡」 そしてインドネシアの「ボロブドゥール遺跡」です 

このうち ミャンマーのバガン遺跡は 活きた遺跡であり今も活用されているため 世界遺産にはなっていないのですって 代わりにミャンマーではピュー遺跡が世界遺産に登録されてます


1. カンボジア王国

カンボジアクメール人が86%と最多で カンボジア王国が1970年に倒れてから勃発したカンボジア内戦を経て 1993年に誕生しました

アンコール遺跡は数百あり 関東平野程の広さがあり 1992年に世界遺産に登録されました
まず アンコールワットはヒンドゥー教の寺院として12世紀に建てられ 国旗にも使われています アンコールは「街」 ワットは「寺院」を表します
スールヤヴァルマン2世の死後の墓として作った墳墓寺院でもあり 彼が帰依していたヴィシュヌ神にささげた寺院でもあります

カンボジア内戦の時に破壊の危機にさらされ 停戦翌年に登録と同時に危機遺産にもなり 日本等の修復によりリストから脱したそうです (カンボジアが親日の理由でもある)

3重の回廊があり いくつものレリーフが物語を展開していますが 中でもヒンドゥー神話をもとにした天地創造神話「乳海攪拌」が有名です (テキストにもしっかり!) これは不老不死の薬アムリタ(甘露)をめぐっての千年にもわたる綱引きの結果 海は乳海となり 神々が産まれ 不老不死の薬アムリタができたという話で 和解の象徴です
他にも 「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」等も描かれています


ちなみに インドのバラモン教を引き継いだのが ヒンドゥー教(ブラフマー/梵天 シヴァ/破壊と創造の神 ヴィシュヌ/世界救済神の三神の多神教)で 次に仏教(多神教)となってゆきます

次にアンコール・トム クメール語で「大きな町」を意味し アンコールワットより少し遅れて ジャヤヴァルマン7世によって創建されました 彼は非常に慈悲深い王であったそうで 多くの善行を成したそうです (お顔を見ても そんな感じがしますね~)

勝利の門は戦いに勝った時 死者の門は埋葬の時に使ったそうです
中央にはバイヨン寺院があり この頃には大乗仏教信仰となり 大仏像を安置してジャヤヴァルマン7世自身と合致させていたそうです
ここにある四面仏顔塔は 慈悲の象徴だそうで これは須弥山(メール山)という 古代インドの宇宙観における神々が棲む山も表しており それが仏教にも取り入れられました

アンコール遺跡群には他にも色々あり タ・プローム(梵天の古老)はガジュマルの木の根が遺跡を侵食しつつも 自然と遺跡が共存するという姿を見せてくれます

バンテアイ・スレイ
は「東洋のモナ・リザ」と呼ばれるテヴァター神をまつったヒンドゥー教寺院ですが あまりに美しく フランス人作家アンドレ・マルローが盗もうとして逮捕された事件があったとのこと


2. インドネシア共和国

クメール人が86% 世界最大のイスラム人口を抱え(イスラム教87.2%) 大半がマレー系でインドネシア語を話します

世界最大級の仏教寺院ボロブドゥールは ムンドゥッ寺院とパオン寺を一直線で結ぶ位置にあります 今のところ理由は未解明とのことですが...

 ← ボロブドゥールの仏教寺院群

内部には空間がないのが特徴で 9層の階段ピラミッドを形成しています 
これらは「仏教の三界」 つまり基壇は「欲界」 方壇は「色界」 円壇は「無色界」を表し 人は上に登るにつれ欲望の世界から悟りを目指す菩薩の修行を表現しているとのこと
第一回廊上段の「仏伝図」のレリーフは 仏陀の前半生が描かれています
上段の円壇中央には 大ストゥーパがあり 釣鐘上の小ストゥーパが3層構造で並んでいるのですが それが実は日本ピラミッドの「太陽石と環状列石の構造」に似ているとのこと

ボロブドゥールはその形状から 世界最大級のストゥーパ(仏塔)でもあります
5キロにおよび方形壇の回廊には 仏教説話にもとづいたレリーフが続き 504体ある仏像とともに インドのグプタ朝の強い影響がみられます

ちなみに インドネシアまで行かれない方は 奈良にある「頭塔」がボロブドゥールを連想させるとのことです! 立体曼荼羅のようなピラミッド方の奈良時代の塔です(要許可)


3. ミャンマー連邦共和国

ミャンマーは ビルマ族70% 南方上座部仏教徒が85% 公用語はビルマ語
 
モン族がピュー国家を作り ビルマ族パガンを築城し パガン王朝がモンゴル軍により滅亡し...といったミャンマーの歴史をざっとおさらいし 「ビルマ建国の父」アウンサン将軍についてもお話いただきました 
ミャンマーの古都バゴーには 有名な寝仏がありますが 映画「ビルマの竪琴」のモチーフにもなったそうです

世界三大仏教遺跡のひとつ「バカン遺跡」は 世界遺産ではありませんが(まだ暫定リスト) モンゴル軍の侵攻を受けるまでの250年余りに建てられた建造物があります 仏塔が多いのは 一代限りだからだそうです ← 増えるわけですね...
ミャンマーでは「八曜日」があり 日にちよりも曜日が大切なのですって! ← 行く時は自分の生まれた曜日を確認しておくといいかも??

そして ユネスコの「世界の記憶」という遺産に ミャゼディ寺院にある「ミャゼディ碑文」が登録されています 四面にビルマ語 モン語 パーリ語 ピュー語が刻まれており ピュー語解読のきっかけとなりました

2013年には クドードォ・パゴダの「世界最大の経典」729枚の石板が「世界の記憶」に登録されました 
ミャンマー唯一の世界遺産は ピュー遺跡です 城郭都市と周辺の地域に共通する出土品から かつては一大文化圏が形成されていました ← でもパガン遺跡の方が見ごたえあるかも...?

ミャンマーの世界遺産の記事(夕刊フジZakZak)は こちら


素晴らしい講座を開催してくださいましたクラブツーリズム(株)様に心よりお礼申し上げます

そとあるき とか 歴史への旅 とか 世界遺産の旅等 いろんなテーマの旅行が盛りだくさんです♪

* 追加: NHK「地球ドラマチック」(2017.9.23)でもアンコールワットが取り上げられました!  スールヤヴァルマン2世がカンボジアを統一しその霊廟として作りました 宗教だけでなく政治・経済にもアンコールワットが使われていました また灌漑システムで収穫を増やし(雨季には水位が9メートルも上がるため家もその高さだった)水田が広がっていたそうです ローマ帝国のように東南アジア一帯に領土を広げていったのです  



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