日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

巨匠たちのクレパス画展(Cray-pas art)に行ってきました(2018.8.29)@東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館

2018年08月29日 | 美術館・博物館
巨匠たちのクレパス画展(Cray-pas art)に行ってきました(2018.8.29)@東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館




この日は高円寺のピァッツァイタリアの「ナポリ・サン・セヴェーロ」のセミナーのあと クラブツーリズムの「世界遺産・日本遺産講座3」に行き 歩いてすぐそこの東郷青児記念損保ジャパン美術館で開催中の「巨匠たちのクレパス画展(Cray-pas art)」(2018.7.14~9.9)に行ってきました3連チャン!!

自由画運動」を起こした画家 山本 鼎がクレパス開発と普及にも関わり 大正・昭和の時代に日本画壇で活躍された巨匠たちから 現代の作家までの作品が展示されており だんだんと部屋を進むごとに技法が優れてきて 私は特に人物画が気に入りました♡ 
油絵かと見まごうほどの作品もあり また 油絵具のように固まりをキャンバスに直接乗せる技法でクレパスを使っている風景画もとても気に入りました

パステルの技法は色々あり 重色 混色 こする マスキング ステンシル 盛り上げ スクラッチなど... 本当に油絵のような技法もありました 
人物画でうつむき加減のすてきな女性の横顔が気に入りましたが あの影のつけかたは ひっかいて地の肌色を出したのかな?と まじまじ眺めてしまいました~

岡本太郎等の有名な画家たちも描いていたクレパス画に遭遇し クレパスの歴史を知り 自分も幼い頃使って描いていたクレパス画を思い出して とてもなつかしかった...
おばあちゃんが連れて行ってくれた近所の駄菓子屋さんで お菓子じゃなくて画用紙とクレパスをねだってたという幼い頃の私...覚えてますよ~クレパス( *´艸`) いつもお絵かきばかりしていた子どもでした!!

このクレパス(オイルパステル)大正14年に生まれ(最初は輸入し、のちに国産) 学校教材として普及して 固形の棒状の油絵具のようなものでしたが 最初は 夏用・冬用と分けたのですって 
これはクレパスが夏には高温で柔らかくなるためなのですが返品が相次ぎ ようやく年間通して使えるクレパスが開発されたという話を知りました 当時の苦労がしのばれました

それまでは 小学校の図画の時間では色鉛筆を使っており よく芯が折れるので先生が鉛筆削りのため忙しくて指導ができない等の難点があり クレヨンが開発されましたが 硬くて線を描くくらいで やがてクレヨンとパステルの良さを兼ね備えたクレパスが創られたのですね 

画家たちも下絵の時にクレパスを使い 水もはじくので 水彩とのコラボレーションもできて面白く 様々な使い方ができたのですね

そのクレパスはサクラクレパスの商標名だったため かの「神田川」の歌詞にも使われているのですが 「クレパスをクレヨンに変えたら紅白に」という申し出を断ったというエピソードがあったそうで その手紙も展示されてました ← 「神田川」は中学生の時に大好きだった曲でした~

美術館のフォト・スポット

そして なんと700色のグラデーション豊かなクレパスセットや 地方限定のクレパス等も展示されており ミュージアムショップにもクレパス等が売っていて...しばし思い出にひたってしまいました 絵を描いていたあの頃の私...

そう 最後に画材を買ったのは 2010年のサークル主催の「ヴェネツィアのミニマスク講座」で マスクの着色の為のアクリル絵の具セットでしたかね...
私だったら 使ったことのない 見たこともない色のクレパスを選んだかもね...しばしうっとり💛

  
巨匠たちのクレパス画展(Cray-pas art)」は こちら 9.9までです!




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「第25回いたばし国際絵本翻訳大賞」翻訳作品募集のお知らせ(2018.10.31締切)@「いたばし国際絵本翻訳大賞」事務局・いたばしボローニャ子ども絵本館 

2018年08月27日 | イタリア語検定・スピーチコンテスト
「第25回いたばし国際絵本翻訳大賞」翻訳作品募集のお知らせ(2018.10.31締切)@「いたばし国際絵本翻訳大賞」事務局・いたばしボローニャ子ども絵本館




さて今年も 国際絵本翻訳大賞の季節がやってきました!!

今年のスケジュールは以下の通り:

参加申込受付期間: 平成30年(2018年)10月31日(水)まで <先着順>
課題絵本の数に限りがあります(英語部門1,000冊、イタリア語部門300冊)
このため受付期間内であっても 定員に達し次第受付を終了することがあります

作品応募締切日: 平成30年11月30日(金)<当日消印有効>
入賞者発表:   平成31年2月下旬

詳しくは こちら

いたばしボローニャ子ども絵本館
HPで確認できます (広報いたばしにも掲載されました)
ここのFacebookのページに「いいね!」や「フォローする」をクリックしておくと最新ニュースが読めます(^.^)


早速中央図書館に 絵本読みに行ってきました:

イタリア語部門は 「Che bello!」という絵本です

森に住むイモムシが 見たこともない生き物につまみあげられ「なんてbelloなの!」と感嘆されます 
聞いたことがない言葉 belloってどういう意味?と 森で会う動物たちに片っ端から聞いてまわるというお話です

今回の課題絵本は この私でも辞書なしで文の意味がすべてつかめる 文法的にも平易なイタリア語でした♡
昔あった「水おとこのいるところ」が難解すぎて あれを越える難解なイタリア語の課題絵本にはいまだに出会っていませんね~ ^^) _旦~~
しあわせって 人(ここでは動物)それぞれなんだねって感じの かわいいお話です
主人公は今度は人間じゃなくてイモムシ そのイモムシの目から見た世界観ですね

英語の課題絵本「Hattie Helps Out」も ママが疲れて寝てしまって 一人でパーティーの準備を頑張るハティのけなげなお話でした 
こんなことってホントにあるのかも...そんなお話です 前回が難民のお話だったので ちょっとほっとするかも?


なるべく早くエントリーして手元に絵本を置き 時間をかけて訳すとよいかと思います 
訳し終えてから 何日かおいてまた読み直すと ダメな部分がくっきりとわかるのです 
なんでも寝かせるとよいのですね それには時間が必要ですね
また まわりの人(できれば子供)に読み聞かせをして反応を見るのもよいですね 

板橋区には このいたばし国際絵本翻訳翻訳大賞の他 ボローニャ子ども絵本館やボローニャブックフェアinいたばし 
そして板橋美術館主催のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展 などがあり イタリア語やイタリア 絵本等を愛する方たちの来訪を待っております!

