日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「レオ・レオ―ニと仲間たち」展の初日に行き令孫アニー・レオーニ氏の特別講演会「レオ・レオーニの孫と生まれて」を聴いてきました(2024.11.9)@板橋区立美術館

2024年11月10日 | イタリアの美術館・博物館
「レオ・レオ―ニと仲間たち」展の初日に行き令孫アニー・レオーニ氏の特別講演会「レオ・レオーニの孫と生まれて」を聴いてきました(2024.11.9)@板橋区立美術館



板橋区立美術館では3度目の開催となるレオ・レオニ展 初日に行って令孫アニー・レオーニ(Annie Lionni)の講演を聴いてきました 満席😲

Sono andata alla mostra di "Leo Lionni and his Circle of Friends"  al museo di Itabashi, in cui ho partecipato allo discorso di sua nipote Annie Lionni.

 アニー氏の講演会の席 レオの本がたくさん

 

ニューヨークの令孫の拠点の中に所蔵されているたくさんの資料を探し集めて今回の展覧会が実現したエピソード アニーさんのレオ・レオ―ニと妻のノーラ アニー氏にとっての祖父母と過ごした幼い日々の思い出の数々 特に決して見つからない完璧な丸い小石をレオはいつも海岸で探していたことなどを伺いました
どうして祖父の残した作品の数々を扱う仕事をするようになったのか いちばん最初はレオ宛のファンレターに孫として返信を書くことから始まったこと 

そしてまた今回初めて分かったのは 1958年ブリュッセル万博でのアメリカのパビリオン「未完成の仕事」で展示された 様々な肌の色の子どもたちが輪になって踊っている写真の展示が 圧力により3週間で閉鎖されてしまったこと 

そして今回その写真が その約1年後に出版された絵本のデビュー作「あおくんときいろちゃん」に出てくるgirotondo(手をつないで輪になって踊る)の絵と重なっているという指摘 それは今回の展覧会 また今回出版された展覧会のカタログにも詳しく掲載されています

この絵本が生まれたエピソード レオが孫たちを泣きやませようと とっさに雑誌の青と黄色の紙をちぎってストーリーを生み出した そのエピソードはアニー氏にとっても大切な思い出です

 令孫のアニー・レオーニ氏

レオには友人が多く いつも家に集ってパーティーをしては語り合っていた その彼らが今もアニーさんの仕事を支えてくださっている そのことからも今回の展覧会は「レオ・レオ―ニと仲間たち」と名付けられたのだとのこと...

2023年11月~2024年5月に アメリカのノーマンロックウェル美術館(Norman Rockwell museum)The Art and Design of Leo Lionniという展覧会が開かれたこと 

そしてこれからはレオの巡回展を とりわけレオの手がけたグラフィックと絵本の 双方の領域を互いに認め合えるようなものをやりたいとおっしゃってくださいました

   *    *    *

展示では 幼い頃にプレゼントしてもらった黒いテーブルは どんなものでも映えるからと選んだのだが それが晩年のモチーフとなったこと エリック・カールに絵本を描くことをすすめたのがレオだったこと 1938年にイタリアで人種法が発布されてアメリカに移住したこと ミラノ時代にマリネッティが一時期レオを未来派に認定したこと

49才で「あおくんときいろちゃん」で絵本作家としてデビューしてからは 年1冊のペースで27冊描いたこと ねずみのフレデリックはレオ自身でもあり 想像・表現の力 アーティストの社会的な役割を描いたことを知りました そしてその後に聞いた講演では あらゆる絵本のキャラクターたちはレオの分身でもあったとも伺いました 


  孫のプレゼントに買いました💕


この展覧会の最後のスペースでは レオ・レオ―ニの絵本がすべて自由に読めます📚 私も座ってゆっくり読んできました
初日とあって賑わっており 売店も行列でした😲 

レオ・レオ―ニと仲間たち」の展覧会は こちら 2024年11月9日(土曜日)~2025年1月13日(月曜日・祝日) 

講演会は こちら

追記:   展覧会「レオ・レオーニの絵本づくり」展(仮称)が 2025年7月5日(土)から8月27日(水)まで 東京・渋谷のヒカリエホールにて開催されます 
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「レオ・レオーニと仲間たち/Leo Lionni and his Circle of Friends」展が開催されます(2024.11.9)〜2025.1.13)@板橋区立美術館

2024年10月23日 | イタリアの美術館・博物館
「レオ・レオーニと仲間たち/Leo Lionni and his Circle of Friends」展が開催されます(2024.11.9)〜2025.1.13)@板橋区立美術館
 
1996年 2020年に続き 日本で3回目のレオ・レオーニ展が 板橋区立美術館で開催されます:

会期:  2024.11.9(土)〜2025.1.13(月/祝) 
休館日:  月曜日、12月29日~1月3日 (但し、1月13日(月曜日・祝日)は開館)

小さなさかなのお話『スイミー』、青と黄の抽象的な形がストーリーを織りなす物語『あおくんときいろちゃん』。 
これらは、刊行から60年以上たってなお愛され続けるレオ・レオーニ (Leo Lionni 1910-1999) の絵本です。

レオーニは、20世紀のイタリアやアメリカにおいて、絵画、デザイン、絵本など多彩な分野で活躍しました。
この展覧会は、レオーニの生涯にわたる制作活動と、影響関係にあったアーティストたちを併せて紹介するものです。

1910年にオランダで生まれ、幼少期から豊かなヨーロッパ文化を享受して成長したレオーニは、青年期にはイタリアで
ブルーノ・ムナーリ(Bruno Munari 1907-1998)をはじめとする多くのアーティストや文化人と交流し、影響を与え合いました。
1939年にアメリカへと渡り、アートディレクターとして活躍する一方、絵画の制作にも打ち込みます。

後半生はイタリアとアメリカを往来しながら画家、彫刻家、そして絵本作家として多数の作品を生みだしました。

板橋区立美術館はレオーニ氏本人の協力により  1996年に日本初のレオ・レオーニ展を開催しました。
氏の逝去後はご遺族との交流は続き、それが2020年に開催した「だれも知らないレオ・レオーニ展」での多数の初公開作品の紹介に繋がりました。
また、後に約70点もの作品をご寄贈いただいたとのこと。

板橋区立美術館にとって3度目のレオ・レオーニ展となる本展では、これまでの交流の積み重ねや 長年にわたる調査研究を通して明らかになったレオーニの活動の全貌を、20世紀の文化史の大きな流れの中から検証します。 

関連イベントは こちら

「レオ・レオーニと仲間たち/Leo Lionni and his Circle of Friends」の展覧会は こちら


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Giovanni Piliarvu 写真展『INTERMEZZO-世界が静まる時-』 の初日に行ってきました(2024.10.16~24)@ CO-CO PHOTO SALON

2024年10月15日 | イタリアの美術館・博物館
Giovanni Piliarvu 写真展『INTERMEZZO-世界が静まる時-』 の初日に行ってきました(2024.10.16~24)@ CO-CO PHOTO SALON

今日の午後はOAG東京ドイツ文化センターの図書室に本を6冊返却に行きました 重かった~📚 これでようやくドイツ・イタリアの絵本の読み聞かせのための図書館通いが無事終わり あとはスペインのインスティテュートセルバンテス東京のみとなりました😊 ←来年借りに行きます📚

その足で銀座のCO-CO Photo Salonで開催されているGiovanni Piliarvu氏の写真展の初日に行ってきました📷 

もう語学教師のジョヴァンニ先生というよりは 写真家 またNHKテレビでイタリア語 「しあわせ気分のイタリア語」にもサルデーニャ出身の写真家として時折出演されていますね😊 ← Giovanni氏が出ているビデオは消せないの💕 また今期はサルディーニャが舞台なのです😲

今回のGiovanni氏の写真展のテーマは 「INTERMEZZO-世界が静まる時-」 
場所よりも時間が重視される 
日が沈み 夜からやがて来る夜明けまでの 唯一無二の時間の旅 
深い闇と星々 新しい一日の始まる夜明けを 地理的な距離を越えた多様な顔を 私たちに発見させてくれます

日本国内 マヨルカ島 そしてサルデーニャ島 それぞれの場所で切り取られた夕闇 満点の星空 灯台と海と夜空 そして夜明け... 

