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今年8月ジェラルド・アーゲットシンガーは、ゲイの末日聖徒を描いたフィクション作品集「末ゲイ聖徒」(Latter-Gay Saints) を発表した。彼は自身がゲイである。1960年代にオレゴンで育った彼はそのことで辛い思いをしたことはなかった。しかし、’65年にBYUでウィルキンソン学長がそのような傾向のある者は出てきなさい、授業料を返還すると言うのを聞いてショックを受けた。幸い演劇専攻の彼は一カ月後デンマークへ伝道に出かけることになった。伝道中、使徒のハンター長老(後に大管長となった)が訪問したので、自分はゲイであると相談した時、ハンターは若い宣教師に「大丈夫、ただ自分の気持ちは自分の内に留めるように」と忠告した。それがその後50年間のあり方を決めることになった、とアーゲットシンガーは言う。幾人ものモルモンの指導者が個人的に受容してくれたが、公には認められなかった。
彼は、それがこの作品集発行によっても変わるかもしれないと見る。作品集は25篇の短編と4篇の脚本を納めている。それぞれゲイであることが家族や教会の中で、伝道に出ることに関して、また神に対してどう感じるかを描いている。どの小品もlds教会の公的な立場を代表するものではない、しかし、私たち性的マイノリティの人生、希望、切実な願望を表している、と序文で書いている。フィクションで描かれた各作品は、同性愛の会員が公然とではなくても以前から存在し、教会の社会で受け入れられていたことを証言している。このような本を刊行できること自体が、新しい時代の夜明けを象徴するものと著者は感慨深く述懐している。
lds教会は昨年12月、「モルモンとゲイ」という名のサイトを立ち上げ、同性同士が惹かれ合うことについてより弾力的なトーンで取り組み始めている。mormonsandgays.org
*LGBT=Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender. 女性同性愛のレズビアン、男性同性愛のゲイ、両性愛のバイセクシュアル(人が男女両性に心を引かれる)、性同一性障害を含む肉体と精神の性別が一致しないトランスジェンダーの人々の総称。
ニュース源 Aug. 2, 2013 Salt Lake Tribune, Writer sees growing acceptance of LGBT within Mormon faith
参考記事
当ブログ 2011/07/20 同性愛・・同志社大小原(こはら)教授の解説
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