写真:  2018年8月4日に表彰式が行われたいたばしボローニャブックフェア会場の階段 



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イタリアの無形文化遺産/I patrimoni orali e immateriali dell'umanità (Italia) 8件のリスト+イタリアの新しい世界遺産20世紀の産業都市イヴレーア

2018年08月24日 | イタリア旅行・世界遺産

イタリアの無形文化遺産 /I patrimoni orali e immateriali dell'umanità (Italia) 8件のリストです(2018年7月現在)+イタリアの新しい世界遺産20世紀の産業都市イヴレーア 



サークル主催の「第2回世界遺産入門講座」で イタリア政府観光局より贈っていただいた「イタリアの世界遺産パンフレット」を配布したのですが その時にイタリアの無形文化遺産のリストも作りましたので こちらに掲載させていただきます:

2001(2008)シチリアの人形劇 Opera dei Pupi, teatro delle marionette siciliano (Sicilia)

19世紀初めにシチリアで生まれた人形劇 シチリア方言のセリフです
 
2005(2008)テノール風の歌の口承伝承:サルデーニャ牧羊文化の無形遺産としての表現
Il Canto a tenore della cultura pastorale sarda 

サルデーニャ地方の田園文化の中で生まれたテノール風の歌 
異なる声を使った男性4人のグループによる 喉音を使ったポリフォニー(多声合唱)の独特な一形式です

こちらから聞けます


2012 クレモナの伝統的なバイオリンの製作技術 Artigianato tradizionale del violino a Cremona

クレモナはヴァイオリン等の弦楽器製作の聖地で 街中に工房が点在する芸術都市です (「耳をすませば」の主人公もヴァイオリン制作で留学した街)

2013 地中海食 Dieta mediterranea (イタリア、キプロス、クロアチア、スペイン、ギリシャ、モロッコ、ポルトガル)

イタリア料理 スペイン料理 ギリシア料理など地中海沿岸諸国の伝統的な料理のことで 記憶力や健康に対する良好な研究結果が繰り返し報告されています 

2013 肩で担われる巨大な構造物の祭礼 Celebrazione delle grandi strutture processionali a spalla: un'associazione, nata nel 2006, che include quattro feste religiose cattoliche italiane (la Macchina* di Santa Rosa di Viterbo, la Festa dei Gigli di Nola, la Varia di Palmi e la Faradda di li candareri di Sassari).

2006に生まれた組織で 4つのイタリアのカトリックの宗教的な祭りを含む (ヴィテルボのサンタ・ローザのマキナ*、ノーラのジーリの祭り、パルミのヴァリア、サッサリのキャンドルのファラッダ**)
* 凱旋の天蓋(baldacchino trionfale) ** 燭台の降臨 (聖母の被昇天の8/15の前日に行われる サッサリの宗教的な祭り)

2014 パンテッレリーア村における伝統的農事「ヴィーテ・アド・アルベレッロ」(仕立てられたブドウの株)Pratica agricola tradizionale di coltivare la 'vite ad alberello' della comunità di Pantelleria

ニュースは こちら ← フェニキア人が伝えたシチリアの西南にあるパンテレリーア島に伝わるブドウの仕立て方 風が強い島の気候に合っている


2016 鷹狩、生きた人類の遺産 La Falconeria: un patrimonio umano vivente (イタリア、アラブ首長国連邦、オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、カザフスタン、大韓民国、モンゴル、モロッコ、パキスタン、ポルトガル、カタール、サウジアラビア、スペイン、シリア) 

鷹などの鳥を使った狩猟の一種

2017 ナポリピッツァの職人技 Arte del pizzaiolo napoletano ← 英語ですが実演シーンが見られます

ピザ職人(pizzaiolo)たちの技 空気を混ぜ込むため空中に生地を回し投げながらピザを作る技は
ナポリで何世代にも渡って受け継がれ 歌や物語をも含めた由緒ある儀式のような姿となりました


以上 8件でした(2018年7月現在)


出典: ユネスコのサイト  Wikipedia 

イタリア政府観光局のHPからもイタリアの世界遺産が見られます (HPからパンフレットのダウンロードができます)
詳しくは こちら

ちなみに 日本の無形文化遺産 21 です

能楽  人形浄瑠璃文楽  歌舞伎(伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎)  雅楽 小千谷縮・越後上布  甑島のトシドン 奥能登のあえのこと  早池峰神楽  秋保の田植踊  チャッキラコ  大日堂舞楽  題目立   アイヌ古式舞踊  組踊  結城紬  壬生の花田植  佐陀神能  那智の田楽  和食;日本人の伝統的な食文化 「和食」のユネスコ無形文化遺産登録について(農林水産省)  和紙:日本の手漉和紙技術
(構成/石州半紙,本美濃紙,細川紙)  山・鉾・屋台行事 


リストは こちら
* 続きは こちら (2020年時点で12件)

                   *      *      *


 ← イヴレーア

2018年7月2日 バーレーンの首都マナーマで開催されていた第42回世界遺産委員会で イタリアでは54件目となる世界遺産「20世紀の産業都市イヴレーア Ivrea, industrial city of the 20th century/Ivrea città industriale del XX secolo」の登録が決まりました!!

イヴレーア
はオリベッティ社発祥の地であり オリベッティ社の施設群(complesso Olivetti/コンプレッソ・オリヴェッティ)などが残っています

ICOMOSはその顕著な普遍的価値は認めたものの 保護体制の不備などから情報照会を勧告しましたが 登録となりました

イタリアの産業遺産に「クレスピ・ダッダの企業都市」がありますが 他にもイギリスの「ニューラナーク」「ノルテア」「ダーウィン峡谷の工場群」等 同じ系統の産業関連遺産があるのですね 


一方...

「コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群 (Le Colline del Prosecco di Conegliano a Valdobbiadene)」 不登録 から 情報照会





ICOMOSは「不登録」勧告を出しました ワインの産地は7か所ほど登録されており 差別化するものはないとの判断です
不登録が出ると 普通は当事国は審議前に取り下げますが イタリアは違いました 揉めにもめて とうとう投票の結果「情報照会」(2つ上)となったのです これでまた来年に審議されるわけですね

← プロセッコは情報照会に!

ニュースは こちら


出典: Wikipedia 第42回世界遺産委員会 他

この時期は毎年忙しい~ ←世界遺産をやってる人は(笑)
これでイタリアには54件 (文化遺産49件 自然遺産5件) 世界遺産があることになりますが 来年(2019年)からは一か国につき1件(今までは2件)となるので どうなるか...?


      *      *      *


Ivrea città industriale del XX secolo 20世紀の産業都市イヴレーア

42° Comitato del Patrimonio Mondiale 第42回世界遺産委員会

Fondata nel 1908 da Camillo Olivetti 1908年にカミッロ・オリベッティによって創設された

un progetto industriale e socio-culturale del XX secolo 工業と社会文化のプロジェクト

l'azienda Olivetti produceva machine da scrivere, calcolatrici meccaniche e computer
オリベッティ社はタイプライター、電子計算機、コンピューターを生産していた

progettati dagli architetti e urbanisti 建築家や都市計画専門家たちによって計画された
edifici che riflettono le idee del Movimento Comunità *「モビメント・コミュニタ」*の考え方を反映した建物群
*= Movimento politico-culturale di ispirazione democratico-liberale e federalista sorto in Italia nel secondo dopoguerra a opera soprattutto dell’industriale 大戦後のイタリアの民主主義・自由主義そして連邦主義にインスピレーションを得たとりわけ工業作品の政治・文化的な動き (tre-cani)

un significativo esempio delle teorie dello sviluppo urbano e dell’architettura del XX secolo
都市開発と20世紀建築の理論の意味のある事例




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イタリアンシェフが全国から集まるイタリアンパーティー「イタリア料理の日 2018」今年はあのcobaさんが出演!!(2018.9.9)@日本イタリア料理協会

2018年08月21日 | イタリア料理・イタリアン食材
イタリアンシェフが全国から集まるイタリアンパーティー「イタリア料理の日 2018」今年はあのcobaさんが出演!!(2018.9.9)@日本イタリア料理協会



「イタリア料理の日」に あの「coba」さんがやってくる!! あのすっごい迫力のアコーディオンの演奏は忘れられません
日本イタリア料理協会も設立30周年を迎えたられとのこと 本当におめでとうございます!!