見ているとその静謐な空気に せかせかした日常の雑事をすべて忘れて この風景に暖かく包まれているかのように感じて 涙が出てしまいそうになりました...

Giovanni氏にもお会いできて嬉しかったです💕  
友人と行くともっとゆっくりお喋りできるけど←友人が喋ってくれるので楽(笑) 今日は私ひとりだったので 作品を静かに観るだけで帰ってきました 

写真家 Giovanni Piliarvu氏の在廊予定日は こちら

写真展INTERMEZZO-世界が静まる時-(2024.10.16~10.24) は こちら 

Online gallerieは こちら
コメント (3)
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2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の初日に行きエレーナ・パゾーリさんの講演「ブックフェアと原画展」を聞きました(2024.7.2)@板橋区立美術館

2024年07月08日 | イタリアの美術館・博物館
2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展の初日に行きエレーナ・パゾーリさんの講演「ブックフェアと原画展」を聞きました(2024.7.2)@板橋区立美術館

えっもう7月! というわけで行ってきました~ ボローニャ国際絵本原画展(2024 Bologna Illustrators Exhibition)初日の エレーナ・パゾーリさんの講演会!!

ざっと展示を観た後で ボローニャブックフェア(Bologna Children's Book Fair )のディレクターで来日されたばかりのエレナ・パゾーリさんの講演を聴きました

長年必ず観に行っておりますが 作品はどれもレベルアップしており 深い世界観に触れてきました

 右がエレナ・パゾーリさん 左が森泉文美さん


エレナさんは2003年 2019年に続き3度目の来日です🛫

ボローニャブックフェア(BCBF)は 1964年に始まり 昨年(2023)60周年を迎え 2024年には 31,735人のビジター 100か国の参加等...とたいへん大きく育っています

最初はPalazzo Re Enzo(レンツォ宮殿)で開催され やがては見本市会場に移りました
版権売買というビジネスの場であるだけでなく 文化の発信の場でもあるのですね

Bologna Book Plus という新しいイニシアティブは 絵本だけでなく一般的な版権売買も扱い また2025年からはトレーニングの為のコースやセミナー等も予定しているそうです

3つのイベント:  Talking Pictures(美しいビジュアルブック), Best of the Best, Jackets off (表紙がテーマ)
Richts Centre 版権センター 2024年からは TV/Film Rights Centre さらにはComics Cornerもできたそうです コミック部門が急成長しているとのこと😲

Guest of Honour Country ゲスト国として 2024年はスロベニア 2025年はエストニア 2026年はノルウェー 2027年はニュージーランドが決まっているそうです

BCBF Visual Identity Workshop システム化された形で 1人のイラストレーターを抜擢して合宿等で一緒に作り上げる試みだそうです
2019年ロシア 2020年リトアニア 2021年フランス 2022年メキシコ 2023年は60周年ということで10年間から20名のコラージュを実現 2024年は ポルトガルとのこと

ラガッツィ賞は 2024年の特別部門はImmerse yourself 海がテーマで 展示作品には海に沈んだ屍の話がありました🐟 
無名作家の登竜門ではありますが 有名作家もエントリーできますし その人たちが入選しないことも起きるそうです😲

SM賞  35才以下に限定されています 韓国と中国にも巡回します 賞金や出版 個展等のチャンスがあります
2024年は A. アンテノ―リ “Solo una noche(ある夜に)”がSM社より刊行されました 

 SM出版賞受賞作品 Solo una noche


また イラストレーターのサバイバルコーナーが大変な人気だそうです!  7,8年前からできたそうで 5千人のイラストレーターにポートフォリオのレビューやワークショップを行い(オオノマユミさんも講師を務められました) オンライン登録は1~2分で満席になるそうです😲

Publishing Excellence  これは出版社の賞ですね 

The Braw Amazing Bookshelf  100冊の絵本をぶら下げて閲覧できる試みで  2,3年前から始まりました📖

ボローニャの街にもコンテンツを展示し 世界に発信し こうして一年中 少人数で忙しく動いていらっしゃるのですね😲

そして上海にも進出しています コロナ禍で2年間オンライン開催となり ライブ版復活のためのグランドツアーを敢行し各国のメンバーに逢いに行ったとのこと 

マルコポーロ700年にちなんだイベント ファッションと子供(上海) マンガのフェスティバル(フランス)等 そして日本でもこの10月にイタリア文化会館とのコラボにより イラストレーター展が開かれるかもしれません!? 

また デジタルサービスも充実しYou tubeもやっています デジタルバージョンで年間通して版権のやりとりを可能にしました

さらには ミラノのCatloica 大学では 児童書のマスターコースを作る予定とのこと

Building Bridges 平和を考える場所でもあり 人権憲章を扱います

2024年8月30日~9月1日に トリエステでIBBY  第39回国際児童書評議会が開かれます 

さて来年のボローニャブックフェアは 2025年3月31日~4月3日の開催予定です😊


 原画展のポスター


 いただいたブックフェアのバンフ類


2024イタリア・ボローニャ国際絵本原画展(2024.7.2~8.12)@板橋区立美術館は こちら


 


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2024ボローニャ国際絵本原画展が開催されます(2024.7.2~8.12)@板橋区立美術館

2024年06月18日 | イタリアの美術館・博物館
2024ボローニャ国際絵本原画展が開催されます(2024.7.2~8.12)@板橋区立美術館

2024 Bologna Illustrators Exhibition

会期: 2024年7月2日(火曜日)~8月12日(月曜日・振替休日)
開館時間午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)休館日
月曜日、7月16日(火曜日)
(但し7月15日(月曜日・祝日)、8月12日(月曜日・振替休日)は開館)

観覧料: 一般650円、高校・大学生450円、小・中学生200円
*土曜日は、小中高校生は無料で観覧できます
*65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)

特別展示:2023ボローニャSM出版賞 アンドレア・アンティノーリ

「ボローニャSM出版賞」は、ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアとスペインのSM財団によって2010年に設立されました。イラスト分野の新しい才能を発掘、奨励、サポートすることを目的としたもので、毎年35歳以下のボローニャ展入選者を対象に受賞者が選ばれます。受賞者には、スペインの出版社であるSM出版から絵本を出版する機会と賞金が与えられます。

本展では、2023年の受賞者であるアンドレア・アンティノーリ (Andrea Antinori. イタリア) による新作絵本「Solo una noche(ある夜に)」の原画をご紹介します。ボローニャ展から羽ばたく若手イラストレーターの活躍をぜひご覧ください。

原画展は こちら

セミナー等は こちら  他にも夏のアトリエ等色々開催されます

ボローニャ絵本さんぽは こちら

暑い時期ですが 今年も行ってきます!!


