[絵はレンブラント作]
ナショナルジオグラフィック誌2017年12月号は、イエスの本当の姿を追うというテーマで特集記事を掲載した。英語の世界では雑誌が時折り聖書やキリストについて特集を組むが、この記事は最新の考古学がどんな新しい知見をもたらしてくれるかに焦点を当てている。
それは聖墳墓教会の発掘が進む過程で、実際イエスの時代にユダヤ人墓地があった場所にこの教会が建てられていることが分かった、と記者クリスティン・ロミーは述べる。私は20年前の1998年末日聖徒のグループと聖地エルサレムを訪ねた時、聖墳墓教会を訪れていた。しかし、極東から来た異邦人の私は旅行者の感想以上に出ることはなかった。内心、へえー、本当にここに葬られているとは信じられないと思いながら礼拝堂内を通り抜けて行ったのである。
[聖墳墓教会、Internet から]
今、記事と図解された、何層かの構造からなる建物の様子を見て、イエスの墓の上に建てられたという伝承の真実性を感じている。丁寧で詳細な図を始め、よくまとめられた資料は手許において今後の研究に役立つと思う。貴重な記事である。
なお、記事はJ.D.クロッサンなど数人の学者たち、特に考古学者の声を引いてイエスが実在した人物であると結論している。
*記者の Kristin Romey は Texas A&M 大学の大学院で考古学、海洋考古学を学び、現在ナショナル・ジオグラフィック誌の編集員、記者。担当分野は考古学、古生物学。
今回の調査で新たな事実が判明したわけですが、その墓所に本当にイエスが埋葬されたのか、それとも他の場所なのか? まだまだ明らかにするべきことはあると思います。
これから先の調査で事実が完全に明らかになるとは言い切れませんが、他に墓所が無ければこの教会の下に埋葬されたこという伝承は事実に基づくものと解釈しても良いのかもしれません。
今の世にあって過去の事実を証明することは非常に困難で、推測の域を出ないこともあるのでしょうが、調査によって、聖書の世界がより明確になっていくことは歓迎すべきことと感じます。
2000年前の遺跡が確認され、(別の場所が本物としても)同時代の信者たちの営みに迫っている、という視点が得られました。
図書館から借りて見て、昨日ネットで注文(中古)した次第です。
大昔からこの場所が埋葬地という伝説はあるそうですが、今回の調査で伝説が事実に近くなった気がします。
園の墓にイエスが埋葬されたという人もいるようですが、こちらは7世紀ごろのお墓ということです。
本当のことはまだまだ分かりませんが、信仰者にとってはイエスががさらに近く感じられる発見となったかもしれません。