ということで9月9日(日)に開催される 「イタリア料理の日」 夜の部はまだ空きがあるそうです:

毎年9月17日に制定した「イタリア料理の日」を記念して、今年は9月9日(日)に「イタリア料理の日2018」のイベントを開催いたします 
全国からおよそ50名ほどのシェフが集まるイタリアンパーティー!

今年はイタリア料理協会設立30周年ということで イベント内のコンサートに 世紀のアコーディオニスト・作曲家「coba」さんが出演されます!
他にも当協会会長「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」落合シェフライブキッチン さらには高級ワインやチーズなど豪華景品が当たる「イタリア料理抽選会」
さらにはソムリエ選りすぐりのイタリアワインとイタリアンシェフによるイタリアンビュッフェ

イタリアを丸ごと感じていただけるパーティーです ぜひ皆さまのご参加をお待ちしております

【イタリア料理の日2018開催概要】

日時 2018年9月9日(日) <第1部>12:30~15:00 <第2部>17:00~19:30
場所 日本外国特派員協会 ダイニングルーム (東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館20F)
主催 日本イタリア料理協会
定員 150名(第1部、第2部ともに)
参加費: ¥10,000(小学生以下は無料)


詳しくは こちら

第2部はまだお申込可能ですので ホームページ上の参加申込書(PDFファイル)をダウンロードしてご記入いただき
FAXもしくはメールでお申込みくださいとのこと

情報をいただきました日本イタリア料理協会様に心よりお礼申し上げます


* お蔭様で満席となりました(8/28) ありがとうございました!!


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「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」の開催リポート 後半(2018.7.22&8.5)@サークル日伊文化交流会

2018年08月17日 | 活動の報告

「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」の開催リポート 後半(2018.7.22&8.5)@サークル日伊文化交流会



当サークル主催の「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」を2018年7月22日(日) 8月5日(日)に 板橋区立グリーンホールで開催しました(19名, 23名)

さて 前半に引き続き 休憩を挟んで後半です


9. パレルモ(シチリア)


文明の十字路シチリアの 他民族に次々と支配された歴史をご紹介いただき その過程で キリスト教文化とアラブ(イスラム教)の文化が接触・融合した地として世界遺産に登録された パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂、モンレアーレ大聖堂/Palermo arabo-normanna e le cattedrali di Cefalù e Monreale(9件シチリア州/2015年)をご紹介いただきました

← パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂、モンレアーレ大聖堂

アラブ人が支配していたパレルモに首都をおいたノルマン人は今までのアラブ・イスラム人を排斥せずに 彼らの技術や知識を大いに採り入れ、シチリア王国の首都としての町づくりを推進しました
このことによるアラブ(イスラム教)の文化とキリスト教世界の文化の融合が見られる場所であることが、世界遺産になった理由でもあるとのこと
つまり、異民族、異教徒が排除し合うことがなく、仲良く生活できることを証明している場所として世界遺産に登録されたと考えられます 

  ← パレルモの9件と作った王の名前

  ← ヨーロッパ・イスラム・ビザンチンの文化が交流・融合した

パレルモ他の9件については こちら

さて キリストのモザイク天井画のあるノルマン王宮(Palazzo dei Normanni)パラティーナ礼拝堂(Cappella Palatina)ですが 今は州議会場として使われており 講師の先生が行った時は入れなかったそうです 
金の地の キリストの天井画のモザイクはすごいですね!!

  ← ノルマン王宮とパラティーナ礼拝堂
 

パレルモ大聖堂
(Cattedrale di Parelmo)は4世紀に建てられ 7世紀にヴァンダル人が再建し 9世紀にはアラブ人が入りモスクとなり 11世紀にノルマン人が教会(カテドラル)として 1169年の大地震からも再建されました
ちなみにここには フェデリコ2世の石棺(sarcofago)があるそうです

  ← フェデリコ2世の遺骨

また 「旅行先では 高い塔等には上るとよい!! 街の全景が見られるから!!」との講師の体験に基づくアドバイスでした!(^^)!


ルッジェーロ2世
の建てた サン・ジョヴァンニ・ディ・エレミティ教会  Chiesa di S. Giovanni degli eremitiのアラブ風の赤い屋根が独特で モスクだったのですが今は教会とのこと

  ← サン・ジョヴァンニ・ディ・エレミティ教会
 
サンタ・マリア・デッラミラリオ教会/Santa Maria dell'Ammiraglio(マルトラーナ教会/Chiesa della Martorana) こちらは ルッジェーロ2世の海軍大将アンティオキアが建てた教会で やはり立派なキリストのモザイクがありますね💛 


アンミラリオ橋
(Ponte dell'Ammiraglio)も世界遺産で講師の 先生は足を運ばれたそうでスゴイです... ただ町はずれに放置された状態にあり、保存環境はよくないそうです

  ← アンミラリオ橋 

チェファルーの大聖堂
/Duomo di Cefalù これは ルッジェーロ2世が嵐の海で助かったことを聖母に感謝するために 1131年に建設が始まりました
(ちなみにチェファルーは「ニューシネマパラダイス」の海辺のシーンの撮影場所で 海のリゾート地です!)
アラブ風では2本の鐘楼 北イタリアでは1本の鐘楼が建つとのことで ここは2本ですね

  ← チェファルーの大聖堂 ここにもキリストのモザイクが💛

そして同じくパレルモの サン・カタルド教会(Chiesa di San Cataldo) ここにも赤いクーポラがあり ノルマン風の特徴を表しています 
サン・カタルド教会の中は未完成のため何もありませんが 天井のつくりなどは建築が好きな人には必見かも知れません

  ← サン・カタルド教会

モンレアーレ大聖堂(Duomo di Monreale) は 1172~6年にグリエルモ2世により建てられた パレルモ第2の司教座大聖堂ですね

 ← モンレア―レ大聖堂にもキリストのモザイクが💛  

ちなみにトルコのアヤソフィアにもあるそうです キリストのモザイク💛 

パレルモに行ってモンレアーレを見ないのは 騾馬の旅のごとし」と言われるそうです チェファルーもモンレア―レもパレルモから少し離れてはいますが...ぜひ!!


      *        *       *

10. フェデリコ2世


さていよいよフェデリコ2世/FedericoⅡ(フリードリヒ2世)についてです!!

  ← フェデリコ2世


1189年
 シチリア王グリエルモ2世が後継者のないまま亡くなり 後継者争いとなり 初代シチリア王ルッジェーロ2世の娘コスタンツァが 1186年にハインリヒ6世(神聖ローマ帝国)に嫁ぎます 
このハインリヒ6世は バルバロッサ(赤髭王)と言われたフリードリヒ1世 (神聖ローマ皇帝)の息子ですね

レッチェ伯タンクレーディが名乗り出て後継者争いでもめますが 
1194年に 夫であるホーエンシュタウフェン朝の神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世が シチリア王王位を継承します

このハインリヒ6世の戴冠式(1194年12月25日)の翌日 ドイツからの移動中の妻コンスタンツェがイェージの町で産んだのが かのフェデリコ2世(フリードリヒ2世)なのです ← 戴冠式の翌日に生まれたので 生まれながらにして押しも押されぬ王ですね!