 

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デ・キリコ展(Giorgio De Chirico: Metaphysical Journey)に行ってきました(2024.5.16)@東京都美術館

2024年05月28日 | イタリアの美術館・博物館
デ・キリコ展(Giorgio De Chirico:  Metaphysical Journey)に行ってきました(2024.5.16)@東京都美術館

この日は銀座一丁目のアエミリア・アルス(Aemilia.Ars)「白糸と黒糸のおはなし」ボローニャのメルレットレースの展覧会に行き その足で「デ・キリコ展」に行き ジェラート・マンマ・ミーアでイタリアンジェラート食べてきました🍨 


    非日常への誘い 10年ぶり回顧展 

この回顧展の特徴は 評価の高い初期作品がまとめて複数展示されていることです なかなか一度には観られないとのこと

形而上絵画(メタフィジカ)を理解する手助けにと LCIセミナー イタリア文化会館セミナー等に複数参加してから行きました 90才まで生きたジョルジォ・デ・キリコの 時代ごとの作品制作の変遷がよくわかりました 

    *      *      *

行く日の朝になって 展覧会HPの山田五郎さんのビデオをようやく観て シュールレアリスムのブルトンが彼を持ち上げておきながら のちに鋭く批判したり (自分で自分の贋作を創っていると) 芸術家同士の色々な人間関係の変遷を知りました 

こういうことを知らずに純粋な眼で作品鑑賞した方がよいのか 色々な裏側を知ってから観た方がよいのか まぁ その方がよりわかるのでしょうが...  

メタフィジカ作品を沢山観たらアンバランスな感覚が沁み込んでしまい 会場を出てから無料展示されていたごく普通の絵画(一般の作品群)を鑑賞したら 思わずその普通さにホッとしたりして...(笑) 
 
      *      *      *

Section 1. 自画像・肖像画
デ・キリコは インタビューの時にはいつも劇場の衣装を着て現れたとのこと 

Section 2. 形而上絵画 
イタリア広場 中でも13.「バラ色の塔のあるイタリア広場」は 初めて売れた作品の再制作とのこと 
形而上的室内 これは面白くて 部屋の中が海になってそこに裸の人がいたり(意味がある) まるで驚異の部屋(Wunderkammer)の陳列棚のようです

16.「運命の神殿」等の遠近法が破壊された作品も 不思議な感覚にとらわれます 落っこちてしまいそうなアンバランスな感覚というか... 
また戦時下のため小さな作品しか描けなかったとのこと 

22.「ダヴィデ」の手がある形而上的室内 これはかのミケランジェロのダビデ像の手をモチーフに使っており 新形而上絵画は 過去の作品の引用や他の有名な作品の差し込みが多様されているとのこと 

23 「球体とビスケットのある形而上室内」 は いくつもの空間をひとつのキャンパスに詰め込んだような絵画です 

マヌカン 出現! これはミューズの預言者 表情の読み取れないマヌカンは前代未聞の表現として ダリなどの後進の芸術家たちに衝撃を与えました ← わかります... 
そして 古典回帰へと 

Section 3  1920年代の展開 
古典絵画への関心が再燃してゆく時期ですね 

43 「谷間の家具」は 出生地アテネでは地震が多く よく家具を家の外に出していた風景を観ていたそうです 通常と異なる空間に物を配し 違和感を与えるのが特徴なのですね 

デぺイズマン(Dépaysement )とは ここにあるはずのないものがあることというシュルレアリスムの手法の1つで 日常から切り離した意外な組み合わせを行うことによって受け手に強い衝撃を与えるものです 
 
Section 4 伝統的な絵画への回帰 - 「秩序への回帰」から「ネオ・バロックへ」
1919年に彼は ボルゲーゼ美術館のティツィアーノの作品の前で掲示を受けるのですね 油絵よりも古いテンペラ画に戻るのです

54. 「鎧とスイカ」は 過去の絵画に時間を超越する可能性 無時間性を見出したとあります  長い時を生き残ってきた古い作品の価値を見出すのでしょうか...

57. 「風景の中で水浴する女たちと赤い布」は妻がモデルとのこと その妻というのは... 1930年に結婚したライサ・カルツァとはすぐに離婚し すでにその時に知り合っていたイザベラ・ファーとフィレンツェで暮らしようやく結婚に至りますが 後者がモデルとのこと (こういうのをわかって観ると面白いかも)

彼は舞台芸術にも才能を生かし ピランデッロの「甕(かめ)」や 1924年にパリでバレエ「ニオぺの死」の衣装を担当した時のスケッチなども展示されており興味深かったです プルチネッラの衣装の習作も展示されていました

Section 5 新形而上絵画

彼は老年期に再び形而上絵画に取り組み 「新形而上絵画」の作品群を作ります

64. 「オデッセウスの帰還」が有名ですが 彼自身の長く険しい人生を重ねた作品とも言われています

69「燃えつきた太陽のある形而上的室内」 これは30年前にアポリネールの挿絵に書いたモチーフの再現ですが 月にコードがついているのが面白いですね 

紹介記事は こちら

LCIセミナーは こちら

デ・キリコ展は こちら (2024.4.27~8.29)

 


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ジョヴァンニ・ピリアルヴ(Giovanni Piliarvu)氏の写真展「消えゆく日本の守護者 / ライカと共に過ごした時間」にて先生にバッタリ! 夜はイタリア文化会館でデ・キリコの講演会へと

2024年04月25日 | イタリアの美術館・博物館
ジョヴァンニ・ピリアルヴ(Giovanni Piliarvu)氏の写真展「消えゆく日本の守護者 / ライカと共に過ごした時間」にて先生にバッタリ!
夜はイタリア文化会館でデ・キリコの講演会へと


会期ラスト近くになってようやく 銀座3丁目で行われているGiovanni先生の写真展「消えゆく日本の守護者 / ライカと共に過ごした時間」に行きました📸

今回は閲覧順が決まっているとのことで ゆっくり作品を眺めていると 数名のイタリア人とともに先生にバッタリ😲 

雨の中来てよかった~💕  

一番気に入った作品の前で写真を撮らせていただくことになり   「鶯谷にある 日本最古の居酒屋さん(taverna più vecchia in Giappone a Myogadani)」の作品の前で写しました

先生とは9年のお付き合いになります 個展にはほぼ毎回行っています📸
作品は Sicri (シチリアのシクリ)の写真を持っています🖼

 Giovanni先生と

この古い時代物の看板(targa molto vecchia)すごいですね😲 
よく田舎町の古いお店等に残っているような... 

イタリアの写真家が 知られざる日本の隅々に残っている風景や働く人々を ライカ(Leica)で写し残してゆく...

嵐山 梅田 博多 菱掘 立石 再開発によって消えゆく街々...  
日本人なのに知らなかったことを教えていただきました

今日(4/25)が会期ラストです 

会 期 2024.4.17[水]-25[木]     OPEN 11:00-18:30
    ※21[日] 定休日 / 最終日は17時まで
会 場 CO-CO PHOTO SALON
    東京都中央区銀座3-11-14 ルート銀座ビル 4F
展示作品はオンラインからもお楽しみいただけます。


    *     *     *

夜はこのあと イタリア文化会館で開催された講演会「『永劫回帰』/永遠の前衛」 (Eterno ritorno/eterna avanguardia)を聞きに行き 4/27から開かれるデ・キリコ展(mostra di Giorgio De Chirico)について 準備でご多忙な中  学術的・専門的なお話を伺いました 



対談や質疑応答もあり その中で 驚くべきことも伺いました😲 

貴重な講演会でした...

開催のお知らせは こちら


 


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『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』に行ってきました(2024.4.12)@パナソニック汐留美術館

2024年04月13日 | イタリアの美術館・博物館
『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』に行ってきました(2024.4.12)@パナソニック汐留美術館

テルマエ展』にようやく行ってきました!  
汐留と新橋の近くにあるパナソニック汐留美術館は 上野に比べて割と小さくて チケットもあまり高くないし 人も少なめでゆっくり観られて お土産も買えました💕 ずうっと観ていたかったです😊


今回は 私も訪ねたことのある「ナポリ国立考古学博物館(Museo Archeologico Nazionale di napoli)」から《恥じらいのヴィーナス》(Statue of Venus) や《アポロとニンフへの奉納浮彫》など 30点以上が来日しています! 