1197年 父ハインリヒ6世が亡くなり 翌1198年に彼はわずか4才でシチリア王に即位しますが この年に摂政を務めていた母コンスタンツェがほどなく亡くなり 孤児となった彼はイノケンティウス教皇の後見を受けることになります 

彼は広い学識(6か国語を話す) 合理性 科学的好奇心から「世界の驚異」と呼ばれ のちに「王座の最初の近代人」と評価されました 

シチリア王 ドイツ王 神聖ローマ帝国王 エルサレム王です

ドイツとイタリアが一人の王の支配下に入るため 皇帝権と教皇権の間のバランスが大きく皇帝側に傾き 北と南から挟まれてしまう教皇領と北イタリア自治諸市はたまったものではありません

1215年にフリードリヒ2世として アーヘン大聖堂で神聖ローマ帝国皇帝の座に就き
十字軍の遠征に赴くことを条件として 1220年にローマ法王により戴冠されました

彼は 「皇帝のものは皇帝に 神のものは神に」と考えていました 
教皇は宗教を 皇帝は政治や世俗のことを司どるべき との考えでした  

フェデリコ2世はイタリア半島の民族的統一 ローマ帝国のような中央集権国家を目指し 教皇庁と対立したのです
そして無血十字軍により また スルタンアル・カミールと対話して講和を結んだこと等により 教皇によって3度も破門されてしまうのですね 

  ← 無血十字軍
 
息子ハインリヒの死(父と対立し 王位と継承権を剥奪され盲目にされ幽閉 最後は自殺/1242年)を経て  教皇との抗争に明け暮れます 
北イタリアでの教皇派(ロンバルディア同盟)との戦争にも勝利しました(1238年まで) 
(ちなみに 「ロミオとジュリエット」は この教皇派と皇帝派に分かれて熾烈な争いが繰り広げられたヴェローナが舞台でしたね!)

  ← イタリア半島における勢力分布の変化

彼は ヨーロッパ発の国法典(メルフィ憲章) ナポリ大学(Università degli Studi di Napoli Federico II/世界最古の国立大学の1つ) 帝国議会(イギリス議会の手本)を作り 動物学の研究をして狩猟が大好きだったそうです  薬剤師を創る医薬分業制度も作りました

1250年 鷹狩中の病で 56才で亡くなります
そして1266年 フランスのアンジュー家が南イタリアに攻め入り アンジュー家が 1268年にナポリ王国を建国します 

  ← フェデリコ2世の年表

  ← その後の南イタリア・シチリア


11. カステルデルモンテ(プーリア州)

そしていよいよ 13世紀にフェデリコ2世が作ったカステルデルモンテCastel del Monte(プーリア州/1996年登録)です 

八角形の不思議な城で フェデリコ2世の狩猟の場では?との講師の見立てです  手前から車で行くと小高い丘の上にいきなり見えるそうです 交通の便はよくないとのこと

  ← 上から見たカステルデルモンテ

     *        *       *

12. ナポリ(カンパーニャ州)とナポリピッツァ


次はいよいよナポリ歴史地区(Centro storico di Napoli(カンパーニャ州/1995年登録) 大国支配の歴史を物語る街並みです 

  ← ナポリの城の数々

また ナポリピッツァが ピッツァイオーロ(il pizzaiolo)の技として 2017.12.7に無形文化遺産に登録されたお話もしていただきました 

詳しくは こちら


  ← ピッツァ・マルゲリータの起源

   *    *    *


13. ヴァル・デ・ノート(シチリア)

ヴァル・デ・ノートの後期バロック様式の都市景観群” (Città tardo barocche del Val di Noto)として登録されている 1693年1月9日のM7.4の大地震後に再建されたシチリア島南東部の8つの都市(2002年登録)について

  ← ヴァル・デ・ノートの後期バロック様式の都市景観群


← 8つの町の地図

この8つの町は 地震後に多くの人たちの支援を得て バロック(ゆがんだ真珠の意味)様式で8つの街を再建しました 

  ← カターニャ

カターニャ/Catania エトナ山が見えます 

カターニャ出身のベッリーニ(Bellini)は イタリアで有名な作曲家です

  ← ノートの花まつり
 
ノート/Noto
 ここは別の場所に新しい街を作りました 5月の花まつりが有名ですね

  ← カルタジローネ 

カルタジローネ/Caltagirone
は マジョルカ焼きの焼き物の階段 (Scalinata di S. Maria del Monte)があります ← ここで講師の先生が階段にひとり座る印象的な写真が!!

  ← ラグーサ・イブラ

そしてラグーサ・イブラ/Ragusa 

  ← モディカ

モディカ/Modica(チョコレートで有名 日没直後の美しさは格別!) シクリ/Scicli (ベネベンターノ宮殿のバロック建築とグロテスクなオブジェ)

 ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニアMilitello in Val di Catania) パラッツォーロ・アクレイデ/Palazzolo Acreideについて...



14. 2つの自然遺産(シチリア)


  ← エトナ山
 
そしてラストは 自然遺産2つ:  エトナ火山(L'Etna/2013年登録シチリア州)は 50万年前から噴火 2700年前から記録が残り 今も噴火し続けています 

エオリエ諸島( Isole Eolie /2000年登録シチリア州)は火山性の諸島で 今も活発な火山活動を行っているストロンボリ島(ストロンボリ火山)からは「ストロンボリ式噴火」の用語が ヴルカーノ島(ヴルカーノ火山)からは「ブルカノ式噴火」の用語が生まれるなど 火山学の発展に大きく影響しました

  ← エオリエ諸島

最後は 世界遺産活動の目的は 「人類共通の遺産を 国際協力による保存活動を通じて
心の中に平和の砦を築き 世界平和を築くこと!!」
で締めくくりました

  ← 平和の砦を築こう


Q&Aで出た シチリア方言については こちら シチリアを知る映画は こちら
 「カオス・シチリア物語」もノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの原作で シリチアの人々の歴史と生活を描いた映画です

シチリア料理のレストランは オステリア・コンカドーロOsteria Conca d'Oro(亀戸) シチリア屋(白山)などがあります

 ← 世界遺産クイズの景品も充実!!

受付ではイタリア政府観光局発行の2014年版イタリアの世界遺産パンフレットを配布しました 紙媒体はこれで終了とのことです 実は人数が増えたためカラーコピーの方にはグッズ等を差し上げました♡
こちらからダウンロードできます

イタリアの無形文化遺産のリストは こちら

開催のお知らせは こちら


暑い中ご参加くださいました皆様 講師の真船先生 お手伝いくださった方々 そして活動を補助してくださいました
東都生協様に 心よりお礼申し上げます

長い記事でしたが本を何冊か読んで調べまくり 暑い中頑張って書きました 最後まで読んでいただきありがとうございました<(_ _)>


参考: 「物語 イタリアの歴史 解体から統一まで」(藤沢道郎/中公新書)
中世シチリア王国」(高山博/講談社現代新書) Wikipedia等


開催のお知らせは こちら

開催速報1 7/22は こちら
開催速報2 8/5は こちら



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「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」の開催リポート 前半(2018.7.22&8.5)@サークル日伊文化交流会

2018年08月13日 | 活動の報告

「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」の開催リポート 前半(2018.7.22&8.5)@サークル日伊文化交流会



当サークル主催の「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編 - 」を2018年7月22日(日) 8月5日(日)に 板橋区立グリーンホールで開催しました(19名, 23名)

 ← 開会の挨拶

1. 今年決まった日本の世界遺産

まずはホットな話題から...