この博物館には50万点が所蔵され 5万点が常設展示されているそうです😲 私も行った時は半日かかりました~🖼


まずは 入場前にビデオを観ました📺

ポンペイにもテルマエ(terme/温泉)が5カ所あるとのこと  Baiaも温泉地でしたが 紀元前1世紀に古代最古の温泉が作られたそうです😲

床下暖房(ヒュポカウストゥム/hypocaustum)もあり 3メートルもあるヘラクレス像が飾られ ヴィーナスも多く描かれ クラウディウス水道から水をひいてきたり 5千ヘクタールもの森林から火を起こしたのだそうです

    *   *   *
  1.  序章 テルマエ/古代都市ローマと公共浴場

ローマ市で最初のテルマエは 初代皇帝アウグストゥスの右腕 アグリッパ*によって紀元前25年に建設されました。
 *高校の美術室に必ずといっていい程 その彫像が置いてあるアグリッパ💕

今も地上に遺構がよく残っているのは カラカラ浴場(217年)と、ローマ市で最大のディオクレティアヌス浴場(302年頃)です。
(チラシの写真は カラカラ帝です  ひげのある皇帝は少なかった) 

大規模なテルマエの運営には 水道の管理・維持に加え 大量の燃料と奴隷を必要としました。そのため古代ローマの風呂文化は、中世には消え去ってしまいました。

ギリシャ語で「熱」を意味する「テルモス」が テルマエの語源とのこと


第1章  古代ローマ都市のくらし

古代ローマ人は、古くは質実剛健を旨とし、農業こそが富の正しい源であると考えていました。しかし、地中海に勢力を拡大して圧倒的な富を手に入れると、その生活も変容していきます。

帝政初期には、ごく一部の特権階級と「大衆」の格差はかつてないほどに広がりました。皇帝たちは大衆の不満を解消すべく、食糧の施与や、剣闘士試合、演劇を含む見世物など娯楽の提供という施策をおこないました。
テルマエも大衆からの人気獲得に大いに役立ちました。庶民たちのくらしは特別な日の見世物と、毎日の仕事の後のテルマエによって彩られていました。

古代ローマの市民たちは 水道や台所もなく 居酒屋に食べに行ったりしていました 最近発掘されていますね😊


第2章 古代ローマの浴場

公共浴場のルーツには、自然の温泉のほかに、古代ギリシャの運動施設の水風呂や、医神の神域の入浴施設がありました。
ですがそれを大衆の娯楽のために、驚くほどの規模へと発展させたのは古代ローマ人でした。
ギリシャでは若者たちは肌に油を塗り、全裸で運動したため、運動後にはストリギリス(肌かき器)で汚れを落とし、水で身体を洗う必要がありました。
ギリシャでは女性の入浴の場は自宅に限られていましたが、ローマでは女性もテルマエに通うことができました。
水や湯をふんだんに使用するテルマエは、水道をはじめとする高い建築・土木技術に支えられていました。

 ストリギリス(肌かき器) ← 痛そう~😢

軽く運動をしてから 冷却室(フリギダリウム/frigidarium ) 温浴室(テピダリウム/tepidarium) 熱浴室(カルダリウム/caldarium)の順に入ってゆき マッサージ等をします 
また 温泉のあとは 朗読会や図書館などもあり 階層を越えた市民交流の場でもあったのですね
混浴はなく 午前は女性 午後は男性と分けるところもあったそうです 

また 古代ギリシャのギュムナジウム(運動施設)も ルーツの一つだったそうです 
そして 医療と健康の神 ギリシャのアスクレピウス信仰が始まりました
展示では 古代ギリシャの女性たちの装いとして キトンという衣装に ヒマティオンというマントを被っていたそうです これは トーガの原型とのこと  ←これが個人蔵とは😲

エトルリア製の鏡もあり ピュクシス(pyxis)という小物入れの断片に 裸体女性の浮彫が描かれていました 
当時使われていた 水道のバルブや ライオン頭部の形をした吐水口も興味深かったです😲  


第3章 テルマエと美術

テルマエは、大衆が美術品を間近に見ることができる場でもありました。床には水に強いモザイクが敷かれ、1〜2世紀には白黒モザイク、それ以降は多彩モザイクが好まれました。
 ローマの大規模なテルマエには数多くの大理石彫刻も飾られました。皇帝や浴場の建設者の肖像のほかに、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーが、壁面のニッチや円柱の間の台座の上に並びました。
浴場のルーツのひとつであるギュムナシウム(運動施設)にちなんだアスリート像や、それを守護するヘラクレスの彫像など、浴場にふさわしい主題が選択されました。

ヴィーナスの絵や像 ヘラクレスの像もたくさんありました


第4章 日本の入浴文化

本展の最後の章では、国内に残される地方色豊かな温泉文化にも触れながら、日本のお風呂の歴史を概観します。
日本において入浴の習慣が定着したのは江戸時代、家庭内の風呂が当たり前になった現在でも、東京だけで約700軒もの公衆浴場が存在しています。温泉地へ旅することや近年のサウナブームも、日本人がお風呂好きな民族であることに起因するのでしょう。

『テルマエ・ロマエ』の主人公・ルシウスが、浴場を通して日本とローマを往復したように、古代ローマと日本のそれぞれの入浴文化を体感ください。

 日本の銭湯の模型展示

最後の章は日本です 
日本書紀には 最初の温泉の記述が残っていること 仏教による入浴の功徳 穢(けが)れ意識に起因して温泉が発達したこと そして江戸時代に入って入浴の習慣が定着し 1591年に初めての銭湯ができたことなどが 貴重で今日深い展示とともに紹介されていました

ヤマザキマリさんと青柳正規先生の対談は即満席で行かれませんでしたが 「ヴェスヴィオ火山噴火10月説」も紹介されたようです😲 ← 辞書の書き換えにもつながる大発見😲

    クリアファイルをお土産に😊


『テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本』展(2024.4.6~6.9) は こちら

みどころは こちら




 
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「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」が開催されます(2024.4.6~6.9)@パナソニック汐留美術館他各地

2024年03月16日 | イタリアの美術館・博物館
「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」が開催されます(2024.4.6~6.9)@パナソニック汐留美術館他各地


絵画・彫刻・考古遺物でたどる古代ローマと日本の“お風呂文化

2024年4月6日[土]~6月9日[日]


人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。
なかでも、その豊かなくらしと優れた建築技術を象徴するのが
テルマエ(公共浴場)です。

本展は、ナポリ国立考古学博物館所蔵の絵画、彫刻、考古資料を含む100件以上の作品や映像、模型などを通して、テルマエを中心に古代ローマの人々の生活を紹介します。

また、独自の風土のなかで育まれた日本の入浴文化もとりあげます。

古代ローマと日本のそれぞれのお風呂文化を比較し、体感することのできる機会となるでしょう。



テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」は こちら 

みどころは こちら

第4章が 「日本の入浴文化」なのですね 

汐留イタリア街・イタリア公園も近いようですね😊


 


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「デ・キリコ」展が開催されます(2024.4.27~8.29)@東京都美術館

2024年02月06日 | イタリアの美術館・博物館

「デ・キリコ」展が開催されます(2024.4.27~8.29)@東京都美術館

 

形而上絵画(la pittura metafisica)を興し 後のシュールレアリスム(Il surrealismo)に大きな影響を与えたイタリアの画家・彫刻家 ジョルジョ・デ・キリコ(1888~1978年)の展覧会が開かれます 

ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico)はギリシャ生まれ 両親はイタリア人です 19才でミュンヘンの美術アカデミーに通い 22才でフィレンツェに移り メタフィジカの最初の絵「L’énigme d‘un après-midi d’automne」(秋の午後の謎)を描きました

「メタフィジカ (Metafisica)絵画」とは 自然の現実を超えて より内面的で神秘的な「第二の現実」という意味に解されます 絵画の表現技法でもって  無意識に属している夢や幻視を描写できるというものです

みどころ:

1 デ・キリコ芸術の全体像に迫る大回顧展
2 初期の「形而上絵画」の作品も出品
3 彫刻や舞台芸術、挿絵など 幅広い創作活動を紹介

「デ・キリコ」展は こちら

   *     *     *

昨年は「永遠の都ローマ展」にちなんだセミナーが各イタリア語学校で開催されましたが 今年は形而上絵画デ・キリコですね!