2018年7月
にバーレーンのマナーマで開催された第42回世界遺産委員会で 新たに19件が登録され(文化遺産13 自然遺産3 複合遺産3) 現在 1,092件が登録されています 
ちなみに世界第1位はイタリア 54件 第2位は中国 53件 日本は22件で 12位です

世界遺産の数が増えすぎると言われる中 登録することが目的ではなく 登録後の保存が問題であるとのお話をいただきました 来年からは一ヶ国につき1カ所となるそうです 
世界遺産の理念 経緯 国立公園を作ったアメリカ(自然遺産の発端)についてなど...

今年新たに日本の世界遺産となった「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(文化遺産)について

日本におけるキリスト教の伝来後250年もの禁教期における潜伏信仰と復活は 世界宗教史上類例のない歴史を物語る資産として登録されましたが 2度目のチャレンジで 推薦後4年かかったこと 外海(そとめ)や五島列島の 教会群から潜伏キリシタン集落へと対象を変えての登録でした 


ちなみに「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(自然遺産)は 登録延期を受けて日本は申請を事前に取り下げました なので今年は1件です

  ← 長崎の紹介


2. 今年決まったイタリアの世界遺産

次は イタリアの新しい世界遺産について:

イタリアの54番目の世界遺産「20世紀の産業都市イヴレーア Ivrea, industrial city of the 20th century/Ivrea città industriale del XX secolo」の登録が決まりました!!

イヴレーアはオリベッティ社発祥の地であり オリベッティ社の施設群(complesso Olivetti/コンプレッソ・オリヴェッティ)などが残っています ← でも実は2月の「オレンジ祭りBattaglia delle arance)」の方が有名かも?

ICOMOSはその顕著な普遍的価値は認めたものの 保護体制の不備などから情報照会を勧告しましたが 無事登録となりました
イタリアの産業関連遺産に「クレスピ・ダッダの企業都市」(より人間的な労働環境の実現を目指した紡績工場の町)がありますが 他にもイギリスの「ニューラナーク」「ソルテア」「ダーウィン峡谷の工場群」等 同じ系統の産業関連遺産があるのですね 

実は 今年一番もめたのはイタリアのもうひとつの物件とのことで 不登録勧告から情報照会になった「コネリアーノとヴァルドッビアーデネのプロセッコ栽培丘陵群(Le Colline del Prosecco di Conegliano a Valdobbiadene)」について ご紹介いただきました ← ここの人たちはシャンパンではなくプロセッコを飲みます♡ 


ICOMOSは 特に他のブドウ畑を差別化できる物件ではないとして「不登録」勧告を出しましたが イタリアが異議を主張し もめにもめて とうとう投票の結果「情報照会」とし 来年の再度審議することとなったのです
世界遺産委員会で「不登録」の審議結果が出ると 二度と申請できなくなってしまうので 普通当事国は 日本のように審議前に取り下げますが イタリアはがんばりました

因みに ワイン畑は7か所が登録されています 

  ← プロセッコは情報照会に!


     *     *     *

3. シチリアの歴史について

さていよいよ7つの世界遺産があるシチリアに入ります!! 食べ物のことから入りました

  ← シチリアの料理

  ← シチリアの7つの世界遺産


まずは地中海文明の交差路であるシチリアの歴史から...

2億年前に海底から隆起してできた島であり 60万年前にエトナ山が海底から噴き出し
二万年前に人類が住み始め 西にエミリ族 中部にシカニ族 東部にシクリ族が住み シケリア(古典ギリシャ語)がシチリアとなったこと 国旗のトリナクリア(Trinacria)(三つの角の意味)のことなど 

  ← シチリアの国旗トリナクリア

旅行に行く前には色々調べて 世界遺産も見逃すことのないように!とのアドバイスをいただきました♪ 
特に文化遺産の選ばれた理由や背景 建築様式 歴史などを知ってから行くと 旅行がより有意義になります♡

地中海の中心に位置するシチリアには さまざまな文明や民族が交差しました: フェニキア ギリシャ ローマ支配(ポエニ戦争はシチリアが原因でした) ゲルマン民族 ビザンティン帝国 アラブ人の支配

そして1130年にノルマン人によるシチリア王国が誕生し(ルッジェーロ2世) 1194年ドイツ王国のホーエンシュタウフェン朝がシチリア王国を継承し(神聖ローマ帝国ハインリヒ6世、フリードリヒ2世)  1268年ナポリ王国を建国(フランス王国: ルイ9世の弟シャルル・ダンジュー) そして 1282年アラゴン王国が支配し アラゴン王フェルナンド2世がナポリ王国を征服して ナポリとシチリアを再統一します

1734年にハプスブルク家が両シチリア王国を支配し 1860年にガリバルディによりイタリア半島が統一され イタリア王国が誕生しました(1861年) 
このように支配者がころころと変わったことを背景に 実はマフィアが生まれたということも伺いました (シチリアの晩鐘/Vepres Siciliennes)

 ← 講師の先生がシチリアで買ってくださったマグネット(その街の問題が出されました!)


4. アグリジェント(シチリア)

次は 「アグリジェントの遺跡地域/Valle dei Templi - Area archeologica di Agrigento -」(1997年登録/シチリア州)です

  ← アグリジェントの遺跡地域

8a.C.にギリシャ人がシチリアに入り 580a.C.頃に 古代ギリシアの植民都市アクラガスという名前のアグリジェントに ドーリア式のギリシャ神殿を建てたのですね 中でもコンコルディア(和解の意味)神殿は保存状態がよく 「神殿の谷」が残っています 

また他にも マルサラ モツィア セリヌンテ セジェスタ (Tindari)ティンダリ(Tindari) カターニャ シラクサ メッシーナなどの街にも ギリシャ時代の神殿 または野外劇場が残っているのですね



5. パエストゥム(カンパーニャ州)

さてそこで ギリシャ神殿といえばイタリア本土で有名なものが カンパーニャ州パエストゥムにあるのです:

  ← パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのカルトゥジオ修道院を含む チレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園

講師の先生がサレルノに行かれた時に 偶然パエストゥムを訪れた話も伺いました
この地は古代ギリシャ植民地として 古代ギリシャ文化が入ってきており 大きなギリシャ神殿(3つ)が残っており イタリア半島の先住民族であったエトルリア人の居住地との境界地であったことが窺われます


「パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのカルトゥジオ修道院を含む チレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園/
Parco nazionale del Cilento, Vallo di Diano e Alburni, con i siti archeologici di Paestum e Velia, e la Certosa di San Lorenzo - 」(1998年登録/カンパーニャ州) は こちら

詳しくは こちら
 

6. シラクサ(シチリア)

もう一つ ギリシャ人の遺跡といえば シラクサですね:

733a.C.
にギリシャ人が入植して建設した都市で 「シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡/Siracusa e la Necropoli Rupestre di Pantalica」(2005年/シチリア州)として世界遺産に登録されています

  ← シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡
 
シチリアの一番のリゾート地といえば タオルミーナ(観光地なので物価が高い) 次がシラクサとのこと
また パンターリカはシチリアの巨大なネクロポリスで 5000基もの墓があり圧巻です
ネアポリス考古学公園の中のディオニシオスの耳という洞窟の古代遺跡があります

そしてシラクサにある「アレトゥーサの泉」は 海のすぐそばに湧いている泉で 真水だそうです 
妖精アレトゥーサを 見初めた川の神アルフェイオスがしつこく言い寄るが 逃げまわるアレトゥーサを 彼女の主アルテミスが泉の姿に変えて逃げさせた というギリシャ神話があります 

  ← アレトゥーサの泉

シラクサの大聖堂(Duomo di Siracusa)はもともとギリシャ神殿だったそうで それをキリスト教の大聖堂に建て替えたのですね 

聖堂内の柱 外壁にギリシャ神殿時代の柱がそのまま利用されており ギリシャ時代の影響が見られます

カルタゴ(フェニキア人)がシチリアに入り 264a.C. ポエニ戦争が始まります 
そして西ローマ帝国が476d.C.に滅亡するまで シチリアはローマ帝国の属州となり 今度はローマの遺跡ができてくるのですね 



7. ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ(シチリア)


ローマ帝政時代の3~4世紀に 大土地所有貴族(latifondista)の別荘跡として作られたとされる ピアッツァアルメリーナの「ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ/Villa romana del Casale」(1997年/シチリア州)は足の便が悪いそうです 
なので タクシーを頼んで一日親切に案内してくれたエピソードも伺いました💛 
床のモザイクは実に美しく古代ローマ時代最高と言われます この時代に水着姿の女性がボール遊びをするモザイクがあったとは!!  異民族の侵入の歴史を知りました

  ← ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ 

     *     *     *

8. シチリアへの異民族の侵入

シチリアは文明の十字路といわれており 他民族に次々と支配された歴史の中で 様々な文明がモザイクのように残っているのですね 

ローマ帝国は東西に分裂後(395年) 100年も持たずして西ローマ帝国が滅亡し(476年) 
ゲルマン人傭兵オドアケルによって 西ローマ帝国最後の幼帝ロムルス・アウグストゥルスが退位させられます  ← この後、南イタリアへの異民族の侵入が盛んになります

このロムルスに聞き覚えありませんか? そう ローマを作った ロムルスとレムスのロムルスと同じです 
また アウグストゥルスも 帝政ローマの初代皇帝のアウグストゥスに似ていて 何かの偶然を感じますね

そしてコンスタンティヌス大帝が313年ミラノの勅令によりキリスト教を公認(392年にキリスト教はテオドシウス帝により国教となる)したことが 今日の西洋世界(キリスト教世界)の形の基礎となりました
 
  ← 440年~1130年までのイタリア半島 異民族の支配とビザンティン帝国の支配

  ← 文明の十字路 ラテン・カトリック文化(ランゴバルド王国) ギリシャ・東方正教文化 (ビザンティン帝国) アラブ・イスラム文化 (イスラム帝国)


こうしてシチリアでは 440年のゲルマン民族(ヴァンダル族や東ゴート族)による  535年の東ローマ帝国(ビザンティン帝国)による そして830年の パレルモを首都として(パレルモ陥落) アラブ人(イスラム)によるシチリア支配が始まります


そして1130年 ノルマン人であるシチリア伯ルッジェーロ2世がシチリア王となり 「ノルマン・シチリア王国/Regno di Sicilia(オートヴィル朝)」が成立します

実は同じ人のことでも 本によって呼び方が変わり少々厄介ではあります フェデリコ2世(Federico II/イタリア語読み)は フリードリヒ2世(Friedrich II/ドイツ語読み)等...ここで塩野七生の本のことが!! 彼女はドイツ語名で書いているそうですね

北欧のバイキングがフランス北部に住みついたといわれるノルマン人が イタリア半島を南下してランゴバルドの傭兵となり シチリア王国をつくるきっかけとなります (バイキングだったので体も大きく兵に向いていた) 
ノルマン人による南イタリア征服ですね

当時は教皇が皇帝の戴冠式を司どっており 教皇vs皇帝の争いがありました 

とりわけ中世のイタリア半島においては 北イタリアの都市国家 (教皇派or皇帝派)を挟んで「神聖ローマ帝国 vs. ローマ教皇庁」 という図式が背景にあったので、教皇庁の南に位置するシチリア王国を味方にすることが教皇庁にとっては不可欠のことでした(下の写真参照)

 ← 中世のイタリア半島の勢力分布 

西ローマ帝国崩壊後 ルネサンス時代までの間は 「西欧の暗黒時代」と言われていますが 
この間にもスペインルート(レコンキスタ後) シチリアルート(異文化の接触・交流) 
北イタリアルート(ヴェネツィア商人など)による アラビア語圏やギリシャ語圏からラテン語圏への文化の移入がありました

最近 この時代は「12世紀ルネサンス(Rinascimento del XII secolo)」と言われています
つまり 12Cのシチリアが 西欧に ビザンチン文化・イスラム文化を輸入する窓口となっていたのです

...と このようなシチリアの歴史をご紹介いただきました
後半に続く♪


開催のお知らせは こちら

開催速報1 7/22は こちら
開催速報2 8/5は こちら



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日伊協会主催「第28回イタリア語スピーチコンテスト」参加者募集のお知らせ(2018.10.22必着)@日伊協会

2018年08月10日 | イタリア語検定・スピーチコンテスト
日伊協会主催「第28回イタリア語スピーチコンテスト」参加者募集のお知らせ(2018.10.22必着)@日伊協会


今年度28回目となります日伊協会主催の「イタリア語スピーチコンテスト」の参加者を募集します

このコンテストは イタリア語学習者の奨励を目的として開催されるものです
たくさんの皆様の応募をお待ちしております

締切日 2018年10月22日(月) 当日必着 

最終審査会および授賞式: 2018年12月8日(土)午後1時 より

東京・九段下 イタリア文化会館〔アニェッリホ-ル〕 にて行なわれます 〔 一般公開 入場無料 〕

詳しくは こちら



私は昨年 日本の世界遺産のテーマでようやく初めて本選に出場できたのですが イタリアのテーマではなかったからか入賞ならず
でも 自分の話したいテーマで本選に出られたから 悔いはありません 

当日 出場者はくじを引いてスピーチの順番が決まりますので 日伊協会のHPに出ている順ではありませんのでご注意ください
私はくじで2番目でしたので すぐに終わってよかったのですが 「行ったらもう終わっていた...」という友人たちが続出...(:_;) 

以前は 落選の通知(笑)が封筒で来ていたのですが 昨年の決勝進出通知はメールでした!(^^)!