LCI(吉祥寺)セミナーデ・キリコとPittura metafisicaの世界』(3/10,3/13)は こちら

日伊協会の特別セミナー20世紀初頭から今日までのイタリアの芸術 -イタリア人アーティストの世界観の推移』& イタリア語総合コース修了証授与式(2024.3.30)でも デ・キリコを取り上げるようです 

 

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イタリア文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」を受けてきました(2023.10.26)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ

2023年10月29日 | イタリアの美術館・博物館

イタリア文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」を受けてきました(2023.10.26)@吉祥寺LCIイタリアカルチャースタジオ

 
毎回参加しているLCIの文化セミナー 今回は上野で開催中の「永遠の都ローマ展に役立つ内容です! 感想を書いた方に5枚のチケットが当たるそうです😊
 
第1部はローマ誕生の神話 第2部ではローマ王政~7人の王たち 第3部では カピトリーノ美術館の創立とその偉大なる作品群についてお話してくださいました
 
 
第1部:『ローマ誕生の神話』Le origini mitologiche di Roma

セミナーは ロムルスとレムスの神話(Il mito di romolo e Remo)から始まりました

ラツィオ(Lazio)は largo(広い)を意味するラテン語 "latus"から来ており 沼地の平野でした 

ローマの7つの丘のうち パラティーノの丘にローマは作られました

さてローマ神話の起源です  叙事詩『アエネイス(Eneide)』の作者ヴェルギリウス(Virgilio/70a.C.生まれ)は ダンテの神曲にも案内人として登場する詩人  です    彼は 未完の場合はすべて焼き捨てるように希望していましたが パトロンのアウグストゥス初代ローマ皇帝は 未完のままでの出版を命じました

 

伝説の起源(Le origini della leggenda) それはトロイア戦争(circa 1250a.C.)にさかのぼります   トロイアのパリス王子がスパルタ王メネラオスの妃ヘレネーを略奪したため起きた戦争で トロイアを助けるため ギリシャ神話の登場人物で ダルダニアの王子アエネアース(Enea)が登場しました 

ここでクイズ! アエネアースの母は女神で なんとアフロディーテ(Venere)でした😲 女神と人間の子ですね

トロイの木馬でギリシャ人が勝利し アエネアースは父アンキセス(Anchise)と息子アスカニオス(Ascanio)を連れてトロイアの街から逃げ 7年も旅をしてラツィオの海岸にたどり着き ラヴィニウム(Lavinium)の街を作りました 

この名前はアエネーアスが婚約者から奪って妻としたラティーノの王の娘ラヴィニア(Lavinia)にちなんでいます

アエネーアスの息子のアスカニオス(Ascanio)がアルバロンガ(Alba Longa)の街を作り(ローマの東南) 子孫のヌミトーレ王(re Numitore)が統治していました 

ヌミトーレの弟のアムーリウス(Amulio)は兄から王位を奪い ヌミトーレの娘 レア・シルヴィア(Rhea Silvia)巫女(ヴェスターレ/vestale)になるよう強制します 処女であることを求められますが 軍神マルスが彼女と交わり 双子のロムルス(Romolo)とレムス(Remo)が生まれます👶

アムリウスの家来は双子を殺すにしのびなく 双子の籠をテヴェレ川に流し 無花果(いちじく)の樹にかかり 雌オオカミ(la lupa)が乳をやり(allattare)育てたというのが ローマ建国神話ですね

ロムルスはパラティーノの丘に レムスはアヴェンティーノの丘に街を作ろうとして争い ロムルスはレムスを倒し 紀元前753年4月21日ローマが建国されました 

驚いたことに ロムルスの壁(il muro di Romolo)とロムルスの家(casa di Romolo)が考古学者によって発見されたのだそうです😲

     

   カピトリーノの雌狼/la lupa capitolina 

 

       *     *     *

第2部:『ローマ王政~7人の王たち』I primi Re di Roma

 

続いて 王政ローマの7人の王についてです:

                      ローマの7人の王/I 7 re di Roma

 

古代ローマは 王政ローマ(il periodo monarhico/753a.C.~509a.C.)  共和制ローマ(il periodo repubblicano/509a.C.~27a.C.)  帝政ローマ(il periodo imperiale/27a.C.~476d.C.)に分かれます

この王政ローマを7人の王が治めていました👑

1.  ロムルス/Romolo(753a.C.~713a.C.)  ラテン人

2. ヌマ・ポンピリオ/Numa Pompilio(713a.C.~670a.C.)  サビーニ人

3. トウッルス・ホスティリウス/ Tullo Ostilio (670a.C.~638a.C.) ラテン人

4.  アンクス・マルキウス/Anco Marzio (638a.C.~616a.C.) サビーニ人

 

      第2のフェーズ/エトルリア人の王

5.  タルクィニウス・ブリスクス/Tarquinio Prisco (616a.C.~578a.C.)  エトルリア人

6.  セルウィウス・トゥッリウス/Servo Tullio (578a.C.~534a.C.)エトルリア人

7. ルキウス・タルクィニウス・スペルブス/Tarquinio il Superbo (534a.C.~509a.C.) エトルリア人

 

前半(1~4)は主にサビーニ人の王(re sabini) 後半(5~7)はエトルリア人の王(re etruschi)でした

建国後に女性が不足したこことから ロムルスがサビーニ人をゲームに誘い出し 女性を拉致するという「サビーニ人の略奪(il ratto delle Sabine)」が起きますが サビーニ人と和解してクイリナーレの丘に定住します 

エトルリア人の王の時代には ファッションも変化し 貴族の家も変化しました 

そして 第7代の王ルキウス・タルクィニウス・スペルブス(superboは傲慢という意味)の横暴な息子が タルキニウス・コッラティヌス将軍の妻ルクレツィアに乱暴し ルクレツィアは自害し 夫と友人ルキウス・ユニウス・ブルトゥスは王に復讐し王は亡命 こうして509年王政が終わり 共和制が始まりました 

このルクレツィアの肖像画は永遠の都ローマ展で見られます 

 

                         *     *     *

 

第3部:『カピトリーノ美術館と代表作品 』 I Musei Capitolini e le opere piu‘ importanti 

 

      カピトリーノ美術館/i musei capitolini

 

そしてカンピドーリオの丘(il Campidoglio)に カピトリーノ美術館が建てられることになりました

ここには紀元前345年 ユノ・モネタ(Iuno Moneta)の神殿が建ち のちに貨幣の鋳造が行われました(monetaは貨幣という意味)

ガリア人のローマ侵入を神殿で飼っていたガチョウ(oca)が告げたため 「忠告する」という名を付され カピトリーノ美術館にもガチョウを称えた部屋があります

そして ミケランジェロカンピドーリオ広場の再設計(1538)をしたことや 1471年12月15日に 教皇シクストゥス4世Papa Sisto Ⅳ(本名フランチェスコ・デッラ・ローヴェレ(Francesco della Rovere)が ローマ市民に古代彫刻6点*を寄贈したことをきっかけに  世界最古の市民のための美術館としてこのカピトリーノ美術館がクレメンス12世(Papa Clemente Ⅻ)によって1734年に一般公開されたことをお話いただきました

    *  カピトリーノの雌狼/La lupa capitolina,   カミルス/ Camillus, コンスタンティヌスの巨像/il colosso di Costantino(頭部、左手),    球体(世界)/il globo ,棘を抜く少年/Lo Spinario

 

またこの美術展でぜひ見ておきたい作品の数々をご紹介いただきました

皇帝の描き方に変化(古典的スタイルから現実的スタイルに)が見られたことや 古代ローマの女性の髪形の変遷(シンプルからカール髪のかつらに)等々...  とても盛り沢山のセミナーでした💕

                                 *     *     *

永遠の都ローマ展」の作品ビデオは こちら ← これによると 「カピトリーノのヴィーナス(La Venere Capitolina)」像イタリアを出ることはおそらくもうないだろうとのこと😲 

LCI文化セミナー「永遠の都 ローマ(Roma, la città eterna)」は こちら 

すばらしいセミナーを開催してくださいましたLCI様に 心よりお礼申し上げます   

また来年も楽しみにしております😊

 

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Giovanni Piliarvu 写真展『Echi -エキ- 島の響き』に行ってきました(2023.10.18~10.26)@東銀座のCO-CO PHOTO SALON

2023年10月22日 | イタリアの美術館・博物館

Giovanni Piliarvu 写真展『Echi -エキ- 島の響き』に行ってきました(2023.10.18~10.26)@東銀座のCO-CO PHOTO SALON

 

長いお付き合いの サルデーニャ出身のカメラマン Giovanni Piliarvu氏の写真展に友人と行ってきました😊 

Giovanni Piliarvu 写真展『Echi -エキ- 島の響き』

会  期 2023.10.18[水]-26[木]
     OPEN 11:00-18:30
     ※10.22[日] 定休日 / 最終日は17時まで
会  場 CO-CO PHOTO SALON
     東京都中央区銀座3-11-14 ルート銀座ビル 4F
     Phone / 03-3542-7110
協  賛 マルマン株式会社 Canson Infinity
主  催 Island Gallery

 

大陸のような島々がある。日本やイギリスのような。
そして、世界隅々にある島々。辺境で、孤立し、どこかで忘れ去られている。 人里離れているからこそ、発見する喜びがある。
グローバル化した世界とは異なる感触を持つ場所へと、窓を開いてくれる。 この展示会では、2 つの島々を選んだ。サルデーニャとアイルランド。
一見、正反対の場所に思えるが、真実は違う。 辺境の状況、孤独な形態、そして先祖の力の強い存在を共有している。 遠い昔の文明と自然の組み合わせ。                      (Giovanni Piliarvu)

       *    *    *

パンデミック前に語学学校で開催されたサルデーニャのセミナーに出て以来 Giovanni先生とお会いするのも久しぶりです 先生は時折NHKラジオイタリア語講座にも出演されています 

最初 行く前は "Echi"って何だろう?と思っていたのです 

Echi?  駅?  ← まっさかねぇ~(笑)

それが会場を訪れてみて氷塊しました!

Eco (響き、エコー)の複数形が Echi なのですね!

サルデーニャとアイルランド この2つの島が互いに響き合って織りなす

エコーと言うことなのですね😊

 

一緒に行った友人が 「Veglia al Crepuscolo」(日の出前)という作品を購入し 一緒に写真を写しました📸   

色々迷ったけど 夜明け前の輝きが美しく 部屋に飾っても落ち着けるということで😊 

また 先生からは加工前のオリジナルの映像や写真まで見せていただき眼福~💕

私はといえば もう何回も写真展を観に行っていますが 2017年の写真展で 世界遺産でもあるシチリアのシクリ(Sicuri)の写真を初めて買いました📸

そのあと Libisco銀座店でピスタチオとパンプキンのジェラートを食べておしゃべりしてから 銀座をぶらぶら歩き 鳩居堂で寅年のお年玉のポチ袋を買って帰りました~ ← 来年から孫にお年玉やらないと~😲

 

  ピスタチオとパンプキンのジェラート

歩行者天国の銀座も久々に楽しんできました😊

  銀座のシンボル時計塔が期間限定でミッキーマウスに模様替え!

 

Giovanni Piliarvu 写真展『Echi -エキ- 島の響き』の写真展は こちら (2023.10.26まで)

作品は こちら 

 

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セミナー「古代美術とローマ市民ーー教皇シクトゥス4世の寄贈からローマ首都宣言にいたるまでのカピトリーノ美術館」に行ってきました(2023.9.13)@イタリア文化会館

2023年09月18日 | イタリアの美術館・博物館

セミナー「古代美術とローマ市民ーー教皇シクトゥス4世の寄贈からローマ首都宣言にいたるまでのカピトリーノ美術館」に行ってきました(2023.9.13)@イタリア文化会館

 

ようやく涼しくなりかけた9月 ひさびさにイタリア文化会館に行き クールでポップでちょっとレトロな都会感覚を日本人&イタリア人のコミックアーティストが描いた「TOKYO ARTE POP トーキョー・アルテ・ポップ──江口寿史×ルカ・ティエリ展」を見てきました

 

  開催中の「トーキョー・アルテ・ポップ」展

 

 作品の数々💕

 

そのあと  6時からのセミナー「古代美術とローマ市民 ――教皇シクストゥス4世の寄贈(1471年)からローマ首都宣言(1871年)にいたるまでのカピトリーノ美術館――」を聞いてきました

ちょうどこの土曜日からの「永遠の都ローマ」展(東京都美術館/上野)開始に合わせての開催で 会場は満席も満席です! 

       *     *     *

立教大学文学部の加藤教授による「イントロダクション:象徴的な場としてのカピトリーノ」に続いて ローマ市文化財監督官プレシッチェ氏の専門的な内容のセミナー「古代美術とローマ市民――教皇シクストゥス4世紀の寄贈(1471年)からローマ首都宣言(1871年)にいたるまでのカピトリーノ美術館」を聞きました 

イントロダクションでは 古代における政治・宗教の中心としてのローマとして 7つの丘 紀元前の神殿の数々 カピトリウム*はキャピタルの語源 西暦78年にTabularium/タブラリウム(古文書館)の跡が発見されたこと等を伺いました 

* ローマの7つの丘の1つ、カピトリーノの丘に建つこの美術館は 一般市民に公開された美術館としては世界最古のものと言われています 

カンピドリオ広場の奥正面は市庁舎 右にはパラッツォ・デイ・コンセルヴァトーリ(コンセルヴァトーリ宮殿) 左にはパラッツォ・ヌオーヴォ(新宮殿)が建っています (Wiki)

 

ユピテル神殿は キリスト教の広がりとともにやがて機能を停止し破壊されたこと 古代建築の再利用について 初期中世においては 巡礼者のランドマークとなったことなど

そして世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられるカピトリーノ美術館のはじまりは ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世 Papa Sisto Ⅳ(本名フランチェスコ・デッラ・ローヴェレFrancesco della Rovere)が 1471年にローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼることを伺いました 

そして このカピトリーノ美術館とフォロ・ロマーノを天正遣欧使節が訪れ また岩倉使節団が訪れてから今年が150周年であることも知りました

   *     *     *

続く ローマ市文化財監督官プレシッチェ氏のスピーチはとても専門的なもので 通訳の方は疲れも見せず秀逸でした😊

建物内部が美術館として公開されるようになるのは1734年 クレメンス12世の時のことでしたが (アルバーニ枢機卿から多くの美術品を買った) これは一般市民に公開された美術館としては世界最古の事例とされています  

 ピウス2世(Pio Ⅱ)が 古代遺跡を破壊することを禁じたこと その際 コロッセオの切り石を聖ピエトロ寺院に使ったことは免除したこと それでも古代遺跡の不正流出はあとを絶たなかったとのこと

ローマ誕生のシンボルでもある有名な雌オオカミ(la lupa)のブロンズ像は カピトリーノ美術館のコンセルバトーリオ宮(Palazzo dei Conservatori)に保存されています

また 今回のローマ展で展示される数々の作品についても 多くの写真とともにご紹介いただきました 

棘を抜く少年(spinario)←人気で多くのコピーが作られたそうです コンスタンティヌス大帝の巨像の頭部(Colossale di Costantino I 下の写真)や ルーブルで発見された左手(同左)  サビーニ人の略奪の石棺等々... 