写真は 2017年のスピーチコンテストの記念写真で 右後ろに私も映っています 一生の記念です♡



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マルタ先生の 「お料理のためのイタリア語講座」が始まります(2018.9月~)+特別講座 トリエステ、今と昔 @高円寺ピァッツァイタリア

2018年08月09日 | イタリア料理・イタリアン食材
マルタ先生の 「お料理のためのイタリア語講座」が始まります(2018.9月~)+「特別講座 トリエステ、今と昔」@高円寺ピァッツァイタリア
 


イタリア語を学びながら 興味深いレシピや 食べ物を用いた慣用句を覚えましょう
同時に伝統的な料理 レシピの起源も学べます

【開 講 日】
 2018年9月25日 (火)~隔週  13:20~14:50
     9月26日 (水)~隔週  20:00~21:30

詳しくは こちら

先日 高円寺ピァッツァイタリアのローマ歴史講座に行った時に マルタ先生からテキストを見せていただきました♡

とてもカラフルで美味しそうなテキストで 私の持っている白黒のイタリア料理用語集とは大違いです~
マルタ先生はこちらの学校のイタリア料理コースを担当されていらっしゃいますが 今度のこのレッスン(料理を作るのではなく座学)で使う新しいテキストは 版の大きな美しいもので 中級~中上級レベルのようです


料理に使う用語満載です イタリア料理が好きな方はぜひ 💛 
イタリア料理のmodo di direってどんなのがあるか気になる~(笑)
さらに気になるのは レシピの起源ですね!! 食材の起源をたどると思いがけない歴史の発見がありますね
古代ローマで使われていたガルムとか トマトが発見されたことでイタリア料理がどれだけ変わったかとか

この頃は 美術や歴史やイタリア料理と カテゴリー別のビジュアルなテキストが出てきていますので 私も次々買っていますが
このレッスンは イタリアにイタリア料理を習いに行く方 イタリア語で行われるイタリア料理教室に出たい方等がぴったりかもしれません

何年か前に サークルでイタリア料理教室の講師派遣をしていた時に 通訳の方の都合がつかない時に ごくたま~に
「なんちゃって通訳」を務めましたが(笑) ← 当時はイタリア人の先生も日本語があまりできなくて...色々覚えたのが懐かしいです!!

基本的な単語は:

皮をむく    pelare, sbucciare
薄切りにする tagliare a fettine
さいの目に切る tagliare a cubetti
漬ける     bagnare
生地をのばす tirare la sfoglia
塩コショウする  salare e pepare
お湯を切る   scolare
ソテーする    soffriggere
ミキサーにかける frullare
きつね色に焼く  rosolare
~で味付けする  condire con
散らす      cospargere
弱火で煮る   cuocere a fuoco lento
うらごしする   passare, setacciare (ふるいにかける)
ラップで包む   avvolgere~ in una pellicola
煎る        tostare
練りこねる     mantecare (リゾットなど)
詰め物をする    farcire
挽く         macinare
湯煎にかける   a bagno maria
ふたをして煮込む stufare (stufoはシチュー)

これらを覚えてから行った マッシモ・ボットゥーラ氏(世界のベストレストラン第1位)のクッキングショーは 聞いててちゃんと分かりました!(^^)!
名詞よりも動詞が重要ですね 名詞はわからなくとも指させばなんとかなるけど!

このクッキングショーの記事「世界のベストレストランベスト50「The World's 50 Best Restaurants Awards 2016」で第1位を獲得した ミシュラン三ツ星レストラン「オステリア・フランチェスカーナ」のオーナーシェフ・マッシモ・ボットゥーラ氏によるサルーミ・クッキングショーを見に服部栄養専門学校に行ってきました(2017.3.21)@イタリア大使館貿易促進部」は こちら

      *      *      *

また 高円寺ピアッツアイタリアでは 「特別講座 トリエステ、今と昔 ~外国の統治下にあったトリエステ~」も開催されます

中央ヨーロッパとバルカン半島の影響を受けた今日のトリエステ。
方言や料理、建築、文化の違いを トリエステ出身のマッテオ先生と学びましょう!

セミナーは こちら(9/8,9/11)
 
この街の歴史を知りたかったので 早速申し込みました 今は イタリアの歴史を知りたいです
トリエステ自由地域が イタリアとユーゴスラビアによって分割された歴史があるのですね


今は やはりマルタ先生の「ローマ歴史講座」(月1回日曜午後)に出てローマ帝国の歴代皇帝のことを知り 
またサークルの世界遺産入門講座では フェデリコ2世(フリードリヒ2世)のことやシチリア王国の歴史を知り
(リポート書くので本読んでます~) 
またイタリアの歴史がテーマのイタリア語テキスト"Che storia!"も買ったので 落ち着いたら読みたいです!!  

ドイツ語は日本文化紹介の夏期講座(8/11,12)を取り ただいま準備中です

9/9の世界遺産検定2級が終わったらようやくひと段落 
これからは自分の好きな言葉で 好きな国の世界遺産をフォローしてゆきたいですね💛

* 写真は ローマで食べたpranzo

高円寺はバス1本で行けるので 今まで通った中で一番通いやすい♡
ピアッツアイタリアは小さい学校なのでとてもアットホームです 



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第26回ボローニャ・ブックフェアinいたばし開会式&第24回いたばし国際絵本翻訳大賞授賞式に参列してきました(2018.8.4)@成増アートギャラリー

2018年08月07日 | イタリアの本・絵本・雑誌
第26回ボローニャ・ブックフェアinいたばし開会式&第24回いたばし国際絵本翻訳大賞授賞式に参列してきました(2018.8.4)@成増アートギャラリー



栄えあるいたばし絵本翻訳大賞授賞式に 今年は私も参列させていただきました

今年の受賞者の言葉に感動いたしました 英語の受賞者の方は50代から苦手だったはずの英語を始め 
しかも昔取った杵柄でもないとのこと 
10年間毎年チャレンジを続けられて 3か所の翻訳教室に通われて研鑽を深められ とうとう今年 
最優秀賞を受賞され出版となったのです 

40代半ばからイタリア語を始めた私も 3度目のチャレンジで昨年初めてイタリア語スピーチコンテストに出られたことを思い出して 
継続は力なりと改めて感じました


9月にきじとら出版から出版される予定の絵本「The Journey ジャーニー 国境を越えて」が この会場で先行販売されるとのこと 
会場にはこの絵本の作者 フランチェスカ・サンナさんもいらっしゃいました 


次にイタリア語の最優秀賞受賞者の方は 訳し始める前に子供たちに毎日 原書を読み聞かせしてから訳し始めたとのこと 
その分自分の中でこなれて 子供たちが楽しく聞いてくれたことに感謝!!とのことでした (イタリア在住の方です)

次に審査員の先生のお話では 特に英語は今年の課題図書選びは大変で 紛争や難民という
難しいテーマでも 子供たちはきっとくみ取ってくれる力があるとの言葉 
また絵本の中にあるmeは読んでいても 兄か妹かを判断するのが実は難しく どちらとも取れるのですね 

原文はとても短く 絵の中にも重要な意味があり それをくみ取ってゆかなくてはなりません 物語の背景も
しっかりと理解していないといけません

イタリア語は子供目線の直球の「おやすみなさい トマトちゃん
という絵本(2018年7月にきじとら出版より発売開始)で 嫌いだったはずのトマトが食べられた!という女の子のお話です
例年よりもイタリア語はやさしめで 例年はチェックポイントで振り分けるのですが 今年は全体を見て選考しました