カピトリーノのヴィーナス(la venere capitolina)は 今回は東京会場のみとのこと...

  コンスタンティヌス帝の頭部と手

パラッツォ・ヌオーヴォ(新宮)の再整備や語源(サピエンツァ)について  

16世紀のカンピドーリオの丘*は マルクス・アウレリウスの騎馬像(statua equestre di Marco Aurelio)を中心に置いて作られたこと 

* この丘の上にあるカンピドリオ広場は 16世紀半ばにミケランジェロの設計で整備されたもの(Wiki)

新しく彫像を創るのではなく 台座を創り名を刻むのが主な仕事となった コンセルバトーリ(保存修復家)の活躍等について  

パラッツォ・ヌォーヴォ (新宮)の元の名はサピエンツァであること

外観も内部も機能性を保った合理的な建物であること 17世紀に44体の彫像を新たに買い付けたり エジプトの作品の部屋がある等の説明をいただきましたが ナポレオン時代に多くがフランスに流れてしまっていたそうです

   *     *     *

ともあれ カピトリーノ美術館は それまで個人宅にランダムに置かれていた貴重な古代彫刻等の作品を収め ローマの栄華を増し 若者に美術教育を施し 学術的・年代順に作品を展示することで 他の美術館のモデルとなっていったこと またグランドツアー等で 多くの美術を志す若者たちがこぞってカピトリーノ美術館を訪れたこと 18世紀に出された初のカタログの映像や アカデミア・ディ・サン・ルーカとのつながり等について 

1838年にグレゴリウス16世が管理権を返還し 1871年にローマ首都宣言がなされ カピトリーノ美術館と命名されたこと等を 貴重な画像とともにご紹介いただき 割れんばかりの拍手とともに終了いたしました 

この「永遠の都ローマ」展は カピトリーノ美術館の所蔵品を中心に 建国から古代の栄光 教皇たちの時代から近代まで 約70点の彫刻 絵画 版画等を通じて 「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介するものです

セミナー「古代美術とローマ市民」は こちら

参考:   「イタリアの都からローマのカピトリーノ美術館」(イル・チェントロのオンラインセミナー/2023.9.17)

このセミナーでは 講師のおすすめとして Centrale Montemartini という 元発電所に移動美術館を作り そのまま別館となった美術館をご紹介いただきました via Ostienseにあり少し離れています それと 昔はブロンズ像が多く金メッキ像はレアで4体のみだったとのこと 

素晴らしいセミナーを開催してくださいましたイタリア文化会館様に心よりお礼申し上げます

* この後 吉祥寺LCIのセミナー「永遠の都ローマ」(10/22, 25)にも申し込んでおります😊 ← リポートは こちら

*プレシッチェ氏のインタビュー『「建造物にも集団的記憶」 「永遠の都ローマ展」監修者に聞く文化財保護』は こちら

 

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講演会「新古典主義時代のローマ」を聞きに行きました(2023.6.13)@イタリア文化会館

2023年07月12日 | イタリアの美術館・博物館

講演会「新古典主義時代のローマ」を聞きに行きました(2023.6.13)@イタリア文化会館

 

9月から開催される「永遠の都ローマ展」(於東京都美術館)にちなんだ「新古典主義時代のローマ」という講演会を イタリア文化会館に聞きに行きました:

イベント要旨:

 18世紀のローマは変化し続けていました

当時の教皇たちはカトリック教会の普遍主義を広め  教皇庁の権威を高めるために町のインフラを近代化し  建造物を修復し  古典古代を規範とした芸術を普及するという野心的な計画に着手しました

その革新的な取り組みは 公的な博物館の建設や 絵画  彫刻 建築などの国際コンペなど さまざまな分野に及びました

その結果  ローマは新古典主義の中心地となり  グランドツアーの主要な目的地となりました

各国から芸術家  旅人  文人が訪れ  なかには長期滞在した人もいました

その間  教皇庁の宗教上や政治的な意図にもかかわらず  ローマの町は世俗化し  そのイメージは大きく変化したのです

この講演会では18世紀初頭からナポレオン時代までの 町に関わる主要なプロジェクトや 社会の変化を分析・検証し ローマのイメージの変遷を辿りました

 

 

永遠の都ローマ展より: 

永遠の都ローマ  ――  二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は  古代には最高神をまつる神殿がおかれ  現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました

その丘に建つカピトリーノ美術館は  世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます

同館のはじまりは  ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世が ローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります

古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻   またローマの名家からもたらされた絵画など  その多岐にわたる充実したコレクションは   古代ローマ帝国の栄光を礎に  ヨーロッパにおける政治  宗教  文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます

    *      *      *

 

この講演会はまず ローマのカピトリーノ美術館(il museo Capitolino di Antichi)の紹介から始まりました 

Clemente XⅠⅠ(クレメンス12世)が1734年に美術館として公開した (一般市民に公開された美術館としては世界最古の事例とのこと)カピトリーノ古代美術館)には古代の彫刻等が置かれており 真の公共施設でした 

中でもアレッサンドロ・アルバーニ枢機卿(cardinale Alessandro Albani)のコレクションは 9月のローマ展でも観ることができるでしょう

 

次に1771年に建てられた Museo Pio-Clementino in Vaticano (バチカン内のピオ・クレメンティ美術館)に移ります 

これは クレメンス14世とピウス6世のコレクションによる美術館で ローマ皇帝や ローマ神話の神などの古代彫刻のコレクションが見られます ラオコーン像が有名ですね

18世紀の教皇たちは古代の発掘を促進させました  インフラを近代化させ 「ペテロの優越」(主キリストがペトロに与えた権威は永続的なもので   ペトロの座を引き継いだ者はキリストに由来する権威を保持し  全教会に対する首位性を有する」とする)というメッセージを送り 教皇たちは世俗の君主としての権利を誇示してゆきました 

 

次に ローマ共和国(Repubblica Romana/1798-1800)  フランスからナポレオン軍が侵攻し 教ピウス6世はローマから追放されてしまいます 

ピウス6世はトスカーナに亡命し ローマにおける教皇の世俗支配は崩壊しました

18世紀のローマは 古典的遺産の博物館と化し 世俗化してゆきます 啓蒙時代から革命の時代へと移ってゆきます

  *      *      *

Le grande città dell'Europa occidentale  西ヨーロッパの大都市

ローマの18世紀初頭の人口は 約140万人でした 

トラステヴェレには貧しい人々が集まり 製造業も特になく 1764年には大きな飢饉が起こりました 18世紀のラスト30年にはインフレも起きました

次はインフラの近代化です トレビの泉 スペイン広場の階段 Porto di Ripetta(今はありません)リペッタ港  granaio(穀物倉庫) Piazza di Sant'Ignazioの市民住宅等...

クイリナーレ宮殿前にあるPalazzo della Consulta  Kaffeehaus al Quirinal

公共施設としては  Braccio nuovo   ospedare s. Spirito(トラステヴェレ)  Ospedale   Galliccino (トラステヴェレ) 等...

 

そして宗教施設としては Sagrestia di San Pietro (建築家Carlo Marchionni サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂(Giovanni di Laterano )(Niolo G) 

chiesa di San Teodoro al Palatino    S. Pietro e Marcellinoなど...