一部朗読していただきましたが 本当にシンプルで心地よい訳です 聞いていて実にしっくりくるのですね
説明する言葉を足してゆくのではなく 引き算の勝負とのこと 

毎年僅差の方もいらっしゃいますので かすりもしなかったと諦めずにチャレンジし続けていってほしい とのメッセージでした
最後に 「The Journey ジャーニー 国境を越えて」の作者フランチェスカ・サンナさんの 
英語の挨拶・日本語版の出版の感謝の言葉を聞いて 開会式は終了いたしました



フランチェスカ・サンナさんのトークイベント「絵本という わたしの旅」が開催されます
8月23日(木) 18:30~ ブックハウスカフェ/神保町 (聞き手 関口英子さん/イタリア文学翻訳家)

詳しくは こちら


絵本については 今 古代ローマの歴史講座に出ていて「マサダの砦」について先日学びましたが 子供の頃「マサダ砦」の
とても重い内容の絵本を読んだことがあって やはり幼い子供でも こういった重いテーマは背景がよくわからなくとも
くみ取る力があることは実感しております 

        *       *       *

ブックフェアは 41か国162冊がボローニャから寄贈され展示されていますが まずは自分が抄訳を担当
させていただいたドイツ語絵本2冊を確認し(笑) その他各国の新着絵本 飛び出すしかけ絵本 
写真絵本 ラガッツィ賞 翻訳大賞
のコーナーをじっくり見て回りました 
会場にはちいさな子供さんを連れた方たち 外国の方たち等も家族連れでみえており 世界の絵本を堪能されていらっしゃいました 
やはり初日は来館者が多いですね💛

ほんやさん」で期間限定ショップがオープン 
またよみきかせのおはなし会も 各国語(イタリア語8/4,8/6,、英語8/5,7,9,11、多言語8/7、日本語8/9、アラビア語8/12)で毎日開催されています (15:30~16:00)
こわいおはなし会(8/8) ブラックパネルシアター PITAPETA 8/10 (15:30~16:00 すぐそばの成増図書館にて)

第26回ボローニャブックフェアinいたばしは こちら (2018.8.4~8.12) ← 成増駅からすぐですので 汗をかく前にたどり着けます(笑)

じきに「第25回いたばし絵本翻訳大賞」のエントリーのお知らせも届くことでしょう💛



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速報2:「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編-」追加開催無事終了しました(2018.8.5)@サークル日伊文化交流会

2018年08月06日 | 活動の報告

速報2:「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編-」追加開催無事終了しました(2018.8.5)@サークル日伊文化交流会



2018年7月22日(日)に引き続き 8月5日(日)に追加開催されました 「第2回世界遺産入門講座 イタリアの世界遺産 - 南イタリア・シチリア編-」無事終了しました(23名)

やはりこの日も7/22同様の猛暑でしたが 殆どの方が参加してくださりほっといたしました

また 前回の改善点を改良して レジュメに年表(シチリアの歴史、フェデリコ2世の足跡)を追加させていただきました
照明やパワーポイントの見やすさにも注意し 休憩を入れる箇所も変えて 今回は質疑応答の時間も取れてよかったです 

 ← 開会の挨拶

 
講師の先生も この講座の準備・取材を兼ねて この5月にシチリアに1か月間いらして 殆どの写真はご自分で写されたものを使われたとのこと
また 世界遺産クイズの景品として 先生の講演録が掲載された本を数冊ご寄贈くださり 私も以前読ませていただいておりますが この講演録には第1回の「世界遺産とは何か?」という基礎の部分が収録されております

← 講師の講演録の本などの景品


終了後は会員の皆さんで打ち上げをし フリートークのメンバーの皆さんは池袋のイタリアン「イル・チンギア―レ」へと! せっかくの機会ですからね💛 

講座にご参加くださった皆様 講師の真船先生 そして活動を支援してくださいました東都生協様に 心よりお礼申し上げます 

私も今回は 追加開催が決まった時から準備等で多忙を極めておりましたが ようやく大量の荷物が部屋から消えて とつぜん部屋が広くなりました~(笑)

さて次は9/9の世界遺産検定2級です!(^^)! 


7/22の開催速報は こちら

詳しいリポートは 後日掲載させていただきますので もうしばらくお待ちください





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「江戸の骨は語る 甦った宣教師シドッチのDNA」(篠田謙一著/岩波書店)を読んで切支丹屋敷跡を散策(2018.6月) 

2018年08月02日 | イタリア関連の出版物
「江戸の骨は語る 甦った宣教師シドッチのDNA」(篠田謙一著/岩波書店)を読んで切支丹屋敷跡を散策(2018.6月)


イタリア人の宣教師シドッチ ご存知ですか? 実は鎖国時代の日本に単身乗り込んだ宣教師とのこと 
その遺骨が最近発見され DNA鑑定でシドッチだと認定されたという本「江戸の骨は語る 甦った宣教師シドッチのDNA」(篠田謙一著/岩波書店)を読みました

文京区にあった切支丹屋敷には 切支丹狩りで捕らえられた宣教師や信者たちが収容されており 生涯閉じ込められていたそうです 
その調べにあたったのが かの新井白石とのこと

シドッチの博学に舌を巻き 彼の地理文物にいたく感心を寄せた白石は 尋問をもとに「西洋紀聞」を書いたのだそうです

この遺骨がシドッチのものと判定されても 国際問題等を恐れて公開したがらず それでもこの発掘の成果が評判になり 公の展示も考えられているとのこと 
このシドッチの顔の復元図はとても威厳に満ちた表情で惹かれますね

本には 「シドッチ発見の意義」として こうありました:
DNA鑑定をして 高校教科書にも載るような歴史上の人物だとつきとめたが その意義は?
彼が実在し 荒井白石と話し 1714年に切支丹屋敷で亡くなったのも歴史上の事実であり 遺骨の発見はそれを裏付けるものだが 歴史を覆す発見というわけでもない 
それでも遺骨発見のニュースには心震わせるものがあるし また今回の発見から新たな謎(埋葬の状態から当時の状況を探る等)も生まれることとなった 


雨の中 この本を読んだ家族がこの文京区小日向界隈に散策に行き シドッチの人骨が出土した小日向一丁目東遺跡(小日向一丁目23番地、丸ノ内線茗荷谷駅から10分)を見に行きました ここは 東京都指定の史跡「切支丹屋敷跡」です 

   *     *     *

島原の乱(1637~1638)の5年後、イタリアの宣教師ペトロ・マルクエズら10人が筑前に漂着、すぐに江戸送りとなり伝馬町の牢に入れられた。
その後、宗門改役の井上政重の下屋敷内に牢や番所などを建て収容したのが 切支丹屋敷の起こりである。
寛政4年(1792)の宗門改役の廃止まで続いた。
鎖国禁教政策の下で、宣教師や信者を収容した。
宝永5年(1708)イタリアの宣教師ヨハン・シドッチが屋久島に渡来し、切支丹屋敷に入れられた。
徳川6代将軍家宣に仕えた新井白石はシドッチを尋問し、『西洋紀聞』にまとめられた。

切支丹屋敷跡(文京区HPより) 

江戸の骨は語る 甦った宣教師シドッチのDNA」は こちら
(解剖学的な記述が多い本です)

* 長崎の教会群とキリスト教関連遺産が世界遺産になった年に こうした発見があるのも何かの縁ですね...
 

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コメント (2)
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