 

文化インフラとしての図書館では biblioteca Casanatense(カサナテンセ図書館 )  biblioteca Lancisana(l'Accademia Lancisiana)など

そして 芸術文化インフラとしては カピトリーノ美術館 (Musei Capitolini) の公開図書館 

Scuola del nudoという裸体像の学校もあり 9月のローマ展でも観られます

芸術面では 古美術が盛んで romanitas(ローマらしさの証)というコンセプトが主要な点となり ファルネーゼ メディチ バルベリーニ家などが 古美術を集めていったことは有名ですね

 

  *      *      *

 

次に グランドツアーです

J.J. Winckelmann という古美術商は 1755年からローマに長期滞在し Alessandro Albani枢機卿という最大のコレクターに仕えるようになりました  

発掘そして修復といった古代マニアのメンバー達が ローマからの流出を防ぐために "美術館を開きたい"と情熱を傾けてゆきました 

出版物や版画も 自前のローマ印刷術によって普及してゆきました

 

コロッセオは 異教からキリスト教への流れを示しました ここはローマ時代の殉教の場所でもありました 

Museo Sacro in Vaticanoは ベネディクト14世によって造られた初期キリスト教美術館(バチカン)です 

 

   *      *      *

La Roma del Grand tour グランドツアーのローマ

 

ヨーロッパの上流階級がこぞってローマを訪れ 観光がファッションのようになりました

la Vita degli artisti a Roma  ローマに芸術家たちの共同体ができてゆきました 奨学金制度もあったのですね 1666年のフランス・アカデミーの3年間の奨学金などとのこと

画家のPompeo Batoni  Gain Hamilton    Anglika Kaufmann  

彫刻家のBertel Thorvaldsen   Antonio Canova等が滞在しました 

1789年のローマの人口は 16,3万人と少し増え 流出よりも流入人口が多かったとのこと 女性の数も微増しました 

グランドツアーの人たちとは サロンやシアター 遺跡見学等で会えるようになり 宗教色は消えてゆきました 信仰と世俗化に溝ができました

 

1789年に起きたフランス革命のあと 1798年 世俗(laica)のローマ共和国(Republica romana ) (1798年~1800年)が生まれ ローマにおける教皇の世俗支配は崩壊し 教皇は追放されましたが 1800年6月にローマ共和国は廃止され 教皇国家が復活しました

 

ナポレオンのローマ」を標榜し 教皇庁から多くの宝物がフランスに ルーブルに持ち去られてしまいました 貧困化し人口は12万を下りました 

Scavi di fori (フォロ・ロマーノの発掘) テヴェレ川岸 クイリナーレ宮殿 アッピア街道等 ローマは世俗的な帝国となってゆきました

1815年のナポレオンの敗北のあと 聖なるローマ世俗のローマが区別されてゆきました 

citta' musealizzata (美術館のような街)として 古代 中世 バロックのローマの発見がなされてゆきました

        *      *      *

続く質疑応答では ローマのモニュメントと木々の緑について フランスの侵攻によって教皇は追われたが宗教はなくならなかったことについて ナポレオンは古代ローマ帝国をモデルにしたが イタリアは人文主義の国で liceo classico(古典学校)がある等が語られました

9月のローマ展が楽しみです😊

 

講演会のお知らせは こちら

 

永遠の都ローマ展」は こちら (2023. 9.16~12.10)@東京都美術館

 

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シンポジウム「イタリア都市史研究への挑戦-その軌跡と展望」を聞き「イタリア玩具の世界」展を観てきました(2023.7.7)@イタリア文化会館

2023年07月08日 | イタリアの美術館・博物館

シンポジウム「イタリア都市史研究への挑戦-その軌跡と展望(Una nuoa visione della storia dell'urbanistica italiana ー Tracce e prospettive)」を聞き「イタリア玩具の世界(Giocare a regola d'arte)」展を観てきました(2023.7.7)@イタリア文化会館

 

この日の午後は5時間にわたる イタリア都市史研究に関する9人の若手研究者たちのシンポジウムを 満席となったアニェッリ・ホールにて聞き 少し早く抜けてから エキシビション・ホールで開催中の「イタリア玩具の世界」展を観てきました:

 

シンポジウムは 陣内先生の教え子の方達等が なぜこのテーマを研究し 事例をどうとらえ どんな方法論を取ったのか また今後の展望等をそれぞれ発表し それについてコメントをいただくという形式で進められました

ルッカ シエナ フィレンツェ ヴェネツィア またオルチャ渓谷プーリア アゾロ等の街を 古代と中世 ルネサンス期 近代 そしてテリトーリオに分けて研究されている若手研究者の方達の発表を それぞれの学生たちが遠方から聞きに駆けつけ アニェッリ・ホールは満杯でした!

 

なぜこの街を研究対象に選んだかというエピソードの中で 私が一番興味を惹かれたのはヴェネツィアです

ヴェネツィア以外のすべての街は 地図を手にどこへでも行かれたが ヴェネツィアだけは 地図を手に歩いても歩いてもなかなか目的地にたどり着けない 道にある「リアルト橋はこちら」「サンマルコ広場はこちら」という「→(矢印)」と地図を頼りに(グーグルマップもない時代!)ようやく目的地にたどり着いたエピソード 

そしてそれが この街に住みたい!との強い思いとなり ヴェネツィアの都市研究の道を選んだというお話を聞き 自分も若い頃地図を頼りに 現地のお年寄りに助けられながら3日間 ラビリントの街ヴェネツィアを歩き回ったことを思い出しました

また ヴェネツィアの街にかつてあった劇場を調べた時の苦労談で 図面も写真もまったく現存していないため 古文書館等に足繁く通い 契約書 相続書類 出演していた役者のメモのような手紙まで調べ尽くして研究を仕上げた話 しかも担当者に中に入れてもらえず 何度も何度も足を運んで顔を覚えてもらい ようやく貴重な一次資料を見せてくれるようになったというお話を聞き 研究者の資料収集のご苦労に感じ入りました

 

また 学生たちに地史学を教える中での副産物もあったそうです 自分の地元を研究しようというテーマを出し コロナ禍でなかなか学業が進まず苦労していた学生たちが 親や祖父母に地元の話を聞くようになり協力を得て 研究も進み 親子の中も改善したというエピソードに大変感銘を受けました

また今はイタリアでは 昔の時代の建築学や都市研究はほぼ出尽くしており 新しい本も出なくなり円熟しきっており ここ最近はテリトーオやテロワール等が旬のテーマであり ずいぶん変わったとのこと 

ラストはテリトーリオがテーマでしたが 長丁場でもあり 以前聞いたことがあったので そのまま図書室に立ち寄り 「イタリア玩具の世界」展を観て帰途につきました

   *     *     *

イタリア玩具の世界(Giocare a regola d'arte)」展を観ました

年をとるから我々は遊ばなくなるのではない。 遊ぶのをやめるから 我々は年をとるのだ。」(G.バーナード・ショー)とのパンフレットの冒頭の言葉にあるように かつてイタリアで愛されていた数々の玩具が沢山展示されておりました

 

昔の時代のイタリアの玩具の展示 中でも「個人蔵」が多くあり コレクターも貴重なのね~と再認識😊

ブリキのおもちゃは 私も小さい頃遊んだこともありとても懐かしかったです ピノッキオ(Pinocchio)は様々な種類の本や人形がありました

トッポ・ジージョ(Topo Gigio)はイタリア生まれなのですよね🐭 

 

    なつかしいカリメロ(Calimero)にトッポ・ジージョ💕

 

   フェルトの人形にメリーゴーランド用のVespa

 

シンポジウム「イタリア都市史研究への挑戦-その軌跡と展望」(2023.7.7)のお知らせは こちら

イタリア玩具の世界」展(2023.6.28~8.23)のお知らせは こちら

 

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